パソコンで日本語の文章を入力するときには、必ずかな漢字変換のお世話になります。MS-DOS の時代には、日本語フロントエンド・プロセッサ(FEP)などと呼ばれていました。Windows の時代になると、Input Method Editor の略で 日本語IME などと呼ばれるようになりました。Linux では、X-window system 上で動作するクライアント・サーバ型の日本語入力システムを XIM (X Input Method) と呼んでいます。当方が使ったことがある FEP, IME, XIM の主なものは、
(1) ファンクションキーを用いて文字種の変更を行うもの
ATOK, VJE, Katana, EGBridge, MS-IME, Anthy(フリーな日本語入力システム,Linux等) など
(2) ファンクションキーを用いずに文字種の変更を行うもの
OAK(オアシスかな漢字変換)、canna(かんな、カスタマイズによりMS-IME風に変更もできる)など
などでしょうか。
(1)では、入力後に、例えば F7でカタカナに、F8で半角に変換することができます。
これに対し、(2)では、例えば「無変換」キー等でカタカナに変換することができます。
日本語入力は慣れの要素が大きく、特に(1)と(2)のタイプの間を往復するような使い方は困難ですが、(1)のタイプの間では、比較的はやくなれることができるように思います。
最近は、かな漢字変換のプログラムにつきものの辞書やロジックが中国で開発されるようになり、某社の IME がお馬鹿でズタズタになっているのだそうな。元同社幹部でさえ叱正するくらい(*)ですから、相当なのでしょう。この記事のコメントに対するリプライで、氏が同社の「執行役員の何人が自分でセットアップできるか」を問うているあたり、経営組織内における技術系役員の減少に伴い、技術の根幹が弱体化する傾向を表しているように見えてしかたがありません。
当方、Ubuntu-Linux で愛用するのは、フリーの日本語入力システムである Anthy ですが、時にニヤリとするくらいで、それほどひどい誤変換には遭遇しておりません。企業が責任を持って作るから品質が信頼できるとは言い難い時代になってきているのでしょうか。ネットワークの時代には、オープンソースのソフトウェアのように、多くの人の目にさらされるほうが、品質は向上するのかもしれません。
(*):
MS-IME…さらにお馬鹿になっていく~古川享ブログより~
このあたりも、「安けりゃいいのか?」記事シリーズの部類で消化。じゃない、部類でしょうか(^o^)/