電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩。時々は実際に散歩を楽しみます。

梶よう子『赤い風』を読む

2019年07月31日 06時04分25秒 | 読書
文藝春秋社から2018年に刊行された単行本で、梶よう子著『赤い風』を読みました。2017年に埼玉新聞に連載された、地域史に基づく作品のようです。

物語は、江戸時代の武蔵野台地に残された入会地が、多くの村落の秣場(まぐさば)として利用されているところから始まります。境界がはっきりしないために、複数の村落が互いに争う中で、とうとう十歳になったばかりの正蔵の父親・吉二郎が他村の五人組の男たちに襲われた際に息子をかばって頭を強く殴打され、帰宅後に死亡します。しかし、犯人は軽い叩き刑で放免され、遺された母子は他村に労働力として縁付くのです。このような多年にわたる秣場の争いも、新たに川越藩主となった柳沢吉保とその腹心の家老・曽根権太夫らの調査により、川越領として解決をみますが、問題はここから。将軍徳川綱吉の肝いりで三富神殿の開拓が始まります。

ここからは、二年と期限が切られた開拓の経緯が、かなり具体的に描かれます。一軒あたり五町歩の細長い短冊状の土地は、防風林に囲まれた家屋とこれに続く耕地、その奥の屋敷林からなっています。赤い風となる火山灰の土地に、落葉樹の落ち葉を集めて作る堆肥をすきこみ作物を育てるという、今風に言えば「循環エコ農法」。開拓を志して集まってきた人々の中に、成長した正蔵と、父親を殺した鶴間村の悪党・藤兵衛が名前を変えて加わっています。家老・曽根権太夫と嫡男・啓太郎が自ら村に住む開拓は、はたして成功するのか、また正蔵らはどうなるのか、叙事詩的な展開で物語は進みます。



なかなかおもしろかった。今も残る川越の三富新田が日本農業遺産に指定されていることなど、初めて知る史実も興味深いものがありました。しいて言えば、後に登場する荻生徂徠など歴史を有名人の智謀に帰着させて展開しようとする傾向には疑問を感じます(*1)が、まあこれは歴史学の論文ではなくて小説ですから(^o^)/

(*1):当地には、やはり江戸時代に、地域の豪農たちが中心になって灌漑用水路を開削したり、あるいは大きな溜池をいくつも作ったりした史実があり、かならずしも有名人の名前が出てこなくても歴史は作られてきたという認識があるからです。

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ジャガイモの葉が枯れたので芋を掘り出す〜7月下旬の農作業

2019年07月30日 06時01分01秒 | 週末農業・定年農業
この四月に裏の畑に植えたジャガイモの葉が枯れて倒れてしまいましたので、芋掘りをしました。まず、枯れたジャガイモの茎を持って引っこ抜くと、土の中にはジャガイモがごろごろと育っています。これを鍬で掘り返し、手で土を落としながら収穫した芋を数カ所に集め、後でコンテナにまとめます。今年は日照不足もあって充分な成長とは言えませんし、一部を野ネズミにやられたところもありましたが、コンテナ二つ半の収量があれば、まずは年間の自家消費には足りるでしょう。



黄色いコンテナが「キタアカリ」、オレンジのコンテナが「男爵」です。
井戸でざぶざぶと水洗いした穫れたての新ジャガで「肉じゃが」が食べたいなあ(^o^)/

【追記】
掘り出したら、すぐに雨の当たらない風通しの良い場所に広げて10日以上しっかり乾燥すること。乾燥が悪いと、腐る。



農作業記録にもう一つ追加。老母の依頼で、そろそろツルが伸びてきた「モロッコささぎ」に支柱を立てました。




果樹園は、乗用草刈機の活躍で、すでに先週までに草刈りを済ませています。




このあと幹の周囲も刈り払い機で刈りましたし、全体的にこのくらい奥まで見通せるようなら、しばらくは大丈夫でしょう。稲の開花期にはカメムシ等の被害が出やすいため、水田に隣接する果樹園は特に、虫たちがびっくりして移動するような草刈りはしばらくご法度なのです。

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スモモのジャムを作る

2019年07月29日 06時04分34秒 | 料理・住まい
我が家のスモモが完熟状態になってきました。このまま放置すれば、無駄になってしまいます。これは早急にジャムにするしかない! というわけで、妻にやり方を聞きながら、スモモのジャムを作りました。品種は「ハニーローザ」です。


まずは軸を取り、よく水洗いして包丁でぐるりと切れ目を入れ、砂糖を加えて煮ます。すると、煮崩れて皮が分離し、種が浮いてきます。皮を取り除き、種のまわりについている果肉はざるで鍋に戻し、種を除去します。



