電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

この頃の天気予報がよく当たる理由

2023年06月30日 06時01分34秒 | Weblog
昔の、と言っても昭和30〜40年代頃の天気予報は、新聞やラジオ・テレビで知るものでした。天気図があり、気圧配置や前線の位置などから全国予報が出され、各地の予報がそれに続く形でした。これを支えたのは、富士山頂気象観測所(測候所?)を初めとする有人観測体制で、毎日の観測のために富士山頂や各測候所に勤務する人々の苦労は大変なものだったことでしょう。毎日16時に、NHKラジオの気象通報で天気図にデータを書き込み、等圧線を引いて翌日の天気を予想した、そんな時代です。

ところが、昭和から平成に移行する頃の情報化の波は、ビジネスの世界だけにとどまりませんでした。さらにコンピュータ・ネットワークの進歩が拍車をかけ、気象観測体制に無人化・自動化の波が押し寄せます。富士山頂の気象観測が無人化されたのが象徴的な出来事で、各地で気温や降水量などのデータが無人で観測され、自動でデータが送信されるような形に移行していきます。当時の報道では、気象予報業務の合理化・人減らし政策の一環で、無人化により気象予報の精度が低下するのではないかと懸念されたものでしたが。

しかし、その頃、気象予報にコンピュータの導入が進み、シミュレーションの精度が次第に高まっていき、海外の各種気象データもネットワーク化されて加わっていくことによって、大規模シミュレーションも可能になっていきます。大きく見れば、その結果が最近の気象予報の精度の向上なのでしょう。

先日は、午前中は雨の確率が0%でしたが、午後は80%ということでした。お昼になったらやっぱり雨が降り出し、畑仕事から撤収して来ました。ここ数日の雨降りも予報どおり。台風の進路等によって、一週間先の予報が変更されることはありますが、今日明日の予報はほぼ当たるようになってきていると感じます。昔は、当たらないものの代表だった天気予報が、かなり精確に当たるものに変わってきていると感じます。

わがPCやタブレットのブラウザのブックマークには、yamagata-area というフォルダがあり、このトップに「山形地方気象台」のサイトが入っているのは、実はそんな歴史的背景があったのだなあと、空模様を見上げながら、しばし感慨にふけりました。

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李白のやんちゃぶりの実態は

2023年06月29日 06時00分20秒 | アホ猫やんちゃ猫
最近の山響の活動はたいへん活発で、県外の公演も盛んに行われているようです。東日本大震災以前には、東北電力等の冠コンサートで東北各地で演奏会を開催していたそうですが、震災以後は激減していたために、経営的にもずいぶん痛手を受けたと聴いていました。そんなわけで、定期演奏会の際に配布された8月5日の鶴岡公演や8月9日の会津公演、8月12日の大館市での公演、8月26日の南陽公演、8月29日の横手公演、あるいは9月16日の由利本荘市と翌17日の北上市におけるドラゴンクエストの演奏会など、チラシを並べて写真に撮ろうとしていたら、見つかってしまいました! 我が家のやんちゃ猫、李白クンに! 去勢手術の後、体は大きくなりましたが声は子猫のままで、やんちゃなイタズラも子猫のままです。

フンフン、これは何だい? なんだか寝そべりたくなるぞ。



ご主人が焦っているな。これをこうしてこうしたら、もっと焦るかも。



アハハ! これはおもしろい! エイッ、エイッ!



やられてしまいました。泣く子と李白には勝てません(^o^)/
でも、山響が東北各地で良い演奏をして、たくさんの人たちがクラシック音楽やドラゴンクエストの音楽などを楽しむことができますように、いたずらをした猫に代わって祈っておきましょう。

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藤沢周平『海鳴り(下)』を読む

2023年06月28日 06時00分57秒 | -藤沢周平
文春文庫で、藤沢周平著『海鳴り』の下巻を読みました。重苦しい上巻の伏線が一気に展開されていく物語は、当初のイメージの「不倫もの」というよりもむしろ江戸のラブ・サスペンスというほうが正解かと思います。

