めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

水族館の役割を思う

2014-03-03 16:33:03 | 高齢化社会

十数年ぶりに池袋にあるサンシャイン水族館に行ってきました。
子どもたちが小さい頃はよく出かけたものですが、最近では
スカイツリーにある墨田水族館に行ったぐらいでした。

冷たい雨が降る中、午後過ぎに現地に着くと、
沢山の家族連れと男女のペアでごった返していました。
水槽の近くでゆっくり観察する事は至難の業で、
遠巻きに見ながら、水槽の説明と魚のチェックで
あっという間に一周して終わってしまいました。

久し振りなので新しい展示に期待していたのですが、
以前よりも何故かこじんまりとしてしまい、水槽も
少なくなっている様に思えました。

水族館の経営もこのご時世から大変かとは思いましたが、
墨田水族館と同じく、何かしっくりこない気持ちで
帰宅に付くこととなりました。

学生の頃に海洋生物の研究をしていた事もあって
展示されている生物に特別目新しいものもなく
以前と変わらない水族館の状態でしたが、
見学して出てきた後、何も心に残らず、
長い間海に関わってきた私の気持ちは、
小雨の降りしきるこの日の空の様でした。

水族館の美しさや魚たちの泳ぐ姿の楽しさは
子供達だけでなく、我々大人も大好きです。
でも、しっくりきません。
学生の頃、沖縄の海に潜って何度も見た光景と
変わらず、美しい水槽の中、スタッフの努力も解ります。

私が思うに、この海中の姿は、現実の理想像です。
今や、海も川も多くが汚染され、沢山の生物が
絶滅の危機に瀕しています。
美しい東京湾の魚を、理想的な水質の中で見せられても
現実とは程遠いのです。

魚の種類を見たければネットで見れば世界中の海の
美しい姿を見る事が出来ます。
今、水族館の果たす役割は、現状を知らせる事と思えます。
ただ珍しい生物を展示して入館者を増やそうとするだけでは
江戸時代の見世物小屋と変わりません。

東京湾が綺麗になったと言われます。
確かに、波打ち際にはゴミが無くなり、海面の油も
目につかなくなりました。
しかし、海の中を知る人は非常に少ないのです。
それは、東京湾の実態がメディアに流れないからです。
生命感の無いお台場の水際に、何人の人が違和感を
覚えるでしょう。

今や、環境問題を語らずして生物は語れません。
福島第一原発の環境汚染も日本中の公害も、
人のみならずあらゆる生物と関わっている事を
考えていかなければならないと思います。

我々も地球の環境の中で他の生物と生きている事、
他の生物が生きていけなくなれば、いずれ人類も
辛い未来を迎えなければならない事を知ってほしいです。



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