電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

簡単ランチ3題〜素麺、キムタクご飯、トーストをアレンジして

2024年05月31日 06時00分27秒 | 料理住居衣服
妻と二人で連日サクランボ収穫作業の日々、昼食はどうしても簡単なものに流れます。ただし、カップラーメンやインスタントのものはどうもいまいち満足できません。最近、アレンジしてみた簡単ランチをご紹介します。

まず、暑い日の定番、素麺です。素麺を茹でてめんつゆを薄めてかけるだけ、薬味は刻みネギ、というパターンが多かったのですが、さすがに飽きます。そこで、ありあわせの野菜とハムを塩コショウでさっと炒めて、定番の素麺の上に載せました。これだけで、イメージはがらりと変わります。




次は、白菜キムチとたくあんを使った「キムタクご飯」のアレンジ。「キムタクご飯」は、「美恵子のブログ(*1)」で知ったもので、長野県の学校給食の栄養士さんが考えたものだそうです。子どもたちの人気メニューになっているとのことで、作ってみたら美味しかったのでときどき作ります。ただし、今回使った市販の白菜キムチはけっこう甘みが強いので、大人向けに鷹の爪を入れてピリ辛にした上に、見た目で豆苗をちらしてみました。これは妻にも好評でした。




最後は、先日の「サクランボ・トースト」(*2)の見た目には負けますが、娘が置いていった Panasonic のパン焼き器で作った食パンを厚切りにしてバターを塗り、普通にトーストしてりんごジャムを薄く広げ、千葉の知人に送ってもらったびわを入れたヨーグルトで食べる、というもの。塩分補給にカブときゅうりの漬物を添えています。このときは、妻もお出かけの日でしたので、昼食も私一人。普段からテレビを見る習慣がありませんので、パソコンの前に運んでWEBのニュースを読みながら食べました。たいへんシンプルな昼食でしたが、洗い物も少なく、休憩時間をたっぷりとって午後の作業に向かうことができました。




(*1): キムタクご飯の作り方〜学校給食の人気メニューです〜「美恵子のブログ」より
(*2): サクランボを使った季節のランチ〜「電網郊外散歩道」2024年5月

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通勤の音楽から農作業の音楽へ

2024年05月30日 06時00分35秒 | クラシック音楽
退職前は、朝晩の通勤時に音楽を聴くのが楽しみでもありました。媒体はその時代を反映し、カセットテープ→CD→USBメモリ と変化してきましたが、郊外長距離通勤や県都周辺の渋滞時など、音楽はほぼ唯一の楽しみであるとともに、馴染み薄い楽曲に親しむ良い機会でもありました。

退職して週末農家から専業農家となった今は、USBメモリに収録したmp3形式の音楽を、某中華製のラジオ兼用プレーヤーで再生します。年齢的に、耳をいたわることが必要なため、イヤフォンは使わずにスピーカから流れる音を楽しみます。今までは、畑に何か台を置いてその上で鳴らしていましたが、動き回ると距離が有りすぎて聞こえなくなるのが欠点でした。



そこで考えたのが、首に名札を下げるあれ、ネームストラップというやつの名札の代わりにこの携帯ラジオプレーヤーを下げるという方法です。ぶらぶら下げておくと邪魔なので、作業着の胸ポケットに入れておくと、いつも胸元で音楽がなりますので、いくら動き回っても大丈夫です。




最近聴いた中では、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の120周年アニヴァーサリーで公開された太っ腹なmp3形式のファイルから、ブルックナーの交響曲第8番やサン=サーンスの交響曲第3番などが良かった。曲の区切り近くに一休みするなどして果樹園内を動き回り、脚立に上り下りしています。どちらかというとしんねりむっつりの音楽はあまり農作業向きではなく、これまでの実績では、シューベルトのハ長調の大交響曲とかドヴォルザークの交響曲第8番などは今の季節にぴったりの雰囲気です。



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県立中央病院で親知らずの手術入院の説明を受ける

2024年05月29日 06時00分11秒 | 健康
かねてより懸案になっていた、右奥歯の化膿の原因となっている親知らずの手術について、過日、県立中央病院の口腔外科で検査と説明を受けました。



