殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

月例会

2010年10月25日 12時27分28秒 | みりこんぐらし
3ヶ月前から、月に一度、同い年の竹馬の友モンちゃんと

2人だけで遊ぶことにしている。

ドライブしたり、噂の店を探したり…

こういうことをするのは、亭主より、断然女友達がいい。


モンちゃんと私は、同じ商店街に生まれ、同じ幼稚園から高校と

ほとんど姉妹のように育った。

文字通り竹馬もやったが、ままごともいたずらも一緒にやって大きくなり

同じ町の男と結婚して、同じ町内に住んでいる。


同級生の集まりやバンド活動で、会う機会はあるのだが

お互いに老い先短い身…忙しさにかまけて、失ってからでは遅い…

と、どちらからともなく言い出した。

“ついで”でなく、わざわざ会って、悔いのないように遊ぼうと決めたのだ。

たいした所へ行くのでもないけど

我々は月例会と呼んで、毎月楽しみにしている。








8月に行った山。








9月にたずねたカフェの景観。







ケーキとアイスと…鳥。







砂糖。










今月は、空港へ行った。

モンちゃんも私も、仕事や家の都合で、今は遠出ができないから

せめて旅のニオイを嗅ぐのじゃ。


正面の窓に白いものが見えるの、わかるかしら?

パイロットが手を振ってくれてるの。

こういうサービスが、単純にうれしい。







じゃあな、オレは行くぜ…飛行機は、飛び立ったのであった。




この3ヶ月の間に、モンちゃんの身辺は変化した。

まず老人介護施設の順番待ちだった姑が、入所をはたした。

翌月には、就職活動中だった大学生の娘が、希望の会社に内定し

今月は、リストラ後、働かない歴数年の旦那が、仕事に就いた。

彼女を支配していた三重苦が、1ヶ月ごとに解消したのだった。


彼女はこの数年、働いて家計を支えながら

認知症の姑の面倒を見、娘を大学へやった。

プータローの旦那は、あてにならないだけならまだいいけど

動けない母親をいじめるのだという。

会社から呼び戻されたり、パトカーが呼ばれたのも、一度や二度ではない。

介護施設入りは、モンちゃんが楽になるためというより

姑を旦那から隔離するために必要であった。


人一倍チャキチャキだった母親が

急に動けません、わかりません…という事態になった。

旦那にしてみれば、日中、二人きりで家に居て

歯がゆいような、哀しいような

自身の情けない現状もあいまって、さまざまな感情に襲われるのであろう。

複雑な思いに戸惑い、自己処理できずに、立場の弱い者に当たる。


このコモノ加減、私にはよくわかる。

彼女の旦那は、我が夫と同級生だ。

この年回りの男がつまらんのか、添ってるうちらがつまらんのか

とにかく相性が悪く、連れだって生きるには根性がいる。


モンちゃんの場合、自立してるんだから離婚すりゃいいようなものの

子供を姑に任せて働いてきた手前

今になって、ハイさよならとはいかない…

すべては姑を見送ってから考える…と言う。

この一見義理堅い、早い話が要領の悪さも、身につまされる。


ともあれモンちゃんは、当面の深刻な悩みから解放され

顔つきも明るくなった。

彼女は月例会のおかげだと、冗談めかして言うが

もちろん、たまたまだ。

姑は、たまたま順番が来ただけだし

娘は、たまたま就職が決まる時期であった。

旦那は、母親が家から居なくなったことで

コモノなりに気が楽になり、職探しの意欲が出たと思われる。


しかし、気をもんで心配ばかりするより

次はどこへ行こう?とワクワクするほうが、いい方へ作用するような気もする。

痩せ細ったモンちゃんと、これからもいろんな所へ出かけるのだ。

食べさせて太らせ、私と同類に至らしめる野望も、夢ではない。
コメント (33)
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