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殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

差肉

2016年09月20日 10時27分47秒 | みりこんぐらし
昨日は敬老の日だった。

夫の姉カンジワ・ルイーゼは

去年の敬老の日と同じく、今年も肉をくれた。


「たまにはお母様に肉を食べさせてね」

この一言とセットだ。

普段、母親の好物を食べさせてないということに

したいらしい。

年に一度、肉を渡せば

親の面倒を見てもらえるなら

代わってもらいたいものだ。


去年くださった肉は

高級牛ロースの薄切り、小さいのを1パックと

硬い牛バラ肉、ちょっと大きめのを1パック。

「ロースはお母様に」

この言葉も添えられる。

つまりお母様は牛ロース

お前らはバラ肉でも食っとけ、ということだ。


義父アツシが生きていた一昨年まで

敬老の日は、ステーキ肉2枚が恒例だった。

「これ、お父様とお母様に」

この言葉も忘れない。

それと比べて進歩なのか、後退なのか

よくわからない。


「善意の風呂敷に包んだ微妙」は

昔から、ルイーゼの得意技ではあるが

母親と弟一家の肉に差をつけるという

この予想だにしなかった行為に触れた我々は

新鮮な驚きを感じた。


「娘がくれた、くれた」

と嬉しそうに牛ロースを食べる義母ヨシコを横目に

硬いバラ肉を食す我々。

「わあ〜!バラ肉の焼肉なんて初めて〜!」

「歯応えがすご〜い!」

子供たちはわざとらしく言い

夫と私は吹き出したものだ。

これを記念して、ルイーゼのこの行いを

「差肉」と命名した昨年であった。


今年の差肉は、前回にも増して見事だった。

ヨシコの肉は、同じ牛ロースだったが

我々の肉は、バラ肉でもハラミでもなかった。

どの部分かよくわからない。

とにかく血がすごい。

食べたら血の味がして、しかも硬い。


子供たちは言った。

「すげえ!血まみれだ!」

「シモフリじゃなくて、チモフリだ!」

ワハハと笑う一家だんらんのゆうべ。

肉はほとんど残った。
コメント (10)
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