地場・旬・自給

ホームページ https://sasamura.sakura.ne.jp/

中国政府とWHOの新型ウイルス対策での失敗

2020-02-07 04:27:04 | Peace Cafe

 中国の新型コロナウイルスの感染拡大は、極めて残念なことに大変な状況に至った。新型ウイルスの拡散はもう防げないところまで進んでしまったようだ。これが収束するのは、さらに感染が広がり感染した人が治癒して、自己免疫を確立したときになるだろう。
 
 暖かくなり、湿度も高くなった7月頃ではないだろうか。それまで、感染拡大は続いて、1000万人に近づくような可能性も高い。他の国でも中国のような感染拡大になるかどうかの今瀬戸際にあるのだろう。

 今回の新型ウイルスは深刻な病気ではない。適切な対応をすれば、インフルエンザと同程度の病気だ。中国の致死率の高さは感染者の実数を把握できていないためだ。3000人台の感染者がこのところ続いているが、これは検査可能な人の数なのだと思う。死者数だけが多すぎる。

 今できることは中国から海外への感染を食い止めることだ。何とか防疫体制を固め、ワクチンや治療薬が開発されるまで、時間を稼ぐほかない。もし今回のウイルスが、SARS並であったらどれほど深刻になったかと考えて、よくよくWHOは反省をしなければならない。

 日本だけを防ぎたいと言うことではなく、世界中が中国と同じ状況になりかねない状況に来ていると言うことを共通認識としなければならない。世界に広がれば医療体制の脆弱な国ではより深刻な事態になるだろう。

 今回の初期対応の失敗の原因は習近平体制の権力集中にある。権力集中はある意味効率的である。経済競争には一定の成功を収めてきた。汚職撲滅などにも一定の効果があった。ところが、下部組織は上ばかりを見ることになったのだろう。出世主義者だけが登用されることになる。能力主義が失われる。おべっか忖度体制になる。

 民主主義社会は徹底はできない。不確定な情報も確かに広がる。良い点として新型ウイルスらしい病気を隠すことなどできない所にある。比較的早い対応が可能だろう。しかし統制のとれない東京都を閉鎖するとすれば、どういうことになるのだろうか。可能なのだろうか。今から想定をして研究をしておく必要はある。

 独裁的国家では幹部であっても上層部が気に入られないと降格されられる。必要な悪い報告は上部には上がらないようなことになる。そして忖度をするものが幹部を占めるようになり、独裁政権は裸の王様になる。これは世界の歴史で繰り返されてきたことだ。

 新型ウイルスの出現によって、習近平権力集中させる中国の体制の限界のようなものが見えた。翻って考えれば日本の、アベ忖度政権も同じではないかと思う。桜の会にアベ後援会や,アベ夫人推薦が多数紛れ込むようなことが、平然と行われる政府になってしまった。

 その反省すらしないで押し通すアベ政権体制が通用している。これでは社会の正しい判断力が失われて行く。上ばかり見ていて、本当のことが隠されかねない。日本の様々な分野の人間の劣化現象はアベ雪崩現象とも言えるのだ。

 中国の新型ウイルスの初期対応を十分に検証しなければならない。同時にWHOが何故、判断を間違えたのかも検証しなければならない。私は中国政府が何らかの手段を使いWHOをゆがめたと想像している。せめて、WHOが最初に会議を持ったときに緊急事態宣言をしていれば、中国以外の感染拡大は防げたはずだ。この愚かさの罪は、中国政府以上に重いものだ。

 WHOは新型コロナウイルスに対してデマの否定をしているそうだ。しかし、一番重要な初動で正しい判断ができなかったWHOにデマ防止ができるとも思えない。

 何故、人間は判断ミスをするのだろうか。そしてその検証がきちっとできないのだろうか。だから、同じようなミスを何度でも繰り返すことになる。自分だけは責任を逃れたいからなのだろう。そして、対応のとれない要因は経済的損出に目が行くからだろう。日本の入国拒否の遅れは、中国観光客の落とすお金に目が行ったからだ。

 12月8日には、すでに武漢市では新型らしい感染症が確認されている。そして、12月後半になり、おかしな病気が広がっているという情報が、ネットに拡散され始める。それを武漢政府はデマを拡散したとして押さえ込もうとした。ここが重要な地点だ。

 その頃の中国政府はヒトヒト感染は起きていないと発表していた。小さな事と考えたかったのかもしれない。すでにヒトヒト感染は起きていたのだから、対応の間違えが深刻な状況へと進んで行く。

 日本国内での感染の確認は1月15日である。この間1ヶ月以上が経過している。日本での相次ぐ感染は武漢から来た人である。この頃の日本政府は何の判断もできなかった。呆然としていただけのようなものだ。

 中国政府が、武漢市を封鎖したのは1月23日になってからである。そのときのWHOの判断が緊急事態ではないという判断である。何という愚鈍なことか。発生を確認してから、48日目である。

 WHOは2月3日に緊急事態宣言をする際には、米国が中国全土への渡航中止勧告を出したことなどについて「(中国への)渡航や貿易を不必要に妨げる措置は必要ない」としている。

 WHOの判断ミスは能力不足である。正確な科学的判断力のある人材がWHOに居ないと言うことなのだろう。情報収集能力もなかったのだろう。中国政府の言うままに従ったに過ぎない。国連というものの役割を果たしていない。WHOを総入れ替えをしてしっかりした人を集めるほかない。

 その間武漢から国外へは観光や避難でドンドン人は出ている。400万人とも500万人とも言われている。日本に戻った人の中の感染者の割合から見て、何万人もの感染者が各地に広がっている。これを聞いてもう防げないのではないという不安を抱いた。WHOの専門家が驚くべき事に、たいしたことではないと考えていたのだ。

 こうした流れを今になって見てみると、中国全土に新型コロナウイルスが蔓延するのは火を見るより明らかである。日本政府にしても、少なくとも23日の時点で、武漢市からの日本への入国は禁止すべきだった。日本政府が禁止したのは2月に入ってからである。いかにも遅いだろう。この間起きた様々な自体は日本政府の判断ミスだろう。

 もしそれが早くできていれば、日本でのヒトヒト感染は防ぐことはできた。しかし、世界中がその判断を誤ったわけだ。何故か責任有る立場の人は正しい判断ができなくなる。ここを解明しなければならない。

 それから10日経過した状況が今の日本だ。あと数日の間に日本国内でヒトヒト感染が現われなければ、何とか日本での感染は抑えられたと言うことになる。

 発病していない人が、保菌者となり感染を広げるという考え方が、新型コロナウイルスに対してなかったのは医療関係者の判断ミスだ。だから、入国管理でも熱センサーカメラである程度阻止できると考えていたのだろう。結果的に見れば、それは無意味なことだったのだ。

 ニュースなどでは中国観光客が来ないので、困った場所を紹介している。こんなニュースはおかしいだろう。私は中国が好きだし、大いに来て欲しいと思う。さすがに今は控えて貰いたいと思う。それは中国のためでもある。もちろん日本のためでもある。

 これから日本が行うことは、中国の支援であろう。マスクや防御服を送るのでもいい。行われているようだ。医師団を派遣するのでもいい。できる限りのことをすることが、日本のためでもある。そしてそれができる関係を作り出すことが、日本の平和外交であろう。

 困ったときに助け合う関係になれなければ、隣国との平和はない。
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 水彩画には鉛筆を使わない。 | トップ | アトリエ展のように。 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Peace Cafe」カテゴリの最新記事