あとは砂糖を加えてひたすら煮込み、水分を飛ばします。じっと辛抱の時間です。
翌日にまたがるときは、割り箸で鍋とフタの間に隙間を作り、ホコリを防ぎながら冷める間にも水分が飛ぶようにします。


だいぶ水分が飛び、量が減ってきました。もう一息です。


というわけで、瓶につめて冷蔵庫へ。これで、来年まで大丈夫…あれ、去年のジャムがもう一本あったみたい(^o^;)>poripori

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樋口直哉『星ヶ丘高校料理部・偏差値68の目玉焼き』を読む

2019年07月28日 06時08分57秒 | 読書
講談社文庫で2018年5月に刊行されたのを購入したまま積読していた本、樋口直哉著『星ヶ丘高校料理部・偏差値68の目玉焼き』をようやく読みました。なんでまた、学園料理ドラマ文庫書き下ろしなんぞを読もうと考えたのか、すでに忘却の彼方ですが、たぶんプロローグの目玉焼きのうんちく部分にピピっと反応したものと思われます。登場人物は、料理部顧問の沢木先生に気があるらしい藤野和音に誘われて入部した篠原皐月、部長の内海明人先輩の腕前にびっくりしています。

第2話:「メレンゲの秘密ーふわふわオムレツ」。スフレ・オムレツを上手に作るためには、メレンゲづくりが大切です。泡立ちをよくするために、「クレーム・オブ・タータ」(*1)を微量添加して卵白の状態を安定させようと、産地見学にでかけます。ぶどう園の先には坑道がありましたが、終戦の年に大量のワインが一夜にして消えた事件があったことを聞きます。部長の内海は謎を解いたみたい。私もわかりました。県産ワインの醸造元「天童ワイン」を見学した際に、発酵タンク内に付着する「酒石」のかたまりを見せてもらったことがあり、これが潜水艦のソナーの圧電素子の材料として使われたことを知っていたからです(^o^)/

第4話:「母の味ーカレーライス」。夏休みに料理部で合宿をすることになります。場所は伊豆下田。沢木先生が若い頃にアルバイトをしていたという、今は廃業した温泉旅館や、内海の父親が買ったという日本家屋、離婚して今はイギリスにいるという内海の母が作ったレシピなどが登場します。部長の内海先輩の秘密が少しずつ明かされてきます(^o^)/

第5話:「星祭りー模擬店のハンバーガー」。学校の文化祭で、料理部はハンバーガーを出すことになりますが、ハンバーガーなんて、と思ってはいけないのですね。専用のパン、中に入れる肉の焼き方、いや、もっと大事なことがありました(^o^)/



高校生の、ちょいとこそばゆいほのかな恋模様を織り交ぜながら展開される料理うんちくのドラマ仕立て、といったところでしょうか。料理に関心を持つ若い人だけでなく、れっきとした中高年ヲジサンの読者を獲得しましたよ、作者殿(^o^)/
作者は、どうやら本職のフレンチの料理人らしいです。どうりで詳しいわけだ!

(*1):酒石酸水素カリウム。例えばこんな商品
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ハイドン「弦楽四重奏曲第11番ニ短調Op.9-4」を聴く

2019年07月27日 06時02分00秒 | -室内楽
先日ダウンロード購入したハイドンの弦楽四重奏曲全集ですが、手始めに作品9の6曲を順に聴いております。この作品番号はハイドンが自分でつけたのだそうで、ファイル名を手がかりに調べてみると、

Op.9-1 第12番ハ長調
Op.9-2 第14番変ホ長調
Op.9-3 第13番ト長調
Op.9-4 第11番ニ短調
Op.9-5 第15番変ロ長調
Op.9-6 第16番イ長調

となっているようです。その中でもとくに印象的なのが、唯一の短調作品である第11番、ニ短調Op.9の4です。



山形弦楽四重奏団(*1)の演奏記録で「Op.9-4」を検索してみると、2000年5月、第15回定期演奏会で取り上げられているようで、この頃はまだ演奏会通いができる状況ではなかったものですから、実演に接することはできませんでした。また、当然のことながら初期作品はCDでも持っていませんので、今回の全集で初めて接することになります。

第1楽章:モデラート、ニ短調、4分の4拍子。解説PDFファイル中では、perfect masterpiece だそうで、作曲技術的にも相当に高度なことをやっているらしいのですが、もちろん当方にはそのようなことはわかるはずもなし。でも、何か屈託を抱えたようなこの音楽の表情にはぐっと惹かれるものがあります。
第2楽章:メヌエット、ニ短調、4分の3拍子。前の楽章の一種の激しさはしだいに緩和されます。最後の方、トリオ部は2本のヴァイオリンのみで奏されます。
第3楽章:アダージョ、カンタービレ、変ロ長調、2分の2拍子。親しみやすい優しい旋律で始まります。第1ヴァイオリンの腕の、というよりも美音の聴かせどころかもしれません。
第4楽章:始めのニ短調に戻りますが、悲嘆の色合いは薄れ、技術的・ヴィルトゥオーゾ的な性格が強くなり、フィナーレとなります。

