電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩。時々は実際に散歩を楽しみます。

映画「ビリーブ 未來への大逆転」を観る

2019年05月22日 06時04分13秒 | 映画TVドラマ
全国的に雨降りで、畑仕事はお休み。妻と映画を見に出かけました。「ビリーブ 未來への大逆転」(*1)です。

私が10代の頃、米国では公民権運動やベトナム反戦運動が盛んでした。この映画は、その頃の実話をもとにしているのだそうです。脚本は、2010年、ルースの夫マーティンの葬儀の際に送られた弔辞の内容に興味を持った実の甥が、「スーパーおばさん」の若い頃の訴訟記録をもとに書き上げたものらしい。公式サイトによれば、こうです。

時は1970年代、アメリカ。女性が職に就くのが難しく、自分の名前でクレジットカードさえ作れなかった時代に、弁護士ルース・ギンズバーグが勝利した、史上初の〈男女平等〉裁判。なぜ、彼女は法の専門家たちに〈100%負ける〉と断言された上訴に踏み切ったのか?そして、どうやって〈大逆転〉を成し遂げたのか?
ルースを演じるのは、『博士と彼女のセオリー』でアカデミー賞®にノミネートされたフェリシティ・ジョーンズ。彼女を信じ、支え続けた夫のマーティンには『君の名前で僕を呼んで』のアーミー・ハマー。さらに、『ミザリー』のオスカー女優キャシー・ベイツが伝説の弁護士役で出演。貧しさと差別をバネに、弱い立場の人々と手を組んで、権力に立ち向かうルースの逆転劇に、心の拳を高く振り上げずにはいられない。

貧しいユダヤ人家庭に生まれたルース・ギンズバーグは、「すべてに疑問を持て」という亡き母の言葉を胸に努力を重ね、名門ハーバード法科大学院に入学する。1956年当時、500人の生徒のうち女性は9人で、女子トイレすらなかった。家事も育児も分担する夫のマーティンの協力のもと首席で卒業するが、女だからというだけで雇ってくれる法律事務所はなかった。やむなく大学教授になったルースは、70年代になってさらに男女平等の講義に力を入れる。それでも弁護士の夢を捨てられないルースに、マーティンがある訴訟の記録を見せる。ルースはその訴訟が、歴史を変える裁判になることを信じ、自ら弁護を買って出るのだが──。

たしかに、大きな、歴史的な法廷逆転劇です。

むしろ、当方が心を動かされたのは、頑固で気難しい母親を介護する独身の男性が、男性には介護補助者を雇う費用が控除されないという当時の税法の矛盾を一身に引き受けているところ。実際の税の控除額はわずかかもしれないけれど、法が「親を介護する男性は助けない」と宣言しているようなもので、老老介護の高齢社会に突入した現代に意味するところは大きい。

夫マーティンや娘に支えられながら法廷に立ったルース・ギンズバーグの弁論は、前半は判事に押されっぱなしですが、後半は技術的各論ではなく、批判された「ラディカルな社会変革」という言葉を手がかりとし、歴史的見地に立った訴えが見事です。見事なスピーチと感じました。



主題歌とは別に、劇中の音楽の取り入れ方が印象的。LPで「フィガロの結婚」序曲が流れますが、これは当時の貴族社会への風刺をオペラ化したモーツァルトの意味を象徴するものかも。また、壁にはヴェルディの歌劇「アイーダ」のポスターらしきものがちらりと見えました。

(*1):映画「ビリーブ 未來への大逆転」公式サイト

※公式サイトのスクリーンショットを貼り付けようかとも思いましたが、肖像権だとか色々とうるさそうで、大人の判断でやめました。代わりに、季節の花を。

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アタシは贈り物じゃないわ!

2019年05月21日 06時03分11秒 | アホ猫
今日は雨降り。出かける気分にならないので、リビングでごろごろしていたら、奥さんがテーブルにあったリボンをアタシの首にまきつけるのよ! アタシは贈り物じゃないわ! そりゃ、『リボンの騎士』って世代じゃないけど、こうみえてもミレニアムベビー、御年19歳なのよ! もっとリスペクトしてほしいものだわ! ぷんすかプンプン!



