蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

犬と歩けば

2013年10月12日 | 本の感想
犬と歩けば(出久根達郎 新潮社)

著者は、ビッキという名前の小型犬を長年飼っていたが、病気のために、夏の盛り、著者が講演旅行に行っている間に死んでしまう。
病気の治療のため、著者の奥さんは(高齢のため体力的にきついのだが)日に何度も獣医のもとへ犬を抱えて通う。
獣医は人(飼い主)によっては安楽死を薦めたりするらしいが、もちろん著者夫妻にはそんなことは思いもしない。

私も1年前くらいから、人生初めて犬を飼ったのだが、犬って飼ってみると子供っていうか、家族になってしまうというのが実感としてわかった。なので、飼い犬を少しでも長生きさせようと多大な苦労をいとわない著者夫妻の気持ちも相当程度に理解できた。

でも、ビッキが死んで1年もしないうちに、著者夫妻は次の犬を飼うことになる。うーん、やっぱり、どれだけ愛していても犬って「愛玩」動物なんだよなあ。

犬の話ではないが、後半には夏目漱石の手紙の話が良く出てくる。漱石は非常にたくさんの肉筆の手紙を残しているそうだが、新発見のものは相当な(金銭的)価値があるそうだ。特に、宛先が子規のものだったりするとてても高価になるというのがおかしかった。

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