ママさんバレーをやっていた時期がある。
チーム名…一丁目バレークラブ(仮名)。
一丁目の住人ではないが
若手がいないということでスカウトされた。
初めての練習日。
体育館へ入ってボーゼン。
あ…あれはもしや…
チョウチンブルマー?
練習が始まり、さらにガクゼン。
こ…これはもしや…
あれか~~!!
「あなたのもあるわよ。700円ね!」
そのおかた…一丁目バレークラブのドン
山田夫人(仮名)は、問題の渦巻きサポーターを差し出す。
ちりちりパーマに、なぜか後ろ髪だけをイカのように垂らした
一丁目で一番イケてるヘアスタイルが印象的だ。
山田夫人のお宅は一丁目集落に唯一ある商店。
その名も「よろず山田屋」
一丁目の住人であるメンバーは
山田屋で練習着を揃えるのがならわしであった。
地元の店を大切にする
古き良き日本の心という見方もあるが
スピーカーと言われる山田夫人の機嫌をそこねると
後が怖いという雰囲気モリモリ。
よって、山田屋に残存する昭和の在庫を
処理する身の上となるらしい。
若手が続かないのは、これが原因だったのかっ!
逃亡はできない。
監督は夫の親戚なのだ。
「入部祝い」と称して
監督が現代的?なサポーターをプレゼントしてくれた意味がわかった。
私は死にものぐるいで練習に励んだ。
強くなって、自由を手に入れるのだっ!
スポーツ未経験の私が
早晩、エースアタッカーの地位を確立できたのは
ひとえに山田屋のおかげといえよう。