蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

死闘 渡辺明VS羽生善治(NHK BS2)

2011年01月30日 | Weblog
死闘 渡辺明VS羽生善治(NHK BS2)

昨年の竜王戦を、二人の棋士としてのキャリアを織り交ぜながら描いた番組。

NHKらしく、将棋以外の横道にそれることなく正統な?ドキュメンタリータッチに仕上がっていて好感が持てた。

将棋の技術的な解説にはいりこむことなく、かつ、各局のポイントをあげて現役棋士で理論派の島朗さんがわかりやすく解説する形もよかった。
2年前の、やはり二人の竜王戦をネタにした民放の番組が(かなり前の話だが)あったが、将棋のルールを知っているかさえあやしそうなMCと野球解説者の談話が中心で、羽生さんへのインタビューの内容もひどくて、とてもがっかりした記憶があるが、それとは雲泥の差であった。

竜王が負けた3、4戦をふくめて、各局とも、竜王が優位に進めた将棋で、羽生さんは苦手意識ができてしまったのかなあと思わせるほどであった。

番組が企画されたことからわかるように、この二人の棋戦が、今の将棋界の最高のカードなのだが、どうも二人ともライバル意識をむきだしにするタイプではないようで、盤外のもりあがりがもう一つかなあ、とも思える。

番組の中で、19歳にして初めて渡辺さんが棋戦挑戦者となって羽生さんに挑み3勝2敗で敗れたときが、これまでで一番くやしそうであった、という渡辺さんの奥さんの証言があった。初めての挑戦で相手が羽生さん、かつフルセットというシチュエーションなら、並みの人間ならむしろホッとしてしまいそうだが、やはりそこは勝負師、内に秘めたガッツはすごいのだなあ、と思えた。(当たり前か)

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