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殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

後回し

2025年04月02日 15時38分10秒 | みりこん流
コメント欄で、ぎんどさんがお話ししてくださった。

“あるブログの読者が、ブログ主に質問した。

「自分の事がいつも後回しになってしまう」

それについて、ブログ主の答えは

「それはあなたのためになります」だった”

という内容。


相談した人は、周りに振り回される生活をしておられるのだろう。

ぎんどさんが、不死身の継母サチコに振り回される私に

心から同情してくださる温かい気持ちが伝わり、ありがたく思った。


とはいえ、ぎんどさん自身は

「あなたのためになる」という素っ気ない解答に

いささか懐疑的なご様子。

私もだよ。

とんでもない荷物を背負い込んで右往左往することが

自分のためになるとは微塵も思っていない。


親なんか連れて歩いてると、人は言う。

「いいことあるよ」、「徳を積んでるよ」

どこが!

やったことのある人ならわかっているだろうけど、何も無いぞ。

そりゃ、知らず知らずに難を逃れたりするようなことだって

あるのかもしれないけど、目に見えるようなことは何も無い。

そればかりか、敵の症状が進行するにつれて厄介になる一方さ。


そもそも自分のためになると思って人の世話をすると

ものすごくしんどい。

駆け引きを考えると疲れる。

何も考えない方が楽なのだ。


しかし、自分のことを後回しにしている自覚の無かった私は

この質問に新鮮な驚きを感じた。

自分のことが後回しになると、どうして悲しくなって

人に相談までしたくなるのか。

後回しとは、どんな状況を指すのか。

つい考えてみたくなった。


誰かの世話を優先するのは、確かに楽しいことではない。

旅行、ショッピング、趣味など

自分が楽しむ時間を捧げるしかないからだ。

つまり嘆きの正体は、時間ではなかろうか。


仕事に就いていれば、確かに壮絶かも。

働いていると、ただでさえ時間が足りないもんね。

若ければなおのこと、たくさん楽しみたいのに

その時間を他者に奪われる無念は大きい。


サチコの世話が始まった4年ぐらい前は、私もまだ若かったようで

「もしかして、私の老後は無しっすか?」

そんな残念感にさいなまれたものだ。

あれが多分、「自分のことは後回し」の気持ちだったのだろう。


しかし年老いた主婦となり果てた現在

後回しにする物は明らかに減っている。

価値観が変わったのか、あるいは楽しみから遠ざかっているうちに

それらを楽しいと思わなくなったのか。

人ゴミが苦手になって、人の多い所へ行きたくないし

何か欲しい、何かしたい、どこかへ行きたいなどの願望も

人一倍多かったはずなのに消えてしまった。


今さら新しい人と、進んで知り合いたいとも思わなくなった。

年寄りにかまけていると、新たな出会いばっかりじゃないか。

医者、看護師、施設の人、老人会、民生委員にアルソック…

あ、アルソックは市のサービスで

独居老人に緊急ブザーを貸し出しているから

安否確認の電話があるだけだけど…

それにアレらの知り合いや、生活に必要な業者とも関わるようになる。

新しい出会いは、もうええわ。


友だち関係も、変わった。

緊張感のある人とは、会いたくない。

サチコとの対決が緊張感を強いられるので

せめて友だちは、何も考えずにダラ〜ンとできる人しか

受け付けられない。

結果、会いたいのは同級生のマミちゃんとモンちゃんだけ。

十分だ。

「積極的な気分になれないのは、脳の衰えかもしれません」

テレビでサプリの通販は言うけど、私もそれかもね。


ところで、ここ広島県には104才で一人暮らしの

“◯代おばあちゃん”という、元教師の女性がおられる。

地方新聞に連載されて大人気になり、本も出たし映画にまでなった。

以前の私だったら「何て素晴らしい!」と感心し

「自分もこうありたいものよ」などと有り難がりつつ

本を買ったり映画を見に行っただろう。


が、今は無理、見たくもない。

シワシワの老女にはウンザリなの。

すいません。

ああいうのは介護と無縁の人が、微笑ましくご覧になるものなんだろう。


怒りのポイントも変わった。

我慢の日々を重ねるうちに気が長くなって

少々のことでは腹を立てなくなったけど

特定の怒りポイントにハマると、ものすごく腹が立つ。


例えば夫…この人は今、膝が悪くて歩くのに難儀してるじゃん。

スーパーやドラッグストアに二人で行くと、夫がカートを押すわけよ。

で、カートにつかまったらスイスイ歩けるもんだから

調子に乗って、すぐいなくなってしまう。


この習性、サチコや義母ヨシコと同じ。

探す者の身になれっちゅうんじゃ。

「ヒロシ!お前もか!」

という気分になって、ヘタすりゃサツ意まで湧く。

これは、介護の副作用かもしれない。



気づけばもう4月。

うちの前の桜は、まだこんな感じです。


皆様に楽しい春が訪れますように!

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6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (田舎爺S)
2025-04-03 11:29:24
こんにちは。
今年は、いつまでも寒さがぶり返しますね。
昨日、西小倉市民センターの囲碁の会の年寄り10人で、小倉城の下で花見をしました。
85歳くらいから70過ぎなのですが、ブルーシートに腰を下ろしたり、立ち上がったりするだけで人の手が必要、耳は遠いなどの人が多く、
若かった頃が懐かしく思いました。
返信する
Unknown (みりこん〜田舎爺Sさんへ)
2025-04-03 16:25:25
小倉城の下でお花見!
いいですね〜!
祖父も長く囲碁をやっていましたが
囲碁の仲間って一生ものなので
楽しい集まりだったことと思います。

わかります〜。
低い所へ自力で座ったり立ったりできる人が
年々減っていきますよね。
耳の遠い方もおられますか。
私たちも、だんだんそうなっていくと思います。
そうなると、若かった頃を懐かしく思い出すのでしょうね。
返信する
Unknown (まえこ)
2025-04-04 11:04:40
「いいことあるよ」「得をつんでるよ」
んなこと言ってるお前がやってみろよと思います。

そーゆー無益な会話に苛立つので
人と交わらなくなった私です。
返信する
Unknown (みりこん〜まえこさんへ)
2025-04-04 20:34:04
無益な会話!一刀両断ですね〜!
爽快爽快。

私も変な老女に関わってなかったら
介護で苦労している人にかける言葉が見つからなくて
「いいことある」とか「徳」とか
安易に言っていたかもしれません。
気をつけたいと思います。
返信する
Unknown (まえこ)
2025-04-04 23:47:26
変な老女w
ぽたぽた焼きのパッケージに載ってるお婆ちゃんって
幻想ですよね。

桜、キレイですね。
私も明日見に行きます。
厚着でいってきます。
返信する
Unknown (みりこん〜まえこさんへ)
2025-04-05 08:53:38
ぽたぽた焼き!爆笑しましたよ。
まえこさん、ほんと面白い。

煎餅を焼いて人の役に立つ、大人しいお婆ちゃんだと
いいんですけど、ああいうのは早く他界して
何もせずに口だけ達者なのが残る。
ぽたぽた焼きのお婆ちゃんは、マジで幻想ですね。

お花見に行かれるんですね。
温かくして、楽しんでくださいね!
返信する

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