紙問屋の組仲間で、仲買人や紙漉人たちの意向に反し、大手の問屋だけが利益を得るような決議が強行されますが、小野屋を潰そうと仕掛けられてきた一連の動きに、なんとか五分五分まで持ちこたえている頃、小野屋新兵衛は丸子屋のおこうと密会を重ねます。丸子屋の中ではおこうは不遇な立場ですが、新兵衛の家でも不協和音が絶えません。ただ、放蕩息子と思われた幸助の心中騒ぎで、相手の薄幸な娘おゆうの事情を知れば新兵衛も解決に力を尽くします。どうやらそれが息子の心を開いたようで、ショックで寝込んだ女房も、頼りになるのは夫新兵衛だと痛感したことでしょう。しかし、紙問屋仲間の寄り合いの後で、塙屋彦助が小野屋新兵衛と丸子屋おこうの密会をネタにゆすりをかけてきたとき、事態は破滅の方向へ転がりだします。こうなると、あとは二人が死ぬ結末しか見えませんが、どうやら作者は違う結末を考えていたようです。下巻の始まりの頃に、こんな記述がありました。

 「新兵衛さん、これからどうなるのでしょうね」
 どうなるのか、新兵衛にも定かにはわからなかった。だが新兵衛はいま、必ずしも暗い行先きだけを見ているのではなかった。
 それとは逆に、おこうと結ばれる前には見えもしなかった、かすかな望みのようなものが行く手に現れたのを、新兵衛はじっと見つめている。見えているのは、いま二人がいる部屋を満たしている光のように、ぼんやりとして心細いものだったが、少なくとも暗黒ではなかった。やはり光だった。(p.29-30)

塙屋彦助は悪役ですが、いわば実行犯の役回り。裏にいる本当の悪役は、実は…。でも、新兵衛が窮地に立っているのは明らかで、二人はどうなるのか、思わずハラハラドキドキします。とりわけ、岡っ引きが訪ねてきてからの緊迫したやり取りは刑事コロンボを彷彿とさせますし、まさに江戸のサスペンス・ドラマです。おもしろいです。



ところで、小野屋新兵衛が一時おちいった中年の危機というものに、残念ながら当方は心当たりがありません。なにしろ我が家には、30代で失明し全盲となった妻を支えて生きた祖父と、原爆症で何度もがんを患いながら84歳まで生きた夫を支え続けた母がいましたから、妻をよそに他の女性と不倫をするという発想がそもそもありません。作者には苦笑されそうですが、小野屋新兵衛さんの本性は実はけっこう浮気で助平だったんじゃないかと疑っておりまする(^o^)/

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藤沢周平『海鳴り(上)』を読む

2023年06月27日 06時00分52秒 | -藤沢周平
文春文庫で、藤沢周平著『海鳴り』上巻を読みました。読む前にさらりと眺めた文庫の表紙カバーの説明では、作者には珍しい不倫もののようで、重苦しいストーリーなのではとためらいの気分もあったのでした。でも藤沢周平の代表作の一つなのだから、やっぱり読んでおかなければと手にした次第。

紙問屋の小野屋新兵衛は、仲買いから始めて紙問屋の組仲間に入るまでに商いを伸ばしたやり手の商人です。しかし、中年にさしかかった頃、境遇や生き方等に疑問を持つようになり、一時は酒や女に迷った時期もあって、家庭内には不和を抱えています。そんな時に、紙問屋仲間の寄り合いで酒を強制された丸子屋のおかみが、帰り道、悪酔いに苦しんでいるのにゴロツキに付きまとわれるという不運に見舞われ、小野屋新兵衛に助けられます。新兵衛は近くの飲み屋の二階を借りて介抱するのですが、運が悪かった。その店は連れ込み宿のようなところで、しかも帰りを酒クセが悪く商売が傾いてきている塙屋彦助に見られたようなのです。彦助の恐喝はなんとかしのいだものの、どうやら薄幸らしい人妻おこうに対し、思いを寄せてしまいます。芸能人の不倫が記事のネタにされる現代とは違って、不義密通は死罪という江戸時代の世間は、禁断の愛を許さないのです。