お前ねえ、そんなに嫌なら、わざわざ膝に乗るのをやめればいいんじゃないの? 飛んで火に入る夏の虫じゃなかった、跳んで膝乗るアホな猫、ってだけじゃないの。

平和な、実に平和な風景です(^o^)/

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果樹農業と野菜つくりの違い

2019年05月20日 06時01分46秒 | 週末農業・定年農業
父が亡くなった後に、週末に農作業に従事する形で果樹園を維持管理(*1,2)してきました。そのため、当ブログでも「週末農業」というカテゴリー名で作業記録を中心とした記事を積み重ねて来ています。この春に退職した後、これまでやってきた果樹農業のほかに、老母が維持してきた野菜畑(*3)の管理もやるようになりました。こちらは、もっぱら妻が老母を手伝う形で作業することが多かったので、今後も「婦唱夫随」のスタイルになりそうですが、それにしても果樹農業と野菜つくりでは、だいぶ作業のスタイルが違うようです。

  • 果樹農業 樹が大きく本数も多いので生産量も多く、部分的な丁寧さよりも全体を見て作業を組み立てる必要があります。草刈りや防除など機械で行う作業もかなりあり、どちらかといえば大雑把な力仕事です。高所作業や上を見る仕事が多く、足腰や首が痛くなります。
  • 野菜つくり 出荷を前提としない家庭菜園の規模だから、という面もありますが、作業が繊細で細やかです。種まき、苗の植付け、草取りや間引きなどしゃがんでする作業が多く、腰が痛くなります。

実際のところ、果樹農業のような大雑把な仕事のしかたでは、「ぼーっと生きてんじゃないよ!」とチコちゃんに叱られる、もとい、妻に叱られます(^o^)/



サクランボやスモモ、モモ、プルーン、りんご、柿など、収穫する果物は季節の味の楽しみですが、自家栽培する野菜の多様さは日常の食事メニューの豊かさに直結する面があり、どちらもおろそかにするわけにはいきません。週末農業から定年農業へ移行している今日このごろ、新米シェフの食材確保のためにも、野菜つくりの勉強も大事な課題です。写真は、先日、植え付けをしたサトイモとカボチャです。近日中に、豆の発芽を野鳥の食害から守るために、防鳥ネットを張る必要があります。

(*1):果樹園の再開を目指して〜「電網郊外散歩道」2009年3月
(*2):果樹園を放置するとどうなるか〜「電網郊外散歩道」2015年6月
(*3):白菜とダイコンの収穫〜「電網郊外散歩道」2012年11月
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ヘンデルは5曲の基準に達せず〜私の好きな作曲家と作品

2019年05月19日 06時02分30秒 | クラシック音楽
「私の好きな音楽」シリーズ(*1)で、作曲家1人について1曲という制約を取り払ったら、という企画をしています。取り上げる基準としては、

  • 好きな曲、よく聴き馴染んだ曲が5曲以上リストアップできること
  • 曲集については1曲に数えることも、単独で取り上げることも可

というものです。これまで、ヴィヴァルディ(*2)とバッハ(*3)を取り上げていますが、ヘンデル編で気づいてしまいました。オラトリオ「メサイア」、「水の上の音楽」、「王宮の花火の音楽」まではすらすらと出てくるのですが、後が続かない。合奏協奏曲やヴァイオリン・ソナタはそれほど熱心に聴き込んでいるわけではないし、オルガン協奏曲に至っては、聴いた回数が数えるほどしかありません。「オンブラマイフ」や「私を泣かせてください」を加えれば無理やり五曲に数えることはできますが、「メサイア」と並べて、と考えると、ちょいと気がひけます。ここはやはり、いったんパスして、「五曲に満たない」番外編を考えるほうがよさそうです。

(*1):年末に「私の好きな音楽」シリーズの新企画を考える〜「電網郊外散歩道」2016年12月
(*2):私の好きな作曲家と作品(1)〜ヴィヴァルディ〜「電網郊外散歩道」2016年12月
(*3):私の好きな作曲家と作品(2)〜J.S.バッハ〜「電網郊外散歩道」2018年12月


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プーシキン『大尉の娘』の新訳が出ていた

2019年05月18日 06時02分58秒 | -外国文学
以前、プーシキン著『大尉の娘』の新訳・新刊が出ないものかという記事(*1)を書きました。手持ちの新潮文庫(中村白葉約)は、1970年代の始め頃に購入したもので、用紙がすっかり黄ばんでしまっているだけでなく、文字のポイントが小さすぎて、老眼世代には辛いものがあります。長年愛読している本ではありますが、そろそろいい加減に新しい本で読みたいものです。できれば文字の大きな新装版または読みやすい新訳ならばなお有り難い。