ふーむ、なかなか魅力的ないい曲です。Op.9の六曲の中で唯一の短調の曲、しかもはじめは少々鬱憤を抱えたような雰囲気なのに、しだいに気分が和らぎ、優しい緩徐楽章を経て幾分かスカッとするフィナーレに至るという、実にセラピストのような音楽です(^o^)/
バリトン(*2)という楽器にご執心の雇い主エステルハージ侯の求めに応じてたくさんのバリトン三重奏曲を書いた宮仕えの副楽長ハイドン(*3)が、自分自身の自発的な欲求をもとに書き上げたらしいこの六曲の中でも、このOp.9-4は一番取り繕うことなく心情を盛り込んだ音楽なのかもしれないと思ったりします。

(*1):山形弦楽四重奏団ブログ
(*2):バリトン(弦楽器)〜Wikipediaより
(*3):フランツ・ヨゼフ・ハイドン〜Wikipediaより


YouTube でも見つけました。同じ Festetics Quartet の演奏のようです。
J. Haydn - Hob III:22 - String Quartet Op. 9 No. 4 in D minor


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日本文具大賞2019でグランプリを獲得したプロシオンPROCYONの記事が増加

2019年07月26日 06時02分54秒 | 手帳文具書斎
昨年の夏に発売されたプラチナ社の万年筆プロシオン(PROCYON)が、日本文具大賞2019の機能部門でグランプリを受賞したそうです。この影響がネット上にも現れているようで、あちこちのブログ等でも取り上げられる(*1〜*3)例が増えているように感じます。とくに、廉価万年筆らしからぬ機能性と書き味とが評価されているようです。

私のプロシオンも、今年になってからは2月、5月、7月と3回プラチナ古典ブルーブラック・インクを補給していますが、他のペンから何度も取り外し流用していたコンバータの気密性低下が原因でインクフローに問題が生じていたことが判明し、新品交換してからはほぼ問題なく使えています。なんとなく気になる点といえば、金属軸であるためキャップを尻軸にポストしても外れることがあるという不安定感でしょうか。同じ金属軸の「コクーン」ほどの不安定さではありませんが。




インク補給というのは、なんとなく楽しいものです。40年来の愛用ペンであるパイロット・カスタム・グランディの域にはまだまだ達していませんが、こうやって少しずつ使い続けるうちに、書き馴染んでいくことになるのでしょう。うっかり見失う可能性を考え、見つけやすい「黄色」にしたのでしたが、今のところデスクの引き出し周辺で使うだけですので、探しまわる事態はなし。備忘録ノートに読んでいる本の摘要を書いたり、手帳やカードに買い物メモを書きつけたりするなど、けっこう便利に使っています。

(*1):2019年の日本文具大賞グランプリはプラチナ万年筆プロシオンとマークスシステム手帳に決定!〜Stationary Life-万年筆ブログ
(*2):【文】プラチナPROCYON〜ブログ「Tiny Happy Days」
(*3):機能が認められたプロシオン〜「食う寝る記す(Digistillの文房具日記)」

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岩波新書で須貝佑一『ぼけの予防』を読む

2019年07月25日 06時03分13秒 | -ノンフィクション
今年、91歳になる老母は、先年の経カテーテル大動脈弁置換の心臓手術がうまくいき、歩行に不自由があるものの、幸いにぼけの症状は出ておりません。早寝早起き、畑仕事を楽しみながら毎日のように日記をつけ、自家栽培の野菜や果物を豊富にとるなど、健康的な生活習慣がプラスしているのだろうと思いますが、自分たちの「ぼけの予防」はどうすればよいのか、参考までに岩波新書で須貝佑一著『ぼけの予防』を読みました。2005年5月刊の赤版です。
本書の構成は次のとおり。

I ぼけとは何か
  「年のせい」と認知症の違い/認知症を起こす病気
II ぼけの診断
  認知症の見つけ方/認知症を診てもらう方法
III アルツハイマー病の予防
  アルツハイマー病とは?/食生活/嗜好品のとり方/生活習慣と頭の使い方/
  薬とサプリメントの効用
IV ぼけ予防の先に見えるもの

