蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

賭ける魂

2008年12月06日 | 本の感想
賭ける魂(植島啓司 講談社現代新書)

著者のギャンブル遍歴を競馬と海外カジノでの経験を中心にエッセイ風にしたもの。

断片的には、はっとさせられるようなフレーズがあるのだが、書き散らしたエッセイをただ並べただけ、という感じで、まとまりや一貫性がない。

例えば、「ギャンブルでもっとも大切なことは「信じる」ということだ」「何かを信じても勝てるとは限らないが、何かを信じないで賭ける人間はほぼ百パーセント負けてしまうのである」と書いている。これは、セオリーとかフォームを固めないでテキトーに賭けていても勝てない、という意味だろう。一方で「ギャンブルで一番強いのは、けっして自分の型をもたない人間であろう。自分でもわけがわからないまま攻めるというのがよい」と書いてある。矛盾していないだろうか。

私はどちらかというと前半のタイプで、自分にあっていると思ってる戦法しかとらない。競艇なら、ヒモから考える、ヒモから流す時は全部買う、とか。

ギャンブルの話とは関係なく、本書で興味深かったのは、東大の大学院であっても、宗教学(著者の専攻)学科だと、就職口はほとんどない、ということだ。まあ、学科が学科だからなのだろうけど、東大の博士でもそんなものなのね。

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