電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩。時々は実際に散歩を楽しみます。

「舞踏へのお誘い~オーケストラ名曲集」を聴く

2014年01月31日 06時03分36秒 | -オーケストラ
先の山響第234回定期(*)では、ニューイヤーコンサートとして、オペラの序曲や間奏曲を集めたプログラムでした。こうしたオーケストラ小品は、演奏に何十分もかかるような大曲とは異なり、短い時間で曲が完結するため、SP時代には主流だったようですが、近年はさほどでもなくなっています。これはやはり、SP→LP→CDという媒体の収録時間の増加が原因でしょう。

私自身の経験を振り返っても、若い頃には大曲志向が強く、オーケストラの小品集のレコードなどは後回しになってしまう傾向がありました。実際、積極的に自分で購入したものは、妻に贈った「パッヘルベルのカノン」他を集めたLPなど、ごくわずかです。むしろ、某中古書店で一時よく見かけた全集分売のCDなどに、こうした企画ものが多くあり、@250円とかいう単価にひかれて購入するケースが多かったように思います。例えばその一つが、東京都交響楽団が演奏したオーケストラ名曲集(DENON GES-9256)です。

1. ウェーバー(ベルリオーズ編) 「舞踏への招待」
2. ヴォルフ=フェラーリ 「マドンナの宝石」間奏曲
3. ワルトトイフェル ワルツ「スケートをする人々」
4. エルガー 「威風堂々」第1番
5. スッペ 「詩人と農夫」序曲
6. スッペ 「軽騎兵」序曲
7. オッフェンバック 「天国と地獄」序曲
8. ボロディン 交響詩「中央アジアの草原にて」
9. シベリウス 交響詩「フィンランディア」

このうち、1.~4.が石丸寛指揮、5.~7.が小林研一郎指揮で、8と9がモーシェ・アツモン指揮の東京都交響楽団となっています。

この手の全集分売ものの常で、CDケースにはかわいい仔猫の写真が用いられていますが、録音データなどは一切記載がありません。オリジナル盤の発売時期から録音時期を推測すると、石丸寛指揮のものは1983年夏、小林研一郎指揮のものは1982年11月発売で1981年夏に収録されたもののようです。モーシェ・アツモンが都響の首席だった頃、今を時めくコバケンは正指揮者という肩書きで、たぶんこれがCDデビューの録音だったのではないかと思われます。ベテラン指揮者の若い頃を知るという点でも、貴重なものかも。

東京都交響楽団の演奏は、どちらかといえば真面目タイプでしょうか。録音も明瞭で聴きやすいです。「詩人と農夫」のチェロ独奏などはたいへん雰囲気があり、どなたが演奏しているのだろうと興味津々です。



そういえば、先の山響定期の録音がCDになって出たら、さっそく購入しなければ。演奏者の顔がわかるオーケストラの、実際に聴き入った演奏会での録音で、こうした親しみ深いオーケストラ小品を集めたら、きっと楽しいだろうな~と思います。

(*):山響第234回定期演奏会「ニューイヤーコンサート~珠玉のオペラ序曲・間奏曲集」を聴く~「電網郊外散歩道」2014年1月

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宮城谷昌光『香乱記(二)』を読む

2014年01月30日 06時00分34秒 | -宮城谷昌光
新潮文庫で、宮城谷昌光著『香乱記』第二巻を読みました。

「二世皇帝」
この章では、李斯が趙高の陰謀の裏をかき、蒙恬将軍と太子扶蘇に知らせようとしますが、趙高のほうが一枚上手でした。使者の岸当と展成は幽閉され、扶蘇は自裁し、蒙恬将軍は捕えられます。幸いなことに、扶蘇の娘の蘭は姿を隠し、父の仇をうつと宣言します。頼りになるのは、やはり田横です。

「小鳥と大鳥」
苛政の度を深める秦に対し、陳勝と呉広の乱が起こります。李斯の別宅にひそんでいた田横は、多数の兵に取り囲まれますが、辛くも脱出に成功します。そのころ、陳勝と呉広の乱は勢いを増し、項羽と劉邦の名も聞こえ初めています。