そんなことを願っていたら、光文社の古典新訳文庫の棚に、坂庭淳史訳の『大尉の娘』を見つけました。本文の文字のポイントも大きめで、読みやすそうです。これはありがたい。さっそく購入して来ました。

"ロシア文学の父"プーシキンの代表作!
歴史的事件に巻き込まれる青年貴族の愛と冒険

という帯の文字が、ワクワク感を盛り上げます。楽しみです。

(*1):プーシキン『大尉の娘』の新訳・新刊はないものか〜「電網郊外散歩道」2013年2月

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プロコフィエフ「フルート・ソナタ」、「ヴァイオリンソナタ第2番」等を聴く

2019年05月17日 06時01分33秒 | -室内楽
先日のヤンネ舘野さんのヴァイオリン・リサイタルで聴いたプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第2番は、もともとはフルート・ソナタとして作曲されたものだそうです。1943年の夏に完成、1944年に第2番のヴァイオリン・ソナタに改作されていますので、1938年にスケッチが着手されているものの実際に完成したのが1946年となる第1番のヴァイオリン・ソナタよりも早い時期にできた作品ということになります。



私がこの曲に接したのは、1973年の6月、日本コロムビアのパルナス1000シリーズのLPを入手してのことでした。ヴァイオリン・ソナタ第1番のB面に収録されたフルート・ソナタは、ミシェル・デボスト(Fl)とクリスチャン・イヴァルディ(Pf)によるもので、フランスのムジディスク社原盤とされています。第1楽章:モデラート、ニ長調、3/4拍子、第2楽章:スケルツォ、プレスト、イ短調、3/4拍子、第3楽章:アンダンテ、ヘ長調、2/4拍子、第4楽章:アレグロ・コン・ブリオ、ニ長調、4/4拍子、という四つの楽章からなる、古典的な形式を保った曲です。まず何よりも、フルートという楽器の響きが、この曲の幻想的で透明な抒情性を浮かび上がらせます。

Flによる演奏は、例えばこんな感じです。第1楽章だけですが、YouTube より。
S. Prokofiev: Flute Sonata, op. 94. I. Moderato


これをヴァイオリンで演奏したいと考えたオイストラフは、プロコフィエフに「なんとかしてよ〜!」と頼んだのでしょうか。実に慧眼だと感じました。ヴァイオリンでの演奏は、先日のヤンネさんの演奏会で実感したように、フルートとはまた別な魅力を示すようになったのではないかと思います。

ヤンネさんの先生、Olga Parhomenko さんによるこの曲の演奏が YouTube にありました。
S. Prokofiev - Violin Sonata No.2 - Olga Parhomenko


もう一つ、フォーレの作品も。これも、貴重な記録でしょう。
Gabriel Fauré: Berceuse op.16 - Olga Parhomenko, violin

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料理が楽しい理由

2019年05月16日 06時04分26秒 | 料理・住まい
このところ、料理が楽しいです。新米シェフの例にもれず、覚えたてだからという理由もありますが、もう一つ、この楽しさには既視感があります。

中学生の頃、実験室に入り浸って毎日のように化学実験をしていたとき、いろいろな化学薬品の性質を試したり知ることが面白かった、あれと似ています。例えば同じ酸といっても一つ一つ特徴的な性質があり、使い方も適切な濃度や温度に保つ必要があるなど、個別の知識を知り、それを組み合わせていく楽しさ、面白さです。

今、料理をしているときに感じるのは、その時の気分に近いのかも。例えばオリーブオイルにニンニクを入れ、加熱するときは高温にしてはならない。むしろ低温でじっくり加熱するほうが良いのは、たぶん親油性の成分を抽出するためで、高温だとニンニクの表面が固くなり、成分が抽出されにくいからなのでしょう。また、タケノコを湯がくのは、単にえぐみ成分を流出させるだけではなくて、大量に含まれるチロシンからホモゲンチジン酸等のえぐみ成分を生じさせる酵素の働きを熱変性によって失活させるためなのでしょう。