紙問屋仲間うちでも、ひそかにめぐらされている陰謀のような動きもあり、小野屋の家庭内の不和もかなりリアルに描かれて、読み進めるのが苦しい面もありますが、一方で続きはどうなるのだろうと結末を見届けたい気持ちも強くなります。たしかに名作だと実感させるけれど、実はまだ上巻。

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梅雨の合間にタマネギとニンニクを収穫、乾燥する

2023年06月26日 06時00分38秒 | 週末農業・定年農業
過日、梅雨の晴れ間を見て、タマネギとニンニクの収穫を行いました。地上部はすでに倒れていましたので、妻がマルチを剥がし、掘り上げてくれていました。当日、私は地域行事等のため出かける予定がありましたので、帰宅後にコンテナから出して作業小屋の前に並べて乾かす方の作業を担当。ここは雨が当たらず風通しの良い場所ですので、収穫物を乾かすにはちょうどよい場所です。




今年の出来具合は、追肥が不十分(*1)でしたが、まずまずの大きさに成長しています。あまり巨大だと保存時に腐りやすいので、自家用には中玉くらいが目安です。成長不足で握りこぶし大よりも小さいものは別途かごに入れて乾燥。こちらは早目に使ってしまいます。



ニンニクも束ねて上からぶら下げて乾燥。ジャガイモもそうですが、収穫後の乾燥の程度で長期保存が可能になります。ある程度乾いたら、雨が降り出す前に作業小屋の中に入れてさらに乾かします。



これで、我が家の一年分のタマネギとニンニクは充分でしょう。新玉ねぎは、薄くスライスしてさっと水洗いし、食べやすい大きさに切ったハツカダイコンやレタス等と一緒にサラダにします。塩と酢とサラダ油をカシャカシャ混ぜてドレッシングをつくり、サラダにかけて食べますが、この季節のうれしい味です。

(*1): もう老母に聞くことはできませんので、作物ごとに追肥の時期と回数をノートに整理しておく必要があるようです。たしか、農協の肥料の予約注文書に表になっていたはず。

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NHKラジオ番組「音楽の泉」のこと

2023年06月25日 06時00分37秒 | クラシック音楽
先の日曜朝8時、NHKラジオ第1「音楽の泉」で、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番を放送していました。調べてみたら、マルタ・アルゲリッチのピアノ、クラウディオ・アバド指揮マーラー・チェンバー・オーケストラの演奏でした。この曲、実際はベートーヴェンのいちばん最初に書き始めたピアノ協奏曲なのに、4回も改訂しているうちに出版の順序が後になってしまい、第2番になってしまったのだそうな。作曲家として、ベートーヴェンはどんなところが不満だったのだろうと思います。



それはさておき、この「音楽の泉」という番組は、中波の中で貴重なクラシック音楽枠なのですが、曲目によっては音域的にちょいと辛いと感じることもあります。できれば、FM放送並みの音質で放送されないものかと思っていました。ところが、同番組のWEBサイトを調べてみたら、何のことはない、次の土曜日の朝5時から、ちゃんとNHK-FMで放送されているのでした。

したがって、本日、6月25日(日)の朝8時5分からは、ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送管弦楽団の演奏で、モーツァルトの交響曲第38番「プラハ」が放送されますが、その週の土曜日、7月1日の朝8時5分から、これが再放送されるという具合です。さらに、「らじる★らじる」の聴き逃しサービスではこのFMによる再放送を聴くことができるようです。解説もマニアックに過ぎず、わかりやすいものですので、早朝、まだ家族が寝ている時間帯に、一人でコーヒーを飲みながら静かに音楽を聴くにはちょうどよいかもしれません。

YouTube で探してみたら、若手のダニエル・ハーディング指揮ウィーンフィルによる「プラハ」の動画がありました。クーベリックはどちらかといえば昔ながらの重々しいほうですが、こちらは古楽の影響を受けた軽やかなもののようです。

