羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

iPadの楽譜 

2010年08月10日 06時57分14秒 | Weblog
 iPadをピアノの譜面台に乗せて、女子学生が稽古をしている。どこかの保育系短大らしい。
 書籍が電子になるのだから、楽譜だって‘電子楽譜’があってもおかしくない。
 場所をとらずに何万曲、何十万曲、たった一台のiPadの収納されるわけだ。
 確かに便利だ。しかし、ちょっと待てよ! 曲の解釈やら、注意やら、楽譜に書き込むことはできないだろうな~。
 かつて弾いてきた曲の楽譜には、手垢といっしょにその曲から喚起された思いや‘こう弾きたい’といった意思や感情や情緒や迷いや挫折や希望や嬉しさや楽しさや……、ありとあらゆる情景がしみこんでいる。昨日も書いた‘住まいの身体性’にプラス、そこで暮らす人間の‘創造性’‘想像性’‘精神性’がたっぷり残されている。楽譜にそれらの残像が残ることで、新たな思いも膨らみ、年齢を重ねることで気づかされること、深まること、拡がること、諸々が豊かさをもたらしてくれる。(たとえテクニックは落ちたとしても)

 クールなiPadにおさめられた一曲一曲に、何がのこされるのだろう。
 そんなことを思いながら、楽譜の山を眺めている。
 それだけじゃない、古いレコードも、だ。

 まぁっ、断ち切るべきは、‘我が青春の残滓’かもね~?! ううううっ。。。。。
コメント
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