羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

藤の生命力

2010年08月12日 10時58分46秒 | Weblog
 七房の藤の花を愛でていた時から、季節は移った。
 近くの花屋でこの鉢を見つけたときには、垂れ下がる花の色と甘い香りに、迷わず買ってしまった。
 その時、小さな葉でさえ、葉と名のつくものは一枚もついていなかった。
 教えられた通りに、鉢の底には赤玉土ゴロを一皮並べにし、あとは砂で埋め込んだ。
 藤を育てる骨は、日当たりと水はけがよいこと、と言われた。

 花も終わったが、水遣りだけは欠かさないまま初夏を過ぎた。その頃には緑の葉が茂り、蔓上に延びていく一本をさした棒に絡ませておいた。
 今では上に伸びていく茎に互い違いに葉がついている。
 たった数ヶ月もたたないうちの成長ぶりを見ていると、藤棚に繁る期間はそれほど長い時間を要しないだろうことが予測される。

 そういえば生まれた新宿の家の庭には藤棚があり、その下には砂場が作られ、その脇には向かい合わせ二人乗りのブランコがあったことを思い出した。
 しっかり夏の日よけとなる遊び場だった。

 それにしてもこれほどのびのび成長し葉が繁るものとわかっていれば、もっと大き目の鉢に植えたものだ、と思っている。
 植物はまず一年間を通して観察し、それから三年、五年と過ぎるうちに、ようやくその性質が見えてくるものらしい。
 来年の植え替え時には、根の張り具合をよく見届けて、相応しい鉢を選ぶことにしよう。
 来る晩秋から冬の様子こそ、しっかり見届け、見守ることが肝要、と藤が語りかけてくる。
コメント
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