本書の「まえがき」に、次のような言葉がありました。

がん、心臓病、脳卒中の三大生活習慣病ならどこの病院でもよくみてくれる。生活上で介護に負担がかかる、という事態は少ない。高齢化が進んで困ったことは認知症の増加である。

まさにそのとおりでしょう。病気になれば病院で面倒をみてくれる。家族は心配し、面会のたびにため息をつくけれど、認知症の場合はそんなレベルではないでしょう。在宅介護の場合の家族の負担はたいへんなものです。

認知症による知能の衰えは急激なもので、年のせいによる自然な老化とは明確に異なります。記憶や想起、見当識や判断力、思考や照合などの知的能力が急速に落ちていき、孤立や猜疑心、被害妄想、怒り、興奮などを伴うこともあるとのこと。認知症を起こす脳の病気はアルツハイマー病が50〜60%、脳血管性痴呆が30%、あとはレビー小体病、その他となりますが、甲状腺機能低下症や慢性肺疾患、糖尿病や肝硬変が原因となる場合もあるらしい。
早期発見により軽度のうちに治療すれば進行を抑えることができるので、精神科、とくに高齢者をよく診ているところが良いそうな。

ポイントとなるアルツハイマー病については、「忘れていることを忘れる」という病的な物忘れが特徴的で、発病から平均で8年、長くて10数年で死亡に至るとのこと。この期間、家族の葛藤は大変なものでしょう。原因についてはアミロイド・カスケード仮説を紹介し、神経細胞膜にセクレターゼが作用しアミロイドβたんぱくが生じますが、通常は分解されるものの、脳障害や活性酸素、アポE-ε4の存在等により脳内に蓄積、これが神経毒性をあらわし、神経細胞脱落にいたることでアルツハイマー病を発症する、という立場です。



そのため、活性酸素の処理システムの弱体化を防ぎ、酸化的ストレスを緩和するという意味で摂取カロリー制限、脂肪酸の種類や野菜、果物の効用など、食生活を改善することを重視しています。また、生活習慣として運動と頭の使い方、ストレスの軽減を図ることなども大切、という立場です。



残念ながら、アルツハイマー病と睡眠との関係、寝不足が続くとアミロイドβとタウが蓄積し、睡眠時に排出できなくなって蓄積してしまい、神経毒性を示してしまう、という記述(*1)はありませんでした。もしかしたら、これは本書刊行後の知見だったのかもしれません。その意味では、肝心の情報がないけれど周辺的な整理には役立ちましたが、本音を言えば、最新の情報を追加した改訂版がほしいところです。

(*1):「脳の老廃物」を除去するには、深い睡眠が必要だった:研究結果〜「WIRED」より

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ビーツをもらったので「簡単ボルシチ」に挑戦する

2019年07月24日 06時01分06秒 | 料理・住まい
我が家のスモモ「ハニーローザ」をおすそ分けしたら、隣家の同級生からビーツをもらいました。なんだか縄文時代から続く物々交換の習俗みたいですが、我が家にはない貴重な食材です。ネット上のレシピを参考に我流のアレンジを加え、さっそくお昼に「簡単ボルシチ」に挑戦しました。材料は、以下のとおりです。

  • ビーツ 直径4〜5cmのもの2個 皮をむき、一口大に切る
  • 牛肉  適当に買ったこま肉200g 食べやすい大きさに切り、塩コショウしておく
  • ジャガイモ 1個 一口大に切り、面取り
  • 人参  櫛型に切る
  • 玉ネギ ざくざくに切る
  • セロリ 1本 5mm厚くらいに切る
  • ビーツの葉  茎も一緒に、1cm間隔くらいに切る
  • ニンニク 1片 みじん切り
  • オリーブ油  適量
  • 調味料 塩コショウ、醤油(少々)
  • 固形ブイヨン 2個
  • 水   600mL

作り方は、

  1. 鍋にオリーブ油をひき、にんにくを軽く炒めて香りを出した後、牛肉を入れて表面に焼色を付けます。
  2. セロリとジャガイモ、人参、玉ネギを入れて軽く炒め、水、固形ブイヨンを加えて煮ます。
  3. 鍋が沸騰したら灰汁を取り、ビーツの茎と葉を加え、弱火で約30分くらい煮込みます。
  4. ビーツに竹串が通るようになったら、醤油を少したらして味を調えます。
  5. 器に盛り付けます。あいにくサワークリームも生クリームもなかったので、パセリで代用。



生クリームも入っていませんので、意外にさっぱりしていて美味しかった。老母も残さず食べました。

鍋に残った「簡単ボルシチ」。これで晩にもう一回くらいは食べられそう。


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やっぱり確認が大事~e-ONKYO一括ダウンローダの落とし穴