うーむ。昔、生化学等の講義で習った知識が、立体的によみがえります。たぶん、こうするとうまく行くだろうと予想し、やってみると調理技術的にドンピシャだったりします。で、出来上がった料理が美味しいのですから、楽しくないはずがありません。家族が「化学実験のような料理」と評するのは、意外に本質をついているのかもしれません(^o^)/


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「鶏もも肉のソテー」を作る

2019年05月15日 06時01分06秒 | 料理・住まい
豚もおだてりゃ木に登り、夫もおだてりゃ料理をします。妻に「おいしいワー!」と褒められていい気になって、パスタ以外にも手を伸ばしております。今回は「鶏もも肉のソテー」(*1)です。

まずは材料から。

鶏もも肉  2枚 約400g
卵     2個
マヨネーズ 50g
ベビーリーフ 適量 今回は五月菜を使いました。
塩、サラダ油 


タルタルソースの作り方です。

  1. 小さめの鍋に卵を入れ、かぶるくらいの水を注いで強火にかけます。煮立ったら弱めの中火にして約10分間ゆでた後、冷水にとって冷まし、殻をむいておきます。
  2. ボウルにゆで卵を入れ、ポリ袋をはめた手で細かくつぶし、マヨネーズを加えて混ぜます。


次に、鶏もも肉のソテーです。

  1. 鶏もも肉をペーパータオルではさんで水気を取り、両面に塩少々を振っておきます。
  2. フライパンにサラダ油大さじ2を引き、鶏肉を皮を下にして入れ、中火にかけます。
  3. ときどきフライ返しでぎゅっと押さえつけながら10分間ほどじっくり焼きます。

  4. 皮がカリカリになったら上下を返し、すぐに火を止めます。油がぐつぐつしなくなるまでそのまま2〜3分おき、余熱で火を通します。
  5. ベビーリーフを器に盛り、鶏もも肉のソテーにソースを添えるところですが、今回は五月菜をさっと茹でて、皿一枚にミニトマトや残り物のポテトサラダを添え、タルタルソースをかけて出してみました。


うん、これなら大丈夫でしょう。かなり美味しかった。家族にも好評でした。

(*1):『きょうの料理ビギナーズ』2019年3月号、p.68〜69を参考にしました。
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荒らしていた畑を復活させる

2019年05月14日 06時02分42秒 | 週末農業・定年農業
だいぶ前、亡父が元気な頃に、休耕田を野菜畑として使い始めました。毎日、管理・収穫する必要があるナスやキュウリなどは裏の畑で良いけれど、一定の面積を必要とするサトイモ、白菜、枝豆、カボチャ等は、少し離れたところにあるこの畑に植えていました。少々距離があるとはいえ、歩いて行ける距離ですので、もっぱら老母が楽しみに野菜を作っていました。ところが、先年の心臓手術以後、足腰が弱り、歩行が不自由になりましたので、裏の畑くらいならばともかく、こちらの畑までは手が回らず、昨年はとうとう何も植えずに放置したため、雑草の天下となり、だいぶ荒れてしまっていました。



今年は、私が退職して時間ができましたので、この畑の復活を計画。耕運機で耕耘した後、苦土石灰や肥料を散布し、数日おいて再び耕耘。こうすると、雑草が発芽成長する間がありませんので、畑がきれいになります。まずはマルチ栽培でサトイモを植えて、今秋の芋煮の材料を確保します(^o^)/



嬉しかったのは、アスパラガスが生き残っていたことです。たしかに、昨秋に部分的に草取りと追肥を行って、次の年に備えてはいたものの、一畝がぜんぶ生き残っているとは思いませんでした。草取りをした土の中からにょきにょきと顔を出しているアスパラガスを見ると、思わず嬉しくなります。根元を鍬で耕して追肥。もう一つ、ニラとギンボ(ギボウシ)、ウルイ、食用菊なども大丈夫でした。スギナがはびこっているのを草取りで地下茎を取り除き、こちらにも追肥をしておきます。




さて、この畑に何を植えましょうか。週末農家から定年農家へ。ただいま、野菜つくり見習いの修行中です。


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山形交響楽団第277回定期演奏会でメンデルスゾーン、シューマン、ブラームスを聴く(2)

