電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

小学校の運動会も延期になったようだ

2023年08月31日 06時00分04秒 | 季節と行事
朝晩はだいぶしのぎやすくなったとはいえ、連日の暑さは相変わらず厳しいものです。少し前に、某中学校で運動会の練習中に生徒たちが熱中症で倒れて救急搬送されたとの報道がありましたが、この炎天下での集団活動は、昔の経験や常識とは違って命の危険があるレベルになってきているようです。地元の小学校でも来月上旬に運動会を予定していましたが、暑さが続く予報のようで、翌週に延期との連絡が入りました。この背景には、暑さのほかにコロナ感染者の増加も影響しているようで、一部の学年では学年閉鎖も行われているとか。県内では、医療機関の定点観測で1医療機関あたりの感染者が16人を超えている(*1)状況で、インフルエンザであれば警報レベルの状況のようです。気をつけなければ。しかし、小学校の先生方も保護者の皆さんも大変だなあ。

(*1): 新型コロナ感染:1医療機関あたり16.19人〜前週より増加〜NHK山形ニュースWEB

コメント

朝晩は確実に涼しさを感じるようになっている

2023年08月30日 06時00分53秒 | 週末農業・定年農業
毎日のように桃、主として川中島白桃の収穫と出荷に追われていますが、朝仕事をする早朝の時間帯がだいぶ様子が変わってきています。まず、日が短くなり、朝の明るくなる時刻がだいぶ遅くなってきています。また、朝晩には確実に涼しさを感じるようになってきました。寝るときには二階の窓を少し開けていますが、網戸を通して入ってくる涼しさは晩夏のものというよりは初秋のものに変わってきているようで、タオルケットだけで寝ていたのを、綿の毛布を一枚追加しました。夜明け頃の気温の低下に対応するには、ちょうど良いくらいです。

農作業の方は、川中島白桃の収穫と出荷が最盛期で、食べてもちょうど良い時期になってきているようです。先日は、美晴白桃の初収穫・初出荷でした。美晴白桃は柔らかくならない「固い桃」で、少々形がいびつになりがちですが、色が美しく果肉も霜降りのように赤くなり、味も甘く美味しい桃です。柔らかい桃が好きな人には評価されないでしょうが、ガリガリ固い桃が好きな人には高く評価される味と食べごたえと感じました。我が家では主力品種にはなりませんが、「川中島白桃」の他家受粉のための品種バリエーションとして、「あかつき」「青空むすめ」と共に育てていきたい品種です。



もう一つ、剪定不足のシュガープルーンの収穫期も近づいています。今年は昨年までのシンクイムシ被害をなんとか抑え込んで収穫にこぎつけましたので、格別の達成感があります。9月上旬が収穫適期となりますが、それまで川中島白桃の決着を付けておかなければいけません。今日明日で八月も終わり。暑い暑いと言っていないで、次の作業の段取りを付けておく必要があります。

コメント

墓誌に亡母の戒名を彫ってもらい、歴代の先祖に加わる

2023年08月29日 06時00分22秒 | 季節と行事
このほど、仏具店を通して石材屋さんから連絡があり、墓誌ができたので確認してほしいとのことでした。寺に行って確認したところ、亡父の隣に亡母の戒名が仲良く並び、きれいに出来上がっていました。本当は初盆までに出来上がっていれば良かったのだけれど、位牌壇のほうは間に合って、墓誌が順番待ちだそうで、時間がかかりました。とはいうものの、一周忌には両方とも間に合いましたので、良しとするべきでしょう。とりあえず、墓守役の任務の一つは果たしましたので、まずは良かった。



ここからは、無責任な雑談です。先祖の遺産で寺の総代をしてはいますが、必ずしも敬虔な仏教徒というわけではありません。母親の腹から生まれていながら女性を不浄なものとして扱うのはいかがなものかと思いますし、殺生戒というのも戦乱の時代にあって人を殺すこと、あるいはむやみに動物を殺すことを戒めたのだろうと思いますが、すべての殺生を禁じる戒律という解釈はおかしいと考えています。例えば抗生物質で病原菌をやっつけるのもダメということになりますし、だいたいにおいて従属栄養生物である人間は他の生命を食うことでしか生きられません。このあたりは、おそらくは後の時代に教団内部の抗争があった時に、例えば蚊に食われるのを耐えるのも修行だみたいな意地の張り合いが戒律の解釈として取り込まれてしまったのだろうと考えています。おそらく、マラリア等を媒介するネッタイシマカのいない国を経由して仏教が伝えられるときに、そんなふうに変質してしまったのではなかろうか。

