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小さな田んぼのイネ作り―――②

2019-05-02 04:16:56 | 「ちいさな田んぼのイネづくり」
田んぼの向こう側に旗を立ててあるが分かるだろうか。道路からも見えるはずなので、目印になる。レンゲはそれなりには茂っているが、これくらいならまずまずとみていいだろう。もっと盛り上がるように密生することもある。レンゲはいつ刈ればいいのかという事にも、それぞれの考えがある。レンゲの花が終わり、種になってから刈るのが良いと考えている。それは、レンゲの種が落ちて、秋になって芽吹いてくることがある。上手く行けば、種を買わないでもいい訳だ。余裕があれば、実った種を採取しておくのも良い。自給の田んぼなのだから、そこまでやれれば一番よいのだろう。3畝の面積に必要なレンゲの種は1キロだ。それくらいならできそうなので今年はやってみる。予定としては19日あたりになるか。

苗床では種をまいてから、5日目わずかに小さな芽がのぞいているという状態。5日目で発芽が揃う事もある。このところ寒くて、0度ぐらいまで下がった。雨も降り続いていた。発芽は少し遅れるかもしれない。寒いという事は問題はない。0度以下に下がっても種の段階ではイネの発芽が遅れることがあっても障害が出るという事はない。3葉期ぐらいまで成長してから、寒いと問題が生じることがある。今年は種まきを1週遅くしたことは正解であった。一周早ければ、出た芽が寒さで障害を受けた可能性もある。トンネルの中は5月1日の朝7時で28度あった。昼間は35度にはなるだろう。一気に発芽する可能性がある。夕方には結構芽が出始めていた。




苗床のわずかな発芽。

苗床は一部水没していた。これはかなりまずい。今の段階では構わないが、ここの後水位を上げてきたときに、よほど注意しないと水没で腐ってしまう。回りに溝を掘る方が良いかもしれないが。この後の天候次第だ。播かれた種は1週間で普通は発芽する。発芽が素直に揃う事も大切である。その為には十分な浸種が必要だ。水が10度くらいと冷たければ、1か月以上川に浸けておける。それは年によって違ってくる。山北にいた時には正月の1日からつけてみた。水はずーと0度であった。5カ月もつけておいた。それを直播に使ったのだが、とても良い発芽であった。種の消毒をする人がいるが、私は30年一度もしたことがないが、問題が出たことはない。たぶん箱苗にすると、問題が出る可能性があるのだろう。苗床での苗作りなら、種子消毒はいらないと考えている。自然界でないことはできる限りやらない。


レンゲの様子。
10番田んぼの小さな田んぼはほぼ3畝である。どの段階でアラオコシをするか見ているところである。田植えは6月初旬と決めてある。これに向けて準備を進めるが、レンゲの花が終わるころアラオコシをやりたい。草は枯れてから漉き込むことが良い。無理に刈り取って枯らすより、自然に枯れてから漉き込む方が良い。あと20日ぐらい先か。その後少しずつアラオコシをしてゆく。26日の週からが、一気の作業になる。ただこの田んぼは水がなかなか来ない。他の田んぼの代掻きが終わらないと、最後の田んぼである10番には水が来ない。