主治医の先生によるCT画像を用いた説明によれば、私の下手な略図のとおり、第2大臼歯の奥に親知らず(智歯)があり、しかも上に向いているのではなく真横に寝ている形で、隣の第2大臼歯まで化膿部が広がっているとのことでした。なるほど、これでは膿と出血が止まらないのは当然と理解しました。手術としては、第2大臼歯を抜歯し、智歯を切断除去して化膿部を清掃して縫合するのだそうです。先生の説明では、炎症が長引いて毛細血管が発達してしまっているため、かなりの出血が予想されるとのことでした。そのため2泊3日、出血の状況によっては3泊4日を予定してくださいとのこと。いやはや、かなり大ごとになったなあと少々ビビっております(^o^)/

幸いに入院手術の予定日はサクランボの収穫がほぼ終わった頃になるようで、その点では助かります。しかし、コンピュータ技術をベースにした画像診断技術の進歩はスゴイものです。首から上を輪切りにした形で連続する画像を見せられると、患部がどこでどんな状態になっているかが素人でもよくわかります。先生の話では、下唇の神経は下顎骨を通っているのだそうで、それで下の奥歯付近に麻酔をすると下唇がしびれるのか! 骨と言ってもリン酸カルシウムの塊ではないのだなと認識を新たにしました。



県立中央病院の駐車場で、久しぶりに愛車マツダ・デミオXDの写真を撮ってみましたが、もうすぐ10万キロを超えるとは思えない安定した走行で、通年の燃料消費率が 20km/L を超え、クリーンディーゼルのありがたみを感じております。最近は通勤がなくなって農協など近場は軽トラで用が足りるせいもあり、2ヶ月に1度、5,000円ほどで満タン給油していればまずは日常の用途は大丈夫という経済性は助かります。できるだけ長く乗りたいものです。

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サクランボを使った季節のランチ

2024年05月28日 06時00分25秒 | 料理住居衣服
早生種のサクランボ「紅さやか」の収穫と出荷が始まり、何かと忙しくなりました。まだ私たち夫婦だけでやっていますので、時間に追われるようなことはありませんが、お昼も簡単に済ませられるものになります。昨日の昼食は、早生種のサクランボ「紅さやか」を使ったトーストにしました。



パンにバターを塗り、細めのアスパラガスを小さく切ってまばらに並べ、とろけるチーズをちらします。その上に軸と種を取ったサクランボ「紅さやか」を配置し、すき間にトマトケチャップとマヨネーズをかけてトーストするだけです。見た目もかわいいし、熱々のチーズに酸味の効いたサクランボがアクセントになり、なかなか美味しかった。



あとはヨーグルトとコーヒーのメニューですが、これなら大学生と高校生の孫たちも喜ぶランチになるのではなかろうか。生産農家の立場から言えば、サクランボって本来はこうした親しみやすい使い方をする果物なのだろうと思います。今の、桐箱に入ったバカ高いお値段のサクランボは、どこかがおかしいと感じます。

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東根混声合唱団の第27回定期演奏会を聴く

2024年05月27日 06時00分38秒 | -オペラ・声楽
知人に紹介されて東根混声合唱団の第27回定期演奏会のチケットを購入し、サクランボ「紅さやか」の初出荷を終えた日曜の午後、東根市のさくらんぼタントクルセンターに出かけました。会場は子どもたちの屋内遊技場や休日診療所、市の保健センター等が同居する多目的施設に設けられた小ホールで、収容人数は約500席くらいの大きさです。以前、山形オペラ協会の公演でモーツァルトの歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」を聴いたことがあり、また映画「おくりびと」を観たのもこのホールでしたので、なじみのあるステージです。

開演前に、市の生涯学習課長のあいさつがありました。女性の課長さんらしく、あまり堅苦しくない雰囲気。さらに団の代表のご挨拶があり、オープニングは東根市の歌。作詞:谷川俊太郎、作曲:林光というコンビで、なかなかいい歌でした。第一部のステージは「口ずさみたくなるようなうた」で、正面に指揮台とピアノ、その後方の山台に左に女声が10名、右に男声が10名の計20名です。年代としては中年以上と言って良いのでしょうか。拝見したところ、必ずしもリタイア組ばかりではなく、現役でバリバリ仕事をしている方も少なくない様子。忙しさの中で練習に参加し、たくさんの曲を覚えて仕上げる過程は、容易ではないはず。熱心なアマチュア合唱の良さを久しぶりに味わいました。
参考までに、プログラムの曲目を載せておきましょう。



