電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩。時々は実際に散歩を楽しみます。

来年の備忘録ノートのためにキャンパスハイグレード澪を注文する

2013年11月30日 06時04分17秒 | 手帳文具書斎
今年は、備忘録ノートとして、ツバメノートのA5判A罫(50枚)を、計5冊使いました。今までの実績からみると、総ページ数は同じくらいですが、冊数はやはり多すぎると感じます。年間にできれば三冊以内に抑えたい。幸いに、プラチナの古典ブルーブラックインクをメインに使うようになり、滲みや裏抜けの心配はありませんので、ごく薄くて80枚でも厚さを感じない澪ペーパーを用いた「キャンパスハイグレード澪」を、再び(*1)使ってみようと思い立ちました。

ふつうのキャンパスノートは、表紙デザインが新しくなっていますが、ドット入り罫線のノートは特に、どうも紙質が微妙に薄くなったような気がして今ひとつ感心しません(*2)。1冊250円という単価が高いか安いかは利用者の価値観によるでしょうが、舶来の有名ブランドのノートよりも紙質はずっと良いはず。過去の利用実績を思い出してみても、無線綴じの強度には注文がつきました(*3)が、書きやすさは高評価だった(*4)記憶があります。

インフルエンザの予防接種のついでに、行きつけの文具店に立ち寄り、さっそく10冊をまとめて注文してきました。さらについでに、三菱鉛筆のゲルインクタイプのボールペンを試してみたいと思い、「シグノ」ブルーブラックの太字と青の0.7mmの2本を購入。ノート類は、数年間保存しても傷むような性質のものではありませんので、消費税導入を前にまとめ買いをして、ふんだんに使うようにしたいと思います(^o^)/

(*1):備忘録ノートをA5判にして変わったこと~「電網郊外散歩道」2010年4月
(*2):コクヨのドット入り罫線キャンパスノートは紙が薄くなったのか、裏写りする~「電網郊外散歩道」2013年2月
(*3):コクヨのCampusハイグレードノートの製本について~「電網郊外散歩道」2010年4月
(*4):手近にあるノートを集めてみたら~「電網郊外散歩道」2011年10月

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今年こそインフルエンザの予防接種を

2013年11月29日 06時02分01秒 | 健康
流感の季節になりました。昨年は春にB型に、今年も春にA型に罹患し、なんとも不名誉な「二年連続ダウン」の記録を作りました。今年こそ、インフルエンザだけはごめんこうむりたいところです。予防接種をして、なんとか三年連続ダウンという事態は回避したい。仕事の都合や体調をみて、かかりつけの呼吸器科で、本日の午後に予約をしています。

実は、中学三年の冬に、高校受験を控えてインフルエンザの予防接種をしたら、たいへん発熱してエラい目にあった経験があります。そのため、インフルエンザの予防接種はずっと敬遠しておりました。さすがに三年連続ダウンという汚名を免れるかどうかという立場になって、半世紀近い時代の進歩を信じることにしようかと思った次第(^o^)/

さて、結果はいかに?

写真は、妻が作ってくれた「飾り巻き寿司」。とても美味しく美しく、感謝感激。

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日高敏隆『セミたちと温暖化』を読む

2013年11月28日 06時03分48秒 | -ノンフィクション
新潮文庫で、日高敏隆著『セミたちと温暖化』を読みました。奥付によれば平成22年の元旦に発行された本書を、たしか同時期に書店の新刊平積みの中から購入したのではなかったかと思います。その後、途切れ途切れにではありますが、ちょっとした合間に少しずつ読んできて、このほどようやく読み終えたものです。

著者については、動物行動学の重鎮として著名なだけでなく、コンラート・ローレンツの名著『ソロモンの指環』の訳者としておなじみでもあります。軽妙な文章は、エッセイストとしての面も見せており、学識に裏付けられた視点に、思わず考えさせられることが少なくありません。

本書の話題も実に多岐に渡りますが、個人的におもしろかったのは、

「人は実物が見えるか?」(p.63~68)
「バタフライガーデン」(p.136~140)
「春の数え方の食いちがい?」(p.218~223)

