生物と無生物のあいだ(福岡伸一 講談社現代新書)
20世紀初頭からの遺伝子を中心とした生物学の歴史と著者自身の研究歴を組み合わせた入門書の手前と言った感じの新書らしい内容の本。
著者の文章がうまく、また現代と数十年前をいったりきたりする構成も悪くはないので、読み物としてもとても面白い。
著者をふくめた研究者たちの野望と偏見、栄光と挫折、学者らしくない羨望や駆け引き、不正行為のエピソードが特にいい。
第9章「動的平衡とは何か」が興味深い。人間を形作るタンパク質は常に流出している。これを補うために食物からタンパク質を取り入れている。分子レベルではほぼ1年くらいで体中のタンパク質が入れ替わっていることになるという。我々のからだは不朽のものではなく常に変動する流れ(動的平衡)の中にあるそうだ。
この本を買ったのは今年7月。5月に発行されてからすでに六刷で、カバーには15万部突破とある。確かに読み物としても優れてはいるのだが、この手の本がこんなに売れるというのは、日本の知的レベルはなかなか高いという証拠にならないだろうか。
20世紀初頭からの遺伝子を中心とした生物学の歴史と著者自身の研究歴を組み合わせた入門書の手前と言った感じの新書らしい内容の本。
著者の文章がうまく、また現代と数十年前をいったりきたりする構成も悪くはないので、読み物としてもとても面白い。
著者をふくめた研究者たちの野望と偏見、栄光と挫折、学者らしくない羨望や駆け引き、不正行為のエピソードが特にいい。
第9章「動的平衡とは何か」が興味深い。人間を形作るタンパク質は常に流出している。これを補うために食物からタンパク質を取り入れている。分子レベルではほぼ1年くらいで体中のタンパク質が入れ替わっていることになるという。我々のからだは不朽のものではなく常に変動する流れ(動的平衡)の中にあるそうだ。
この本を買ったのは今年7月。5月に発行されてからすでに六刷で、カバーには15万部突破とある。確かに読み物としても優れてはいるのだが、この手の本がこんなに売れるというのは、日本の知的レベルはなかなか高いという証拠にならないだろうか。
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