第1部 口ずさみたくなるようなうた
 春の風
 ほくはぼく
 道
 気球に乗ってどこまでも
 君がいないから
 心の瞳
 さくらんぼと麦わらぼうし
 風が吹く丘に
みんなで歌おう〜故郷〜
〜休憩(15分)〜
第2部 混声合唱組曲「二度とない人生だから」より
 念ずれば花ひらく
 花・ねがい
 妻を歌う
 つゆのごとくに
 からっぽ・サラリ
 こおろぎ
 二度とない人生だから
指揮:佐藤登、ピアノ伴奏:永田明子、須藤円、友情出演:本間泰久(元劇団四季)


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早生種サクランボ「紅さやか」の収穫を試行

2024年05月26日 06時00分11秒 | 週末農業・定年農業
当地は連日の晴天続きで、むしろここらでひと雨ほしいところですが、桃の摘果作業を中断して早生種のサクランボ「紅さやか」の収穫を試行しました。自宅裏の他にもう一つある、少し離れたサクランボ園地に高所作業台車を運搬し、午後から収穫作業です。気圧の谷が通過して北風が強く気温がぐっと下がり、日差しは暖かいものの体感としては寒いです。防風衣が上衣だけでしたので、寒くて早々と撤収。高所作業台車の動作もOKで、収穫する側の準備はほぼ完了です。

ただし、上がってみてあらためて感じましたが、

  • 「紅さやか」は着果率はまずまずですが、双子果がべらぼうに多い。赤くて大粒の実をもいでみると双子果で、がっかりしてポイと捨てることがしょっちゅうです。感じとしては2割〜3割はありそう。昨夏の高温障害とは言うものの、こう多くては収穫にかなりの影響が出そうです。

  • 5月下旬なので、まだ全体に粒が小さいです。大粒のものが双子果なので、単粒果は小ぶりのものが多くなっているようです。
  • 「佐藤錦」「紅秀峰」ともに、我が家では受粉・着果率が低いようで、ご近所のサクランボ農家に聞いてみても、「今年もなっていないなあ」との声が多いようです。報道では「平年より1割減」とのことでしたが、そんな状況ではなさそう。昨年とは逆に、開花期の高温と乾燥で訪花昆虫の活動が鈍かったのが影響したかもしれません。

結果が出てみないと確かなことはわかりませんが、生産者の感触としては、昨年に続いて今年も出荷量が大幅減になりそうな気がします。

温暖化による気候変動で、いろいろな作物で影響が出るだろうという予想がありましたが、どうもサクランボも例外ではないのかもしれません。なんとか、実った分を大事に収穫し、親戚友人知人に送り、また出荷して市場の要請に応えることができるように、お天気の様子を見ながら、「サクランボの日々」(^o^;)を過ごしていきたいと思います。

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宮城谷昌光『公孫龍』巻2「赤龍篇」を読む

2024年05月25日 06時00分35秒 | -宮城谷昌光
新潮文庫の5月新刊で、宮城谷昌光著『公孫龍』巻2「赤龍篇」を読みました。中国の戦国時代、周王朝の末期に、宮廷内の陰謀で命を狙われた王子稜が公孫龍と名前を変えて商人になっています。趙の恵文王やその弟の東武君、また燕の昭王の信頼を得て、燕と趙の二国を股にかけた活動を始めますが、趙国も盤石ではなく、沙丘の乱という反乱が起こります。この沙丘の乱の原因について、作者は主父(前趙王)の姿勢に求めているわけですが、同じ作者とはいえ『楽毅』と『公孫龍』ではだいぶ違いがあるようです。

『楽毅』では、後継者の選定に迷いがあった趙王が当代一の人相見である唐挙に子を見せ、いったんは次男の公子何を後継とし、自らは趙王を退き主父として外征に重点をおくようにしますが、途中で考えが変わり、末っ子の公子勝を王にするにはとあれこれ考えます。このあたりの迷いが、結局は長男である安陽君(公子章)の反乱を招く、というものです。
ところが『公孫龍』では、息子たちは三人とも器量において公孫龍に劣ると見た主父が、今は商人として活動していても公孫龍は本来は周の王子なのだから、周に帰り王として立てば趙の未来は危ういだろう。懸念は今のうちに摘むに限ると、公孫龍を暗殺するために長男を呼び出したのが乱になったとするのです。