2019年05月13日 20時04分23秒 | -オーケストラ
昨日の記事の続きです。
休憩の後は、ブラームスのピアノ協奏曲第1番です。例によって、楽器編成は 8-7-5-5-3 の弦楽五部に、Fl(2),Ob(2),Cl(2),Fg(2),Hrn(4),Tp(2),Timp. というものです。第1楽章:マエストーソ。ゆっくりめのテンポで、底流にしっかりリズムが刻まれますが、どちらかといえばレガートな美しさを重視したものでしょうか。それにしてもピアノが素晴らしい! 横山幸雄さんのピアノに触発されたのか、オーケストラも、例えばピアノソロから木管に移るところのオーボエの見事さは内心思わずブラボーでしたし、ピアノが休んでいる間のオーケストラの優しい響きは、山響の美質を感じました。第2楽章:アダージョも、ゆったりしたテンポでしみじみと聴かせます。沈潜するピアノが、荒れた気持ちを鎮めていくようです。そして第3楽章:ロンド、アレグロ・ノン・トロッポ。ん?もしかしたらトランペットはナチュラル・タイプを使用していたのでしょうか。音楽が再び決然と動き出します。ピアノが、ほんとに見事! これに応える山響も、堂々たるものです。青年ブラームスというよりは、自信に満ち、充実した大人のブラームスというべきでしょうか。



ところで、シューマンが生きた19世紀前半〜中頃、ロマン派の時代というのは、実は楽器の進歩が著しかった時代なのかもしれません。産業革命が進み、鋼鉄のフレームを持つピアノが誕生しますし、金管楽器のバルブシステムなども進歩します。山響が本演奏会で採用している楽器も、そうした楽器の時代的な変化を反映させているのかもしれません。今回の演奏会でいえば、ブラームスのピアノの低弦の響きが、モーツァルトやハイドンの時代のピアノとはかけ離れたものと感じますし、リストが登場するヴィルトゥオーゾの時代を象徴するかのような力強さ・迫力があります。溶鉱炉が高温の銑鉄を吐き出し、蒸気の力で鋼鉄の機関車が走る時代にふさわしく、ピアノもまた低弦の圧倒的な響きを聴かせるようになったのでしょう。

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山形交響楽団第277回定期演奏会でメンデルスゾーン、シューマン、ブラームスを聴く(1)

2019年05月12日 20時28分09秒 | -オーケストラ
日曜日に法事出席の予定があり、土曜に変更した山形交響楽団第277回定期は、阪哲朗さんの常任指揮者就任記念の演奏会でした。野菜の種まきや追肥などの畑仕事を終えた後、山形市のテルサホールに向かいました。開演前のロビー・コンサートはトロンボーン三重奏で、シュペールの「二つのソナタ」(*1)という珍しい曲目でした。太田涼平、篠崎唯、髙橋智広さんの出演で、しばし荘重な音の世界に浸りました。



プレコンサート・トークでは、阪哲朗さんがご挨拶とともに、今回のプログラムについて、西濱さんが口を挟む余地を与えないほどの熱弁(^o^)/
マネージメント力のあるメンデルスゾーンと、思い込んだらとことんやるシューマン、シューマン家を訪れた美青年ブラームスの関係、結びつきについてで、今回のプログラムの編成の特別さについても、音楽史上の順番を踏まえつつ、協奏曲が大曲なので休憩後に持ってきたことなどを話しました。



そのプログラムは、

  1. メンデルスゾーン/序曲「美しいメルジーネの物語」作品32
  2. シューマン/交響曲 第4番 ニ短調 作品120
  3. ブラームス/ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 作品15 Pf:横山 幸雄
      阪 哲朗 指揮、山形交響楽団

というものです。まさにロマン派の王道、記念演奏会にふさわしい重厚かつ意欲的なプログラムと言って良いのではないでしょうか。

第1曲:メンデルスゾーン。楽器編成は、左から第1ヴァイオリン(8)、チェロ(5)、ヴィオラ(5)、第2ヴァイオリン(7)の対向配置、左奥にコントラバス(3)の 8-7-5-5-3 の弦楽五部に、正面奥にフルート(2)、オーボエ(2)、その後方にクラリネット(2)、ファゴット(2)の木管楽器、正面奥にトランペット(2)、右奥にホルン(2)の金管楽器、そして左最奥部にバロック・ティンパニとなっています。この曲、私にとっては実演では初めての体験というだけでなく、おそらくFM放送などでもあまり記憶にありませんので、実に新鮮な体験でした。いい曲ですね〜!