などでしょうか。
「人間は実物を見たからといって、おいそれとその実物が見えるわけではない」(p.68)という文は、観察力が訓練のたまものであることを示していますし、他の二編は、昆虫や鳥たちが光周性を目安に季節を知る仕組みをわかりやすく説明しています。そして、気温の累積で春を知る植物の場合、温暖化の影響が顕著に現れてくるのに、光周性によって季節を知る動物とは、時期がずれてしまうという結果をもたらします。このような食い違いは、時として卵から孵った幼虫(鳥)が餌を見つけられないという悲劇をもたらします。遺伝的に組み込まれた行動に従う種の場合、絶滅という結果となってしまうことでしょう。声高に語るタイプの本ではありませんが、内容はたいへん興味深いものです。

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細字のペンを常用すると字が小さくなる

2013年11月27日 06時06分02秒 | 手帳文具書斎
これまで、もっぱらA罫のノートに中字の万年筆や1.0mmの太径のボールペンを用いて備忘録を書いてきました。A罫の間隔をいっぱいに使って書くために、大きめの文字になっていたと思います。

ところが、ブルゴーニュ万年筆の細字(F)に古典ブルーブラック・インクで書くようになると、かっちりとした文字が書ける反面、線幅とのバランスから、文字が小さくなる傾向があるようです。老眼鏡を使うようになって、比較的小さい字でも苦にしないようになったせいもあるのでしょうが、おもしろい傾向だと感じます。

ダイアリーの小さなスペースに細かな予定をチマチマと書くには、細字のペンで書く小さな字はむしろ適しているのですが、今後、視力がどうなるかという見通しを考えると、逆行することは明らかです。記号・略号や付箋の使用などにより、大きめの字でも記入できるような方向に進むべきかと考えているところです。



いえ、虹のように大空に堂々と、というわけにはいきませんが(^o^)/

写真は、昨日の出勤時の虹。朝だけでなく、どこぞでは午後にも虹も見られたそうな。もしかして、二時の虹だったりして(^o^)/

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車検と代車

2013年11月26日 06時02分11秒 | 散歩・外出・旅行
今年は、車検の年にあたっています。雪が降らないうちにと、早々と車検を予約しました。代車として借りたのが、日産の旧型ノートです。渋い赤の小型車は、コンパクトでかわいい。マーチほど小さくなく、ラティオほど大きくはない、というサイズです。最小回転半径が小さいせいか、小回りがきいて、取り回しが楽です。燃料計で見たガソリンの減り方がやけに早く感じますが、おそらくこれは、すでにタイヤがスタッドレスになっているためでしょう。その点を差し引いても、直進安定性や走行安定性は、わがティーダ・ラティオのほうが安心感を覚えます。これは、一回り大きい車であることと、車のクセを知っている安心感からでしょうか。



翌日の夕方に、Nissan TIIDA Latio の車検が出来上がってきました。下まわりの防錆コート、CVT オイル、ベルトや冷却液の交換などが中心で、担当メカニックによれば、12万キロ以上走っているわりにはブレーキパッドも半分以上残っており、走行に関しては問題がなく、模範的運転とお褒めの言葉をいただきました(^o^)/
ショックアブソーバや各種ゴムブッシュなどの劣化で、乗り心地が低下してきていると感じます。商売上から言っても、早く新車を買ってもらったほうが良いのだけれど、シートはまだまだ高品質感を保っているし、現用のままでもじゅうぶんに長く乗れます、とのことです。担当メカニックとのこういう信頼関係は、いざというときには力を発揮しますので、とくに大切にしたいものです。

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片瀬京子とラジオ福島『ラジオ福島の300日』を読む

2013年11月25日 06時01分24秒 | -ノンフィクション
先日、図書館から借りてきた、毎日新聞社刊の単行本で、片瀬京子とラジオ福島著『ラジオ福島の300日』を読みました。東日本大震災に際しての報道については、私自身も何回か記事(*1,2)にしており、また河北新報社『河北新報のいちばん長い日~震災下の地元紙~』を読んだ感想(*3)も、同様に記事にしておりますが、こちらは大津波もさることながら、東京電力福島第一原子力発電所の原発事故に関連する事態を中心に取り上げています。新聞やテレビではなく地元のラジオ局である強みと弱点を率直に語りながら、300日間の奮闘の記録をまとめたものです。

本書の構成は、次のようになっています。

第1章 2011年3月11日
第2章 350時間14分CMカット連続生放送
第3章 会社はもつのかー焦りと戸惑いの再開
第4章 スタジオを出よう、現場を歩こう
第5章 爆笑問題の生放送
第6章 闘いは続く