それはあまりにも主人公贔屓が過ぎるというか、公孫龍をスーパーマンに描きすぎではないのか。残念ながら、この作品が『楽毅』の格調高さからはやや後退し、講談のような面白さに流れているように感じます。沙丘の乱も公孫龍の助けによって収束しますし、父を殺した自責の念にかられた恵文王も公孫龍の助言によって立ち直ります。このあたりも、『楽毅』では燕王の真率な書翰と楽毅の人格に触れて恵文王が心を動かすことになっていました。またもや公孫龍のスーパーな活躍! こうなるといささか贔屓の引き倒しの感が否めないようです。



なんだかなあ。久々の宮城谷作品なのですが、どうも今ひとつ乗り切れない。『楽毅』第三巻の沙丘の乱のところを読み返しましたが、正直言ってやっぱりこちら(『楽毅』)のほうが格調高いなあ。

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ジャガイモの施肥と土寄せの作業

2024年05月24日 06時00分50秒 | 週末農業・定年農業
昨日は、朝仕事でジャガイモの施肥と土寄せ作業を実施しました。もうすぐサクランボの早生種「紅さやか」の収穫シーズンに入りますので、野菜の管理作業ができるのは今のうちです。次の写真は、前日までのジャガイモの様子。



奥に見える水田に田植え機が見えますので、田植え作業の最中のようです。そして次が昨日の朝で、畝の片側(手前)をクワで切り崩し、肥料を入れる溝を作ります。奥の田んぼでは田植えが終わったようです。



これがジャガイモ・サトイモ用の肥料です。これを溝にパラパラと筋まきしていきます。



ここで、ジャガイモの茎の回りにくずしておいた土を寄せて、前の畝の高さよりも高くしておきます。



これは、植え付けた種芋よりも高い位置に新しい子芋ができるためで、来月中に残る反対側に施肥と土寄せを行い、さらに高く土を盛り上げます。



これにより、すっぽり土に埋もれた状態で子イモがざくざく掘り出せるようになる、という皮算用です。問題は、忙しいサクランボの収穫作業中に草取りができるほど余力があるか、ということ。こればかりは、やってみないとわかりません(^o^;)>poripori

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日本の果樹栽培の考え方は盆栽の伝統に通じる?

2024年05月23日 06時00分26秒 | 週末農業・定年農業
サクランボの収穫が始まる前にと、桃の摘果を急いでおります。今は主力の「川中島白桃」の摘果に注力しているところです。受粉果はだいぶ大きくなってきて、見分けるのが簡単になりましたが、中にはヘンな実が見つかることもあります。



写真のように、双子果くらいならまだ驚きませんが、中には三つ子果や四つ子果などといったものもあり、さすがにびっくりしました。たぶん、昨年夏の高温障害で、細胞分裂がうまくいかなくてこうなったのだろうと思いますが、もしこれが大きくなったらと考えると、ブサイクを通り越して不気味です。

ところで、桃の摘果をしながらふと考えてしまいました。若い頃、30代で渡米した時に、カリフォルニアに広がる広大なオレンジ畑を見て感じました。これはヘリコプターや飛行機で消毒(防除)し、機械で収穫しなければとてもやれないやり方だと。おそらく、米国では今私がやっているような桃の摘果などという作業はとても考えられないだろう。あの広いオレンジ畑で、1個1個、手作業で摘果するなんてとても無理な話です。それを思うと、樹の1本1本を丹精して剪定し、摘花・摘果して間引き、光合成を集約して1個を大きく美味しく育てるなんて、アメリカ式果樹栽培とは真逆なやり方です。むしろ、発想・考え方としては伝統的な盆栽の考え方に近いのではなかろうか。

大規模な工場でベルトコンベアに労働者を並べてT型フォードを大量生産し、広大な国土に普及させた発想と考え方は、米国流の広大な園地に季節労働者が働き、見渡す限りずっと単一品種が広がるオレンジ栽培でも貫かれています。一方で、あまり広くない園地に様々な品種が混植され、変種を積極的に育成し、より食味の良い優れた品種を作り出す日本式の果樹栽培は、まるで見事な盆栽を作ろうと工夫する職人のようではないか。



写真は、今が盛りのシャクヤクです。後ろに見えるのは、伐採したサクランボの切り株と、ようやく三年目で収穫が楽しみな桃の若木です。

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某地域行事の日のうっかりの顛末

2024年05月22日 06時00分33秒 | 季節と行事
去る日曜日、早朝から某地域行事に従事し、反省会も終わって自宅に戻り、さてもらってきたおにぎりや牛丼や缶ビールで軽くお昼にしてゆっくりしようと思ったら、玄関の鍵がありません。しまった、家の鍵を持って出るのを忘れた! あいにく妻は大学の同窓会の事務局の会議で外出中で息子も不在。以前は母が自宅で留守番をしてくれていたので、あまり鍵の心配をしなくてすんだのが裏目に出て、どうも家の鍵を常に持ち歩く習慣がありませんから、ともするとこんなふうに自分の家に入れないという笑える事態になります。