2019年07月23日 06時03分34秒 | コンピュータ
Festetics Quartet によるハイドンの弦楽四重奏曲全集を e-ONKYO よりダウンロード購入した話を、先日(*1)記事にしました。このときは、Ubuntu-Linux機で e-ONKYO のサイトに接続しましたので、全部で230個のFlacファイルを手動でダウンロードしました。個数は多かったけれど、ポンポンとダウンロードできたので、体感的には待たされた感じはありませんでした。

ところで、e-ONKYO では一定期間ならば購入タイトルを複数回ダウンロードできるようなのです。それではと、Windows 環境でもハイドンの音楽を楽しめるようにすることを考えて、e-ONKYO で提供されている「一括ダウンローダ」というツールを導入して、再度のダウンロードを試みました。手動でダウンロードするよりも、手持ち無沙汰でなんだかじれったい(^o^;)>poripori

ここで、落とし穴に気づきました。結論から言えば、e-ONKYO 一括ダウンローダは、1度に200個までのファイルを一括ダウンロードすることができますが、201個めから230個めまではもう一度追加の指定をしなければいけないようなのです。当方、一度は手動で230個をダウンロードしていますので、おかしいと気づきましたが、200個をダウンロードしただけで全部を入手できたと勘違いしていることはあり得ます。曲で言えば、第61番から第68番まで、晩年の作品がすっぽり抜けてしまうことになります。自動で便利になった分、他人任せになってしまいがち。やっぱり自分で確認することが大事です。

(*1):e-ONKYOからハイドンの弦楽四重奏曲全集をダウンロード購入する〜「電網郊外散歩道」2019年7月

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ベルンハルト・シュリンク『朗読者』を読む

2019年07月22日 06時02分12秒 | 読書
この冬に久保寺健彦著『青少年のための小説入門』をおもしろく読み(*1)、この作品のベースとなっているものの一つに、ベルンハルト・シュリンクの『朗読者』があるのではないかと想像しました。そんな連想がきっかけではありましたが、新潮社クレストブックス・シリーズ、『朗読者』を再読しました。2000年4月発行、訳は松永美穂。



本書を初めて読んだのはいつごろだったのかな?
どれどれ?

$ grep "朗読者" memo-utf.txt
〜中略〜
2003/09/22 ベルンハルト・シュリンク『朗読者』読了 ○○○○○△△店で新潮社刊のベルンハルト・シュリンク著『朗読者』を購入、読了した。第1部は少年と30代女性の恋、第2部は女性の強制収容所における役割を問う裁判、第3部は女性の晩年の死である。1人の貧しい女性の文盲を背景とし、終身刑を宣告された刑務所内で、読み書きできる力を得て、アウシュヴィッツ等の強制収容所関連の書籍を読んでいた事実などを示す。年の離れた恋人どうしは、若い世代と上の世代とを象徴するのだろう。表紙の人形も示唆的である。



このブログを始める少し前、最初の単身赴任の頃でしょうか。読み終えた後の印象は、今回も変わりませんが、細部で理解が深まったと感じるところがいくつかありました。例えば第二部、ナチスの戦争犯罪の責任を問う裁判の中で、収容所の看守仲間だった口の悪い女がハンナに罪を着せて自分は責任を逃れようとします。

「あの女に訊いて下さい!」
彼女はハンナを指さした。
「あの女が報告書を書いたんです。あの女のせいなんです。あいつ一人の。報告書を書いて事実をもみ消そうとしたのも、あたしたちを巻き込もうとしたのもあの女です」(p.120〜1)

そんなはずはありません。ハンナはなぜミヒャエル少年に朗読してもらっていたのか。なぜ二人だけの旅行でメモを残していたのにあんなに怒ったのか。ハンナは文字を読むことも、自分の名前以外に字を書くこともできないのですから、筆跡鑑定をされれば字を書けないことが知られてしまうのです。だからこそ、裁判長に

「専門家をよぶ必要はありません。報告書を書いたのはわたしです」(p.124)

と嘘をついたのでした。

文盲であることを知られたくない、知られれば自分の出自(ロマ)が推測され、自分自身も収容所に入れられてしまいかねない。それがハンナの生き方を決めている。収容所の看守仲間に裏切られたのも、その事実を知られたくないために強引なことをやって恨まれたりしていたからでしょうし、36歳のハンナが15歳の少年を恋人にしたのも、性に夢中になる少年ならば自分の秘密を隠すことができるからという要素もあったのでしょう。ところが、必ずしもそうはいかなかった。