なんといっても、東日本大震災当日から、ずっと途切れることなく生放送で情報を流しつづける経緯がすごい。情報を提供してもらうためにインターネットを利用するあたりは、平時にはなかなかゴーサインが出ないのに、非常事態になると四の五の言っていられないということがよくわかります。
個人所有のスマートフォンの3G回線が生きている。これを使って、無料のメールアカウントを取得し、外部からの情報をメールで受け取る。さらに、すでに取得していたツイッターのアカウントを利用し、ツイートをラジオで紹介する。そうして得られる断片的な情報から、沿岸部の壊滅的な状態を知るとともに、原発への外部電源の供給が停止するという緊急事態と放射能漏れの事態に対する避難指示を伝えていきます。頼れる情報源がラジオしかないとき、当局発表に頼らざるを得ない弱点は持ちながらも、人々に伝えた情報の役割は大きいでしょう。



災害時におけるマスコミの役割の大きさと、報道に携わる人々も生身の人間であるという相克も描かれますが、放送の性格上、現場レポートは少なくなります。その点では、新聞の迫力ある報道よりも、もう少し日常的な情報伝言板的な性格が強くなるのでしょう。

(*1):地方メディアのありがたさ~震災関連報道に思う~「電網郊外散歩道」2011年3月
(*2):震災報道番組中の音楽~「電網郊外散歩道」2011年3月
(*3):河北新報社『河北新報のいちばん長い日~震災下の地元紙~』を読む~「電網郊外散歩道」2012年2月

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終日の雪囲い作業に感謝してボージョレ・ヌーボーを楽しむ

2013年11月24日 06時02分55秒 | 季節と行事
11月23日は、例年、上天気となる特異日の一つです。今年もその例にもれず、上天気となりました。せっかくのお天気ですので、冬支度と雪囲い作業に取りかかりました。

まずは作業小屋から除雪用具とスタッドレス・タイヤ等を取り出し、空いたスペースには、耕耘機や自走式草刈機、スピードスプレーヤ等の農業機械を収納します。
次に、地下水を汲み上げる井戸ポンプのホース類を取り外し、水抜きをして凍結防止の対策を取ります。作業小屋の傷んだ箇所を修繕し、風雪の吹き込みを防ぎます。さらに……と思ったら、もうお昼でした(^o^)/

昼食後は、軽トラックで雪囲いの資材の不足分を購入。かなり厚手の「ソッペ」を追加調達してきました。ついでによんどころない用向きを済ませて帰宅。まずは妻の第一希望である、屋根の落雪から台所用エアコンの室外機をガードする雪囲いをがっちりと組み立てます。これはうまくいき、出来栄えに自画自賛。さて……と思ったら、もう夕方です。あとの庭木の雪囲い作業は明日にいたしましょう、ということで潔く中断。実は、もうくたびれていたものですから(^o^;)>poripori



ということで、皆の勤労に感謝して「おもち」をいただきました。山形名物の納豆もちと具沢山のお雑煮です。もう一つ、田舎風の食卓には似つかわしくない、おフランスの香り高い「ボージョレ・ヌーボー」が並びました。これは、某氏のお世話で、夏過ぎに早々と予約していたものです。解禁日には届いておりましたが、賞味するのはこの日になりました。お餅とワインの組み合わせもそれほど違和感なく、どちらも美味しくいただきました(^o^)/

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ベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ第3番」を聴く

2013年11月23日 06時05分02秒 | -室内楽
今週は、通勤の音楽として、ベートーヴェンの「ヴァイオリン・ソナタ第3番」変ホ長調Op.12-3 を朝夕に聴いてきました。全曲を繰り返し聴き、またトラックごとにリピートして聴くというスタイルで、いやおうなく耳に入り、頭に残るというものです。そんなことを言わずとも、ヨセフ・スーク(Vn)とヤン・パネンカ(Pf)というゴールデン・コンビによる演奏は、若いベートーヴェンの清新な音楽を見事に表現し、とくに緩徐楽章の魅力などは、するりと心に沁み入ります。

