あるきメデス

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醤油の町 野田の茂木本家美術館と郷土博物館など(千葉・野田)〈前半〉

2023-11-29 08:25:25 | 美術館・博物館等の観覧
 2023年11月16日(木) 〈前半:茂木本家美術館の観覧〉

 野田市の茂木本家美術館で、版画家 川瀬巴水(かわせはすい)の特別展を開催中という
ので、わが家からは少し時間がかかるが観覧に行くことにした。

 自宅を9時前に出て、西武池袋線、JR武蔵野線と京浜東北線で大宮へ、さらに東武ア
ーバンパークライン(野田線)へと乗り継ぎ、11時10分に野田市駅に着いた。

 野田市駅周辺は高架化工事が進み高架下の駅舎もほぼ完成しているようだが、現在は柏
駅寄りの仮駅舎になっていた。


 広々とした駅前広場は大規模な再開発中で草の生えた空き地が広がり、県道46号・野
田牛久線の南側には醤油のキッコーマンの大きな工場がある。

 
 県道に面したその工場の正門前を進み、駅から500m余りで信号のある交差点を右折
し、右カーブ点の突き当たりにある『茂木本家(もぎほんけ)美術館「MOMOA」』に、
11時30分過ぎに着いた。


     入口横のイチョウがかなり色づいている。
     

 茂木本家美術館「MOMOA」は、キッコーマン創業家である高梨・茂木一族8家の茂木
本家の、12代茂木七左衛門が収集した作品を中心とした地元貢献型美術館で、もともと
は茂木本家のしょうゆ工場があった場所に建てられたもの。開館は2006年1月とか。

 茂木家邸宅や神社との位置関係を考慮したランドスケープや、周りに溶け込む建物のデ
ザインにも注目するとよいという。

 ちなみに「MOMOA」は、MOGI-HONKE MUSEAM OF ART の略のよう。 


 開館は水曜~日曜で予約制だが、予約なしでも余裕があればすぐ入館できるよう。予約
せずに来たが、すぐに入館できた(入館料700円)
       

 まずは、受付に近いファウンダーズ・ルームの展示を観覧する。


   横山大観  霊峰富士  


   中島千波  竹図


   梅原龍三郎  鯛


   小倉遊亀  古九谷鉢葡萄


   小倉遊亀  青梅


        小倉遊亀  古九谷徳利と白椿
     

 同じ部屋の小品の展示


 庭の一角の眺め


 次に入ったのは一番広いギャラリー1、ここには富士山の作品が並ぶ。




   

   中島千波  朝霧富士


   松本哲男  一宇一月明


   坪内滄明  秀峰


   大山忠作  黎明飛翔


   竹内邦夫  寂光




   松本哲男  富嶽

  
   梅原龍三郎  富士山



 この部屋の隅の表示、上を見上げると↓

 
     
          部屋の外の彫刻2点
          

 今日来た目的の「生誕140年 川瀬巴水 版画の旅」展は、庭に突き出たような位置の
細い部屋・ギャラリー3で後期(10月25日~12月10日)の作品を展示していた。
     

 川瀬巴水は大正・昭和期に活躍した版画家。今年は生誕140年の節目の年にあたとい
うことから、館の収蔵作品から巴水の初期から晩年までの代表的なシリーズから約100
点を前期・後期に分けて展示しているよう。



 現在は後期で、1923年の関東大震災で作品や版木、写生帖などを焼失した巴水が、
失意のなかから新たな創作意欲を掻き立て取り組んだ《旅みやげ第三集》のシリーズや、
復興に向かう東京の風景を取材した《東京二十景》、富士山を描いた風景画や戦後の晩年
の作品などを紹介しているという。

 展示は壁面とテーブル上にあり、最初は壁面の作品を左手から右へと一巡してそれら作
品の幾つかを。

     房州太海




     秋田空巣沼
     

          秋田土崎
          

     別府の朝 
           

 吉田の雪晴  
 

     西伊豆木負 
     



     東海道風景選集から 品川  
      
 
          三保の松原 
          

    田子の浦之夕
    

          元吉原の朝   
          

     平泉金色堂
     

 ここからは机上の展示を、真上から撮れないので画面は歪むが・・

 東京二十景から 芝増上寺


 神田明神境内  


 明石町の雨後  


 滝之川    


 荒川の月(赤羽)   


