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めぐみさん拉致から40年

2017-11-18 04:21:39 | Peace Cafe

めぐみさん拉致から40年が経過したとニュースで流れている。拉致は数十人に及んでいる。私が金沢に住んでいた、45年前には海岸ではそういう噂は良くされていた。一人で海岸など歩いていると、朝鮮の秘密工作員に捕まるよ、と何回か言われたことがある。あれは警察の人だったのだろうか。内灘辺りをよく歩いていたわけだ。実際にそういうボートが乗り捨てられていた事件も頻繁にあった。工作員が山に逃げ込んだので注意してくださいというような、放送を聞いた経験が門前であった。金大中氏が日本から拉致された事件でも、警察は把握し追跡をしながら、指示を受けて何もしなかったと言われている。日本政府のそうした、意味不明の対応が40年という長い年月の経過を産んだのではないか。曖昧模糊とした闇の様な対応が、現在の北朝鮮という化け物国家を生み出した一つの要因かと思う。拉致の問題は45年前には十分に警察は把握していたと思われる。それを表ざたに出来なかったことには何か事情がある。朝鮮半島の植民地化の歴史と、外交の方針。

一方その前の時代には朝鮮半島からの亡命が相次いだ。私の親しくされている方も、日本から一度戻り、今度は機関銃で撃たれながら、命からがら2度目に日本に脱出できた人がいる。差別と対立が、朝鮮問題には横たわっている。それは明治日本帝国主義の歪みのようなもののが根深く潜んでいる。西欧コンプレックスがアジア人差別意識に変容する。日本が当たり前の国になれなかった特殊な意識である。天皇を必要以上に崇める姿勢。日本人という民族に対する特別な自意識。靖国神社にどうしても参拝したくなる背景。徐々に薄れてきてはいるが、まだ明治政府の後遺症は残っている。日本の保守層にはまともに世界を見ることができない、色眼鏡が残っている。中国を仮想敵国にしてきたアベ政権。沖縄の米軍基地に縋りつき、八重山諸島に軍事基地を強化しないではいられない意識の裏側にあるもの。先日も、石垣に自衛隊を配備しなければ、中国軍が攻めてくるという恐ろしいデマの集会を開いた。元自衛隊関係者で、その様な誘致の運動を展開している。

トランプアメリカが中国を懲らしめてくれると、大いに期待してきた。こうした歪んだ日本人の意識が、北朝鮮をここまで増長させることになった。政府は拉致事件を反朝鮮意識として感情的には取り上げた。しかし、国を挙げて北朝鮮と戦うというところまでは行えなかった。今になって経済制裁の強化と言ってはいるが、これまでどれだけ日本からの資金がミサイル資金になったのであろうか。原爆開発に繋がっていることかと悔しい思いである。もっと早くから、経済封鎖に日本は踏み切ることが出来なかったのかと思う。6か国協議がいかに無駄なことであったのか。中国に対して、拉致問題を強く働きかけることは出来なかったのか。確かに難しい、解決困難な事件ではある。それにしてもまったく効果を上げるような対応はできていない。そして、一方ではくすぶり続ける在日朝鮮差別である。拉致問題の日本政府の対応は明らかに失敗である。その失敗が今日の狂気の北朝鮮を作ったのだ。

日本のテレビ評論家の多くは中国経済が崩壊の寸前であると、つい先日まで叫んでいた。それが日本国民に受ける主張だからだ。日本人はいまだ近隣国家の豊かさを受け入れられない歪みがある。北朝鮮も経済関係が活発化し、互恵関係になっていれば、あそこまでの狂気には走らないはずだ。なぜ日本人を拉致しようとしたのか。この不可思議な狂気である。想像ではゆがんだコンプレックスの異常な増殖を感じる。圧迫を受け続けた結果、おかしな意識に陥ったのではなかろうか。解決は平和外交以外にない。アベ政権の希望に反して、トランプアメリカは中国を懲らしめてくれるどころか、経済関係を強めるはずだ。トランプは商人的感覚だから、中国と対立するより仲良くした方が得だという事に行き着くはずだ。アメリカ経済はかなりの部分が中国依存なのだ。日本にもそういう部分もある。韓国もかなり中国に依存している。こうしたことを考えれば、良い経済関係を作ることは平和外交でもある。良い経済関係の原点に観光客の交流は重要だ。石垣に自衛隊を配備するより、互いに行き来しやすいアジアとの交流地点になることになれば、中国が攻めてくるなどという不安を解消できる。

 

 

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