蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

七王国の騎士

2022年07月29日 | 本の感想
七王国の騎士(ジョージRRマーティン 早川書房)

正編の約90年前、後に王の盾総帥になる草臥の騎士(決まった君主がいない放浪の騎士)ダンクとその従士で異例王エイゴン5世になるエッグの物語3篇収める。

本書には魔法もドラゴンもややこしい陰謀も登場しないので、素朴な(西洋風の)騎士の日常生活?が詳しく描かれていて興味深い。
ちゃんとした?騎士は日本でいうと侍大将クラスで、一国一城の主であることも多いが、ダンクのようなのは素浪人で、馬上槍試合で賞金稼ぎをしたりしている。試合で勝つと相手の装備や馬を取り上げることができる、というルールになっている(普通の歴史上でもそうだったのかはよくわからないが)。

収録作の一つ「誓約の剣」の主人公”紅後家蜘蛛”(←これは訳に一工夫ほしいところ)という異名を持つレデイ・ローアンが特に魅力的だった。女君主であるがゆえの苦労と臨機応変のアイディアで自分の城と民を守る姿がカッコいい。

ダンクとエッグの物語も当初構想ではあと10編くらい予定されているそうだ。こちらも早く読みたいが、まずは正編の「冬の狂風」を仕上げてほしいな。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« マイ・ダディ | トップ | ドリームプラン »

コメントを投稿

本の感想」カテゴリの最新記事