コメント

ショパンの夜想曲集を聴きながら

2023年08月28日 06時00分49秒 | -独奏曲
桃の出荷も佳境に入りましたが、日中の暑さに参って、箱を作るのも億劫です。でも、少なくとも翌朝の出荷に必要な分は箱を作っておかなければいけません。したがって、風が出て気温が下がってきた夕方からの作業になってしまいます。

作業小屋には、古いビクターのCD/MDラジカセが置いてあり、お気に入りの音楽カセットテープが何本かあって、作業時に流して聴くことができます。いつもはAMまたはFMラジオを流すことが多いのですが、時にはルービンシュタインのピアノでショパンの夜想曲集を流すことも。

  1. 夜想曲 変ロ長調 Op.9-1
  2. 夜想曲 変ホ長調 Op.9-2
  3. 夜想曲 ロ短調 Op.9-3
  4. 夜想曲 ヘ長調 Op.15-1
  5. 夜想曲 嬰ヘ長調 Op.15-2
    -------------------------------------
  6. 夜想曲 ト短調 Op.15-3
  7. 夜想曲 嬰ハ短調 Op.27-1
  8. 夜想曲 変ニ長調 Op.27-2
  9. 夜想曲 ロ長調 Op.32-1
  10. 夜想曲 変イ長調 Op.32-2

全曲ではなく中途半端ですが、DENON のカセットテープ DX3 の50分のA面とB面に分けてLPからダビングしたものです。1986年4月、position I、(LP)RVC RX2313、DENON DL103C+SONY TC-FX77 との記載あり。昔のカセットテープにしては音がいいように感じますが、もしかすると作業小屋に一人だけの静かな環境のせいもあるのかも(^o^)/

ルービンシュタインのショパン、雰囲気があっていいですね〜。作業はダンボール箱の組み立てという無粋な単純作業ですが、若い頃、LPレコードからカセットにダビングするのにも、いろいろ工夫していたなあと感慨深いです。さすがに作業小屋の中ではデスクトップ PC-audio というわけにはいきません。

コメント

J.シュトラウスII世の喜歌劇「こうもり」のチケットをようやく入手

2023年08月27日 06時00分22秒 | -オペラ・声楽
今年の後半の楽しみの一つ、野村萬斎演出によるヨハン・シュトラウスII世の喜歌劇「こうもり」の山形公演の前売り券が先月末から発売されました。演奏は阪哲朗さんが指揮する山形交響楽団、会場は山形県民ホールです。「早く入手しないと!」と気は急くものの、農作業やお盆のゴタゴタに紛れてついつい後回しになってしまいます。先日、ようやく妻と2人分、2枚を購入することができました。

喜歌劇、いわゆるオペレッタの楽しみは、レハールの「メリー・ウィドウ」やカールマンの「チャールダーシュの女王」などで承知していますが、やっぱり生、実演の楽しさは格別です。できるだけ全体が見わたせて、なおかつ音楽がよく響いて聞こえるところということで、2階席正面に近いS席をゲット。残席数があと5〜6席といったところで、なんとかすべりこみセーフでした。

初秋の夜長、あるいは農作業が一段落した晩秋の午後に、DVDでストーリーや有名曲などを予習しながら、冬12月17日(日)、14時開演の「こうもり」を楽しみに楽しみに待ちましょう。

YouTube から、思わずワクワクの「こうもり」序曲。スイトナー指揮ベルリン・シュターツカペレによる1974年の演奏。
Die Fledermaus overture - Otmar Suitner, Berlin Staatskapelle


同じく YouTube から、正体がバレそうになった小間使いアデーレがしらばっくれる(^o^)場面「公爵様、あなたのようなお方は」、2016年、パトリシア・ヤネチコヴァのソプラノで。
Patricia JANEČKOVÁ: "Mein Herr Marquis" (Johann Strauss II - Die Fledermaus)


