殿は今夜もご乱心

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ターシャからの贈り物・2

2016年06月16日 09時59分09秒 | みりドラ
《ターシャの庭とは程遠い、我が家の庭》


検索ワードにターシャ・テューダー関係、多し。

中でも多いのが、すでに故人となった

彼女の遺産に関するもの。

「ターシャ・テューダー 遺産裁判」

「ターシャ・テューダー 長男訴訟」など。


2008年にターシャが亡くなった後

名家である実家から受け継いだ美術品を含む

総額200万ドルの遺産と、30万坪の土地は

長年ターシャの世話をしてきた

長男のセスさん親子が相続したらしい。


これを不服としたセスさん以外のきょうだい3人が

遺産分配を要求する訴訟を起こしたそうだ。

きょうだいの中には弁護士もいるらしいので

勝てると踏んだのだろう。

皆さん、結果が知りたいんだろうけど

私も知らない。

まだ終わってないんじゃないかしら。


特にあの庭に関しては、もつれると思う。

放映権、著作権はもとより、儲けようと思えば

庭に咲く花の一輪、葉っぱ一枚

種一粒までゼニに変わる。

アタマに「ターシャの庭」と付ければ

ドライフラワーだって、落ち葉のシオリだって

売れまくる。

あの庭の種や球根を手に入れ

自分の庭に植えたい人だって世界中にいる。


あの庭に実る果実をジャムに‥

あの庭に咲く花で香水を‥

一般公開して入場料‥

庭の写真を商品のラベルに‥

もしもその気になれば、利益は無限大。


すでに一流ブランドとして完成しているため

初期投資がいらず、仕入れの必要が無く

長期継続の見通しが始めから立っている。

顧客は世界中に多数。

必ず儲かる商売の見本みたいなものだ。


「兄さん、独り占めはずるいわ」

「ワシ、何も知らんもん」

「知らんわけないが。

あんだけテレビ出といて」

「好きで出たんじゃないけん」

「よう言うわ。

あれで既成事実作ったんと違うん」

「おかんが決めたことじゃけ、ようわからんもん。

だってワシ、素朴キャラじゃし」

そんな会話があったかどうかは知らないが

現物、並びに現物の持つ膨大な可能性が

全部長男一家の物になるとなれば

他のきょうだいは黙っちゃおられんだろう。


しかし所有者が複数になれば

どうしても意見の相違が出てきて

気高い庭に世俗が介入してしまい

ブランド性は失われる。

人々が、あの庭を愛する理由は

目に沁みるような自然の美しさだけではない。

神々しいまでの無欲と、悠久の不変に

夢や憧れを感じるからだ。

夢や憧れ‥これこそが一流の証であり

ブランドの真価である。


生前のターシャが、遺産問題に

きっちりケリをつけておくような人だったら

あの花園は、多分作れない。

「さあ、さあ、見てくださいな。

どうです?いいでしょう?」

とでも言いたげな、よくある庭となり

無欲と不変の透明感は備わらなかっただろう。

そして母親の面倒を見ていることを盾に

他のきょうだいをうまく押さえるような

如才ない長男だったら

黙々と花園を守ることはできなかっただろう。


だからターシャの死後、遺産でもめるのは

必然だったと思う。

私が言ってもしょうがないが

「現行の、一子相伝でお願いします」

とお願いしたいところ。



さてタイトルの、ターシャからの贈り物。

以前、私はターシャから

睡眠の贈り物をもらったと記した。

(2012年1月27日・ターシャからの贈り物)