**♪Mozart: Symphony No. 38, "Prague" / Daniel Harding & Vienna Philharmonic Orchestra 2006


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サクランボの期間中ほったらかしの野菜畑は

2023年06月24日 06時00分20秒 | 週末農業・定年農業
サクランボ収穫作業が始まる前にと、なんとか植え付けた野菜畑の様子は、6月1日には写真のような状態でした。



マルチの周辺に草はなく、耕運機で耕した後ですので、きれいなものです。ところがサクランボの収穫作業に忙しく、かまけるヒマがなかった三週間の間に、事態はすっかり変わりました。とりあえず、耕運機で畝間を耕してしまった後の様子ですが、ジャガイモ、サトイモ、サツマイモの株間が草でびっしりと覆われてしまっています。




これを、とにかくなんとかしなければいけません。手作業で1本1本抜いていくのでは、とにかく能率が悪い。そこで、耕運機が入れない狭い畝間はクワで草をけずり、天地返しをしてしまいます。そうすると、重力を感知して下方に伸びるはずの根が乾いてしまい、草は枯れてしまいます。こうして大きいところを片付けたら、あとは株間の草を除去していきますが、これには「ねじり鎌」という小型の道具が役立ちます。



これを草の根本にぐさっと刺して手で草を引き抜くと、根が張った草もスポッと抜けてきます。土を落としてしまえば、あとは夏の光の下でカラカラに乾いてしまいます。



今回、持参した農具は、次の三種類でした。



左から順に ねじり鎌、三角ホー、平鍬 というのだそうです。草を削るのに便利な真ん中のクワは、これまで三角鍬と呼んできましたが、調べてみたら「三角ホー」と言うのだそうで(*1)、ほう、そうなのか(^o^)/

そんなふうにして奮闘した結果、ビフォーアフターの「なんということでしょう!」の場面は





なんとか見られるようになりました。それにしてもこの期間、植えっぱなしで追肥もぜんぜんできなかったので、生育が悪いです。このあたり、「二兎を追う者、一兎も得ず」なので、仕方がないのかも。これからしっかり追肥をしておきましょう。ちなみに、暑い日盛りの休憩タイムは、水分補給と音楽です。




小型のバケツに載せたUSBラジオプレーヤーの音は、意外に聞きやすいようです。

(*1): 家庭菜園・農具の紹介〜JA西春日井

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そういえば、農具の種類や使い方もよくわかっていない

2023年06月23日 06時00分32秒 | 週末農業・定年農業
サクランボの収穫作業も終わり、それまでほったらかしになっていた畑の草取りに追われています。草取りと言えば、小・中学校では運動会の前になると体育の時間にグラウンドに出て、草取りをさせられたものでした。一本一本、手で引っこ抜くやり方で、文字通り人海戦術でした。ところが、そのやり方で草取りをしようと思うと、畑の面積が広すぎて、ひと畝を終えるのが精一杯。思わずぐちも嘆きも出てしまいます。

そういえば、亡父も亡母も、いろいろな道具を使っていたなあと思い出してみると、作業小屋には古い農具が実にたくさん置いてあります。中にはさすがにこれはもう使えないだろうと思うようなものもありますが、まだまだ現役と言って良い農具もあります。農具の種類や役割、上手な使い方も、実はよくわかっていませんでした。耕運機の使い方は慣れてきたけれど、クワやカマ、熊手などの農具にもいろいろな形のものが何種類もあり、どんなときにどれを使うのが良いのか、今さらではありますが、きちんと調べてみる必要がありそうです。

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表現には背景となる考え方があらわれる

2023年06月22日 06時00分50秒 | Weblog
サクランボが始まる前の話ですが、某地域行事で挨拶を頼まれました。また、別の機会に司会進行を頼まれました。いずれも下原稿(案)をいただきましたので、自分なりに少し変えて、なんとか無事にお役目を果たすことができましたが、その中の表現にいくつか気になるところがありました。

(1) 「させていただく」の乱用
 × 司会進行をさせていただく◯◯です。
 ◯ 司会進行をつとめます◯◯です。
(2) 「賜わる」は丁寧語か?
 ×ご挨拶を賜りますようお願い申し上げます。
 ◯ご挨拶をお願いいたします。