第三部の終わりに、終身刑で服役中に、ミヒャエルが朗読して送ってくれるテープと本を照合して文字を覚え、手紙を書けるようになり、様々な本を読めるようになったハンナが、仮出所を前になぜ自殺したのか。結果的にナチスの戦争犯罪に加担したことを理解した罪の意識もあったでしょうが、おそらくそれだけではないでしょう。ハンナから自筆の手紙を受け取りながらその返事を書くことはせず、相変わらず朗読のテープを送り続けた「坊や」が、若かった頃の自分を大切に思ってくれるのは嬉しいけれど、過ぎ去った時の重さというか、服役して年老いた今の自分を受け入れ以前のように愛してくれるとは限らない、一度は捨てた彼の人生にさらに負担をかけるだけだと思ったのも大きな要因なのではなかろうか。

晩年のハンナと同年代になった今、この心境はよく理解できます。そして、収容所から生き延びた少女に会い、ハンナの遺志を伝えるエピソードは、余韻の残るものです。16年後の再読は、人生のほろ苦い味わいとともに、良い作品を読んだ後の充実した読後感でした。

(*1):久保寺健彦『青少年のための小説入門』〜「電網郊外散歩道」2019年2月

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e-ONKYOからハイドンの弦楽四重奏曲全集をダウンロード購入する

2019年07月21日 06時01分27秒 | -室内楽
単身赴任の慰めに散歩のお供としてCDで親しむようになり、また山形弦楽四重奏団の定期演奏会で多くを実演で接することができたハイドンの弦楽四重奏曲。有名どころはCDで集めておりますが、これまで全集を入手するまでには至っておりませんでした。

それが、たまたまパスピエさんのブログ(*1)やみっちさんのブログ(*2)で Festetics Quartet のハイドン弦楽四重奏曲全集の「特売」情報を入手、しばらく考えて…とくに一括ダウンローダがWindowsとMacのみに対応しているけれど、案の定Linuxは対象外という点など…まあ、いざとなったら一つ一つ手動でダウンロードすればよかろうと覚悟を決め、e-ONKYO から購入しました。全部で 2,500円 です。いえ、桁は間違ってない(^o^)/

全部で 230 個のFlacファイルを1個ずつダウンロード。どこまで進んだかメモを確認しながら、全ファイルを入手。さっそく第11番ニ短調Op.9を Rhythmbox で聴いてみました。うん、再生には全く問題なし。当方の簡易な PC-audio で、充分に楽しめますし、アルバム写真も曲情報もきちんと表示されます。

また、みっちさんのブログで、レーベルのWEBサイトに詳細なブックレットがPDF形式で入手可能なことも知りました。どのみちPC上で再生しますので、これはありがたい。中年以降、年齢とともに魅力を感じるようになったハイドンの世界。これからずいぶん楽しめそうです。念のために、ポータブルHDDにバックアップしておかなければ。

(*1):ハイドンの弦楽四重奏曲全集がこんなに安い〜ブログ「▽・w・▽とは、どんなものかしら」2019年7月
(*2):e-ONKYOからダウンロード販売を試してみました、の巻〜「If you must die, die well みっちのブログ」2019年7月

さて、妻は早朝から終日お役目があるようです。本日は、国民の義務を果たしに一時外出しますが、老母とともにほとんどお留守番になる予定。せっかくですから、スモモのジャムを煮ながらハイドンの弦楽四重奏曲でも聴きましょう!

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1960年代末〜70年代初頭、レギュラープライス盤の指揮者たち

2019年07月20日 06時05分52秒 | クラシック音楽
若い頃は、もっぱら懐具合のモンダイで、出始めた廉価盤レコードを中心に購入し聴いておりました。そんなわけで、1960年代末〜70年代初頭、当時のレコード会社が推していたいわゆるレギュラープライス盤に登場する指揮者とオーケストラへのご縁はほとんどないままに過ごしてきたと言ってよいでしょう。ドイツ・グラモフォンではカラヤンとベーム、CBS-SONYではバーンスタインとブルーノ・ワルター、キングではショルティやアンセルメ、RCA-ビクターではピエール・モントゥーやフリッツ・ライナーといった具合です。

ところが、半世紀を過ぎてみると、当時のレギュラープライス盤が、続々とパブリック・ドメインの仲間入りをしています。そんなわけで、昔、有名だった録音に接することができるようになり、中にはあらためて興味を持つ指揮者も出てきました。例えば、日本コロムビアのスメタナ「我が祖国」全曲録音を好んで聴いていたけれど、モーツァルトの歌劇「魔笛」序曲の素晴らしい演奏にあらためて目を開かれたカレル・アンチェルや、リムスキー=コルサコフの「シェエラザード」やベルリオーズの「幻想交響曲」、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」など、晩年になっても弛緩することなく、きりっとした演奏を披露したピエール・モントゥーなどは、もっと他の録音を聴いてみたいと思わせる魅力充分です。そうそう、ユージン・オーマンディも、ヘンデル「メサイア」やプロコフィエフ「交響曲第6番」、シベリウス「交響曲第2番」などの他に、ベートーヴェンやブラームスなどの作品をじっくり聴いてみたい一人です。