仕方がない、誰かが帰ってくるまで、作業小屋の中で休んでお昼にしよう。というわけで、毎年サクランボの選果作業をしている作業小屋の中を掃除し、テーブルを拭き、どっこいしょと椅子に腰を下ろしてお昼にしました。外気温は29度と夏日に近く、プシュッと開栓した缶ビールが美味しい。

そういえば、もう5月も下旬になっていますので、早生種のサクランボ「紅さやか」が色づき始めています。サクランボの出荷の準備も始めておかないとなあ、などと考えていたら、ビールがまわってなんだか眠くなってしまいました(^o^)/ 某地域行事の日のうっかりの顛末は、こんなふうでした(^o^)/

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自宅裏の果樹園に先日の強風の被害が

2024年05月21日 06時00分38秒 | 週末農業・定年農業
地域行事で先送りしていましたが、先日の強風で自宅裏の果樹園にも被害がありました。今回は、プルーンの南側の太枝がボッキリ! アチャー! 調べてみたら、太ももほどの断面積のうち3分の1が虫食いでやられていて、しかもサクランボと桃が優先ですのでプルーンは剪定不足。どうも、小枝が多すぎて強風の抵抗を受け流すことができなかったようです。他の太枝は虫食い被害が少ないので、風の抵抗を受けてもなんとか耐えることができたみたい。




うーむ。これは相手が自然だからなあ。理解のない上司も頑固な経営者や理事会も無責任な同僚もいないわけですから、誰にも文句をいうことはできません。剪定不足は自分の責任、虫食い被害もタイムリーな防除ができていないためですから、結局は自分に返ってくる問題です。シンクイムシ被害を防ぎながら、なんとか東側や北側の収穫を確実にするようにしましょう。




とりあえず、チェーンソーで伐採して小枝は切り取り、太枝を薪材程度に切っておきました。しばらく乾かして、後でサクランボの伐倒木と一緒に薪用に某氏に提供する予定です。樹はどんどん大きくなる一方で自分は年を取る一方なのですから、どこかで区切りをつける必要があるのですが、もう少し定年農業を楽しみたいものです。



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山響第317回定期演奏会でマルケス、グリーグ、ヴォーン・ウィリアムズを聴く(2)

2024年05月20日 05時42分00秒 | -オーケストラ
土曜日の山響定期、後半はヴォーン・ウィリアムズの交響曲第5番です。ヴォーン・ウィリアムズというと、私のイメージは1970年頃にビクターから出ていたLPレコードのジャケットで、「海」とか「南極」とかの筆文字が縦書きされていたものです。たしかアンドレ・プレヴィン指揮のロンドン交響楽団の演奏だったと思いますが、もちろん私のお小遣いでは買えるわけがなく、以後数十年、実際に演奏に親しむことはありませんでした。結婚し、郷里にUターンして山形交響楽団や山形弦楽四重奏団の定期演奏会に通うようになって、「グリーン・スリーヴスによる幻想曲」や「トマス・タリスの主題による幻想曲」、あるいは「幻想的五重奏曲」などに接するようになりましたが、実際に交響曲の演奏に接するのは初めてです。手元には交響曲第5番のLPもCDもありませんので、事前に YouTube で聴いてみましたが、なんだか茫洋としていて今ひとつつかめない。これは虚心に実演に接するしかあるまいと考えて臨んだのでした。