第1楽章:アレグロ・コン・スピリト、変ホ長調、4分の4拍子、ソナタ形式。ピアノの三連音によって始まり、第1主題が活き活きと提示されます。これをピアノとヴァイオリンが展開していく中で、一区切りをつけてスタッカートするヴァイオリンが第2主題を提示。ピアノでも繰り返されます。
第2楽章:アダージョ・コン・モルト・エスプレッシオーネ、ハ長調、4分の3拍子、三部形式。実に見事で魅力的な緩徐楽章です。この楽章を聴くためにこのCDを取り出すこともあるくらいです。つぶやくように始まるピアノの主旋律をなぞるように、しかし少しずつ形を変えながらヴァイオリンが奏されます。中間部は、そのヴァイオリンが主体となって、様々に転調しながらゆっくりと展開され、ピアノとヴァイオリンとが主役を交代しながらコーダへと進みます。
第3楽章:ロンド、アレグロ・モルト、変ホ長調、4分の2拍子。前の楽章から一転して、活発で生き生きとした、躍動的な楽章となります。くるりくるりと回転しながら踊っていたら、楽しいけれど目が回りそうな音楽です。途中の転調も効果的で、再び元の変ホ長調に戻るときの晴れやかで楽しそうな気分は、何とも言えず気分の良いものです。



大柄で大きな熊のような手を持つというヨセフ・スークの、自在で活発な演奏とともに、第2楽章におけるパネンカのピアノの素晴らしさに感嘆してしまう、名コンビによる1966年10月のアナログ録音。スプラフォン原盤です。

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冬支度は待ったなし

2013年11月22日 06時08分10秒 | 季節と行事
もうすぐそこまで冬の足音が聞こえる気がする季節になりました。冬支度は待ったなしです。

(1) スピードスプレーヤ等、農機具の手入れと格納
(2) 井戸ポンプの格納
(3) 庭木の雪がこい
(4) 除雪機の点検整備
(5) スコップ等の雪かき用具の取り出し

毎年のことですが、やれやれ、冬の到来を考えると、いささか気が重い。
冬はいやですね~。もっと前向きに冬を楽しむことはできないものでしょうか。例えばスノーシューを楽しむとか。そうだ、スノーシューについて、某山男氏に聞いてみましょう。

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ギョッ!DellのInspironMini10vが

2013年11月21日 06時05分34秒 | コンピュータ
起動しなくなり、販売店にもメインボードの損傷ですね、と見放されてしまった Dell の Inspiron Mini10v ですが、処分されることを察知したのか、最後のチャンスと半年ぶりに通電してみたら、なんと起動するではありませんか!Dell のロゴが表示された後、MBR で少し間を置きますが、一応 Ubuntu Linux が立ち上がります。うーむ、こいつはゾンビか。Dell のゾンビ・ネットブックと呼ぶことにしましょうか(^o^)/

でも、やっぱりおかしい。AC アダプターで充電できるときがあれば、できないときもある。キーボード下段中央部の vbnm は入力できるのに、その両端の zxc と ,./\ が入力できません。また、かな漢字変換もできません。やっぱりノートパソコンの分解の練習教材だな、こりゃ。

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来年のダイアリー・リフィルは~その2

2013年11月20日 06時03分27秒 | 手帳文具書斎
なかなか決まらない来年のダイアリー・リフィル(*1)ですが、来年度の年間計画等を考えるうえでも、4月から翌年3月までのダイアリーが必要になります。近年は祝日のルールがずいぶん変化しましたので、休みの日の確認のためにも、やっぱり来年度のダイアリーが今すぐに必要です。

あれこれ検討のすえに(*2,3)いったん購入した DaVinci の「月間-6」タイプでしたが、万年筆で書く場面が多いことを想定すると、インクの滲みや裏抜けが問題で、もったいないけれど私の用途には適さないと判断しました。結局、万年筆でも使える紙質のものとして、確実なのは昨年までの実績のある Bindex の製品です。これで1月から翌年3月までのものを探せばよかろうということで、「月間ダイアリー3」横ケイタイプ(商品番号:No.049)という製品を購入しました(630円)。

赤と青のカラーリングはいささか青が濃すぎて、大昔の学研や旺文社の学習雑誌の付録の二色刷みたいでいささかセンスに欠けますが、万年筆インクの滲みや裏抜けはないようです。とりあえず来年はこれで行くことにします。




もう一つ、プラチナの Preppy の中字(M) 0.5mm のものを、ついでに一本購入してきました。お値段は 210円。同社の古典ブルーブラックのインクカートリッジで使っていますが、ブルーグレーというか、中字になるとやや印象が異なるようです。

(*1):来年のダイアリー・リフィルは~「電網郊外散歩道」2013年11月
(*2):来年のダイアリーを考える~「電網郊外散歩道」2013年10月
(*3):形式は内容によって決まる~手帳にスケジュールをメモする形式~「電網郊外散歩道」2013年9月

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チョーク箱がない!

