殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

まがたま夫人

2009年06月14日 14時37分48秒 | みりこんぐらし


ちょこっと京都へ行って来た。

友達と現地集合、現地解散。


目的その①…京都御所“潜入?”

源氏物語の舞台である。

ここで「あんなコト」や「こんなコト」が…と勝手に想像し、いたく満足する。




目的その②…○嶋亭のすき焼き

明治時代に建てられたというレトロな三階建てにメロメロ。

さらに、すき焼きを作ってくれた中年の仲居さんに驚く。



うちの実家の町で昔っから「小町」「町一番のベッピン」と呼ばれ

その前後に並ぶ者無し…と言われて60有余年の“はま子さん”に

そっくりであった。

顔立ちが純和風でなく、ちょっと「洋」が入ったところも似ている。


客商売未経験である我が町のはま子さんと違い

こちらの「はま子さん」は気配りがあり

粋とサッパリの間に位置するしっとり感がある。


田舎じゃ右に出る者無しの、ずば抜けた美人ランクが

ここでは普通にさりげなく社会人…さすが京都…。

“私たちが今まで食べていた物体は何だったのっ?”級の肉と共に感動。


翌日は買物ざんまいのあげく、行商人のような荷物を抱えて車中の人となる。

故郷の駅(おおげさな…)に降り立つと

行く時、さんざん世話を焼かせた駅員さんがいた。

駅で開口一番「わたしゃ旅慣れないんだから、どうにかしてちょ」

みたいなことを言ったら、色々どうにかしてくれたおじさんだ。

「無事に帰って参りました」

と帰還兵士のように報告し、待たせてあった夫の車へ乗り込む。


ここでハッと気付く。

夫へのお土産が何も無いことに…。

ゾウリ、数珠、Tシャツ、便箋…自分へのお土産はたんまり。

たら~り(汗)


帰宅して荷物を解く間も、何か無いか…と気もそぞろ。

もらい物のメロンも、私が帰るまで食べずに待っていた…と言う夫…。

いつも夫に「思いやりを持て」「常識を知れ」と

小言を言っていたことを後悔。


夫は目を輝かせて“何か”出て来るのを待っている。

やばいっ!

そこへ出てきたのは、駅ビルの「東北フェア」で買った山形牛。



はい…これ…

牛肉のパックを渡す。

「何?これ」

「ぎ…牛肉よ」

「これがお土産?」

かなり不審げである。

「そ…そうよっ。おいしいのよっ」

「あ、すき焼き食べるって言ってたよね。それだね」


どうせ老眼だ。

スーパーで買うのと同じ、発泡スチロールのトレイに貼られた

「山形牛」の小さい字なんか、見えやしないのだ。


チクチク…良心が痛む音。

しかし!…と私は自分に言い聞かせる。

この男は海外に行った時

私には3枚ひと組のスカーフの1枚しかくれず(残り2枚は母親と姉)

愛人には指輪を買っていたではないか…。

また別の時には、愛人には本物のシャネルの腕時計

私のは同じデザインのなんちゃってモンを与えたではないか…。

あれはクツジョクだった…などと思い出す。


しかし、今回旅したメンバーの一人がくれた

ブランドもののハンカチに思いをはせる。

こんなプレゼントをもらって

過去のザンネンは、あらかた昇華されたのではなかろうか…。

また振り出しに戻る。



そうだ…国内旅行でマガタマのネックレスを

買って来てくれたこともあった…。

しかもそれを首にかけた私を見て

「怪しすぎる!やっぱりおまえはそのスジの女!」

と大笑いしたではないか!


「こんなもんぶら下げて、どこ行け言うんじゃ…」

とつぶやくと

「どこでもいいから、お告げを聞いて稼げ!」

と言ったではないか!

ミヤゲが牛肉になったくらいで、うろたえてはならんのじゃ!

…と自分に言い聞かせる。


それでもチクチクはおさまらない。

もう一人のメンバーがくれた本場のピーナッツを

しぶしぶ差し出す。

一人でこっそり食べるつもりだったやつだ。

大好物を手にして、夫はとても喜んだ。

やっとチクチクはおさまった。
コメント (18)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする