蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

サイパン邀撃戦(中)

2013年10月13日 | 本の感想
サイパン邀撃戦(中)(谷甲州 中公Cノベル)

サイパン攻略を狙うアメリカ軍の輸送船団を待ち伏せするイ号潜水艦とサイパンの防衛部隊の戦いを交互に描く。例によって、魚雷が発射されるまで、ロタ砲(対戦車兵器)が発射されるまでの決定的場面までが長い。

海兵隊(日本の方)の蓮見大佐が仕掛け(サイパン島の高地に誘導ミサイルの発射基地?を設ける)をしたのはもうかなり昔(物語の時間の中ではそうたいした期間ではないけれど)のような気がするが、やっと下巻で活躍しそうな感じ。もっとも、今までの流れでいくとミサイルが発射されるまでに相当な手間?がかかりそうで、戦果もあったのかなかったのかようわからんみたいな結末になりそう。

始まってから延々30年近いと思われる覇者の戦塵シリーズ。いつもこんな感じだし、失礼ながら文章は読みづらい。なのに新刊が出ると買ってしまうのは、逆に、前述したような、冗長な前ふり、普通の戦史シミュレーションのような一方的、カタルシス的結末がないことに妙な魅力があるせいだろう。

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