コメント

危険な暑さの夏に農作業の時間を確保するには

2023年08月26日 06時00分49秒 | 週末農業・定年農業
危険な暑さという言葉を実感する昨今、日中はとてもじゃないが野外で農作業はしんどいです。しかし、農作業の時間は確保しなければ、草に負け、作業は進みません。そういえば、亡父は1日を2日分に過ごす生活スタイル(*1)で悠々と過ごしていたなあと思い出します。早朝5時頃から7時すぎまで農作業をして、シャワーを浴びてさっぱりして、日中は涼しいところで昼寝をしていたように記憶しています。今、まったく同じように朝仕事を中心に桃の収穫に従事している(*2)と、これがいちばん無理のない、合理的な生活スタイルなのだということを感じます。我が家には生産性を上げるためにもっと働けと叱咤するような阿呆な上司もいませんし(^o^)、社長兼労働者の一人自営業の強みを発揮できるところです(^o^)/

ところで、この暑さの影響が、人間だけでなく野菜にも出ているのだそうです。インゲンは気温が30度を超えると花が咲いても実らずに落ちてしまうのだとか。地元市場に出荷されるインゲンはほとんどない状態だそうで、キュウリなども規格外のものが多くなり、今の時期に種を蒔く野菜にいたっては、芽が出ても枯れてしまうのだとか。

国連の偉い人が、地球温暖化を超えて「沸騰」という表現を使ったように、ハワイやカナダの大規模な山火事もおそらく熱波が背景にあるのでしょう。私達が子供の頃の、50年前の気候とはがらりと様子が違ってきているようです。危険な暑さの夏にはどんなふうに農作業に向かえばよいのか、また従来の農事暦どおりのやり方で良いのか、気候の変化にあった作物や品種は等々、いろいろ考えながら取り組む必要がありそうです。

写真は、我が家では彼岸花と呼び習わしていますが、たぶん正式名は違うんだろうなあ。お盆過ぎにニョッキリ出てきてピンクの花をラッパ型に咲かせるもので、細長い葉は春のうちに出ているような気がする。リコリス? ナツズイセン? タヌキノカミソリ? 晩夏の粋な名花にしてはずいぶんな名前だなあ。

(*1): 1日を2日分に暮らしていた亡父の生活スタイルは賢明だった〜「電網郊外散歩道」2021年6月
(*2): 夏場の農作業は早朝に限る〜「電網郊外散歩道」2022年8月

コメント

暗算が人より少し速いということの人生上の意味

2023年08月25日 06時00分12秒 | Weblog
子供の頃、暗算が速くできるということは称賛されることでした。例えば「19×19は?」と訊かれた時、そろばんを習っていて2級に挑戦している子などは頭の中でパチパチと珠をはじき、すぐさま 361 と答えていましたし、頭の良い子は

19×19
=(20-1)×19
=380-19
=361
あるいは
19×19
=(20-1)×(20-1)
=400-2×20+1
=361

などとして正解を出していました。小学生の頃は、このように人よりも速く計算して答えを出すということが称賛される面があり、いつも一歩出遅れるタイプの生徒には、くやしい場面でした。残念ながら私もまたこの暗算が苦手で、珠算も3級止まりで読み上げ暗算という種目が登場する2級を挑戦して何度か落ち、祖母に「これからは電子計算機の時代でそろばんは役に立たなくなるからやめる!」と宣言してそろばん教室に通うのをやめました(*1)。

で、暗算が速いと何かメリットがあったのか。確かに理系科目の試験などでは、ぱっぱっと数値計算できる速さは制限時間内に多くの問題に答えられるという意味で有利でした。しかし、大学受験や就職試験の時期を通り過ぎて振り返ってみると、上司から何か質問された時にパッと暗算で計算して答えると上司の覚えが良かったかもしれないとは思いますが、実際のところソロバンと手作業の時代からパーソナル・コンピュータによる情報化の時代へ転換する時期に直面していた私のケースでは、そうした即時応答力よりも、むしろパソコンが得意で地道に数値データの入力点検ができ、その分析をまとめられる力のほうが重要だったように思います。

