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ランシモ

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お岩さん

2012-01-20 20:09:05 | うんちく・小ネタ

東京の真ん中、四谷左門町に於岩稲荷田宮神社がある。

120118o1

通称、お岩稲荷

「東京のお寺神社謎解き散歩」岸乃青柳著、広済堂出版より

この神社の「於岩」というのは「お岩」という江戸時代の初期、江戸の左門町で健気な一生を送った女性のことである。その女性の美徳を祀っているのが、この神社である。ところが、その「お岩」さんの死後200年近く経ってから、図らずも芝居の主人公になった。「四谷怪談」である。しかも福を招き、商売繁盛のご利益があり、芸能の成功、興行の成功にはことさら霊験あらたか。さらには最近では交通安全、入学試験にも功徳があるという。怨霊と「お岩」さんの関係は、いったいどうなっているのか。

第一幕

脚色された於岩。時は江戸初期。所は四谷左門町の武家屋敷の一角。

お岩は徳川家の御家人の田宮又左衛門の娘で、夫の田宮伊右衛門とは人も羨む仲のいい夫婦だった。ところが30表3人扶持というから、年の棒給は16石足らず。台所はいつも火の車だった。そこでお岩は家計を支えるため商家に奉公に出た。お岩が日頃から田宮家の庭にある屋敷社を信仰していたおかげで、夫婦の蓄えも増え、田宮家はかっての盛んな時代に戻ることができた。

お岩稲荷の信仰のおかげで田宮家は復活したという話は、たちまち評判になった。そして、近隣の人々はお岩の幸運にあやかろうとして、屋敷社を「お岩稲荷」と呼んで信仰するようになった。評判が高くなるにつれ、田宮家でも屋敷社のかたわらに小さな祠を造り、「お岩稲荷」と名付けて家中の者も信仰するようになった。そればかりではなく、毎日のように参拝に来る人々の要望を断りきれず、とうとう参拝も許可するようになった。

それからは、「於岩稲荷」「四谷稲荷」「左門町稲荷」などいろいろに呼ばれたが、家内安全、無病息災、商売繁盛、開運、さらに悪事や災難除けの神としてますます江戸の人気を集めるようになった。

お岩という女性に怨霊のかけらもない。

第二幕

時は江戸後期、所は歌舞伎の作者、鶴屋南北の部屋。

鶴屋南北はかねてから、「於岩稲荷」のことを聞いていた。お岩という女性が死んでからもう200年がたっている。それなのに今でも江戸では根強い人気があることに注目した。人気のある「お岩」という名前を使って歌舞伎にすれば、大当たり間違いないと見当をつけた南北は台本書きに入った。

お岩があんな善人では面白くない。刺激の強い江戸の人間を呼ぶには、どぎついまでの脚色が必要だ。南北は「お岩稲荷」からは「お岩」の名前だけを拝借して、江戸で評判になったいろいろな事件を組み込んだ。密通のためと板に釘付けされた男女の死体が神田川に浮かんだことがある。よし、、、これを使おう。主人殺しの罪で処刑された事件もあった。あれも、、、使える。姦通の相手にはめられて殺された俳優がいた。それも入れよう、、、。四谷左門町の田宮家には怨霊がいたことにしよう。江戸の人間なら、だれでも記憶にある事件を作家の空想力で操り脚本はできた。

しかし、四谷が舞台では露骨すぎる。「お岩」の名前だけ借りれば十分だ。南北が付けた題名は「東海道四谷怪談」。四谷の於岩稲荷の事実とは無関係な制作であることを示すことにした。天才的な劇作家が虚実取り混ぜて制作したのが、お岩の怨霊劇だった。

第三幕

時は文政八年(1825)。江戸時代が最も華やかで、文化爛熟といわれた時代。寛政から始まった幽霊物の読み本が最盛期を迎えていた。

果たせるかな、歌舞伎は大当たりした。お岩は三代目小野上菊五郎、伊右衛門は七代目市川団十郎の「東海道四谷怪談」は江戸中の話題をさらい、以来、お岩の役は尾上家のお家芸になったほどだった。歌舞伎がますます於岩稲荷の人気を煽った。あまりの人気にぶりに幕府も当惑し、四谷塩町の名主、茂八郎に命じて町内の様子や出来事をまとめさせ、奉行に提出させている。歌舞伎の初演から2年目のことだった。

第四幕

時はその後、所は四谷左門町の於岩稲荷神社。この歌舞伎の影響力は大きかった。最初は出演した役者がもっぱら参拝していた。そのうち上演前に参拝しないと役者が病気になる、事故が起きるといった話まで発展するようになった。

祟りがある、という声もあったが、事故の原因は他にもあった。なにしろ怪談である。トリックを操り、道具だても複雑になり多くなる。おまけに怪談だから、どうしても照明が暗い。また天井からの吊るし物も多い。そんな中で芝居することになるので怪我が多かった、ということだろう。それが怪談に絡めて「祟り」と結びついたのである。

於岩稲荷田宮神社 新宿区左門町 

もう一つの於岩稲荷 中央区新川2-25-13

お岩の墓地 豊島区巣鴨の妙行寺

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ママチャリのリアランプ

2012-01-20 11:47:34 | うんちく・小ネタ

帰宅が遅いことがあるので、自転車にリアランプを付けました。
ママチャリ2台に、ひとつには単4電池使用のもの、もうひとつは太陽電池使用で明るさにより自動点滅するものと変えてみた。
じゃーん
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CARREARAは夜間乗らないのでランプは付けていない。
普段はこの自転車のほうが便利です。

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暗闇に赤く点滅するので、遠目に確認できて安全でしょう。
太陽電池で自動点滅するのは、スイッチがないので付け忘れ、消し忘れがない。

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上向きに太陽電池が貼ってあり、明るさと振動を感知して点滅します。

明るいとLEDは消えたまま。

暗くなってから自転車をゴトッと動かすと点滅しだします。1分間動かさなかったり、明るくなると消灯。
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便利ですねー。
LEDが普及してからのグッツです。
LEDは電力消費が少ないので、小さなボタン電池に太陽光が充電するだけで数時間点滅します。

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こちらは単4を使うので80時間も持つらしい。

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