今年は天気は不順と見ている。変化が大きい気がする。油断できない気がしている。



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手作業でやる「小さな田んぼのイネ作り」の一年。①

2019-04-28 04:01:23 | 「ちいさな田んぼのイネづくり」


「小さな田んぼでイネ作り」の本を5月30日農文協からだすことになった。私なりに田んぼの結論をまとめたものだ。あしがら農の会で行ってきた、30年間の田んぼを笹村出としてまとめた。小さな田んぼの価値が、これから高まるに違いない。人間が生きるという事の意味を田んぼは教えてくれる。論より証拠である。本にあることが、実践でどうなるかをどなたでも確認できるように「欠ノ上の見える化の田んぼ」にしたい。本に書いたそのままに、実践してみる。場所は小田原市欠ノ上の小さな田んぼである。観音堂の真下にある田んぼなので、どなたにでも真上から見ることができる田んぼだ。小田原駅から諏訪の原行きのバスが30分に1本ある。欠ノ上観音堂で下車したらすぐその下が田んぼである。バスのまどからも見える田んぼだ。目印に農の旗を掲げておく。この田んぼは美しい久野里地里山協議会の田んぼである。この田んぼは私を小田原久野に誘ってくれた小林ナーセリーさんの田んぼである。お借りしたときは、シャクナゲが植えられていた。そこを田んぼに作り直したところから始めた。直してから10年は経過した。

4月28日6時レンゲの花が咲き始めている。もう少しこのままにして置き、種が実るまで耕すのを我慢したい。

面積は286㎡と自給にはちょうど良い田んぼだ。収量の経過は、2013年―165.2キロ 2014年ー167.6キロ 2015年―159.3キロ 2016年ー171.7キロ 2017年ー184.7キロ 2018年 ー169.3キロであった。それより前の記録は田んぼ一枚ごとの記録はない。周囲の普通の田んぼが8俵程度である中、有機農業で畝取りを続けている。この田んぼで、171.6キロ採れると畝取りになる。その理由は有機農業技術にある。有機農業は植物にとっては最善の栽培だ。欠点は手間暇がかかることになる。この手間暇をどれほど減らせるか確立した技術がある。かかる時間をこのブログで記録してゆくつもりだ。

苗床の様子。トンネルの中は10度ぐらいだった。下がるのは構わないが、昼間どのくらい上がるのか。
種が蒔かれ、燻炭を播き、その上からソバカスぼかし肥料を播いた。

小さな自給の田んぼをやってみたいという人には、必ず参考になる実践だと思う。小さな手作業の田んぼは技術の集積のようなものだ。技術がないと、倍の労力を掛けて、半分の収量になってしまう。草を抑える方法などは、田んぼごとに違う。どなたでも参加してもらいたい。ぜひ、「小さな田んぼのイネ作り」を購入してもらいたい。これはコマーシャルである。やりたい人には田植えも稲刈りも参加してもらえる。もちろん見学は自由にしてもらいたい。勝手に見ていただいて構わない。一シーズン通して参加したいという人には作業の連絡も行う。私も年齢的にあと何回田んぼができるかわからない。これが最後の田んぼ仕事だと思っている。自然養鶏も止めてから、今でも教えてほしいという方から連絡がある。残念な思いだ。田んぼの技術を伝えられるのも、あと何年であろうか。

畦には白クローバーがあり、田んぼはレンゲがある状態を目指している。

〇田んぼの様子や作業はこのブログにできるだけあげてゆく。
〇方針としては、「小さな田んぼ」に書いたとおりに行う。
〇苗は5,5葉期の分ケツしたものを1本植えにする。
〇すべての作業に機械をできるだけ使わない。
〇手作業だけでどこまできるかを、確認する田んぼとする。
〇水が難しい田んぼであるが、できるだけ深水にする。

今現在の様子はレンゲ緑肥が茂っている。周りの畦には白クローバーである。
2019年の作業の経過。
2月  3日   溝掘り、畦直し。10番はしなかった。
3月24日   もみ洗い。 久野川上流に種籾を浸種しておいた。これはお願いした。(1時間)
4月21日   苗所作り。これもお願いした。(2時間)
4月27日   種籾播種 苗床は同じ欠ノ上の3番田んぼ。2時間
       緑肥の状態によっては、ボカシ肥料をまく。
カッコつきの時間は全体の作業時間想像して10分の一にして、一応表示した。一人でやればどうなのだろうか。
この後の予定
5月25日26日 畦直し 荒起こし
5月31日   代掻き 畦塗り 
6月  1日2日  線引き、田植え
6月8日    転がし。


 





 

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