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水牛で田んぼを作る

2023-09-23 04:33:48 | 楽観農園


  最初はこんな状態だった場所を、水牛を使い田んぼにした。3日間かかった。ほとんどは干川さんがやってくれた。水牛の能力に改めてびっくりした。干川さんの能力にもまたもびっくりした。私など2,3回もやるとへたってしまうのに、干川さんは長時間作業が出来た。さすが、石垣島で開墾生活をした人は違う。

 「のぼたん農園」では今回1番田んぼを、まったく新しい田んぼに作り替えた。前の田んぼの3倍くらいに広げたのだ。この時に、田んぼに深いところがあって、トラックターでは入れないような深い状態になってしまった。もし出られなくなれば困るのでトラックターを使わないことにした。

 トラックターでは入れないのであれば、水牛で田んぼを作るほかないと言うことで、干川さんにお願いして、水牛で田んぼを作ることになった。今までも水牛は使ってきたのだが、今回は水牛を本格的土木工事的な農作業に使うと言う、初めての経験になった。

 土の荒起こしから、水田の均しまで行った。まず堅いところを水牛で鋤を引かせて柔らかく耕す。これがまず大変な作業だったのだが、ステンレスで出来た鋤を作り直すところから干川さんがやってくれた。実際の作業は水牛に引かせる鋤の方向を、右や左に調整する。


 これがなかなか難しい。一度通ったところに鋤が入り込みやすい。狙いを定めて、鋤の方向を定める。鋤の棹を立てると深く起こせることになり、倒すと浅くなる。倒して行きたい方向に、押していって方向を変えるのだが、これがかなり難しかった。

 水牛もなかなか思い通りには動いてくれない。何度もやっている内に水牛が学習して、高いところを耕すと言うことを理解する。干川さんは一人水牛を制御しながら、鋤の調整も出来る。私は鋤だけを使うのだが、それでもなかなか思い通りには出来なかった。

 柔らかくなった土壌を高いところから低いところに土を移動する。今度は土を運ぶ板の道具で押し立てて土を運んで行く。これも、硬いところや石に阻まれて、なかなか上手く土を削ってすすめない。何度も何度も土を削る板に体重をかけて水牛に引かせる。

 水牛はあまりに重いと動けなくなる。適度な量の土壌を削って運ぶのだが、10回くらいやると、暑さで息が切れて、心臓がバクバク言い出す。そこで休ませてもらって、また挑戦を繰りかえして行く。これが3日間の作業が続いた。由美子さんの方が私よりも頑張れた。

 田んぼを作るという作業はなかなか厳しい物だった。水彩人の2週間で身体がなまってしまった。2週間も身体を使わないと、戻るのに相当時間がかかる。私は手伝いの範囲ではあったが、貴重な楽しい体験であった。全力で身体を使い働くほどの愉快はない。

 1番田んぼは私の担当の田んぼなので、余計に力が入ったかも知れない。これから動ける間は、この田んぼが私の食べるお米を作る場所になる。水牛のサクラが私のために田んぼを作ってくれたのだと、そう考えるだけでも嬉しくなる。

 サクラは鋤作業をやった後、土を運ぶ道具に変えたときに、鋤をやる方向に動いた。学習しているのだ。それは違う、土を運ぶのだと2回ほど教えると、今度は土を運ぶ動作になった。サクラは何をやるかを学習して、判断して動いている。水牛の頭の良さには刮目する。



 水牛は作業をやらされることを嫌がっては居ない。放牧地に居るときよりも、むしろ生き生きとして作業をしているように見える。もし嫌なのであれば、あの力なのだから、到底人間が制御できることはない。水牛は一日働いて、満足げに放牧地に戻る。

 休憩時間にはホースで水をかけてあげる。日陰で気持ちよさそうにしている。水牛は穏やかな動物である。東南アジアの農村では水牛が放し飼いにされている場所があるようだ。家畜として水牛が東南アジアで居なくならないのは、水牛が実用的な動物だと言うことだ。

 トラックターがあっても、やりにくい沼のような田んぼは入ることが難しい。水牛は腹が泥につかるほど潜っても何とか、田んぼの中を歩くことが出来る。脚の先が広がって潜ることを止める。人間が腰までつかりながら、作業をすることになる。人間の方が歩けない場所でも、重い土をその中でも引っ張って進む。

 何しろ炎天下、強烈な陽射しなので、水牛はしばらく作業をすると水につかって身体を冷やす。身体から湯気が上がる。ゼイゼイと息も絶え絶えになる。しかし、水の中でしばらくゴロゴロしていると、また動けるように戻る。すさましいほどの体力である。

 のぼたん農園は、伝統農業の農園である。水牛の作業を後世に伝えて行く農園でもありたい。家畜を飼うと言うことは、水牛に働いてもらわなければ、ならない。水牛は働くことを楽しみにしているくらいだ。朝作業をやるぞと放牧地に行くと、どこか喜んだように付いてくる。

 一日作業が終わると、誇らしげに放牧地に戻る。戻ると仲間達が、戻った水牛におかしいほどすり寄ってくる。働いた水牛がうらやましいと言うことなのか。よく働いた、よく働いたと、尊敬の念を示しているかのように、しばらくは離れないで歩いている。
 
 小さいノボタンも先日作業をさせたならば、初めてなのに何とか出来た。作業を見せておけば、何をするのかが分かるらしい。親がやったことを真似をするというか、すぐに作業が出来たので、驚いた。鞍を付けると言うことは最初大変だったが、2回鞍の練習しただけだが、何とか作業が出来た。

 だんだんトラックターから、水牛作業に変えて行きたい。水牛の扱いがまだ出来ないもので、現状では干川さん頼りだが、覚えれば二人で組んでやれば何とかなるはずだ。この一年の間に、もう少し干川さんから作業を教えてもらわなければならない。
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