だから私の経験では、暗算が人より速いということの人生上の意味は、前半(若い頃)には多少役立つことがあるけれど、後半(中高年)にはあまり意味がない、さらに退職して仕事を離れてしまうとほぼ全く意味がない(*2)と言えます。

(*1): これは、学生時代にカシオのROOT-8という電卓を購入し、全盲の祖母に触らせて説明した時に、私の子供の頃を回想して話してくれたエピソードです。小学校6年生だったと思います。1964年の東京オリンピックの頃、おそらくIBMとか大型コンピュータ等の語が時折ニュースに出てくるような時代だったせいでしょうか。
(*2): 果樹園で使用する農薬を希釈する時に、2000倍というのは何グラムを何リットルに溶かせばよいのか、といった時には役立ちますが、他人と競争するような速さよりもむしろきちんとノートに記録するほうがはるかに重要です。

コメント (4)

そう言えば桃収穫が始まる前に妻とドライブに行っていたっけ

2023年08月24日 06時00分39秒 | 散歩外出ドライブ
川中島白桃の収穫作業が始まる前の20日(土)、高齢の叔母さんがお盆参りに来られて、たぶんこれが最後になるんじゃないかなとしみじみ話して行きました。お蒸かしとミョウガのぬた和え、ナスの漬物などを喜んで食べてもらい、最後はもぎ残しの「あかつき」と旬の「川中島白桃」の食べ比べ。従弟君も「これは美味しい」と喜んでくれました。美味しくなった頃に持っていくからねと約束して、カボチャやナス、オクラなど野菜をいっぱいお土産に帰宅。良かったね、ご苦労さまと頑張った妻をねぎらい、「どっか連れてけ〜」との要望に応えて、猛暑の中のドライブとなりました。

最初に行ったのが村山市の東沢バラ公園。残念! 園内は無料で入れたものの、バラのソフトクリームを期待していた交流館は臨時休業でした。そこで、予定を変更して国道48号線、関山峠の手前の大滝で涼むことに。ここは、仙台市から来る時に最初に目につく東根市の大滝ドライブイン「泉や(*1)」の駐車場に車を停め、店の脇の階段を下りていくと滝つぼ近くまで接近することができます。まずは店の脇の通路上方からの眺め;




で、下に降りると目線が変わり、こんな風景となります。



日曜日なので、晴天の下、親子連れが楽しそうに水遊びしていました。



さらに近づいてみます。





水量はだいぶ減っていましたが、人出はそれほど多くないし、水は冷たく澄んでおり、気持ちの良いひとときを過ごしました。



その印象には、このサクランボのソフトクリームが美味しかったことも貢献していると思われます。さすがに熱々のイワナの塩焼きや玉こんにゃくを食べる元気はなく、どうしても冷たいものに目が行きます。ちなみに、妻はメロン風味のかき氷でした。

(*1): 大滝ドライブイン「泉や」

コメント (2)

万年筆LIGHTIVEを水洗いし、カスタム・グランディ再登板

2023年08月23日 06時00分42秒 | 手帳文具書斎
パイロットの廉価万年筆 LIGHTIVE に容量の大きなインクコンバータ CON-70 を付けて、プラチナ古典ブルーブラック・インクで使っていましたが、どうもカクノほどではないけれど使うインクの量よりも蒸発するインクのほうが多い現状に疑問を感じ、またコンバータ CON-70 の棚吊り現象の頻発にも嫌気が差して、思い切って水洗いしてしまいました。




で、交代するのが同じパイロットのカスタム・グランディです。もう40年以上になる愛用の万年筆で、先年点検修理してもらってからずっと休ませていましたが、せっかく自分の書きグセに馴染んでいるのに使わないのはもったいないと思い、再登板させたものです。せっかくですので、インクはパーカーの Quink ブルーブラックとし、空きカートリッジにスポイトで充填してみました。このほうが、適合するインクコンバータ CON-50 よりも倍くらい多くインクが入るみたいで、より長く書き続けられるようです。




しばらくぶりの書き味ですが、長年使い慣れているだけに、たいへんスムーズです。早朝に桃の収穫をして午前中に選果・出荷、お昼寝をした後に冷房の効いた書斎で備忘録ノートによしなしごとを書きつくるはいとをかし、といったところです(^o^)/