こうした行事では、ていねいな表現にすることは大切な心構えではありますが、「賜わる」というのは身分が上位のものから下位の者へ「下しおく」行為を、身分が下の者から見て表したもののように感じます。例えば挨拶する人が議員さんのような場合でも、本来は地域住民の代表者なのですから、「ご挨拶いただく」で充分にていねいになっているのでは。過剰にへりくだる人は、コイツ、腹に一物持っているな、と警戒されることもありましょう。自然体で、自然な普段着の表現が一番のように思います。

ちなみに、朱を入れて訂正した挨拶や司会進行の原稿は、担当の若い人にそっと返しました。来年度に参考にしてくれるといいのだけれど。

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ロゼッティのホルン協奏曲変ホ長調をネット上で探してみる

2023年06月21日 06時00分25秒 | -協奏曲
先の山響定期演奏会で聴いたロゼッティ(1750-1792)のホルン協奏曲、実は2つのホルンのための協奏曲を含めると20曲もあるのだそうで、W.A.モーツァルト(1756-1791)に先立ち、このジャンルの開拓者の一人になるらしい。先日の定期演奏会で取り上げられたのは、変ホ長調の曲でしたが、いつでも楽しめるように、ネット上で探してみました。

検索の方法は、Google 等で「Rosetti Horn concerto E-flat major」として「動画」で検索してみました。で、トップに来たのがこの動画。なんとバボラークさんの独奏です。おいおい、権利処理等は大丈夫なのかい。プラハ室内管弦楽団との演奏です。

F.Antonín Rössler-Rosetti Horn Concerto in E flat major C49/K III:36, Radek Baborak


それから、第1楽章だけですが、Zdenek Divoky さんのホルン、チェコ室内管弦楽団による演奏、

Rosetti: Horn Concerto In E Flat Major - Ⅰ. Allegro Moderato


うん、これでいつでも聴くことができるぞ!

あ、ただし、だからCDは不要とは思いません。CDによる聴取の場合、音楽の途中で無粋な広告が割り込んできたりすることもありませんし、自分で購入したサイン入りCDは宝物の一つですから。

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山響第310回定期演奏会でベートーヴェン、ロゼッティ、ドヴォルザークを聴く(2)

2023年06月20日 06時49分35秒 | -オーケストラ
畑仕事にくたびれて寝てしまった昨日の続きです。

プログラムの後半は、ドヴォルザークの「スラブ舞曲第1集」です。楽器編成と配置は、8-7-5-5-3 の弦楽5部に正面奥に Picc, Fl(2), Ob(2)、その奥に Cl(2), Fg(2)、その奥に Tp(2), Tb(3)、管楽器群の右側に Hrn(4)、左側に Timp. と Perc. というものです。パーカッションはバスドラム、トライアングル、シンバル等が見えます。Fl の客演は以前にも出演した鈴木芽玖さんで、他に2nd-Vn、Hrn、Perc. にも客演が入っているようです。

第1曲、ダイナミックで豪快な始まりで印象的な曲ですが、あらためて気づいたのは、バスドラムがこの迫力を生んでいる要因になっていること。CDでは気づきにくいところでした。
第2曲、ややずらしたブゥオーっという始まりは意図的なものでしょう。そのことで、素朴で田舎風なところが表されるからかも。
第3曲、田舎風なのんびりした空気が一転して明るく快活に、そしてまた田舎風に戻ります。どこか懐かしげな風情です。
第4曲、同じくのんびりした田舎の風情で、山登りで言えば下り道。可愛いものや美しいものも目に入り、風景も広々と全体が見えるような爽快さがあります。
第5曲、速いテンポで。勢いのある、活力のある音楽です。
第6曲、VcとCbのウンパッパから始まり、映像的に言えば踊り手の足首がクローズアップで見えるような舞曲です。
第7曲、Obのひょうきんな音色で、ロバの旅路みたいな始まりです。ロバもだいぶ頭数が多そうですが(^o^)/ この曲も Perc. が出ずっぱりです。
第8曲、爆発的なエネルギーを持った音楽、Timp. の活躍もあり、オーケストラも聴衆も一体となって大盛り上がりです。曲の終わりにブラヴォー!が出ました。そういえば、コロナ禍以来しばらくぶりにブラヴォーを聞いた気がします。良かった〜!



