電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩。時々は実際に散歩を楽しみます。

樋口直哉『星ヶ丘高校料理部・偏差値68の目玉焼き』を読む

2019年07月28日 06時08分57秒 | 読書
講談社文庫で2018年5月に刊行されたのを購入したまま積読していた本、樋口直哉著『星ヶ丘高校料理部・偏差値68の目玉焼き』をようやく読みました。なんでまた、学園料理ドラマ文庫書き下ろしなんぞを読もうと考えたのか、すでに忘却の彼方ですが、たぶんプロローグの目玉焼きのうんちく部分にピピっと反応したものと思われます。登場人物は、料理部顧問の沢木先生に気があるらしい藤野和音に誘われて入部した篠原皐月、部長の内海明人先輩の腕前にびっくりしています。

第2話:「メレンゲの秘密ーふわふわオムレツ」。スフレ・オムレツを上手に作るためには、メレンゲづくりが大切です。泡立ちをよくするために、「クレーム・オブ・タータ」(*1)を微量添加して卵白の状態を安定させようと、産地見学にでかけます。ぶどう園の先には坑道がありましたが、終戦の年に大量のワインが一夜にして消えた事件があったことを聞きます。部長の内海は謎を解いたみたい。私もわかりました。県産ワインの醸造元「天童ワイン」を見学した際に、発酵タンク内に付着する「酒石」のかたまりを見せてもらったことがあり、これが潜水艦のソナーの圧電素子の材料として使われたことを知っていたからです(^o^)/

第4話:「母の味ーカレーライス」。夏休みに料理部で合宿をすることになります。場所は伊豆下田。沢木先生が若い頃にアルバイトをしていたという、今は廃業した温泉旅館や、内海の父親が買ったという日本家屋、離婚して今はイギリスにいるという内海の母が作ったレシピなどが登場します。部長の内海先輩の秘密が少しずつ明かされてきます(^o^)/

第5話:「星祭りー模擬店のハンバーガー」。学校の文化祭で、料理部はハンバーガーを出すことになりますが、ハンバーガーなんて、と思ってはいけないのですね。専用のパン、中に入れる肉の焼き方、いや、もっと大事なことがありました(^o^)/



高校生の、ちょいとこそばゆいほのかな恋模様を織り交ぜながら展開される料理うんちくのドラマ仕立て、といったところでしょうか。料理に関心を持つ若い人だけでなく、れっきとした中高年ヲジサンの読者を獲得しましたよ、作者殿(^o^)/
作者は、どうやら本職のフレンチの料理人らしいです。どうりで詳しいわけだ!

(*1):酒石酸水素カリウム。例えばこんな商品
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