第2曲:シューマンの交響曲第4番、ニ短調。第1番「春」とほぼ同時期に書かれたのだそうですが、評判があまり良くなかったために、後に改訂したものだそうです。どちらかといえば明るい「春」に対して、時に暗鬱な面を見せるためか、あまり人気が出ないのはわかるような気がしますが、逆に好きな人にはとても好かれそうな(^o^;)音楽かもしれません。実はワタクシはこういうのがけっこう好きだったりします(^o^;)>poripori
楽器編成は、8-7-5-5-3 の弦楽セクションに、Fl(2),Ob(2),Cl(2),Fg(2),Hrn(4),Tp(2),Tb(3),Timp. と増強されています。ティンパニもバロック・ティンパニからモダンタイプに変更されていますし、ホルンもナチュラル・ホルンではないようです。このあたりは、第3番でも現代ホルンを採用していたように、改訂された年代・時期を考慮し楽器の変化の状況を反映させたものなのかもしれません。第1楽章から第4楽章まで、全曲が切れ目なく演奏されます。阪さんの指揮ぶりは、テンポもあまり速くなく、リズムを強調するというよりはレガートな面を感じさせるもので、とても心地よく音楽にひたることができました。

ここで、15分の休憩です。当方の記事も、いったん休憩とし、続きはまた明日に。
※実は、法事の後に文章を考えるのがちょいとしんどいので(^o^;)>poripori

(*1):YouTubeにありました。
Sonata in for 3 Trombones : Georg Daniel Speer(三本のトロンボーンのためのソナタ:ゲオルグ・ダニエル・シュペール)


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ひき肉と豆腐と残り野菜の梅煮

2019年05月11日 06時01分47秒 | 料理・住まい
相変わらず、ときどき台所に立ち、料理をして楽しんでおります。ワンパターンでパスタを作るものだから、妻に「またパスタ?」と言われてしまい、がっくりしたりもしますが、パスタ以外も作れという意味だなと考えるようにしました(^o^)/

【材料と準備】
 ひき肉 200g
 豆腐  1丁
 ほうれんそう 根に十字の切れ目を入れて水につけて土を落とす。
 キャベツ 芯のところは薄切りに
 ネギ  3cmくらいに切る
 梅干し 2個
 赤唐辛子 1/2 ハサミで数mmくらいに切る
 混合調味料
  水 カップ3/4
  塩 小さじ1/2
  酒 大さじ1
  みりん 大さじ1

もし、酸っぱいのが好きな場合は、梅干しを多くします。私は自家製の「節田」という柔らかい品種の梅干しを使いましたので、煮るとすぐにほぐれて味が出ました。

作り方は、以下のとおりです。

  1. フライパンに混合調味料と梅干しを入れ、中火で煮立たせて梅干しをほぐします。
  2. ひき肉を加えて加熱し、食べやすい大きさに切った残り野菜を入れて煮ます。
  3. 豆腐を加え、フタをして煮ます。

ほどよい酸味と塩味で、ぴりっと辛さもあり、美味しくいただきました。



明日は法事のため、山響定期の予定。19:00〜、山形テルサホール。

  • メンデルスゾーン/序曲「美しいメルジーネの物語」作品32
  • シューマン/交響曲 第4番 ニ短調 作品120
  • ブラームス/ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 作品15 Pf:横山 幸雄
      阪 哲朗 指揮、山形交響楽団

充実したプログラム。楽しみです。
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妻と買い物に行き、『きょうの料理ビギナーズ』5月号を購入する

2019年05月10日 06時02分50秒 | 散歩・外出・旅行
先の連休は、早朝からモモの落花期の防除をすませ、午前中はゆっくり休養、午後は昨年は手が出せなかったもう一つの野菜畑を耕運機で耕し、サトイモを植える準備をしました。夕方からは、妻と食料や猫エサ(^o^;)等の買い物に出かけ、ついでに行きつけの書店に立ち寄り、NHK『きょうの料理ビギナーズ」5月号を購入してきました。