終演後、購入したバボラークさんのCDにサインしてもらおうと列に並んでいると、しばらくぶりに某庄内の笛吹きさんご夫妻にもお会いしてお元気そう。バボラークさんに「素晴らしかった」と伝えると、にっこり笑って「アリガトゴザイマス!」 この親しみやすさも人気の秘密なのかも。




購入したCDは、デュカス、カントルーブ、フランセ、サン=サーンス等の「フレンチ・リサイタル」と、室内楽版のモーツァルト「ホルン五重奏曲、ホルン協奏曲第1・第4番」です。梅雨の合間に、これから聴くのが楽しみです。

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山響第310回定期演奏会でベートーヴェン、ロゼッティ、ドヴォルザークを聴く(1)

2023年06月19日 06時00分42秒 | -オーケストラ
6月の第3日曜日、例年であればサクランボの収穫シーズン真っ盛りなのですが、今年は例年になく早い収穫で農作業も一段落、安心して山響こと山形交響楽団(*1)の第310回定期演奏会に出かけました。お昼を早目に食べ、時間に余裕を持って出かけた結果、駐車場は無事に確保でき、会場の山形テルサホールに入場します。恒例のプレトークは西濱事務局長と指揮者の二人でやり取りするのがパターンなのですが、今回は指揮者のラデク・バボラークさんがドイツ語で話すということで、ドイツ語はさっぱりの西濱事務局長のために特別通訳をゲストに迎えたとのこと。誰だろうと思っていたら、なんと、常任指揮者の阪哲朗さんでした(^o^)/



パンフレット内の阪さんの文章の中にも触れられていましたが、実は阪さんがスイスのビール歌劇場で働いていた頃、チューリヒの国際音楽コンクールでスイス・ロマンド管弦楽団と共にビール歌劇場管弦楽団も伴奏を受け持っていたのだそうです。今から30年前の1993年に、まだ10代のバボラークさんがホルンでコンクールに参加し、1位なしの2位になったのだそうな。楽員は2位じゃなく1位だろうと審査委員長に食い下がった一幕があったのだそうです。阪さんとバボラークさんはそのとき初めて言葉を交わした御縁でしたが、バボラークさんはベルリン・フィル等の首席奏者を経て指揮をするようになり、30年後の今は互いに山響の指揮者として仕事をしている不思議さに驚く、とのことでした。うーむ、それは本当にご縁としか言いようがないですね〜。

さて、本日のプログラムは、

  1. ベートーヴェン:劇音楽「エグモント」作品84 序曲
  2. ロゼッティ:ホルン協奏曲 変ホ長調 C.49/K.III:36 ラデク・バボラーク(Hrn)
  3. ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」作品. 72c 序曲
  4. ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集 第1集 作品46
      ラデク・バボラーク指揮、山形交響楽団

というものです。素人音楽愛好家としての楽しみポイントは、まずロゼッティのホルン協奏曲という音楽に初めて接することと、ベートーヴェンの序曲をどんなふうに鳴らすのか指揮者としての方向性への興味、そして何と言ってもチェコではニューイヤーコンサートの曲目となるというドヴォルザークのスラブ舞曲集第1集を生で聴けること、でしょうか。

