羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

五十肩で失われる呼吸

2020年10月27日 11時06分18秒 | Weblog

野口三千三は、円・波・渦・螺旋の動きを体操に導入した。

ゆらゆら、にょろにょろ、・・・・揺れる動きが様々な動きのシーンで見られる。

その様子を始めて見た方は、気持ちわるーいという反応を返されることが多い。(実は、私のそう感じた一人だった)

「なんだか、エロティックだわねー」

言葉にしなくても、そうおもう人もおられる。

ところが、野口本人は、さらにもっと微細な動きを求めて、工夫に工夫を重ねておられる。

野口体操の動きのコツがつかめて、気持ち良さが感じられるようになると、最初の印象は一変する。

そこに到達するまでに、時間がかかる人と、かからない人がいる。

理論や身体観や体操が生まれてくる経緯がわかってくると、揺れる動きの意味の深さが頭でもからだでもわかってくる、というわけ。

 

さて、ここにリンクした動画をご覧いただきたい。『機能解剖学:呼吸に関わる筋肉』

芸大の三木成夫先生の「呼吸」の話の中の呼吸筋の絵が、時間を超えて動き出したのがこの動画である。

これを見て、思った。

野口体操の動き、そして野口三千三が求めた「もっと微細な動き」は、この呼吸の話に通じてくる、と。

五十肩を患うと、実は、この動画で紹介されている呼吸に関わる筋肉が、ことごとく動きが悪くなって、伸びること縮むこともできない状態が何年にも渡って続いてしまう。

呼吸の質を低下させることになることに気づく。

単純な五十肩は必ず治る。しかし、肩が動かせるようになったら、動かせる範囲で、動かしておくことが肝要なのだ、と動画を見て得心した。

そして野口体操の動きを丁寧に継続すること。さらに野口三千三の時代には、まだまだはっきり教えられなかった「機能解剖学による呼吸筋群」へのアプローチは、野口が求めた微細運動が非常に意味を持つことを改めて知らされた。

からだのこと、からだの動きの奥は深い!

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「破れかぶれ」かと思いきや アメリカ大統領選

2020年10月27日 08時44分41秒 | Weblog

日本のニュースでも連日報道されているアメリカ大統領選。

保守派ポピュリストのトランプ大統領は、日毎に、前後の見境もなく乱暴で手に負えない無謀さを見せて追い上げに必死と見受けられる。

そんな折「日経新聞 10月23日付け 大機小機」の記事を読んで刮目したことがある。

刮目、その1

米大統領選について。

『米大統領選 プロレス流観戦法』によると、トランプ大統領はプロレス好きで、2013年には長年の貢献が評価されて米国プロレス団体「WWE(World Wrestling Entertainment)」の殿堂入りを果たしたという。

この団体は世界一のプロレス団体で、年間の売上高は約800億円で上場企業だ。

記事によると、かたき役をはっきりさせて大衆をあおるトランプ流の演説は、プロレスのマイクパフォーマンスを彷彿とさせるという。(昨今では、日本のプロレスでも相手を罵るマイクパフォーマンスが行われている)

1回目のテレビ討論で繰り返された妨害発言も、5カウントまでは反則が許されるプロレス流の戦い方なのだろう、と。さらに、選挙の決着自体を「場外乱闘」に持ち込もうとしているように見える、と書かれていた。

 

刮目、その2

野口三千三の独学法。

この記事をきっかけに、野口三千三が敗戦後の日本で、プロレスが流行り、その戦い方を研究した話を思い出した。プロレス研究の結果

1、「ヨガの逆立ちからまっすぐのまま背中側に倒れる」

2、「机の上にうつ伏せになってズルズルと頭から床に流れ落ちる」

そういったパフォーマンスが、実践される直前の教室は、シーンと静まり返って、静謐な空気が流れていく。目の前で繰り広げられた2つの動き。両方ともに、床に倒れた瞬間に大きな音がして、見ている者は我に返るのだ。立ち上がった野口は、何事もなかったかのように説明を始める。

野口曰く「プロとして闘うレスラーは、試合のたびに怪我をしていたら、生活ができないでしょ。だから真剣に怪我しない方法を体で見つけたわけよ。大きな衝撃音を立てて倒れても、この理論を活かせば怪我は最小限に抑えられるんだ」

つまり、野口体操の「液体的なイメージ」と「触れ合ったところから力を抜く」理論なのだ。床に接した体の部位は、瞬時にして力を抜くことが肝要。そして接したところから、次々順順に倒れていくから怪我はしない。これは「ニョロ転」と呼ばれる動きの基礎感覚である。

 

10月24日土曜日の朝日カルチャーのクラスでこの記事を紹介した。

出席していた新井英夫さんから、アメリカのプロレス興行に接近した日本のプロレスについて、元女子プロレスラーが、誠実にいい雰囲気で語る動画を紹介してくれた。Google検索で「WWE」について、この動画を見てプロレスのエンターテイメントがもつ意味をはじめて知った。

一度は見に行かねばなるまい、と気持ちがはやった。正直に言って雰囲気に呑まれそうな畏れを感じてはいるが、何事も生きているうちである。兎にも角にも、敗戦後に、ごまかしのきかない体で生きる職業の人と交流し、人間にとっての身体運動の基本を探り始めた野口だ。「サーカス」「ダンス」「プロレス」から学んだことが、野口体操に活かされていったことの真の意味が分かりかけてきた。

最後に、「大機小機」の記事に戻ろう。

繰り返しになるが、一見「破れかぶれに見える」選挙戦術は、トランプ大統領の大衆を巻き込む選挙戦術が、プロレス流のやり方だったというわけだ。

バイデン氏が圧勝すれば問題はないが、僅差の結果が出れば、法廷闘争に持ち込まれて、なかなか大統領が決まらないという大乱戦になる。

記事は『この決戦、米大統領選に新たな歴史を刻む名勝負になるのか、大乱戦になるのか。世界が固唾をのんで見守っている』と結ぶ。

長い戦いも、残り1週間に迫った。

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オンライン講座 高円寺お蔵スタジオ

2020年10月27日 05時25分56秒 | Weblog

オンライン講座 高円寺お蔵スタジオ 11月7日朝カルオンライン野口体操講座が近づいた。元々この部屋で野口体操のレッスンを行うつもりだった。コロナ禍でもっぱらzoomズームを使ってのスタジオとして使っている。教室に通えない方、ぜひご参加ください。

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