コメント (2)

万年筆のインクはまだ大丈夫〜7月に補給したのを忘れていた

2023年08月22日 06時00分05秒 | 手帳文具書斎
万年筆のインクがそろそろ補給が必要な時期かと思って点検してみたら、まだまだ大丈夫のようでした。念のため写真の記録を見ると、使用頻度の高いものは7月に補給済みだったのを単純に忘れていただけのようです。

まずは、TWSBI のダイヤモンド580ALラヴァー(M) にモンブランのロイヤルブルーを吸入。




続いて、プラチナ社の#3776ブルゴーニュ(F) に同社の古典ブルーブラックを吸入。




これもちゃんと記録がありました。



たしかに、7月19日に補給しています。1ヶ月前のことを忘れているのはやはり年齢的なもの? いやいや、1ヶ月も前のことを覚えているほうが不自然(^o^)/makeoshimi

ちなみに、プレラ青軸は水洗いして乾燥させ、現在は休ませております。LIGHTIVE もそろそろカスタム・グランディと交代してもいい頃かもしれない。暑い時期、冷房の効いた部屋でツバメノートの備忘録にインクフローの潤沢な万年筆でいろいろ書き込むのは、かなり楽しい時間です(^o^)/

コメント

表計算と私〜退職後の使いみち

2023年08月21日 06時00分22秒 | コンピュータ
私は1983年に8ビットのPC8001でパーソナル・コンピュータに接し、当初はBASICで表集計ソフトを自作して仕事に使っていました。しばらくして16ビットのコンピュータが普及すると共に、MS-DOS上のビジネス・アプリケーション・ソフトウェアが普及し始め、MS-Multiplan や Lotus1-2-3 に接し、入力したデータを訂正すると集計結果が自動的に再計算されることと、関数がコピーできることに驚き、自作ソフトの時代は終わったと痛感しました。


 Multiplan の画面 (Wikipedia より)


 Lotus1-2-3 の画面 (Wikipedia より)

転勤もあり、それから様々な表計算ソフトを使いました。仕事で使っていた Multiplan、Lotus1-2-3 は優れたソフトウェアでしたが、同時にたいへん高価な製品でもありました。個人的には比較的安価なものとして、MS-WORKS やアシストカルク(20/20)などを愛用しました。Windows95 の普及と共に仕事では Excel に移行し、個人的には OpenOffice を経て LibreOffice の Calc を愛用しました。そうした様々な表計算を使うために、各表計算ソフトに共通な点を「表計算の共通性」として重視し、若干の違いを押さえれば使い分けることができると感じました。例えばセルの表記を例に取ると、Multiplan の場合は2行4列目のセルは R2C4 と表記しますが、他の場合は D2 となります。したがって、B2セルからF2セルまでの合計は、

  • Multiplan =sum(R2C2:R2C6)
  • Lotus1-2-3 @sum(b2..f2)
  • Excel =sum(b2:f2)
  • LibreOffice Calc =sum(b2;f2)

という具合になります。Excel と LibreOffice Calc は、もともと異なるソフトウェアなのですから、違うのが当然なわけですが、他の表記と比較すればコロン(:)がセミコロン(;)になるだけで、むしろかなり近いと言えそうです。様々な関数名は、同じMS社の製品でも Excel と WORKS では違うほどですので、結局は関数名一覧などで調べる必要がありますが、ほとんど同じような書式で対応可能です。むしろ、「表計算ではこういうことができる」という共通性の理解が重要ではないかと思っています。

定年退職前も父の農業所得の確定申告をパソコンでやっていましたが、当初は MS-WORKS の表計算で、後には OpenOffice の Calc、さらに LibreOffice Calc で行うようになりました。現在も同様に LibreOffice Calc 上で作成したワークシートをもとに、毎年申告しています。様々な数値を書式にしたがい入力すると、申告税額が計算される仕組みです。税の計算の仕方はときどき変更されますが、自作のワークシートですので一部の手直しで充分に対応できるのが市販ソフトにはない長所です。