「三兄弟起つ」
陳勝によって将軍に任命された周文は函谷関を越え、秦都・咸陽に迫ります。二世皇帝は、群臣の中から声を挙げた軍事の天才・章邯を将軍に任命し、強制労働に従っていた刑徒七十万を兵としてこれを押し返します。いっぽう、狄県では田憺、田栄、田横の三兄弟が県令を倒し、斉を再興すべく兵を挙げます。

「千里烈風」
蘭は、父の仇をうつために姿を変え、李斯の手引きで後宮に入ります。この間に世情は変転し、章邯の軍は無敵を強さを示し、表題どおり千里が烈風にさらされるような戦乱の時期となります。

「地上の星」
プロジェクトXではありません。短気な田憺が、無礼な楚王の使者を斬ったことから、田横を中心として情報収集の組織化を図ります。自身は東阿に向かうこととしますが、17歳くらいと思われる季桐が田横を慕い、同行することになりますが、これが作者の作劇術で、美少女を救うために主人公が危険に直面するハラハラドキドキというパターンが忠実に守られます(^o^)/

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宮城谷昌光『香乱記(一)』を読む

2014年01月29日 06時03分01秒 | -宮城谷昌光
宮城谷昌光著『香乱記』は、何度か取り上げようとしましたが、そのたびに読む方に夢中になり、これまで記事にまとめることができませんでした。このたび、三度目か四度目の読了を経て、ようやく記事にしてみようかと思った次第。



秦の始皇帝が中国を統一しますが、民は秦の法に縛られ、息苦しい生活を強いられています。かつての斉の国でも同じことで、斉王の子孫である狄県の田氏三兄弟は、秦の苛政に反発していました。盗賊の襲撃から救った男は許負といい、実は高名な人相見でしたが、田憺・田栄・田横の三兄弟を、三人ともやがて王になると予言します。無実の罪を着せて田氏の力を弱めようとした県令と郡監らの策謀により、田憺・田栄は窮地に立たされますが、田横はこの策謀をどうやって切り抜けるのか、また始皇帝の病没を宦官の趙高が利用し、末子の胡亥を立てて太子を自裁させる一連の動きは、田氏三兄弟の運命とどのように関わって来るのか。第一巻は、小珈や季桐など印象的な女性たちを配しながら、物語の舞台が徐々に明らかになっていきます。



趙高の詐謀が成功したのは、明らかに李斯の不決断のせいです。決断すべき時に決断できないのは、李斯が年老いたということなのでしょう。気力は若い時のようには湧いてこない。心のエネルギーも、若さが持っている宝のように思います。

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例年どおり雪が降って、でもまた融けて

2014年01月28日 06時01分36秒 | 季節と行事
26日の夕方から降り始めた雪が、夜半にはかなり積もりました。27日は、早朝まだ暗いうちから起き出して雪かきをしましたが、やはり降るときにはふるものです。山間部の方々には申し訳ないことながら、この雪が水の恵みになりますし、除雪業務を請け負って冬季間の生活の支えとしている方々には、ようやく商売になるところでしょう。また、スキー場の関係者の方々にも、朗報だったかもしれません。

例年と違うところは、年間で最も寒い季節のはずなのに、日中は気温がプラスに上がり、雪かきをしたところがどんどん融けてしまう点です。これは、日中の道路状況が例年になく良いことにつながり、通勤のドライバーにとってはたいへんありがたいものです。

雪が降れば降ったで悲喜交々、雪が降らなければそれなりに喜ぶ人も泣く人もいるということで、世の中はおもしろいものです。雪かきの重労働で体をこわさない程度に程よく降って融けてくれれば、いちばんありがたいのですが、それは虫のよすぎる話でしょうか(^o^)/

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パイロットの廉価万年筆「カクノ」を購入しプラチナ社の古典ブルーブラック・インクを試す

2014年01月27日 06時05分22秒 | 手帳文具書斎
パイロットの廉価万年筆は、同じペン先で軸のデザインが違う「プレラ」(*1)と「コクーン」を三本も使っておりますので、話題の「カクノ」には手を出してもしょうがないと考え、控えておりました。ところが、プレッピーPreppyの中字(0.5mm)の購入当初の書き味が予想外に不満(*2)で、「古典ブルーブラック・インクを中字でも」という構想は不調に推移しておりましたので、カクノの中字で古典ブルーブラックを使ってみたらどうだろう?という考えがひらめきました。幸いに、パイロットのインク・カートリッジの空になったものが一本あります。形状は、スポイトでインクを充填しやすいものですので、実現の可能性は高いでしょう。