第1曲、ベートーヴェンの劇音楽「エグモント」序曲です。楽器編成とステージ上の配置は、正面左から第1ヴァイオリン(8)、第2ヴァイオリン(7)、ヴィオラ(5)、チェロ(5)、右端にコントラバス(3)という 8-7-5-5-3 の弦楽5部に、正面奥にフルート(2)、オーボエ(2)、その後方にクラリネット(2)、ファゴット(2)、正面最奥部にトランペット(2)、右奥にホルン(4)、左奥にはバロック・ティンパニというものです。コンサートマスターは高橋和貴さん。
「エグモント」序曲の冒頭、わざとずらしたようなズザーっという始まり方に、ヨーロッパのオーケストラの響きの流儀だと感じます。そして、中〜低音域をしっかり響かせて、力強い堂々たる音楽の歩み、立派な響きです。ああ、いいなあ。盛り上がって曲を終えた後、指揮者は木管セクションを立たせ、次いで全員を立たせて聴衆の拍手を受け、退きました。

次は、期待の第2曲め、ロゼッティのホルン協奏曲です。楽器編成はぐっと小さくなって、6-6-4-3-2 の弦楽5部にHrn(2), Ob(2)というもの。真ん中の指揮台を撤去し、ここに独奏ホルンと指揮のバボラークさんが立ちます。初めて聴くロゼッティの変ホ長調のホルン協奏曲、第1楽章:アレグロ・モデラート。小さめな編成のオーケストラが優雅な主題で始まると、ここがけっこう長くて、なかなか独奏ホルンが始まりません。まもなく独奏ホルンが同じ主題を奏して協奏曲らしい展開となりますが、印象的にはモーツァルトと同じ時代というのが頷ける雰囲気です。ただし、ぐっと技巧的なパッセージも多く、苦もなく流れるように演奏され、柔らかい音色が弦楽ともしっとりとマッチするのを体感すると、名手の名手たる所以を実感します。この印象は、第2楽章:ロマンツェ、アダージョ・ノン・タントに入っても変わらず、弱く優しく吹奏される音楽の、独奏ホルンの音が静かに響く時間が実に貴重な経験です。そして第3楽章:ロンド、アレグレット・ノン・トロッポと指示された、速く軽やかな音楽です。独奏ホルンは、非常に速いパッセージも難なく通過し、軽快さも感じさせます。チェロのピツィカートのムチのような音も面白いものです。初めて聴く曲ですから断片的な印象にとどまりますが、モーツァルトとほぼ同時代の音楽、モーツァルトのホルン協奏曲に影響を与えたと言われているらしい優雅な音楽に満足した日でした。

3曲めはベートーヴェンの歌劇「フィデリオ」序曲です。楽器編成は 8-7-5-5-3 の弦楽5部に Fl(2), Ob(2), Cl(2), Fg(2), Hrn(4), Tp(2), Tb(2), Baroque Timp. というものです。ベートーヴェンらしい、劇的な開始です。管楽器群の互いに溶け合ったようなハーモニーがステキで、バロック・ティンパニの音と共に次第に緊張感が高まります。爆発するようなエネルギーと共に展開される音楽は、聴きなれた序曲ですが、また新鮮な印象を受けました。

ここで15分の休憩。物販も再開されたようで、せっかくですので新TシャツとバボラークさんのCD2枚を購入して来ました。

(〜今日は畑仕事でくたびれましたので、この続きのドヴォルザークはまた明日〜)

(*1): 山形交響楽団公式ホームページ

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残り物に福はあるか〜サクランボの収穫後

2023年06月18日 06時00分26秒 | 週末農業・定年農業
サクランボの収穫作業は一段落で、数日置いた残り果実をもぎ取りしています。露地物の佐藤錦はそろそろ「うるみ果」(ぷにぷに柔らかい)に移行しつつあり、産地の重点は雨よけハウス内の「紅秀峰」など晩生種が主力になってきています。



ところでこの「紅秀峰」、色が赤くて実の肉質が固くしまっていて、糖度が高く美味しいさくらんぼですので、佐藤錦と同様に人気の品種です。残念ながら晩生種ですので、出荷開始日が梅雨の時期に入ってしまい、露地物が主力の我が家では出荷できた年が少ないのです。今年は時期が早かったのですが、それでも共撰の出荷開始日が18日となっており、ただでさえ雨で実割れしてしまいますので、出荷は難しいのが実情です。