第1楽章、プレリュード、モデラート〜アレグロ、テンポ1。開始は録音で聴くほど弱音ではなく、実演の良さで全体に明瞭に聞こえます。作曲された年代が第二次世界大戦の最中といいますが、そんな暴力と破壊のイメージではなく、むしろ優しい音楽に聞こえます。最後のホルンがミュートを付けて終わるように、威勢のよい強奏が目立つ音楽ではない。
第2楽章、スケルツォ、プレスト・ミステリオーソ(神秘的に)。例えばトロンボーンのコラール風の部分があったとしても、目立たずに全体の中にそっと色合いを添えるといったふうで、テンポが速いスケルツォではあるのですが、不思議な印象です。
第3楽章、ロマンツァ、レント。弦楽の響きがいいなあ。ここではイングリッシュホルンの音色が耳に残ります。高い音域をオーボエで、低い音域をイングリッシュホルンで、併奏するフレーズのなんと魅力的なこと! ホルンの旋律をトランペットが受けて高揚し、全体が静まっていきますが、管楽器のオルガン的な響きと弦楽合奏の息の長いゆるやかな響きが盛り上がりを作ります。コンサートマスターのヴァイオリン・ソロに導かれて、ミュートを付けたホルンやヴィオラやチェロなど、静かに祈るように終わります。ここのところ、いいなあ。大好きになりました。
第4楽章、パッサカリア、モデラート。チェロが主題を奏して始まる音楽は、管と弦にティンパニも加わり次第に力強さが増しますが、音楽の形式はパッサカリアです。緊密な響きはモダニズムが支配的だった大戦前の時代を感じさせません。音楽が祈るように静かに終わる時、作曲された当時の戦時下のロンドンと同様に、ウクライナやアラブでの戦争をふと思ってしまいます。



初めて実演に接したヴォーン・ウィリアムズの交響曲第5番は、ノーブルな音楽と聴きました。ネットで聴くのとは異なり、実演に接して初めてとても良い曲だと実感しました。良い機会を与えてくれた山響と指揮の藤岡さんに感謝です。ありがとうございます。

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山響第317回定期演奏会でマルケス、グリーグ、ヴォーン・ウィリアムズを聴く(1)

2024年05月19日 21時10分13秒 | -オーケストラ
日曜日に地域行事の予定が入っていたため、山響こと山形交響楽団の第317回定期演奏会は土曜日の夜に聴くことにしました。夕方から出かけた山形テルサホールは、幸いに駐車場も混雑せずに入ることができました。今回のプログラムは、



  1. アルトゥロ・マルケス:ダンソン・ヌメロ・ドス (ダンソン 第2番)
  2. グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 作品16
  3. ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲 第5番 ニ長調
     ペーター・ヤブロンスキー(Pf)、藤岡幸夫 指揮、山形交響楽団

というものです。開演前のプレトークは西濱秀樹事務局長と指揮の藤岡幸夫さんのお話でしたが、マルケスのダンソン第2番は山響の団員の中からリクエストがあって実現したのだとか。メキシコの現代音楽の代表的な曲だそうで、期待が持てます。グリーグのピアノ協奏曲は、初夏の季節に不思議に聴きたくなる曲ですが、ヤブロンスキーさんという世界のビッグネームの登場で、こちらも期待大です。そしてヴォーン・ウィリアムズの交響曲第5番。今まであまり馴染みのない曲目ですので、YouTube 等で予習はしたものの、本当の所はよくわからず、実演に期待することとして参加したものです。その意味では、たいへん興味深いプログラム。これを逃してなるものか!

第1曲、メキシコの現代作曲家アルトゥロ・マルケスの代表曲、ダンソン第2番。ステージ上の楽器編成と配置は、左から第1ヴァイオリン(10)、第2ヴァイオリン(8)、チェロ(6)、ヴィオラ(6)、右端にコントラバス(4)の弦楽5部、コンサートマスター席には犬伏亜里さんが座ります。今回、ヴァイオリン群の左端にピアノが加わり、中央奥に木管楽器、フルート(2:うち1はピッコロ持ち替え)、オーボエ(2)、その奥にクラリネット(2)、ファゴット(2)、木管の左右にホルン(4)とトランペット(2)、さらに右奥にはトロンボーン(3)とテューバの金管群、正面最奥部にティンパニ、その左にパーカッションとしてクラベス、スネアドラム、サスペンド・シンバル、ギロ、トムトム、バスドラムが並び、3人の奏者で演奏します。クラベスというのは拍子木のような2本の棒で音を出すもので、ギロというのはヒョウタンの外側に刻みを入れて、それをこすって音を出すもので、いずれも民族楽器に分類されるものでしょう。
演奏が始まると、弦のピツィカートとピアノとクラベスのリズムをバックにクラリネットが長めの旋律を奏でますが、これが酒場の雰囲気というのか、いかにも南米風で楽しい。トランペットもカッコいいし、演奏する楽員のみなさんもノリノリで、いやー、いい曲、いい演奏を聴きました(^o^)/

