殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

社外交流

2016年06月10日 11時23分11秒 | みりこんぐらし
近頃の夫は、社内交流に多忙である。

本社や支社の男性社員達が

日替わりで会社にやって来るからだ。


合併当時、夫は彼らから遠巻きにされていた。

危ないところを本社に拾われた

ラッキーな二代目ボンボンという

サラリーマンの敵みたいなプロフィールと

いかつい外見とのミスマッチを怪しまれていたからだ。


あれから、もうじき5年。

仕事を通して夫と親しくなるにつれ

彼らの警戒心は解けていった。

並行して、彼らは気づいたのだ。

我が社の立地の魅力に、である。


なにせ我が町には、行列のできるラーメン屋

◯◯園がある。

皆さん、なぜかここの

背脂ギトギトラーメンがお好き。

それぞれ用事を作っては高速を走り

◯◯園のラーメンを食べに来る。


食後は我が社でおしゃべり。

会社は主要道路から離れているため

通りすがりに車を目撃される心配がない。

目の前の海を眺めながら

誰にも知られずにサボれる隠れ家だ。

そこには聞き上手で口のかたい夫が待っており

安心して愚痴をこぼせる。

一度来れば、もうトリコ。

夫は仕事より、隠れ家の予約をさばくのに忙しそうだ。



社外交流の方では、夫は今年になってから

とある機関で働くパートのおばちゃんと

懇意なご様子。

いつぞや「チラシ知育」の記事でお話したことがある。

思想団体が配布した告発ビラに

市役所のえらいさんの愛人だと

実名で書かれていた女性の一人だ。

50代前半で、ご主人と娘さんがいるらしい。


ビラが配られて少し経った頃から

その人が時々、会社へ来るようになった。

夫の会社は月に何回か、彼女の職場に出向いて

書類を提出しなければならない。

それが親切にも

向こうから取りに来てくれるようになったのだ。


私もこの道30数年。

時期的に、ビラがきっかけになったのは

間違いない。

何か大きなことがあった後というのは

不倫者にとって、絶好のチャンスなのだ。

事故や身内の不幸なんかもそうだが

強いストレスがかかると

異性に逃げ場を求めるのは不倫者の習性である。


私の方は、どうでもいい。

相手の人数が2ケタ行ってみろ。

ホンマにどうでもよくなる。

こうして書いているのは、苦しむどなたかが

自分だけじゃないと思って

元気を出してくだされば嬉しいからだ。


ご主人の浮気に悩む奥様がたの多くは

相手の女の情報と共に、出会いのきっかけを

徹頭徹尾、気に病み、自分を責め続ける。

さもあらん、恋愛の話に

きっかけや馴れ初めは付き物だ。


が、不倫の場合、それは間違いである。

奴らはきっかけなんて、どこからでも拾ってくる。

きっかけがあって、不倫が始まるのではない。

逆だ。

不倫をするために、きっかけが欲しいのだ。


奴らが求めるのは、魔道を歩まざるをえない

もっともな理由。

きっかけは、自分の良心への言い訳である。


日々、きっかけを探し歩き

手頃なのがあれば逃さず使う。

いわば、きっかけのプロだ。

はなからスタンスが違う。


何でも傷つき、何でも辛がって繊細をアピール。

相談と称してメシへ流れたら

割り勘のゼニが惜しくて

かけうどんほどの値打ちも無い身体で払う。

公正取引委員会からクレームが来るぞ。


で、はい蜜月、はい充実

はいはい、良かったね~、おめでとうさん。

あとは長いマンネリから消滅へと続くワンパターン。


親に手がかかるようになると

妻を交代してやろうと言い出す者はいなくなる。

希望者がいる間に、交代してやりゃ良かった。

もったいぶってるうちに需要が無くなった

ワラジ製造会社の株主みたいな気分だ。


それはさておき、中高年の不倫には

男性よりも女性側の素質が問われる。

更年期障害に屈しない強靭な肉体

いくつになっても男の前でパンツを脱げる

揺るぎない自信

新しい出会いを求め続ける

あくなき冒険心。

女性がこれらの才能を併せ持たなければ

不倫には発展しにくい。


才能は、ヘアスタイルで見極めるのが簡単。

白髪染めでツヤを失った髪を背中に垂らし

派手なバレッタなんぞ留めていれば

まず才能ありと見て間違いない。


この先入観で当人を見ると、わかりやすい。

会社へは来るものの、外で話をする‥

話している間、強い同意を誇示するため

やたらとカクカクうなづく‥

夫を見上げる目つきがオトメ‥

そこへ夫の絶対条件

「手近なシロウト」&「人のお古」

&「かわいそうな状況」を重ね

さらに歴代の愛人に多く見られた特徴

「下半身デブ」

「背伸びしても隠しきれない昔臭およびイモ臭」

を持って来て一致すれば

ビンゴ以外の何物でもなかろう。


この人は、前任者の保険外交員チワコちゃんより

ずっとかわいい。

告発ビラに実名で載るくらいだから

そして事実有根の誹謗中傷をものともせず

仕事を続けるくらいだから、かなりの熟練者。


熟練者の長所は、遊興担当という自分の役割を

ちゃんと知っているところだ。

人の家庭をどうこうしたい野心が無いため、静か。

物売りではないところも気に入っている。

チワコちゃんのように、保険に入れだの

自分の子供の就職を世話しろだの

行きがけの駄賃的おねだりが無いのは

すがすがしいではないか。


惜しむらくはあのビラ

原本を実家の母にやったため、もう手元に無い。

だから彼女の名前はわからない。

知りたい気も無いが

今後、どうお呼びしたらいいのだろう。

ビラコ?
コメント (17)
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