めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

空しい緊急アラートの音

2017-09-15 13:31:42 | 日本人

少し寝苦しくて、朝早めに目を覚まし、居間のソファーに横になり
ボーッとテレビを見ていると、突然、画面が変わり、警報音と
緊張感の籠ったアナウンサーの声で、ミサイル発射が告げられました。
赤のバックに書かれた緊急速報は、いかにも、非常事態であることを示し、
戦争が起こったとは言えないものの、日本にとって、新たなる時代に
突入している事を知らされました。

ミサイルの放たれた方向は、北海道の東方沖であり、以前のコースと
ほぼ同じであり、日本上空を横切ると言う、相変わらずの蛮行と言えます。
アメリカ本土への攻撃を見越した実験である事は解りますが、この事で
どれだけ自分達の主張が認められると思っているのでしょうか。
人間社会に於いて、人に苦しみや悲しみ、恐れを抱かせる事で、
自分達の欲望を叶えようとする行為は、人として最低の行為であり、
世界中の人々に怒りや憎しみを生んでも、自国民は、決して幸せには
成れないのです。

しかしながら、テレビ画面を通して、この非常事態をどんなに訴えても、
日本国民は、一体どうしていいのか解らないと言うのが実情です。
安全な建物の中に避難して、安全な所に身を隠すようにと言って、
日本中の国民の中で、どれだけの人が、安全と言われる所に避難できる
と言えるのでしょう。

私と同じように、ただ、テレビ画面を眺めているだけの人が殆どと言えます。
韓国の各都市に於いては、非常事態宣言が出されると、各地に常設された
シェルターに逃げる様に訓練されているのですが、そんな施設も無く、
戦争を想定した訓練も行った事のない日本国民は、成す術がないのです。
増して、ミサイルが発射されて日本本土に到達するまで10分そこそこと言われ
それまでに、どれだけの人達が安全な所に避難できると言うのでしょう。

東日本大震災の時、津波が来るまでには、早くても2,30分時間があり、
震源から遠い地域は、1時間以上かかって襲ってきました。
しかし、それ程時間が有っても、多くの人々が犠牲になっているのです。
既に、アメリカだけでなく、日本や韓国の主要都市には、ミサイルの標準が向けられ
有事と成れば、一斉に、何千発ものミサイルが飛んで来ると言われます。

それを、限られた迎撃兵器で迎え撃つ事で、国民をすべて守る事は不可能なのです。
確かに、アメリカが本気になって戦えば、猫とライオン位の差があると言われれますが、
戦争が終わるまで、果たして、日本人や日本国土にどれ程の被害が生まれるか
考えただけでも身の毛がよだちます。

しかし時のリーダー達は、まるでゲームの様に、危険な兵器を使おうとします。
頭では、どれ程の被害が生じるか解っていても、自分の考えが国民の思いかの様に
思い込んでいる事から、自分の欲望のままに、ゲームのスイッチを押そうとします。
周囲には、イエスマンがいつも笑顔で取り巻き、自分の考え行いをすべて称えます。
まるで、自らが神に成ったかのように、国民や世界中の人々がどの様に考えているかは
聴く耳は全く持たず、暴走行為を繰り返すのです。

人の上に立つと言う事は、人々の思いを熟知して、如何に幸せな社会を築くかに
命を掛けなければなりません。
増して、人々を傷つけたり命を奪う兵器を作ると言う事は、在ってはならないのです。
しかしながら、戦争を正当化する為に、彼らは、決まって、国民を欺き、弾圧を加え
洗脳を行うのです。

自らの方針に異を唱える者は、圧力を加えるだけでなく、命を奪う事も厭わず、
残酷な虐待行為を持って恐怖政治を行います。
この歴史は、人類の歴史として、洋の東西を問わず、歴史上の事実として知られていて
これまで、どれ程多くの人々が惨殺られて来たでしょう。
子供達には、独裁者としての地位を守るために、幼い頃から対戦国の誹謗中傷を
日常のものとし、国民すべてが恒久的に自らに忠誠を誓う国を目指します。

この事は、我が国においても、第二次世界大戦に突入する頃、同じような光景が見られ
子供たちが声を揃え、鬼畜米英と叫ぶ姿が重なります。
しかし、この様な国民の幸せを無視した体制が長く続くはずは有りません。
日本国民も、戦争に突入し、膨大なる犠牲を払って初めて、政府と軍が行っていた
体制が如何に茶番で卑劣な物であったを思い知ったのです。

とは言え、何故、私達は、この様に不幸な結果を招く虚偽に騙されてしまうのでしょう。
ヒットラーが台頭してきた時も、ドイツ国民は何の疑いもなく、彼の卑劣な戦略に
引っ掛かってしまい、多くのユダヤ人を迫害し、世界中を恐怖に陥れました。
戦争が終わって、どれ程酷い事を行っていたか、自分の行いにようやく気が付いた
ドイツ兵も多くいたのです。

まるで魔法が掛けられたかの様に、私達は、リーダーの言動行動に吸い寄せられ
事の善悪の判断も失われ、彼の思うがままに従ってしまいます。
そもそも、権限をリーダーに託した大衆は、自分の意思判断をリーダーに任せ
リーダーの指示に従った行動するようになっています。
これは、動物が集団で生活する時も、リーダーの行動は絶対であり
その群れの生き方はリーダーの考え次第と成るのです。

しかしながら、この行動は、極めて反射的な物であり、何か集団でパニックに
成った時は、殆どの個体にとって判断の力は無く、誰かの指示に無意識に従い
時に、集団で命を失う事も有るのです。
この事は、人間に於いても同じ特徴が見られ、国民が、リーダーによって
様々な方向に簡単に導かれて行くのです。

所が、このリーダーが求める方向が、戦争であったり、テロであったりとすると
その影響は、国民だけでなく、その対象と向けられた人々にとって脅威であり
不幸を呼ぶ事と成るのです。
この、集団催眠に罹ったかのような行動を取ったのが、第二次世界大戦前の
日本国民であり、今の北朝鮮国民と言えるのです。

強いリーダーシップを持って国民を導いて行く事は大切と言えますが、
その方向が、国民や他国民を不幸に導くもので有ってはなりません。
その為、世界中の国は、いつも情報を交換し合い、お互いの生活を知り
如何に平和で幸せに生きて行くかを考えるのです。
しかし、独裁的な権限を持って強制的に国民を思うがままに扱おうと
考える人たちは、外部からの情報を遮断し、常に、自国以外の国に対し
警戒心や敵対心を持たせる様に洗脳します。

残念ながら、今の北朝鮮の国民の状況は、正しい判断を失った
かつての日本国民と同じ状況となっているのです。
私たち日本人も、一部の人達の暴走で、国民を多く失い
国土を焼き尽くされる地獄を味わいました。
いまでこそ平和な日本と成っているのですが、この平和は
かつての間違った国策に国民が従ってしまった苦い経験から
生まれたものなのです。

リーダーとなる人たちは、普通の人より遥かに、自己顕示欲が強く
多くの人達の強い賛同を求める傾向が有ります。
しかし、今行っている事が、果たして、国民だけでなく
世界中の人々が求めるものであるのか、もう一度我に返って
深く考える必要があると思われます。
どんなに、欲しい物を手に入れても、自分を取り巻く人々の心が
離れてしまっていては、結局は、強い孤独を味わうだけなのです。

話し合いはどれだけ時間を掛けても良いのです。
お互いの思いを理解するには、果てしない時間が掛かるかもしれません。
しかしながら、本当に国民の幸せ、自らの存在価値を求めるなら、
決して戦争に踏み切っては成らないのです。





 



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