転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
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HN「転勤族の妻よしこ」、筆名「山田亜葵」。家族は、転夫まーくん(またの名を「ツアコンころもん」)、転娘みーちゃん(1995年生まれ。首都圏在住。会社員)。
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『喜撰』を観に行った
歌舞伎・古典芸能
/
2024年03月23日 16時56分50秒
三月大歌舞伎@歌舞伎座、を21日22日の一泊二日で観てきた。
昼も夜も、見どころ満載の今月なので、いろいろ感想はあるのだが、
とにもかくにも今回の私の最大のお目当ては、松緑の踊る『喜撰』!
幾度も思ったことだが、松緑、踊るとどうしてあんなに優美なんでしょうか。
これまで、多分二度ばかり菊五郎大旦那さんの喜撰を拝見したときに、
これは立役と女形の中間に位置するような雰囲気だな、
と思ったものだったが、今回の松緑を観て、その思いを新たにした。
かつての、三津五郎の喜撰には、少なくとも上半身に関する限り、
私はあまり女形めいた「なよやかさ」を感じたことはなくて、
音羽屋ならもともと兼ネル役者だという前提があるからわかるとしても、
芝居で女形を務めることはない松緑に、踊りでこういう面を見せられるのは
意外な感じがしたし、実に新鮮であった。
出色だったのは、抜き衣紋の如く襟元から背中にかけて寛がせた感じの着付け。
うなじの線の、品の良い色っぽさと言ったら、なかった。
あらしちゃんには、私は「体の線」に目を奪われることが多く、
以前に富樫を演っていたときも、ピタリピタリと決まるかたちの美しさに
富樫とはこれほど美しい役であったかと感じ入ったのだが、
喜撰もまた、なんと優美な踊りであるかと、あらしちゃんの一挙手一投足に見とれた。
喜撰は、高僧でありながら女性に惹かれ、祇園のお梶(梅枝)を口説くという、
「生臭坊主」の設定なのだが、あらしちゃんのは「生臭」ではないのだ(笑)。
どこまでもまろやか、馥郁(ふくいく)とした、「生きることの春」の愉しみ。
『喜撰』の舞台を彩る満開の桜は、喜撰法師の心模様そのものなのであった。
行った甲斐があった。眼福でした。ありがとうございました<(_ _)>!
所化がまた、小さい息子さんたちからベテランまで勢揃いの贅沢さだった。
亀三郎・眞秀・小川大晴、と子供たちがいずれ劣らぬ丁々発止だったし、
彦三郎・亀蔵の兄弟、萬太郎・種之助・玉太郎・左近と並ぶと目の保養、
権十郎・松江・吉之丞とベテラン勢も豪華で、もうもう言うことなしであった。
そして、踊るとやはり、鷹之資が巧いことがよくわかった。
時蔵襲名目前の梅枝は、
襲名が公表されて覚悟が決まった、みたいなことがあるのだろうか、
『喜撰』も『寺子屋』も『御浜御殿綱豊卿』もとにかく良かった。
もともと別格の巧さの女形だというのはわかっていたが、
今回はもう、ゼロ番に立つスターオーラが出ている感じだった。
それも、物凄くきめ細やかな、極上のシルクの輝きの如きオーラが。
当代時蔵は、菊五郎大旦那さんに長らく寄り添ってくださっているのだが、
さて、梅枝、いや、次代の時蔵は、これから誰と、どうなるだろう(笑)。
松緑や菊之助との並びにも大いに期待しているのではあるが、
え~、できましたら、この先ますます左近ちゃんを導いて、
いいオトコにしてやってくださいましね、梅枝姐さん(笑)!
いつぞやどこかのSNSでどなたかが、
「左近の辰之助襲名には『名月八幡祭』を、梅枝の美代吉で!」
とリクエストしていて、私は鼻血が出そうになった。それは通い倒すワ。
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まいにちフラ...
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