蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

違国日記

2024年06月10日 | 映画の感想
違国日記(映画)

中学校卒業間近の田汲朝(早瀬憩)は交通事故で両親を亡くす。祖母も親戚も引き取りを敬遠する中、作家でおばの高代慎生(新垣結衣)は朝を引き受けるが・・・という話。

原作を読んだあとに見た。
原作では、特段のドラマがあるわけではなくて、ありがちな自由業者の悩みや苦しみ、自分の位置づけを決められなくてふわふわしてる高校生の姿がたんたんと描かれていたので、映画化されると聞いた時、相当に難物ではないかと思えた。どのように映像化できたのか、怖いもの見たさ的な下世話な興味もあった。

あて書きしたかのように、朝と慎生は、原作と見た目も雰囲気もよく似ていた。新垣さんは、もともと素でも慎生的ムード(強気だけどもろい感じ?)を持っていたような気がするが、朝の方は地なのか演技がうまいのか、まあとにかく原作のファンでもあまり違和感はないかと思えた。

慎生と醍醐奈々、朝とえみりの関係が主な横軸なのだが、奈々(夏帆)が登場する場面は明るくて楽しげだったのに対して、朝とえみりはもうちょっと掘り下げ?て欲しかったかな?

慎生の元彼の笠町(瀬戸康史)は、原作とは別人だった。もうちょっとおっさん臭い人でないとね・・・

総じて、原作のわけのわからなさ、中2的な自己撞着がうまく再現されて、わけのわからないもどかしい(褒め言葉です)映画にできていた、と思う。

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