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2024年のひこばえ農法

2024-02-07 03:58:13 | 楽観農園

2月3日の1番田んぼひこばえの様子

 のぼたん農園の自給の稲作の研究目標は「ひこばえ農法」と「あかうきくさ農法」。何も持ち込まない田んぼを作る。あかうきくさによる腐食の増加と窒素固定力を利用してお米を作ることが目標。そして、一度田植えして、3回の収穫を行う、ひこばえ農法と言う省力的な農法である。

 一番田んぼでは「台光」を作っている。8月27日播種。9月23日田植え。11月30日出穂。1月13日に稲刈りをした。4ヶ月かからないでお米が出来た。1番田んぼでは、今ひこばえが出そろったところである。

 台光は西表島で作られている台湾から来たお米だと言われている、栽培した感触では、インディカ米が交雑している品種のように見える。実際には台湾には台光という品種のお米はないようだ。石垣島に台湾の種籾を持ち帰り、作ったことが20年前の琉球新報に出ている。

 西表で6カ所で作られているという「台光」はどうも食べた感じが餅米的であった。餅米が交雑した品種というのがあるのだろうか。今度種籾をくれた人に聞いてみたいものだ。味はまずまずで、もう少しのぼたん農園になじんできて、5ヶ月以上かけてしっかり栽培が出来れば、美味しいお米が期待ができる。


  水を深くしたら遅れて出てきたひこばえ。99%はひこばえが出た。

 作りやすい品種と思えたのだが、8月蒔きの稲はどうも生育に乱れが生じ不調だった。やはり暑すぎる中での苗作りに問題があった気がする。徒長気味に育ってしまった。それでもがっちりした茎の太くなる品種で、120センチまで背丈が高くなったが、太い茎で倒れる兆候はなかった。

 台光の出穂はあまりにバラバラで、最初の方に出てものは鳥に食べられてしまった。早く食べられたイネは、養分に余裕があるのだろうか。ひこばえはすでに大分大きくなっている。50センチくらいまで伸びて、穂も付け始めた株もある。99%の株がひこばえを付けている。

 一方で、やっと脇芽を出した株もある。しっかりした穂を付けた株は力を出し切ってしまうのか、ひこばえを出てくるのも、ゆっくりである。ひこばえの遅れた株でも芽が出そろったところで、刈り戻しをするつもりだ。たぶん、14日を予定している。


 あまり良くない部分。1期作でお米がよくできたあたり。

 昨年のひこばえの田んぼでは、7番田んぼでとよめきを刈り戻した株が一番ひこばえの収量が多かった。味も見た目もまずまずのお米になった。穂もある程度揃った。水の足りなかった田んぼであったが、ひこばえに関して言えば順調だった。ひこばえ「とよめき」の出来は最初の田植え稲よりも、ひこばえ米の方が良かった。

 ひこばえ農法は田んぼ土壌の湛水が続くため、嫌気性の傾向が出来る。田んぼの干しを入れて、土壌に酸素を入れなければならなだろう。全体を通して、間断灌水を強めにやることが必要な農法の気がする。ただ、のぼたん農園では一度ひび割れるほど乾かすと、水が溜まらなくなるので要注意。

 「とよめき」は多収米である点では良かったのだが、ウイルス病が出るのでひこばえの継続ができなかった。ひこばえは病気を広げてしまうので、ウイルス病の出やすい品種では無理なようだ。亜熱帯で湿度の高い石垣島では病気は広がりやすい。その点「台光」は病気の出た兆候はなかったので、一つの問題点はクリアーした。

 鳥に食べられて、あまりお米がなかった辺りはすでに良くなった。
 
 ひこばえ農法はかなり肥料を必要とする農法になる事も分かってきた。田んぼに肥料分が少ないと十分にひこばえが生育できない。十分な穂を付けず、未熟米の青米ばかりの穂になってしまう。将来はあかうきくさが肥料分になり、持ち込まないでも、ひこばえが十分に実るものにするのが目標である。

 現状では、肥料分が明らかに不足しているので、牛糞堆肥よみがえりで追肥をして行くつもりだ。稲刈り前に1回目の追肥をした。20キロ。稲刈り後2回目の追肥。20キロ。面積は2畝ぐらいだ。今回の一番田んぼではこまめに何度も追肥をするつもりで居る。

 刈り戻しが稲刈り4週後の2月11日になるとして、刈り戻しをしたら、またよみがえりを20キロ追肥をしたい。藁もまたかなりの量入ることになるので、あかうきくさがもう少し出れば、よみがえりをへらすことができるはずだ。この辺の兼ね合いを十分に観察すること。


 随分ひこばえが延びた。14日に刈り戻す予定。

 2月11日に刈り戻せば、稲刈りは5月始めになる。1月6日と13日に田植えをした「ミルキーサマー」と同じ時期に収穫できることになる。同じ時期であれば、脱穀機が一緒に使えて掃除が楽だし、無駄も少なくなる。刈り戻したときにもう一度20キロよみがえりをつい肥する予定でいる。

 また草が生えてきたから、コロガシを入れる必要がある。コロガシの入れ方が、ひこばえ農法の重要な要素になると思っている。水の湛水状態が続くので、土を良い状態で維持するためには乾かす事も必要だし、コロガシを入れて攪拌することも重要になる。

 しかし稲は一度大きく成長した株だから、根も田んぼ全体に広がっている。この根を切ることが、稲を弱める可能性もある。と書きながら、むしろ一度根を切り、根を再生させ、稲の老化を止めて、新しい根を出させ再生させる可能性に期待したい。今年は根の状態の変化を見極めて行きたい。


 1地番田んぼの奥に台光を作った苗代があった。その辺りを耕して直播きを2月6日に行う。品種は「のぼたん1号」

 ひこばえ農法では、稲刈り後に再生してくるひこばえの数、つまり分ゲツ数は、田植えをした最初の稲よりも多くなる。分ゲツが多くなる分、穂の充実度が問題になる。1穂辺りの粒数が減る。粒の大きさが小さくなる。粒張りが悪い。青米サナゴが増える。

 やはり、穂ばらみ期に補肥を入れることが重要になる。一期目のお米に劣らない穂を付けるためには、良い土壌の状態が重要になる。十分に肥料分のある土壌でなければ、まともなお米が実ることはない。現状ではそのために、こまめに堆肥の追肥をして行く。

 しかし、それは病気を出す危険性もあるのだから、できるだけ減らして行く。その代替えとして、あかうきくさの繁茂である。あかうきくさが繁茂すれば、追肥の量を減らして行ける。腐植質が増加して、肥料を保持出来る土壌になる。

 品種により、ひこばえの出方が違う。「台光」のひこばえは前の株とは違う場所から脇芽が出てくるものが多い。「ミルキーサマー」は前の切り株の茎の中からひこばえが多く出てくる。これではどうしても葉の数が少なくなる。ひこばえの葉を大きく、十分な数そろえるためには、切り口からの再生でないほうが、望ましい気がしている。

 
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