そのほかに、退職後に表計算を利用して行っていることとしては、

  • サクランボ、桃など果樹の出荷記録  日付、規格、数量、価格、箱単価など
  • 過去の気象データ特に降水量の分析  防除や収穫の開始時期と終了時期の判断など
  • 国勢調査を元にした人口推移の分析  地域行事の担い手世代がどう増減していくか
  • 殺菌剤、殺虫剤等の農薬在庫管理   在庫点検と発注
  • 総代をしている寺の檀信徒名簿等   総会資料など
  • 小中学校の同窓生名簿等       還暦・古希など同窓会用
  • 万年筆インク補給記録、車の燃料消費率、父母の葬儀関連決算等

などでしょうか。細かな用途にちょこちょこと使っていますが、表の形で整理できる場合には表計算は大変便利です。数値を変えてみるとどうなるかなど、いろいろ考えるのに表計算は役立ちます。それは退職前も退職後も変わりません。


 国勢調査の結果による世代別人口の推移(総務省のデータより作成)


 インク補給記録(そろそろ万年筆のインク残量を点検しなければ。)

コメント (4)

もぎ残した桃「あかつき」を発見〜【業務連絡】川中島白桃について

2023年08月20日 06時00分07秒 | 週末農業・定年農業
昨日、自宅裏の果樹園を見回っていたら、偶然にもぎ残した桃「あかつき」を見つけてしまいました。おそらく、今月上旬の収穫時にはまだ小さな実で、収穫するには至らないと判断したものでしょう。あれから10日あまり過ぎて、葉の光合成の成果を独占し、成熟したものと思われます。




やや小ぶりではありますが、立派なものです。では、これから収穫期を迎える「川中島白桃」はどんな具合だろう。参考までに、13玉クラスを超えるでかい桃を試しにもいできました。比べてみると、こんな具合です。




川中島白桃のほうはまだ着色が充分でなく、半分赤い程度ですが、ガリガリ食べてみるとわずかに渋さが残るものの、ほぼ食べられる段階に来ています。数日おいて追熟させることで、充分に食べられると判断して良さそうです。赤い実を選んで収穫することで、出荷は可能な段階に来ていると判断し、月曜日から農協に出荷を開始することとしました。

【業務連絡】
我が家の「川中島白桃」をご希望の方は、サクランボの注文の際のメールアドレス(@niftyのほう)に、送り先の郵便番号と住所、電話番号、送り主の郵便番号と住所、電話番号、数量(箱数) をお知らせください。16玉〜18玉、5kg、2,000円(送料別)、クロネコ便です。発送は今月下旬となります。

参考までに、昨年の川中島白桃の写真です。



コメント

LibreOfficeを更新しBASEを追加して差し込み印刷

2023年08月19日 06時00分37秒 | コンピュータ
古希同窓会を2年遅れで開催する件、同級生の現住所の確認が終わりましたので、案内状を発送する準備をしています。名簿データは整備済み、あとは案内状に住所データを差し込み印刷をするだけです。ということで、差し込み印刷のテストを行いました。あれ? 差し込み印刷がうまくいかない。おかしいな、と思ったら、以前ハードディスクを交換してOSを入れ直した時に、LibreOffice をインストールしたものの、データベース BASE を導入していなかったことに気づきました。なるほど、それで差し込み印刷できなかったのか。それでは、LibreOffice も更新し、BASE も同バージョンで揃えておきましょう。導入も更新も無償でできる LibreOffice は、退職高齢者にはほんとにありがたい存在です。



というわけで、Ubuntu Linux Desktop に LibreOffice 7.5 と BASE をインストールしました。日常的に使えるように、デスクトップにアイコンを作っておきましょう。VisualStudioCode と並ぶと、さすがに今風だなあ。上から緑色が表計算 Calc、青色がワープロ Writer、オレンジ色がプレゼンテーション Impress です。他には 数式 Math や作図 Draw などがあり、また別途導入となるデータベース Base があります。もともとは StarOffice(日本ではStarSuite) という市販ソフトだったのですが、後に OpenOffice となるも某社が買い取って締め付けたためにプログラマたちが逃げ出してオープンソース戦略を取るようになり、ブランド名に「自由」を取り入れた LibreOffice としたものではなかったか。

