蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

乱鴉の饗宴

2022年02月12日 | 本の感想
乱鴉の饗宴(ジョージRRマーティン ハヤカワ文庫)

鉄諸島ではベイロンの後釜争いが発生。ジェイミーはサーセイの不義?を疑い、二人の間に距離ができる。サーセイはマージョリーの不義を七神教のハイセプトンに告発させるが、自分も捕らわれてしまう。サミュウエルは壁からジリ親子を連れてオールドタウンへ向かう。ブライエニーはポドリックとともにサンサを求めてダスケンデール付近をさまよう。ドーンでは大公ドーランとオベリン派の対立が深まる。谷間では、ピーターが旗主たちを丸め込んで主導権を握る。

あとがきによると、もともとは「竜との舞踏」が第4部だったらしいのだが、構想が膨らんでジョンとデナーリス以外の中原での動向にしぼって本作を追加したらしい。
もともと、主役はスターク家のつもりだったと思うのだが(TVシリーズはそうなっている)、第2部あたりから、ラニスター家が中心になってきた感じで、主役はサーセイ、ジェミー、ティリオンの3人になりつつあり、本作はその色合いが強い。ジェイミー、ティリオンは魅力的なのだが、サーセイの悪役ぶりは単純すぎるように思われた。

どうも壁や竜の話はファンタジー色が濃くなるせいか、イマイチ面白くないような気がするので、ラニスターサーガっぽい本作は楽しめたが、超ぶ厚い「竜の舞踏」はジョンとデナーリスの話になるのはちょっと残念??

ブライエニーも、最初きっとちょい役だったのではないかと思うが、本作での活躍ぶりは主役級で、「これからどうなる?」というワクワク感は彼女が登場するシーンが最も高かった。

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