さっそく、行きつけの文具店に出向き、カクノの青色キャップのものを購入して来ました。希望小売価格1,000円のところ、税込で840円。





概観やパッケージングについては、すでにたくさん紹介されていますので、省略。





パイロットの中字(M)は、プレッピーPreppy の中字(M:0.5mm)よりも細めです。





空のカートリッジに、古典ブルーブラックのボトルインクをスポイトで充填してみました。







これで、古典ブルーブラック・インクを用いた廉価ペンが勢ぞろいです。上の二本のプレッピーは市販カートリッジで、カクノはボトルインクです。





実際に備忘録ノートに書いてみると、なかなか具合がいいです。プレッピーのカートリッジインクで書いた文字と比較してみると、ペン先の太さの違いもありますが、ボトルインクの文字のほうが微妙に好ましい。並べて書いても、色合いが違うのではないかとさえ感じてしまいます。たぶん、インクフローの差による、消費インク量の違いなのかと思っていましたが、実はそうではなくて、青色の色素の配合量が違っているらしい(*4)です。



カクノのキャップには、子供の誤飲時の窒息を防ぐためか、空気穴が三つも開いていて乾燥が懸念されますが、キャップの中を見ると凹んだところに白いインナーキャップが挿入されているようで、乾燥防止対策はなされているようです。握りの位置も、コクーンほどの不自然さ(*3)はなく、むしろ使いやすい印象です。

(*1):Pilotの色彩雫シリーズ「朝顔」と万年筆「プレラ」青軸等を購入する~「電網郊外散歩道」2012年8月
(*2):プレッピー万年筆の中字とブルーブラック・インクカートリッジについて~「電網郊外散歩道」2014年1月
(*3):パイロットの「コクーン」万年筆を黒インク専用にする~「電網郊外散歩道」2013年2月
(*4):この件、訂正しました。プラチナ社のブルーブラックはボトルとカートリッジでは色合いが異なる~「電網郊外散歩道」2015年1月
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エルガーの変奏曲「エニグマ」を聴く

2014年01月26日 06時02分46秒 | -オーケストラ
このところ、通勤の音楽として、エルガーの「独創主題による変奏曲」、いわゆる「エニグマ」変奏曲を聴いておりました。「エニグマ」といえば、当方は第二次大戦中の英国情報機関が、ドイツ軍の暗号機エニグマを解読する物語(*1)を連想してしまうのですが、もちろんそうではなくて、イギリスの作曲家エルガーが身近な人々の頭文字をそれぞれの変奏曲のタイトルにしたという、業界スズメが喜びそうな内輪のゴシップ?ネタが由来(^o^)/
極東の島国の、さらに片田舎に居住する素人音楽愛好家には何ら縁のないタイトルで、謎解きの解説を読んでも「だから何?」的な状態ではありますが、音楽は魅力的です。

主題は、やや哀感を示す、アンダンテのゆったりとした調べです。Wikipedia によれば、姉さん女房の「キャリス」ことアリス・キャロラインが、エルガーが弾いたピアノの旋律を気に入り、もう一度繰り返して弾いてほしいと頼んだら、その主題に基づいて即興的に変奏曲を弾いたのが発端だとのこと。そんなわけで、もともとは1899年に作曲されたピアノのための変奏曲だったのを、オーケストラに編曲してできあがったのがこの曲、ということのようです。
主題に続き、第1変奏曲から第14変奏曲までが演奏されます。