2曲めはグリーグのピアノ協奏曲です。楽器編成はやや整理され、中央にピアノ、10-8-6-6-4 の弦楽5部、これに Fl(2)-Ob(2)-Cl(2)-Fg(2) の木管と Hrn(4)-Tp(2)-Tb(3) の金管、それに正面最奥部の Timp. というものです。ヤブロンスキーさんは北欧の人らしくスラリとした背の高い人で、颯爽と登場です。
第1楽章、アレグロ、モルト・モデラート。ピアノの左手、低音のキレがすごい。リアルで生々しさがあります。実演でもLPやCDでも何度も聴いているおなじみの音楽ではあるのですが、管のフレーズにピアノが優しくそっと合いの手を入れていることに初めて気づきました。
第2楽章、アダージョ。優しい弦の響きの中でピアノが静かにつぶやくように始まる緩徐楽章ですが、沈潜的な指揮の中でホルンが見事に決まります。
第3楽章、アレグロ・モデラート、モルト・エ・マルカート。ほんとに明晰なピアノで、オーケストラも触発されたように次第に熱を帯びて、チェロのトップと独奏ピアノの対話もいい感じ。オーケストラの強奏はときに独奏ピアノを上回る音量ですが、合間にはときどき胸元からハンカチを出し、汗を拭きながらの余裕のある演奏です。ピアノの見事さには思わず唖然呆然。いやー、良かった!

アンコールは、バツェヴィチのピアノソナタ第2番の第3楽章。グラジナ・バツェヴィチ(1909-1969)はポーランドの女性作曲家らしいです。初めて聴きましたが、思わずあっけにとられるほど見事な演奏でした。



ここで休憩が入ります。後半のヴォーン・ウィリアムズは、また明日の記事で。ちょいと1回では終わらない感じです。

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お知らせ:今日の更新予定について

2024年05月19日 06時00分41秒 | ブログ運営
地域行事のため、今日の更新予定は夕方〜夜となります。


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宮城谷昌光『公孫龍』巻1「青龍篇」を読む

2024年05月18日 06時00分09秒 | -宮城谷昌光
令和6年4月刊行の新潮文庫で、宮城谷昌光著『公孫龍』巻1「青龍篇」を読みました。実際は購入後2冊を通読しており、二度目の読了ではあるのですが、記事にするのは初めてですので再読とはせずに読了記事としたものです。

周の王子稜は、腹黒い陳妃の陰謀により周王の命で燕に人質として送られることとなります。途中、護衛役の召公祥の心遣いを受けながら北へ進みますが、鋸鹿沢で山賊の襲撃を受けている趙の二公子を救います。この時の戦闘で馬車が壊れ、燕王に渡すべき周王の書翰の入った匣が破損し、文字が書かれた木簡を読んでしまいます。実は我が子を太子としたい陳妃によって書翰はすり替えられており、王子稜を殺害するか生涯幽閉するようにと燕王に依頼する内容だったのです。

王子稜は愕然としますが、召公祥の機転で王子稜は行方不明とし、山賊の襲撃から救った趙の二公子の求めに応じただの商人「公孫龍」として趙の都である邯鄲を目指すことになります。超の内情も実は穏やかではなく、長男である公子章を太子として確立したい田不礼が公子何と公子勝を暗殺しようとした陰謀でした。再度の襲撃を退け、公孫龍は趙の二公子の信頼を得ますが、燕に向かった召公祥は王子稜を暗殺した疑いで燕に幽閉されてしまいます。

有能な配下を多く得た公孫龍は、召公祥を救うために燕に向かい、郭魁の仲介により燕王に面会し、召公祥を救出します。燕は稜の亡き母の生国であり、公孫龍は燕王の甥にあたることになりますが、これで燕と趙の二国を自由に往来できる特権を得たことになります。趙の公子何が趙王となり、趙王を退き外征に専念することとなった主父に招かれて再び趙に向かった公孫龍は、中山との戦いの場で楽毅の襲撃から主父を救い、中山の滅亡を目にします。



久々の宮城谷作品ですが、うーむ、やっぱり公孫龍は強すぎる。私のイメージでは、「白馬非馬説」などという屁理屈を唱えるヘンな人、という先入観があっただけに、作者が作り上げた主人公とその物語は、スーパーマンの貴種流離譚になっているみたい。その分だけ、史実になどとらわれずに空想の翼を広げた痛快冒険活劇になっているようです。続きは巻2「赤龍篇」へ。

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