先の日曜日(7/14)、NHK-FMの「名演奏ライブラリー」では、ピエール・モントゥーを取り上げていました。ベートーヴェンの「フィデリオ」序曲、ワーグナーの「ジークフリート牧歌」、モーツァルトの「ハフナー」交響曲、ブラームスの「大学祝典序曲」と「交響曲第2番」などの内容でしたが、当時、懐事情で親しむことが出来なかった録音を、簡潔な解説とともに興味深く楽しむことができました。

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TWSBIのVacMiniをパイロットのブルーブラックに入れ替える

2019年07月19日 06時03分31秒 | 手帳文具書斎
本来のインクフローの良さを活かしたほうが良かろうと、裏抜けしやすい欠点には目をつぶり、パイロットの色彩雫「紺碧」を入れていたTWSBI社のプランジャー式万年筆VacMiniについて、使用インクが残り少なくなってきて吸入に支障が出てきましたので、同じパイロット社の定番ブルーブラックに入れ替えました。もともとインクフローの点では良好なパイロットのインクですので、インク切れなどは発生せず。最近のコクヨのキャンパス・ノートでも時に裏抜けすることがあるという特性は相変わらずですが、ある意味、欠点と長所は裏表、仕方がないと割りきった判断です。



もともと、プラチナ社の古典ブルーブラック用にと購入したペンでしたが、様々な経緯で古典BBインクには不向きと判断し、サブ万年筆に後退中。乾いたら洗えば良いと割り切るためのインクの選択です。まあ、裏抜けの問題は備忘録ノートをもう一度ツバメノートに戻せばすむ話ですが(^o^;)>poripori

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山形弦楽四重奏団第72回定期演奏会でモーツァルト、ベートーヴェン、クーラウを聴く

2019年07月18日 13時56分09秒 | -室内楽
梅雨寒の言葉どおり涼しい日が続いたのが一転して蒸し暑い陽気になった七月第三週の水曜日、山形市の文翔館議場ホールで、山形弦楽四重奏団の第72回定期演奏会を聴きました。
開演前のトーク担当は倉田さん。子供の頃に家族の影響で時代劇が好きだった話から始まり、曲目の解説を。

  1. モーツァルト(?) 6つの前奏曲(序奏)とフーガK.404aより第1番ニ短調
  2. L.v.ベートーヴェン セレナード ニ長調 Op.8
  3. クーラウ フルート五重奏曲イ長調Op.51-3

これが今回のプログラムですが、いずれもヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの弦楽三重奏をベースに、フルートともう一人のヴィオラを加えて成り立つもので、たしかに通常の弦楽四重奏団のプログラムには乗りにくい内容です。

メンバーが登場、楽器の配置は、ステージ向かって左からヴァイオリン(中島光之さん)、ヴィオラ(倉田譲さん)、チェロ(茂木明人さん)となっています。
最初の曲目は、モーツァルト(?)の「6つの前奏曲とフーガ」K.404aより第1番。プログラムの解説によれば、ウィーンのスヴィーテン男爵を囲むサークルで、「ヘンデルとバッハの音楽に接したモーツァルトが、自身のコレクションのためにバッハのフーガを弦楽三重奏に編曲し、自作の前奏曲をつけたと言われてきた」作品とのこと。残念ながら自筆譜が見つからないために真偽が確定していないのだそうですが、弦楽三重奏による神秘的な響きが印象的な第1楽章:アダージョと、いいフーガだなあと感じさせる第2楽章:アンダンテ・カンタービレと指示のあるフーガが、実にいいですね〜。

第2曲、若いベートーヴェンのセレナード、ニ長調 Op.8 です。解説によれば、1796〜7年頃に書かれたもので、作曲家26歳頃、約半年にわたる第二回プラハ旅行で足を伸ばしたベルリンからウィーンに戻り、意欲的に作曲していた時期の作品だそうな。他の資料で調べてみると、当時出入りしていたリヒノフスキー侯爵邸にはおかかえのシュパンツィヒ弦楽四重奏団がおりましたので、このメンバーのために、Op.9 の三つの弦楽四重奏曲、Op.11のピアノ三重奏曲と続く室内楽作品のうちの一曲のようです。セレナードとはいうものの、野外の娯楽的な機会音楽ではなくて、純然たる室内楽作品を志向したものらしい。
第1楽章:行進曲、アレグロ。
第2楽章:アダージョ
第3楽章:メヌエット、アレグレット
第4楽章:アダージョ〜スケルツォ、アレグロ・モルト
第5楽章:アレグレット・アラ・ポラッカ(ポロネーズ風に)
第6楽章:Thema con Variazioni Andante quasi Allegretto(主題と変奏、アンダンテと言ってもほとんどアレグレットに近い速さで)
第7楽章:行進曲、アレグロ
この楽章の構成を見ると、はじめと終わりの楽章がアレグロで行進曲と指示され、入退場の音楽のような雰囲気でもあります。演奏は純然たる室内楽作品として取り上げられていましたが、昔はなにか野外音楽のセレナードを模して運用されていたのかもしれません。