主題 アンダンテ、ト短調。
第1変奏 L'istesso tempo "C.A.E." ト短調。
第2変奏 Allegro "H.D.S-P." ト短調。
第3変奏 Allegretto "R.B.T." ト長調。
第4変奏 Allegro di molto "W.M.B." ト短調。
第5変奏 Moderato "R.P.A." ハ短調。
第6変奏 Andantino "Ysobel" ハ長調。
第7変奏 Presto "Troyte" ハ長調。
第8変奏 Allegretto "W.N." ト長調。
第9変奏 Adagio "Nimrod" 変ホ長調。
第10変奏「間奏曲」 Allegretto "Dorabella" ト長調。
第11変奏 Allegro di molto "G.R.S." ト短調。
第12変奏 Andante "B.G.N." ト短調。
第13変奏「ロマンツァ」 Moderato "* * *" ト長調。
第14変奏「終曲」 Allegro Presto "E.D.U." ト長調。

第9変奏曲「ニムロッド」などが有名ですが、あちこちで小鳥の鳴き声のような表現もよく出てきて、当時は有名だったらしい誰かさんのおしゃべりの特徴というよりは、英国の森のようすでも想像していたほうが楽しい(^o^)/

実は冬の通勤の音楽にはあまり向いた選曲ではなかったな、と反省しました。というのは、せっかくの静かなところがロードノイズにかき消されてしまい、充分に良さを味わうところまではいかなかったからです。週末に自宅のステレオ装置で大きめの(^o^;)音量で再生して、ようやく鬱憤を晴らした次第。大音量で聴くオーケストラ音楽は、ナマの演奏会には程遠いものの、実に良いなあと感じます。

演奏は、レナード・バーンスタイン指揮BBC交響楽団、1982年の4月に、ロンドンの Watford Town Hallで収録されたデジタル録音です。あいにくこのCDしか持っていないので、演奏の特徴などは比較対照の基準がありません。でも、いささか地味めなこの曲を、おもしろく聴かせてくれていると思います。

(*1):ロバート・エリス「暗号機エニグマへの挑戦」~「電網郊外散歩道」2010年1月

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河北新報社編集局『再び、立ち上がる!~東日本大震災の記録』を読む

2014年01月25日 06時02分11秒 | -ノンフィクション
東日本大震災以降、多くの記録が刊行されています。その中でも、宮城県を中心とする地元紙・河北新報社の報道は、丹念に事実をひろい上げ、記録し、検証するという点で、実にていねいな仕事をされていると感じます。それは、同社のウェブサイトの3.11特集にも顕著に現れていますが、単行本として編集されたものを読むとき、訴える力は格別のものがあると感じます。本書は、前著『河北新報社のいちばん長い日』に続き、多くの津波被災者を丹念に取材したものです。

本書の特徴というか価値は、巻頭に置かれた3.13付の社説にもっとも端的に現れていると感じます。

生きてほしい。
この紙面を避難所で手にしている人も、寒風の中、首を長くして救助を待つ人も、絶対にあきらめないで。あなたは掛け替えのない存在なのだから。

という文で始まる、わずかに数ページしかない、広告もない紙面を実際に手にした人たちは、この言葉に込められた思いが強く伝わったことと思います。(*1)

ほぼ一年後に刊行された本書は、次のような構成になっています。( )内の数字は、記事の件数です。

第1章:その時、何が  (23件:何が起き、どう対応したか)
第2章:その命を    (16件:命を救おうと手を差し伸べる人々)
第3章:逃げる、その時 (19件:生死を分けたもの)
第4章:それでも、前へ (28件:苦難の中でも諦めず)

一つ一つの記事が、きわめて高密度に凝縮された文章になっているだけに、取り上げられている内容はみな重いものです。大きな話題になった、南相馬市長の YouTube を通じた SOS の訴えや、避難のあり方が問題となった大川小学校のようなケースだけでなく、「窮地に追い込まれた精神科病院の苦闘」など、ふだんは知る機会の少ない分野にまで、弱者の立場から実に目配りのきいた取材と構成になっています。毎日、様々なニュースや新聞記事を読み、耳にしますが、日常に流されて見過ごしてしまうことが多いものです。こうして単行本になることによって、全体像が見えてきます。まったく無名の人々が互いに助け合うあり方が、全体としてきわめて強い印象を残します。



