最近のこと、朝カル日曜クラスのレッスンで驚いたことがある。
それはオンライン講座から対面講座に戻られたYさんの動きを見た時だった。
Yさんは、野口三千三先生の時代に体操を始められていて、没後は羽鳥の講座を継続して受講されている。通算すると30年以上の体操経験を持った女性だ。
コロナ禍で、仕事の性質上、朝カルのオンライン講座に移行され、この講座が始まった当初から休むことなく参加されている。
毎回、モニターを通してYさんの動きを見ながら、いつもいい感じで体操されている、と嬉しく思っていた。
時にはお手本を示していただいたこともあった。
さて、2023年4月、久しぶりに対面講座に復帰されたYさんのリアルな「上体のぶら下げ」を見た。
素晴らしい!
野口体操が目指す、からだの内側から生まれる液体的な揺れが、ありありと私の目の前に映し出された。
「モニターでは伝わらなかった!」
「こんなに素晴らしい“上体のぶら下げ”だったのか!」
それからといいうもの、私の目はYさんから離せなくなった。
腕回し、尻叩き、腿の胸付け、無限記号を描く動き、3回しゃがんで立つ動き・・・etc.
どれをとってもすごくいい!
モニターを通した時も良かったのだが、それをはるかに超えているのだ。
「上体のぶら下げ」で示した金属の帯 ゆすることで穴として見える
大きな『?』が私の中にむくむくと湧いてきた。
モニターを通して私は何を見ていたのだろう?
モニターを通して受け手の皆さんは何を見ているだろう?
実際に、オンラインで動く時は、リアルのレッスン以上に、ゆっくり動くことを心がけていた。
その理由は、Zoom画像のコマの連続には、人間の目とは異なる質の粗さがある。そこで動く時には、テンポを遅くすることで、動きの本質が伝わるのではないかと考えていたからだ。
一方、リアルな動きを見たとしても、動きの全部を見ているわけではない。
だとしても、モニターで見たYさんの動きと、目の前でリアルなYさんの動きを見るのとでは雲泥の違いがあることに衝撃を受けた。
この現実をどう受け止めるのか?
遠方の人たちを繋ぐ会議用としてのZoom映像の特性について調べる必要がありそうだ。
『「野口体操」の動きを伝える』という条件の中で、Zoom映像の限界を理解して、そこで何ができるのか?
どのように注意を払ったらよいのか?
実践しながら探っていくとしよう。
まずは、今週末5月6日のオンライン講座を前に大切な課題をもらった。