中野さなえ活動日誌

花には太陽を こどもらには平和を

「靖国神社」・「遊就館」の視察に行ってきました

2005年11月27日 09時01分31秒 | 活動日誌
 昨日は、地元党後援会の計画で共産党中央委員会の新しいビルの見学とともに、靖国神社と遊就館の視察に行ってきました。
 貸切バスで22名の参加でした。
  
 戦争に反対して平和を守れと発信している共産党本部と、侵略戦争の歴史の事実をゆがめ、戦争賛美のゆがんだ歴史観を広める運動の拠点とを、同時に見学することになりました。
 党本部は、私は何度もいている所ですが、今回は屋上に設置された「オアシス」を始めてみてくることができました。

 さて、最近では麻生外相の発言が大問題になっていますが、「靖国史観」の発信地の遊就館は、「百聞は一見にしかず」で、よくよく恐ろしいところでした。

 まず靖国神社は、一般の観光コースにしっかりと入っていて、「紅葉狩りと靖国神社」のステッカーのバスが結構来ていました。四日市市の「革新懇」の大型バスも止まっていました。

 塀には大きく「七・五・三は靖国神社で」とのコマーシャル、可愛い着物姿の子どもづれの家族もいましたね。若い方が沢山いたのには驚きました。

 遊就館は徹頭徹尾戦争賛美、天皇礼賛の資料が、一階と二階の21に分かれた展示室にこれでもかというほどに展示されていました。大展示室には、人間魚雷「回天」や、特攻隊が使った飛行機、大砲などが展示。

 侵略戦争の事実は見事に捻じ曲げられて、アメリカとの開戦についてはアメリカに責任を擦りつけています。ブッシュでさえ批判しているのは当たり前です。
 
 その関係の資料をかいつまんで説明すると、アメリカは不況が続き、その解決策に何とか戦争がしたくてたまらなかったが、国民の厭戦気分があって踏み切れなかった。、そこで日本が戦争を仕掛けてくるように策動した、というものです。
 その策動は、日本への石油などの輸入を断ち切って封じ込め、さらに「アジアを開放するために行っている支那事変」に介入し、全面撤退せよとの、飲むことのできない要求を突きつけてきた、というものです。

 全てがこの調子です。
皇国史観でものを見ていますから、「武人のこころ」の展示室では、神武天皇は扱っていましたが、足利尊氏は天皇への逆心ですから無視。
 明治維新関係の展示室では、坂本竜馬は奉られ西郷隆盛は西南戦争で逆賊扱いされ無視です。

歴史の事実をよく知らずにこれを見たら、「そうなのか」と刷り込まれてしまいます。学校での平和教育や歴史の学習は、今大変重大な課題になっていると実感しました。
 私は昨年中国を旅し、日本の侵略の戦跡を尋ねてまわりました。日本が中国に侵略してどんなに残忍な行為をしてきたか、中国では記念館、博物館を沢山作り、後世に伝える努力をしていました。
 日本と中国が真の友好関係を作ってゆくために、今後決して侵略戦争を許さないために、との願いからです。
事実を改ざんした教科書の検定を通してしまう日本と、何という違いでしょうか。


 当時の軍人や兵隊、その家族の記録の展示では、これも「お国のため」に死ぬことを誇りにしたものばかりでした。
 出撃数時間前の特攻隊員の遺書には、「赤飯を炊いてくれ」、子どもを死なせた母の手紙には「国のために命をささげよと教えて育て・・名誉・・」などとの内容です。この人たちも、本心はどうであったのか、よしんば真剣にそう考えていたとしても、国策で自由を抹殺したことで作られた世論だったのです。
 
 ひめゆり部隊で亡くなった少女の写真には「最後まで笑みを絶やさず・・・献身的に尽くした」との内容の説明書きがありました。戦争の悲惨さを語り続けているひめゆり部隊の生き残りの方は、このような扱いをどう思うでしょうか。
 また、政府は沖縄戦の悲痛な経験をどう考えているのでしょうか。考えていないからこそ、沖縄をはじめ日本中をアメリカの基地にしようとしているのではないですか。

 遊就館では、映画「蛍の墓」に見るような人間が人間でいられなくなった実態や、「南京大虐殺」のような数え切れない残虐な行為、などなどは、何一つ語られていません。戦争は英雄を生み出す聖なる戦いであり、悲惨さは微塵も感じさせない雰囲気を作っていました。

 「遊就館」の名は、「荀子」のなかの言葉で「高潔な人物に就いて交わり学ぶ」から取ったと、パンフレットにありました。戦争犯罪人が「高潔」だとは!!

 さて、喫茶室に入った仲間が、コーヒーを飲まずに出てきてしまいました。コーヒーの名まえが気に入らなかったと。「軍艦コーヒー」というのでした。
小泉饅頭、靖国饅頭をはじめ、さまざまな戦争グッツが売られている売店は、これが結構繁盛していました。
 
 参加者の誰もが、九条を守る運動をいっそう強めなければ、そう強く感じた視察の旅になったと思います。

 



 
コメント
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