 新東京百景から 弁慶橋の春雨    


 佃住吉大社    

 
 日本風景集から 八之戸鮫   


 札幌中嶋の夕月     



 
 北海道洞爺湖    


 二見ヶ浦


 紀州瀞 


 ほかの作品を含め、あわせて48点が展示されていた。

 川瀬巴水の作品は、これまで美術館やデパートで何度か鑑賞しているが、今回は初めて
見た作品もあり、来た甲斐があった。  

     
 


 北側には、茂木本家の稲荷神社の森が。


 観覧後、東側のカフェの隅から外に出て、広い芝生地の庭園や稲荷神社などを巡ること
にする。
    


 庭からの建物左手↑から右手↓を。


 庭先の木柵の門を越えて稲荷神社方面へ。


     小さな社
     

          神社の森周辺のケヤキの彩り。
          

 うっそうとした樹林に囲まれた稲荷神社


 手水舎には、精巧な木彫が施されていた。


 江戸時代に作られたもので、屋根下の彫刻には「きつねの嫁入り」もある。






     社殿横のケヤキの高木 
     

 境内を一巡して建物方面へと戻る。


 12時40分過ぎ、茂木本家美術館「MOMOA」を出た。このあとは流山街道沿いで昼
食をして、北側近くにある野田市郷土博物館に向かうことにする。

 県道との交差点に戻り右折、すぐ近い次の交差点を右折して県道17号・流山街道へ。
まずは、交差点の西北側にあった須賀神社に寄る。


 須賀神社は、醤油業で栄えた人々が、鎮守様を祭ろうと元禄時代(1688~1703)
に上町から氏神を移して建立されたとか。社殿は全国でも珍しいという土蔵造り。


     小さめの社殿内には、みこしが保管されていた。
     

    
 すぐ先、右手にあった「大川や」というせんべい店は、駅構内のシンプルな広告を目に
していたので入り、久助せんべいを求めた。





 その先には手づくりそば店「古奈金」があり、昼食を終えた人が何組か出てきたので入
り、とろろそばを(920円)を注文して昼食とした。

 「古奈金(こなきん)は明治初期の創業。変わった店名は、初代の金藏さんが粉屋だっ
たことからとか。北海道産のそば粉で打つそばは細切りでシコシコ、つゆは醤油の香り高
い野田ならではの風味です。」と、かなり前の東武鉄道の「東武沿線さんぽ」(平成18
(2006)年6月発行)に記されていたとおり、おいしかった。


                                     〈続く〉



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4 コメント

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Unknown (メンネル)
2023-11-29 10:09:59
 お元気ですね。
 野田市、身近な街ですが行った事がありません。
 「茂木本家美術館・MOMOA」、個人の美術館でしようか、立派な建物です。
 今回、野田ま行かれた繋がりは? お付き合いが広いですね。
 野田へ行きたくなりました。
 
返信する
醤油の町 野田 (saikoroat)
2023-11-29 12:51:46
この美術館は、初めに書いたとおり醤油のキッコーマンの創業家12代目のコレクションを中心に公開しているものです。
きっかけは、千葉のカントリーウオークグループで先月訪ねたのを、知り合いのブログで見たからです。
後半でのレポート、野田市立郷土館と市民会館も見どころ豊富でした。
野田市内にはほかにも、キッコーマンのもの知り醤油館、旧花野井家住宅や野田清水公園などの見どころもあります。
返信する
やっぱりすばらしい (junjun)
2023-11-30 09:51:44
前々から思っていましたが、美術館内の写真もほんとによく撮れるのですね、すばらしいです。
レポートもこのようにしっかり書かなくてはいけないのでしょうが、面倒くさがり屋の私にはとてもまね出来そうにありません。
ついつい次も楽しみ・・と期待する私です。
返信する
ようやく (saikoroat)
2023-11-30 13:08:29
皆さんより1か月遅れて、ようやく行ってきました。
さらにアップまでに、10日以上も経過しました。
後半は、まだ原稿入力の途中です。
返信する

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