2013年11月19日 06時03分38秒 | 手帳文具書斎
週に一度、大学で教えることになり、チョーク箱を購入したいと思って文具店に行きましたが、残念ながら行きつけの文具店には置いていませんでした。山形市内の大手にも行ってみましたが、やはり置いていないとのこと。うーむ、今はチョーク箱というのは時代遅れのしろものなのでしょうか(^o^;)>poripori

黒板にチョーク。昔気質なのでしょうか、この組み合わせに、妙に安心感があります。チョーク箱を、なんとかして探すか、代用品を見つけなければ。そう思ってネットで探したら、「チョークケース」で検索すればよいらしく、今でもいろいろな製品があるようです。さらに、どうやら名刺のケースがチョークにそのままピッタンコ・サイズで、じゅうぶんに代用品として使えるみたい。

生きた化石と呼ばれなくて、良かった~(^o^)/

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マーギー・プロイス『ジョン万次郎~海を渡ったサムライ魂』を読む

2013年11月18日 06時01分04秒 | -外国文学
過日、妻とともに近隣の図書館に出かけ、何冊かの本を借りてきました。その中の一冊、集英社刊の単行本で、マーギー・プロイス著(金原瑞人訳)『ジョン万次郎~海を渡ったサムライ魂』がたいへん興味深いものでした。
ジョン万次郎といえば、漁船に乗り組んで難破漂流し鳥島に漂着、そこで米国の捕鯨船に救出され、親切な船長のおかげで米国に渡り、色々と見聞を広めて帰国して、幕末の外交政策に影響を与えた人、という程度の認識です。これも、星亮一著『ジョン万次郎』(PHP文庫)などによるもので、どちらかといえば日本側資料に基づいた記述です。
これに対して、本書の場合は、米国の児童文学者で劇作家である著者が、米国に残された資料をもとに書きあげたもので、2011年にニューベリー賞オナー(*)を受賞した作品とのことです。たしかに、若い万次郎が米国滞在中に学校教育を受けたことは承知しておりましたが、少年ジョン・マンが少女キャサリンにあてた英詩:

寒い夜、
きみにかごのプレゼント。
目を覚まして、マッチをすって!
走り去るぼくを見て。
でも、おいかけてきちゃだめだよ。

というのが実際の史実にもとづいたものであり、キャサリンがそれを大切に保存していたことなどは、初めて知りました。
太平洋を漂流して米国にやってきた鎖国の国の少年が自分に思いを寄せ、しかも自分も憎からず思っている気持ちを意識した少女の心も、そしておそらくそれを許さないであろうアメリカ社会や親たちのことも、ジョン万次郎の少年時代の行動を通して描かれます。
おそらく児童文学の範疇に入る作品とは思いますが、そんな区分を越えて、少年の勇気がストレートに読む者の胸を打ちます。良書です。たぶん、今年の私的ベストテンに入るものでしょう。

(*):ニューベリー賞とは、1922年に開始された世界最古の児童文学賞で、アメリカ合衆国における最も優れた児童文学の著者に与えられるとのこと。1923年にはヒュー・ロフティングが『ドリトル先生航海記』で受賞しているようです。ニューベリー賞オナーとは、その年に書かれたものではない作品に対して遡及的に与えられることもある名誉賞のことだそうで、2010年に発表された本書が2011年に受賞したわけですので、これに該当というわけです。

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山形交響楽団第232回定期演奏会でバッハ、ストラヴィンスキー、ベートーヴェンを聴く

2013年11月17日 21時36分47秒 | -オーケストラ
晩秋11月の土曜の夜、山形交響楽団の第232回定期演奏会で、バッハとストラヴィンスキー、ベートーヴェンの作品を聴きました。今回の指揮者は、マックス・ポンマーさん。プレ・コンサート・トークは、ホルンの八木さんがつとめてくれました。リューネブルクに生まれたJ.S.バッハの簡単な経歴を説明し、フランスから嫁いだ姫がオーケストラを連れてきたことが、後の「音楽の父」を生んだことを紹介、現代の日本でバッハが演奏されていることを喜び、有意義な時間を共有しましょうと語ります。まるで大学で歴史の老先生の特別講義を聴くような、そんな気分になりました。

さて、「技法を超越する美学」と題する本日の曲目は、

(1) J.S.バッハ:管弦楽組曲 第2番 ロ短調 BWV1067
(2) ストラヴィンスキー:弦楽のための協奏曲 二調 
(3) ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 「運命」作品67

