館林ロストシティーランブラーズ・フォークソングシングアウト

フォークを歌って43年の坂を今登坂中。世間に一言あってこそフォーク。軟弱アコースティックミュージックにシングアウトだ!

あわてなさんな      -あるオレオレ詐欺事件簿ー

2005-11-10 10:27:21 | ゆきこちゃんずログ
 「あっ、おかあさん?そっちに書類いってなかった?・・・実は、オレ、ついかっとなって、女の子を怪我させてしまって・・・。当たり所が悪くて・・・顔に傷がついてしまって、180万円払わなければならなくなって・・。どうしても 言えなくて つい、駅前の金融会社から借りてしまって・・
3ヶ月前なんだけれど・・・今、その会社に向かってるんだけれど・・・明日までに返さないと・・・」
 「な、何、それ・・・うそ!!そんなこと。それってサラ金にお金を借りたってこと?何なのその180万円という金額は・・3ヶ月前ですって ということは利息だって相当の・・・。すぐにでも返さなければ ・・仕事に遅れるから、また後で連絡する。」「じゃ、何時に帰るの、じゃまた電話する。」
 「何なの、これって・・大学生になって浮かれていて、変な女に引っかかったってこと? しかも 親に相談もせず サラ金に手を出して・・・うっそー そんな
馬鹿息子だったなんて!!!でも、ショックで冷静な判断力なんてもてなくなるのかも・・騙されておどされたんだわ。こんなときでも、母親は どんな馬鹿息子でも自分の子の肩をもってしまうもんだわね。ああ、こんなことってある??信じられない!!これこそ晴天の霹靂よ!!」
 夜、電話する。「あっ、ちょっと待って、今、人がいるから・・。こっちからかけるよ。8時半に。」
 「何やってるの。ああ、これは悪夢ではなく、現実なのよ。落ち着いて、落ち着いて。」
 電話が鳴る。夫が出る。お父さん、ショックで血圧上げて倒れないでね。でも、こういうことは やっぱり父親の出番だ。それにしても、こんな子に育てた覚えはないといいたいが・・。金銭感覚がおかしいよ。高校のとき、アルバイトでもさせて、働いて貰うお金の大変さを体験させておくべきだったわ。独り暮らしで羽を外しすぎたのか・・女の子と早速付き合い始めていたなんて・・きっと、都会の女の子に振り回されて・・それにしても こんな馬鹿息子だったなんて・・信じられない!!でも、私に似ているかも・・。
 夫は極めて冷静。こういうときは、やっぱり頼もしい。「明日、とりあえず定期を解約して、お金を用意しよう。200万だ。それと、これは、必ず、本人に返して貰う。来年からは、アパートを引き払って通わせる。朝、5時起きだ!!」 悪夢のような一夜が明ける。夢の中でまで、深いため息をついていた。「お父さん、きのうのこと、夢じゃないよね。」
 夫が、想像以上に、冷静なのに少し見直す。「やっぱり、おかしい。お金を払う前に、この金額が賠償額に相当するのか、金融会社が、いくら親が保証人になっているといっても、きちんと確認の連絡をしなくて良いものか、知り合いを通して、弁護士に確認してからもっていこう。」
 「えっ、こんな恥ずかしい話を知られるなんて・・。でも、確かに、金額が大きすぎるし、未成年者に、こんな金額を貸していいの?いくら市民法律相談の弁護士が妥当な金額だと答えたといっても、なぜ こんな大事なことを保護者に連絡させないのよ。」「あいつに、今日はその会社に行かないで、こちらからの連絡を待てとすぐ、電話しろ。」
 「あっ、起きてたのね。昨日のことだけど・・お父さんに代わるね。」
「・・・何のことって、ええっ、知らない?サラ金になんて行くわけないだって!
本当なんだね。でも、確かに、おまえに電話して話をしただろう。知らないって?? 電話番号変えたよね。ええっ、変えてないって!だって、数週間前、携帯を変えて番号が変わったって連絡してきただろう!! そんなこと知らないだって!!」
 「お父さん、携帯の通話料が、980円よ!!」「ばかっ、200万円に比べたらそれくらいなんでもない。」

 というわけで、我が家のオレオレ詐欺事件は、終わった。それにしても、家族3人が誰も疑わなかったあの声とやり方の巧妙さには、恐れ入った。
 このことを 本人に話すと「ばかだね。でも、おれって、そんなに、信用なかったのかな??」
 というわけで、のちの事件簿であった。
みなさんも、お気をつけください。「そんな馬鹿じゃないよ。ですって?」

ps その日犯人から連絡があったらしい。
 「惜しかったですね。後、一歩だったのに・・。警察に連絡させて貰いまし   た。」と長男が伝えると、電話はプツンと切れたらしい。

   
コメント (5)
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