ここで15分の休憩です。今回も関西からお越しの某さんにお会いして、すっかり定年農家と化している当方の近況などを話題に。ブログを読んでいると、ほとんど仙人のような生活がほぼ丸見えです(^o^;)>poripori

今回のプログラム最後の曲は、F.クーラウ(Kuhlau,1786-1832)のフルート五重奏曲イ長調、Op.51-3 です。51-3 ということは、作品番号51-1とか2とかの曲もあるということでしょう。今回演奏する曲は、ゲストの一人、山響フルート奏者の小松崎恭子さんの提案だったようで、私も初めて耳にしました。プログラムの解説によれば、クーラウはベートーヴェンと同い年の作曲家兼ピアニストで、ナポレオンの侵攻によりデンマークに亡命、コペンハーゲンで没しているそうです。

楽器配置は、ステージ左からフルート(小松崎さん)、ヴァイオリン(中島さん)、ヴィオラ1(倉田さん)、ヴィオラ2(田中知子さん)、チェロ(茂木さん)というもので、作曲家はフルートの高音に対して弦楽器では中低音に厚みをもたせる編成にしたのでしょうか。
第1楽章:アレグロ・コン・フォーコ
第2楽章:スケルツォ、アレグロ・アッサイ・クヮジ・プレスト。独特の響きです。ピツィカートを多用。
第3楽章:アダージョ・マ・ノン・トロッポ。弦が交互にやり取りする中にフルートも。
第4楽章:フィナーレ、ヴィヴァーチェ。うーむ、いい曲だ〜!
フルートがどちらかといえば明るく華やかな音色で活発に動きまわるように演奏されるのに対して、二本のヴィオラが厚みを加えた弦楽が、時にピツィカートを多用しながら、かなりロマンティックな音楽を作っています。演奏される機会はあまり多くはないのでしょうが、これはなかなか充実したいい曲です!

演奏後には大きな拍手が送られました。たしかに、一般的な有名曲を含まないごくマニアックなプログラムでしたが、良い音楽に接したという満足度の高い、充実した演奏会でした。次回の第73回定期演奏会は、

    2019年10月20日(日) 18:30〜、文翔館議場ホール
  • F.シューベルト ピアノ五重奏曲イ長調 D.667「鱒」
  • F.シューベルト 弦楽三重奏曲変ロ長調 D.471
  • W.A.モーツァルト 6つの前奏曲とフーガ K.404aより第3番ヘ長調

の予定とのこと。さっそく前売り券を入手しました(^o^)/



備忘のために、クーラウの曲はこんな音楽です。
YouTube より、フルート五重奏曲の第1楽章と第2楽章;
Friedrich Kuhlau - Quintet No. 3, I-II

続いて第3楽章と第4楽章;
Friedrich Kuhlau - Quintet No. 3, III-IV


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完熟スモモとサイダーで「スモモのソーダ」を楽しむ

2019年07月17日 06時00分49秒 | 料理・住まい
我が家のスモモ「大石早生」がすっかり完熟状態。早く食べないと傷んでしまいます。ということで、スモモを使ったメニューを。

  • トマトソースのパスタの上に、スモモの皮をむき、スライスして乗せてみました。酸味に甘みがマッチして、いい感じ。
  • サイダーに浮かべて「スモモのソーダ」を作ってみました。これも、さっぱりして美味しい。
    (子供の頃、三ツ矢サイダーって山形の地場産品だと思っていました。実は昔からアサヒ飲料の製品だったそうな。こういう勘違いを思い出しながら飲む「スモモのソーダ」は、懐かしい味がします。)




ちなみに、カバーをかけた文庫本は、最近まで読んでいたジャレド・ダイアモンドの『第三のチンパンジー』。

写真は、最近収穫した我が家のスモモ「ハニーローザ」。こちらは摘果が間に合い、けっこう大粒の実になりました。今がちょうど食べごろで、酸味は少なめ、甘みが強い品種のようです。個人的には、完熟大石早生よりも美味しいみたい。

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