丹念に事実を掘り起こす取材は、正面から悲劇と向き合うこととならざるをえません。否応なく、過酷な現実に直面する毎日に、「体調を崩した記者も少なくない」(p.313)とありました。まったくそのとおりだろうと思います。本書を読みながら、しばしば涙を禁じ得なかったのですから、取材をする記者は、さぞ心を痛めたことでしょう。しかしながら、それ以上に、被災した人々の悲しみと困難はいかばかりかと思うことしきりです。阪神淡路大震災から19年が過ぎ、東日本大震災からもうすぐ満三年になろうとする冬に、被災者の方々の悲しみが少しずつでも和らぎ、希望が増すことを祈ってやみません。そして、日本列島全体が、大地震の活動期に入っているのではないことを願いたいと思います。

(*1):地方メディアのありがたさ~震災関連報道に思う~「電網郊外散歩道」2011年3月
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プレッピー万年筆の中字とブルーブラック・インクカートリッジについて

2014年01月24日 06時01分21秒 | 手帳文具書斎
プラチナ社の古典ブルーブラック・インクに興味を持ち、プレッピーPreppy万年筆の細字を購入して便利に使ううちに、同社のブルゴーニュ万年筆(細字:F)も購入してしまいましたが、できれば中字でも使ってみたいと考えて、中字:Mのプレッピー万年筆を購入しました。しばらく使ってみましたが、どうも気に入らず、不満を感じていました。

不満のポイントは、

(1) 文字の色がうすい
(2) インクフローが渋い
(3) キュルキュル音がする筆記感

などでした。最初に購入した細字のプレッピーは、コンバータでボトルインクのブルーブラックを使っていましたので、あまりそうした不満は感じなかったのですが、中字のプレッピーは最初からインクカートリッジで使っていましたので、ボトルインクとカートリッジでは、同じブルーブラックという名前でも、成分が違うのではないかとさえ感じていました。



ところが、しばらく我慢して使っているうちに、二本目のカートリッジの後半あたりから、インクフローが比較的順調になり、ブルーブラックの色を楽しめるようになりました。そうか、プレッピーは少し使ってやらないと本来の特徴を発揮できない性格のペンなのだな、と感じたところです。

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植木武『国際社会で活躍した日本人』を読む

2014年01月23日 06時02分45秒 | -ノンフィクション
過日、某図書館から借りてきた単行本で、植木武編著『国際社会で活躍した日本人・明治~昭和の13人のコスモポリタン』を読みました。平成21年に弘文堂から刊行された本で、13人の著者がそれぞれ一人一章を担当し、国際社会で活躍した日本人を簡潔に描いています。登場するのは次の13名。

第1章 楠本イネ 日本初の女性産科専門医
第2章 ラグーザ・玉 日本とイタリアの狭間に揺れた女流画家
第3章 新渡戸稲造 太平洋の橋となった教育者・平和主義者
第4章 津田梅子 女子教育に捧げた一生
第5章 小泉セツ 文豪ハーンの妻
第6章 鈴木大拙 日本の仏教を欧米に広めたパイオニア
第7章 青山ミツ ウィーンに咲いた小さく白い大和撫子
第8章 杉原千畝 6000人の命を救った外交官
第9章 澤田美喜 混血児の母として生きて
第10章 李方子 二つの祖国をもった王妃
第11章 田中路子 歌に生き恋に生きた歌姫
第12章 ハル・松方・ライシャワー 日米両国を駆け抜けた人生
第13章 ヨーコ・オノ 正直なる人生

楠本イネについては、吉村昭『ふぉん・しいほるとの娘』や村上もとかの漫画『JIN~仁』などで承知していましたし、新渡戸稲造や津田梅子については、教科書的な知識ながら、ある程度予備知識がありました。また、杉原千畝については、だいぶ前にお芝居と原作と評伝とを、観劇しかつ読み終えておりました。小泉セツについては、ぼんやりと、そういえばそんな話を聞いたことがある、という程度で、あとは皆目わからず、初めて読む・知ることばかりです。思わず「そうだったのか~」と感心したのは、ライシャワー大使とハル夫人の章ですが、最後のヨーコ・オノの章はいまだによくわかりません。



本書の特徴は、章末に「○○についてあなたはどう思うか」というような類の問いかけが用意されていることで、なんだか中学校の道徳の教科書みたいです。若い人向けのものとは思いますが、中高年にはいささか違和感があります。

