殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

体育会系

2010年02月19日 19時17分40秒 | みりこんぐらし
バンクーバーオリンピックの鑑賞に忙しい今日この頃。

だって~、仕事しなくなってから初めての冬期オリンピックよ!

私だって一応初戦というわけ。


トリノの時は、出勤時間が迫っていたので

荒川静香と安藤美姫の演技を靴をはいたまま見て

そのまま仕事に駆けつけたわ…なんて思い出す。


スピードスケートの、コーナーを回る時の足さばきにうっとり。

一歩一歩、置くようにして進む感じが好き。

男子フィギュアスケートを見ていて、息をするのをうっかり忘れ

酸欠になりかける。


スノーボードのおニイちゃんも話題になってたけど

空港に現われた姿をニュースで見た時

「あのダサい制服をよくここまで着こなせたな」と正直感心した。

あの髪型であれを着せられるのは、さぞや抵抗があっただろう。


試合では、これから滑走する子のイメージビデオみたいなのが

スタート地点に据えた大スクリーンに映し出される。

あらかじめ撮影していたらしい。

馬子にもライトアップ…すごくオシャレな感じに写してもらって

ポーズ取ったり顔をキメたりしている。

他の競技の人が、この撮影に耐えられるだろうか。


スノーボードって、他の競技と違い

格好も言動も「伊達(だて)こいてナンボ」みたいなところがあると思う。

擁護するわけではないが、十把一絡げでは収まりきらない気もする。


彼は、とても感覚的な子だ。

この感覚でボードを操るからこそ、天才なんだと思う。

私も男の子を育てたので少しわかるが

こういう子を大人の思い通りにしつけるのは難しい。


ぶっきらぼうでふざけているような態度は

語彙や表現の種類を多く持たない彼なりの

全天候対応設備だと思う。

この人達はオレの味方じゃない…と感じたら

無意識にヨロイで武装してしまうのではないか。

そのヨロイ、ガッチガチならわかりやすいんだけれども

彼流の柔らか素材なもんで、それを聞いた人たちは

肩すかしを食わされたような行き場のない怒りに戸惑う。


国費が使われるから問題になるので

制服の支給をやめるなり、着たくない者は自費で別便の飛行機を使うなり

何か別の方法を考えてあげたらどうだろう。


…そんなん、かわいいもんじゃ!と私は思う。

そして国内に生息する、体育会系モドキという罪深い生き物に思いを馳せる。


学生時代スポーツに携わり、やたら元気のいい人のことを

いつの頃からか体育会系と呼ぶようになった。

健全な肉体と精神を持ち、礼儀正しく志の高い爽やかな人物…

そのようなイメージが先行している昨今を私は憂う。


スポーツに親しむ過程で心身を鍛え、人間としての完成形に近付いていく者…

頑張った経験を今度は社会人として生かそうとする者…

スポーツを通して多くのことを学ぶ人はたくさんいる。


しかし全員が全員、立派に成長を遂げられるわけではない。

特に中高年は、今やタブーとなったウサギ跳びなんぞを良いと信じてやりまくり

やれ炎天下で水を飲むな、それ歯を出すな…

などとナンセンスなことをさんざん強いられた。

元々心の強い者には、それすら糧や思い出となるだろうが

本人も気づかないうちに思わぬ方向へ歪む者もいる。


竹を割ったようなスポーツマンの虚像の裏に隠されているのは

案外女々しく計算高い素顔だったりして、職場や家庭に毒をまき散らす。

体育会系は体育会系でも、コンマ以下の要警戒人物も大勢いるのだ。


明治、大正、昭和初期…その頃スポーツをする者の大半は

そのまま坊ちゃんや嬢ちゃんという証であった。

食べるために奔走する必要のない

恵まれた環境の者だけに許された趣味…それがスポーツであった。


生まれながらに恵まれているので、性格も明るくて爽やか。

誰かの足を引っ張ってやろうとか

あいつの持ってるものをかすめ取ってやろうという発想そのものが無い。

身をかまう余裕があるので、見た目も良い。

そんな人たちが体を鍛え、スポーツマンシップを身に付ければ

そりゃもう無敵…憧れの対象である。


スポーツには、当時の感覚がいまだに息づいているフシがあると私は思う。

リーダーシップや協調性に富み、根性がある…

世間には相変わらずその通念が残っている。

その通りの人もいるだろうが、イメージに乗じる人間も多く実在し

そんなのに限って「自分は体育会系」と自称したがる。

そのほうが何かとお得なのをよく知っているからだ。

さながら狼の皮を被ったキツネ。


この「体育会系モドキ@コンマ以下」は

根性、根性と言っていれば、何でもまかり通ると思って生きてきた。

しかし社会生活において、本人はその根性をあまり使用しない。

大好きな根性は、自分でなくて周りの人間に要求する。


困った問題は、汗をかいて忘れる癖がついているため

頭でものを考え、真実を見いだす習慣が無い。

よって強靱そうな外見と裏腹に、臆病で逆境に弱く

精神的にもろいので感情の起伏が激しい。

激しいので無茶をするし、変に熱い心で残酷をはたらく。

チヤホヤされた過去が忘れられず、日常でも注目されることを好み

体力だけはあるため、スケベも多い。


職場で…家庭で…ゴタゴタの絶えない所に、わりと高確率で

この「コンマ以下」が配置されているのは、私の周囲だけだろうか。

少しはオリンピック選手を見習ってほしい…無理か。
コメント (47)
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