雑誌不況とは言いながら、このシリーズは平積みで対応されているようで、扱いは別格のようです。たしかに、「ビギナーズ」の名のとおり、簡単で美味しいレシピが満載で、只今修行中のにわかシェフにはたいへんありがたいものとなっています。

今号の特集は、「よくばり鶏むね!〜節約もヘルシーも、もちろんおいしいも!」というもので、パサパサしてあまり得意ではない鶏むね肉を取り上げています。どうやら、観音開きにして厚さを一定にするとか、小さめに切って片栗粉を付けて炒めることでパサつきを減らすなどのコツがあるみたい。少しずつ、試してみましょう。

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万年筆の寿命〜祖父の記憶

2019年05月09日 06時02分41秒 | 手帳文具書斎
物には寿命があり、壊れないものはないと言って良いでしょうから、当然のことながら万年筆にも寿命があることになります。イリドスミンという高硬度合金でできたペンポイントが摩耗によって使えなくなるのは、ネットで調べた限りでは、距離にして60〜70km、文字数にして500〜600万字に相当するとのことです。もちろん、これは耐久試験機での連続筆記試験の結果でしょうから、摩擦熱のために局部的に高温になり、寿命が早く来る結果になっているでしょう。私たちの日常用途のように断続的に使用する場合、この何杯も書き続けることが可能となるはずです。仮に四倍とすると、単純計算で240〜300km、2000〜2400万字ということになります。1日あたり1,000字を書き続けたとすると2万〜2万4000字、1年は365日ですから、55年〜66年に相当します。適切に使っていればほぼ一生使い続けられるというのは、間違いないでしょう。

このような計算とは別に、私の手元に古い万年筆があります。祖父と父と二代にわたり使い続けた万年筆で、昭和20〜30年代に発売されたものらしい、セーラーの万年筆です。ペン先は一応14金で、当初はフィラー式だったのですが、ゴムの劣化で使えなくなったために外してしまい、たまたまちょうと適合したセーラーのカートリッジをつけて使っていたものらしい。祖父も父も膨大な日記・記録を残しましたので、昭和30年代から当方が亡父に万年筆をあげた平成のはじめ頃まで、ほぼ50年くらい使ったことになるでしょうか。ルーペで拡大してみると、ペンポイントが摩耗したか外れてしまったかしたらしく、姿が見えません。寿命まで使った万年筆ということになります。私が長く愛用するパイロット・カスタム・グランディは1979年からほぼ40年。ペンポイントを拡大鏡で眺めてみても、まだまだ大丈夫のようです。



このセーラーの万年筆は、都会に出て会社員となった祖父の弟(大叔父)だったか父の弟(叔父)が、全盲の妻を支えながら田畑を守る長兄(父)のために、土産に買ってきてくれたものらしい。おぼろげな記憶ながら、後に「まだ使っているのか。もっと良いやつを買ってこようか」という大叔父に、「いや、書きやすくなっているから、これで良い」と言っていたのを覚えています。私が中学生のころだったでしょうか。古き良き時代の、兄弟の会話です。
今、万年筆を何本も使い、あーだこーだと贅沢なことを言っている孫を見たら、祖父は何と言うのでしょうか(^o^;)>poripori

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まな板の滑り止めに百均の「滑り止めマット」が便利だった

2019年05月08日 06時02分15秒 | 料理・住まい
最近、のんびりと台所に立つ機会が増えましたので、単身赴任の時とはまた違った新鮮な目で道具を眺めるようになりました。そのため、便利な「発見」もあります。例えばまな板の滑り止め。今までは、濡れタオルをしぼって下にしいていましたが、たまたま購入していた百均の「滑り止めマット」がたいへん具合が良いことを妻が発見! 洗うのにも乾かすのにも便利ですし、まな板がピタッと吸い付いたように動かないということが、包丁を使う上では実に有り難い。




実はプロの中にもこのタイプを愛用している人を見たことがあり、どこで売っているのか探していたところでした。安上がりで効果は抜群です。良いものを見つけました。お試しあれ。



単身赴任の頃から、料理の本にあるようなご馳走を作るというよりは、ありあわせの材料で日常的なおかずを作るのが好きでした。例えばこんなふうな、何の変哲もないキャベツと豚こま肉をにんにく醤油で炒めたものとか、「ひき肉と豆腐と残り野菜の梅煮」など。




梅煮はわりに美味しかったので、後日記事にいたしましょう。

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