差し込み印刷も順調に進み、ようやく窓付き封筒に入れられる段階まで来ました。あとは、同級生の皆さんにお手伝いしてもらって、郵送の段取りをしておきましょう。

コメント

浅田次郎『流人道中記(下)』を読む

2023年08月18日 06時00分29秒 | 読書
中公文庫で浅田次郎著『流人道中記(下)』を読みました。表紙カバー裏の作品紹介には、次のように書かれています。

「武士が命を懸くるは、戦場ばかりぞ」。流人・青山玄蕃と押送人・石川乙次郎は、奥州街道の終点、三厩を目指し歩みを進める。道中行き会うは、父の仇を探す侍、無実の罪を被る少年、病を得て、故郷の水が飲みたいと願う女。旅路の果てで語られる、玄蕃の抱えた罪の真実。武士の鑑である男がなぜ、恥を晒してまで生き延びたのか?

うーむ、やっぱりこれ以上の要約は無理だなあ。読み終えたあとだから感じる、この紹介文の過不足ない的確さです。



流人と押送人の二人旅という設定は新鮮で、一つ一つのエピソードは思わず息を呑み、ほろりとして、また笑えるものです。その意味では、物語として実にうまい。上下二巻、大いに楽しみました。

ただし、では作品として納得できるかと問われれば、疑問が残ります。物語の最後に明かされる流人の冤罪の真実。それは武士という存在自体に矛盾というか罪と感じてしまった自分自身もまた、その武士の一人であるということ。そこから青山玄蕃は家族や家臣たちの怒りを押し留め、実に個人的な解決を導いたわけですが、これは魯迅の『阿Q正伝』の「精神勝利法」ではないのか? 青山玄蕃一人が武士階級の矛盾を背負って無実の罪に服するというのは、概念操作で失敗を成功にすり替える万延元年の「阿Q」ではないのか。

作者がどのように考えてこうした物語を想像したのかは想像できませんが、どうも逆説好みというか、逆転の発想を好みすぎて物語の流れを作ってしまったように感じてしまいます。

コメント

浅田次郎『流人道中記(上)』を読む

2023年08月17日 06時00分42秒 | 読書
中公文庫で、浅田次郎著『流人道中記』上巻を読みました。先の旅行の際に大宮駅の書店で購入したもので、しばらく積読した後、お盆の来客待ちの時間を利用してこのほど読み終えたものです。多分、初の浅田次郎作品ではなかろうかと思います。

本書のカバーには、次のような紹介文が載っていました。

万延元年(1860年)。姦通の罪を犯した旗本・青山玄蕃に奉行所は切腹を言い渡す。だがこの男の答えは一つ。「痛えからいやだ。」玄蕃は蝦夷松前藩へ流罪となり、押送人の見習与力・石川乙次郎とともに奥州街道を期待へと歩む。口も態度も悪く乙次郎を悩ませる玄蕃だが、道中行き合う事情を抱えた人々を、決して見捨てぬ心意気があった。

うーむ、これはそのまま上巻を要約しているもので、たぶん ChatGPT でもこれ以上の要約はできないだろうと思わせるものですが、ネタバレしない程度に私の感想をメモしておきましょう。



  • 青山玄蕃の侍言葉と伝法な口調との落差は著しいものがあり、特に伝法な方に山手樹一郎か柴田錬三郎あたりの「のんきな大名」の流れかと思ってしまいます。
  • 押送先の三厩までの旅の途中で様々な事件が起こり、流人と押送人の二人がそれらに絡む話になっていますが、その中でそれぞれの事情や人となりが少しずつ明らかになっていく過程はさすがにうまいです。
  • 堅物で四角四面に肩肘張った19歳の見習与力・石川乙次郎と、世故に長けた三千五百石の元上級旗本の殿様である青山玄蕃のやりとりは、ちぐはぐというか、極端な対比となっています。そこで感じられる青山玄蕃の二重性というか意外なほどの「まともさ」は、読者に冤罪を想起させるのに充分です。

下巻ではどんなふうになるのだろう、結末はどうなるのだろうと興味をもたせますが、青山玄蕃本人が納得しているらしい様子を見ると、どうも解決の難しさを感じます。

コメント