というものです。

第1曲、バッハの管弦楽組曲第2番は、山響フルート奏者の足達祥治さんがソロをつとめます。ステージ正面左から、第1ヴァイオリン(4)、第2ヴァイオリン(4)、ヴィオラ(3)は立って演奏します。イスに座って演奏するのは、チェロ(2)、ファゴットとコントラバス、チェンバロ各1 です。ポンマーさんは指揮棒なしで、室内アンサンブルを指揮します。フルートと弦楽トップだけのアンサンブルや、フルート、ファゴット、チェンバロだけの響きが素晴らしい。組み合わせの妙というべきでしょう。そうか、この曲はフルート協奏曲だったのか(^o^)/
そして足達さんのアンコール「花は咲く」には、思わず涙が出ました。実は、開演前に『ラジオ福島の300日』を読んでいたものですから(^o^;)>poripori

第2曲は、ストラヴィンスキーの「弦楽のための協奏曲」です。楽器編成は、8-8-6-4-4 の弦楽5部で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラと並ぶ通常の配置です。ポンマーさんは指揮棒を持って指揮します。リズムと音色、編拍子や特殊奏法などを用いて、弦楽合奏だけでほんとうに多彩な変化を聴かせます。
第1楽章は速い音楽でしたが、第2楽章は柔らかな緩徐楽章で、急ー緩ー急の構成は変わらないようです。第3楽章は、再び不安気な速いテンポの音楽で、ヴィオラなどは細かな動きがずっと続きます。

15分の休憩の後、後半はベートーヴェンの交響曲第5番。
楽器編成は、Fl(3)、Ob(2)、Cl(2)、Fg(2)にコントラファゴット、Hrn(2)、Tp(2)、Tb(3)、ティンパニ、そして 8-8-6-6-4 と通常配置の弦楽5部です。
すっかり聴き慣れたつもりの音楽ですが、堂々たるテンポの中に、新鮮な響きが聞こえます。とりわけ素晴らしかったのが、第2楽章。伸びやかな音楽の歩みに、この曲の持つ魅力の一つをあらためて感じました。第3楽章から第4楽章へはアタッカで演奏されますが、ピッコロやコントラファゴット、バストロンボーンも加わって、華やかに緊張を解放します。堂々としてして、ヘンな言い方ですが、安心感のある「運命」交響曲でした。
もう一つ、ベートーヴェンはファゴットの使い方がうまいなあと感じました。

バッハに始まり、ベートーヴェンからストラヴィンスキーに至る曲目の構成でしたが、マックス・ポンマーさんの、自信に裏付けられたゆるぎない音楽を堪能しました。それにしても、ベートーヴェンの第2楽章が良かった~!

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本日は山響第232回定期演奏会

2013年11月16日 06時04分35秒 | 散歩・外出・旅行
本日と明日は、山響こと山形交響楽団の第232回定期演奏会です。会場は山形テルサホール、16日(土)は午後7時開演で、17日(日)は午後4時開演となっています。
指揮は、マックス・ポンマーさんで、フルート独奏は足達祥治さん。今回は、「技法を超越する美学」と題して、

J.S.バッハ:管弦楽組曲 第2番 ロ短調 BWV1067
ストラヴィンスキー:弦楽のための協奏曲 二調 
ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 「運命」作品67

というプログラムになっています。山響のホームページには、

YSO初登場のマックス・ポンマーは音楽学者としての視点も持ち合わせています。バッハのこの管弦楽曲は【組曲】とされていますが、近代の独奏協奏曲のモデルとも言うべき作品です。ストラヴィンスキーの二調のコンチェルトは独奏楽器のない弦楽による合奏協奏曲(コンチェルト・グロッソ)で、このジャンルの為に書かれた曲の中でも屈指の難曲です。ベートーヴェンの運命は言わずと知れた作曲技法の金字塔。各々の完成された技法の内側からポンマーは無限に潜む音楽を引き出してくれるに違いありません。

という紹介がありました。バッハの管弦楽組曲とベートーヴェンは、もう充分に承知の曲目ですが、ストラヴィンスキーのほうは、実演で聴くのは初めてです。足達祥治さんのソロを楽しみに、また山響の弦楽アンサンブルを堪能するとともに、すっかり手垢のついた「運命」については、主題とその変奏の緊張感や見事さを、もう一度楽しんで来たいと思います。

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