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防衛力はどう在るべきか

2022-11-26 04:27:35 | Peace Cafe


 政府は日本の防衛構想を大きく変えようとしている。国民的議論にはなったと言うことでも無い。国の安全保障ほど、生活にとって重要な物はない。国にお任せではなく、自分にとってどの選択が良いのかは考えなければならない場面だ。

 ロシアのウクライナ侵攻以来、ほぼ敵基地先制ミサイル攻撃の必要性が、当然のような空気になってしまった。このようになんとなく空気で日本の安全保障を決めてしまうのは、日本の未来を間違ってしまう原因になる。一体敵基地先制ミサイルが打てるような情報力が無い。

 北朝鮮のミサイル発射でも何度でも情報把握を間違えてしまい、不用なアラートや通り過ぎてからのアラートというのが現状である。こんなレベルの情報能力でどうやって先制攻撃の判断が出来るというのか。まず、情報能力の向上が先決問題だ。

 結局情報を韓国やアメリカに頼っている状態である。こんな状況で攻撃ミサイルのことなど議論すること自体が危うい。情報収集が出来ないために迎撃ミサイルが機能しない。だから先制ミサイルという話のような気がして成らない。危うい方に一歩踏み出している。

 安全保障は冷静に、合理的に、ずる賢く考えなければならない。近隣諸国を仮想敵国とすることは、むしろ危険を高める可能性も高い。ウクライナは長年ロシアと敵対していた。そして話し合いをしようとせずに、ロシアの軍事侵攻になった。

 近隣諸国こそ友好国になる努力をしなければならない。日本では中国と親しくする政治家を、何か良くない人達のように見る傾向がある。報道ではまるで国賊のように扱う時さえある。中国と友好関係を探ることほど日本の安全保障に重要なことはない。

 アメリカとの友好関係だけが、重視されているがアメリカに防衛能力を依存していて良いのかという問題と連携する。そもそもトランプを見ていれば、アメリカがそれほど信頼できる国とは思えない。単なる独善的国家に見える。自分に都合が良いから日本を利用している。

 日本の対中国政策はアメリカに従っているに過ぎない。アメリカが中国を怖れているのは、世界へのアメリカの影響が削がれることなのだろう。アメリカは世界に君臨している国なのだ。覇権主義とは少し違うとは思うが、実際に世界の覇権を握っているともいえる。

 アメリカにとって中国の覇権主義を押し返すことは、アメリカの権力と経済力にとって必要なことなのだろう。アメリカの安全保障という意味では、中国が一番の脅威なのだろう。何しろ中国経済がアメリカを凌駕する可能性が高まってきている。アメリカはそれを一番怖れている。

 それは資本主義経済が競争主義だから問題なのであって、本来どこの国でも経済が良くなることでも、世界中にとって良いことなのだ。問題は極端な競争主義の方にある。勝つことで相手を潰してゆくような経済は間違っている。互いに切磋琢磨して共存することであれば良いだけのことだ。

 資本主義が修正されなければ、対立が深まり戦争の危機が訪れる。むしろそのことを日本の安全保障に於いて考えるべきでないだろうか。日本の経済の形を考えれば、どこの国とも仲良くなる方が良い。しかし、現状では中国の経済が国家資本主義の形をとるために、対立が起きやすいと言うことなのだろう。

 この点でアメリカと中国が利害の対立が深まるのだろう。中国の経済にとっても今後変わらざる得ないはずだ。新しい経済の枠組みを作る努力が日本の安全保障には大きな要素になると言うことだろう。中国が太平洋の経済連携に加わりたいとしている。検討する価値は高いだろう。

 中国とロシアは違うタイプの国である。ロシアは資源大国である。戦争を起し、経済封鎖されても困るのはむしろ相手だと考えている。産業という意味では国力は小さい。資源大国は戦争を起しやすい。経済封鎖されてもかまわないというところが在るからだろう。

 中国は経済封鎖されれば、即座に厳しいことになる。食糧輸入国である。エネルギー輸入国である。国内には不安定要素が沢山ある。頼れる軍事的友好国があるわけでもない。ロシアが侵略戦争をしたら、中国もするだろうという考えは安易な連想に過ぎない。

 中国が台湾侵攻を行えば、当然ロシアと同じような経済制裁が行われるのは確実だろう。ロシアには中国を支える力は無い。インドの態度は今と変わらないだろう。中国はそう簡単に台湾侵攻が行えるような状態ではない。今年中に行うと予測した自民党議員はどれほど能力が低いことか。

 日本の安全保障は、無防備中立から始まったために、議論が空論になりやすい。そのために、保守系議員は国民を脅かすことが国防意識を高め、国防予算を増やす手段だと考えている。つまりまともな議論を出来ない、デマ流しばかりなのだ。

 日本の安全保障はまず情報収集能力の確立からと書いた。次に重要なことは経済の安全保障である。日本はエネルギーや食糧問題で極端な輸入依存である。政府もその点では政策に掲げて対策しているが、まったく実効が揚がらない状況だ。

 ロシアで見てみても分かることは経済制裁が起きたときに、困るような国は戦争に弱いと言うことだ。日本が独立国家として成立するためには食料とエネルギーの自給に本気で取り組むことが、二番目の安全保障にちがいない。それは国民生活の安定である。

 三番目の安全保障がIT能力の向上である。次の時代の戦争は旧来の武力とは変わってくる。すでに、ロシアのイラン製ドローン攻撃が問題になった。様々な軍事兵器も確信されてゆくのだろう。日本の防衛のための武力をIT技術の活用が出来るかが重要になる。

 情報戦も現在世界中で対ロシア、またロシアから各国へ、コンピュターの攻撃が繰り返されているようだ。果たして日本にそうした供えが十分なのか。日本はIT後進国とされている。到底大丈夫とは言いがたいだろう。防衛能力の向上はITから。

 最後に問題になるのが、住民軽視の安全保障である。石垣島にミサイル基地が出来て、日米共用になる。そうなれば石垣島が先制攻撃される島の一つになる。これは想定しなければならないことである。にもかかわらず、住民には一切の情報が、知らされていない。

 地域住民の協力がないような、国家の安全保障はあり得ない。国民がこれなら安心だといえるような、住民への情報提供である。国を守ると言うことは国民の生活を守ると言うことである。住民軽視の国防計画を見ると、どうも政府の考える国の安全保障とは、国の権力維持さえ出来れば良いように見える。これでは、北朝鮮と変わらないだろう。

 

 
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