それでも、みすみす捨てるのもくやしいと、出荷には関係なく、早もぎで収穫しました。今年は霜や雪の害で花芽がやられてしまい、例年の2割ほどのできばえです。たしかに、ついている紅秀峰の実がまばらです。本来ならば、摘花・摘果が必須でざくざくとなっているのが普通なのですが、こんなにまばらなのはたしかに異常です。反面、1粒の大きさは格別に大きくなっているようで、光合成の生成物が集中して早もぎでも味は良好です。



農協には出荷できない早もぎ紅秀峰を、娘と孫たちのところへ送りました。ついでに、そろそろ「うるみ」加減の佐藤錦と半分ずつ送りましたので、食べ比べができたようです。娘は、味は佐藤錦、食感は紅秀峰に軍配を上げていました。なるほど、この時期なら妥当なところでしょう。



1本の樹から集めたら、それでもこのくらい集まりました。今年の紅秀峰の収穫はこんなものかな。欲をかいて今から雨よけテントにしたりすると、コストがかかりすぎてペイしません。自家用にこの程度あれば充分と考えるべきなのかも。その点、梅雨の中休みに収穫期がぴたっと当てはまる佐藤錦はまことに優良品種です。

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猫記事のカテゴリー名をどうしよう?

2023年06月17日 06時00分34秒 | ブログ運営
当ブログには、従来から「アホ猫」という母娘猫の記事カテゴリーがありましたが、母娘猫が21歳と20歳で亡くなって以来、記事が途絶えていました。ところが、たまたま息子の友人から子猫をもらってくれないかという打診があり、昨年秋からマンチカンとブリティッシュ・ショートヘアーのハーフのオスの子猫が暮らし始めました。そのため、とりあえずカテゴリー名を「アホ猫・子猫」としてきましたが、現在はどこからどう見ても子猫には見えません。カテゴリー名を変更したいところですが、さて、どういう名称にしたものか? アホ猫母娘は自宅裏の果樹園を駆け回り、野ネズミをつかまえることにかけては名猫級でしたが、今回は「李白」は外に出さない方針ですので「アホ猫・家猫」でもいいわけです。ではあるのですが、ここは今ひとつひねりがほしいところ。では、やんちゃな性格に鑑みて「アホ猫・ヤン猫」ではどうだろう? ここは本人、いや、本猫にも意見を聞いてみたいところですが、狭いところが大好きで妙なところに入り込むのに夢中なようで……(^o^)/

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本丸東のゲソ天板そばでお昼〜サクランボ収穫も一段落して

2023年06月16日 06時00分14秒 | 散歩外出ドライブ
我が家のサクランボの収穫も一段落し、雇人の人たちに賃金等を支給して「来年もお願いします!」と約束して解散しました。ようやく嵐のような日々が終わり、あとはゆっくりとお天気をみながら晩生種の「紅秀峰」「南陽」「ナポレオン」等を収穫していきます。紅秀峰と南陽は、凍霜害の影響が大きく、実がまばらにしかついていない状況ですので、出荷は望めず、娘と孫たちのところへ送って、あとは自家消費でしょう。

そんなわけで、たまには美味しいそばでも食べたいねと意見が一致して、妻と二人で東根市の「本丸東」に出かけました。東根小学校〜東の杜資料館の近くだと聞いていたので、目印の看板を見つけると、あとは楽でした。周囲は民家とサクランボ畑が点在するのんびりした風景で、ここの古民家を改修した蕎麦屋さんならきっと美味しかろうとの判断です。妻と二人、注文したのは「ゲソ天板そば」でした。





そばにゲソ天が付くのは山形の特徴だと「ケンミンショー」で言っていましたが、本丸東のゲソ天はちゃんと一口大に切ってあり、食べやすいです。そばも太くて硬い田舎そばとは違っていて、ちゃんと食べやすい太さでしかも腰があって美味しい。私の好きなタイプです。






そば一本もお新香の一切れも残さず完食。美味しくいただきました。食後にアイスコーヒーがついたのには驚きました。ごちそうさまでした。

なお、駐車場は10台まで停められます。シーズンには少し早目の時間帯に行くのがコツのようです。

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