今回、テューダー家の裁判を考えるにあたり

もう一つ、贈り物をもらっていたことに気づいた。

それは安堵である。


ターシャの番組を見て驚いたのは

小さき者達を喜ばせるために

心をくだき続ける母としてのサービス。

子供達の待つ川下へ流す

桃ならぬ、花で飾ったケーキ

手作りの人形で演じる人形劇

中でも目を見張ったのは、カタログショップだ。

子供達が人形の服を新調する際

お手製の生地見本を見て選び、ターシャに注文する。


私が子供の頃は、洋服をあつらえる習慣が残っており

私達子供もよそ行きの服は洋装店で仕立てていた。

生地見本を見て服地を選び、デザインを決めるが

ターシャの作るカタログは、そのミニ版。

そりゃもう可愛くて、手が込んでいる。


アヒルなんかのキャラクターに

クリスマスカードを出すシステムもあり

好みのカードのカタログも用意されている。

料金はボタンで支払う。

子供達は、どんなに楽しかったことだろう。


が、あんなに手間ひまかけて子育てをしても

付いて来たのは長男だけ。

あれだけやっても、4分の1の確率。

ここまでしてもらっても、子供達は遺産で争うのだ。


遺産の額が尋常でないのもあるが

お金が関わると、みんな同じ。

つまり、普通の家庭であった。


舅、姑仕えと仕事に追われ

夫の浮気に苦しんだ、私の子育て期。

忙しい、忙しいと言っているうちに

子供達は大人になってしまった、この手遅れ感。

もっと喜ばせてやれたのではないか‥

もっと楽しませてやれたのではないか‥

もっと手をかけてやればよかった‥

もっと私がしっかりしていれば‥

必死や懸命だけでは抜けない小さなトゲは

母親なら誰でも持っている。


しかし、手間ひまかけても、かけなくても

仕上がりは普通。

この現実は、私に安堵をもたらす。

ただし、うちに争う遺産は無い。

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4 コメント

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Unknown (モモ)
2016-06-18 22:36:32
結局、どんな良い環境で育っても、この世で履修することは、人それぞれ。ってことですかね。

良いお手本を身近でみても、その価値に気付けるのは、自身がまとった感性次第なのでしょうか。

ここから先は私の独り言ですが…

無欲というのは大きな母性に繋がるのかな

小いさな愛らしいものへの配慮、命や夢を与え、自然の成り立ちや恵み、知恵や工夫を教える。

母性から編み出された稀有な技。

それらを受け継ぐには、それなりの器が必要で。
正に一子相伝。

時代により更に高度な技を修得せねばならない。

心安らかに生き残る為に、今は親類切り捨て作業の試練の時。
または、お金という妄想に取り憑かれた親類を常態として受け入れる鈍感力を養う時期なのか。

どちらもかなりの消耗戦ですが、過ぎた頃に、長男さんの心和むお庭が見たいものです。

すみません、つらつらと勝手な事を書きました。
返信する
無欲 (みりこん〜モモさんへ)
2016-06-19 11:59:00
見返りを求めず、ひたすら与え続けることが
愛ならば、無欲は母性だと思います。
また一方、無欲でいられる
恵まれた環境にあるから、ザ・母性も生きる。

代替わりすると色々あるのは当たり前でね
今まで知らなかった身内の本心を見るのは
消耗するものです。
夫の祖父の時、夫の祖母の時
実家の父の時、アツシの時‥
人の死によって始まる豹変を
たくさん見せてもらいました。

彼ら、彼女らの共通点は
口ほどにもない世間知らずと自己中。
裏で、そのアホをそそのかす者もいる。
証明書を見せろ、念書を書け‥
いかにも、なことを言うけど
そもそもあんた、相続権無いじゃん
という方々まで参戦。
めぼしい物が無くてもこれなんだから
あったら大変だろうと思います。

無茶を言った人と、静かだった人の
行く末も見ています。
生死にかかわらず、それぞれにふさわしい環境が
訪れました。
正道とはそういうものなんだな、と思います。

頑張って!としか言えないけど
未来永劫、みんなと仲良くし続けるのは
無理な話で
どこかの時点で見直しの時期を迎えるんだと
思います。
それはたいてい、誰かの死がきっかけ。
色々なものが湧き出ることによって
多くの汚れが浄化されます。
家系の浄化作用は、誰かの死によって
起きるとも言えます。
自然な現象です。

死に対する興奮が収まると、自然に静かに
なりますから、中身の濃い経験として
じっくり眺めてください。
共通の敵の出現で、家族の結束も深まりますし
今後の親戚付き合いの基準にもなると思います。
返信する
初耳でした (夫人)
2016-06-21 09:27:22
岐阜にあるフラワーパーク内にターシャさんの庭が再現されています。
訪れる度に自分ちの目の前にこんな庭があったら、一日中眺めていられるのになあとため息しか出てきません。
思うんですけどあれだけの庭を管理するとなると、誰でも出来るもんじゃありません。
切り売りされて欲しくないと切に願います。
返信する
庭の再現! (みりこん〜夫人さんへ)
2016-06-21 15:38:36
そんな場所があるんですか!
それこそ初耳!
きっと素敵なところでしょうね。

所有権を分割したら
ずっと守って行くとかなんとか言ってても
どうしても何かあって続かなくなるんですよね。
管理も凡人ではできないし
半分がよその物となったら
身も入らないだろうし。
そっとしておいてもらいたいです。
返信する

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