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地方紙に掲載されるクラシック音楽ニュース

2014年01月22日 06時04分02秒 | クラシック音楽
ローカルな話題の報道が中心と思われている地方紙でも、全国的な、あるいは国際的なニュースが掲載されます。もちろん、通信社から配信されるニュースを編集して紙面を構成しているわけですが、素材となる記事の取捨選択に、それぞれの地方紙の特徴が現れてくるのだろうと思います。

たとえば、今月18日付けの山形新聞には、小澤征爾さんが水戸室内管弦楽団の定期演奏会で、ベートーヴェンの交響曲第4番を指揮し、食道ガンからの復活を示したニュースが登場しましたし、逆に21日には、クラウディオ・アバドの訃報が載っておりました。オザワもアバドも、正直言って山形にはご縁のうすい存在ですが、山響団員ばかりではなく、クラシック音楽界にアンテナを伸ばすファンが存在することを承知しているからこそ、通信社から配信されるこうしたニュースを記事として掲載するのでしょう。全国紙が地方の音楽の状況をどれだけ報じているかという点では、まことに心許ない状態ですが、隣県を中心とする河北新報社でも、地元の仙台フィルだけでなく、山響の活動なども積極的に報道してくれているようです。これもまた、山形新聞社や河北新報社などの地方紙の見識の一つだと思います。

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寒い朝の飲み物は

2014年01月21日 06時04分53秒 | 季節と行事
早朝のコーヒーは美味しいものですが、寒い朝にはもう少しあたたまるものがほしいと感じることもあります。そんなときは、ホットミルクココアというものがあり、寒さが本格化するこれから出番が多くなります。

冷蔵庫の中の牛乳をカップに移し、電子レンジで温めて熱々にして、これにココア粉末と少量のお砂糖を加えるだけという、いたって簡単なものです。飲み終えた後のカップの洗浄が少々手間ではありますが、体が芯からあたたまるような気がします。冬将軍が居眠りから目覚めたようで、例年どおりの雪景色となっています。冬の早朝、雪かき前の気力とエネルギーの補給に、格好の飲み物です。

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佐伯泰英『空蝉ノ念~居眠り磐音江戸双紙(45)』を読む

2014年01月20日 06時02分28秒 | -佐伯泰英
双葉文庫の一月新刊で、佐伯泰英著『空蝉ノ念~居眠り磐音江戸双紙』を読みました。長く続くシリーズも第45巻となり、四捨五入すれば50の大台に乗るようになりました。どんな形で完結するものか、興味深いところです。

第1章:「肘砕き新三」。前巻で、顔なじみの奉行所同心だったからと油断し不覚にも伝馬町女牢に幽閉されるというはめにおちいった松平辰平の名誉挽回に、磐音は肘砕き新三という老武芸者との対戦を指名します。辰平は見事にこれを斥けますが、どうも田沼父子の回し者というわけでもなさそうです。むしろ、佐野善左衛門が白河藩主の松平定信のもとに居るらしい、という情報が眼目か。

第2章:「三つのお守り札」。辰平と対戦し喀血した老武芸者の病状を案じた磐音は、桂川甫周国端の往診を請います。国端さんも、多忙の身なのにすすんで往診。エラいものです。一方、博多の豪商・箱崎屋の末娘・お杏と辰平との対面は、意外に早く実現してしまいます。

第3章:辰平は、お杏を屋敷に案内し、両親に引き合わせることになります。辰平の母お稲とお杏とは、なにやらいつの間にかメル友の関係になっているようで、これだから女性は油断がなりません(^o^)/ いっぽう、松平定信の屋敷を見張る木下一郎太と弥助・霧子ですが、番小屋の一造が貴重な情報をもたらします。佐野善左衛門は、やはり松平定信にかくまわれているとのこと。どうやら、政争のにおいがします。

第4章:「小梅村の宴」。辰平の両親と箱崎屋に今津屋も加わり、ビジネスとプライベートを兼ねたような宴に、福岡藩黒田家から客人があったり、無駄足となりましたが松平定信もやってきたりと、顔ぶれが賑やかです。そして、当然のことながら、主題は辰平とお杏との婚約と辰平の身の振り方です。福岡藩からの客人は、そのためのものでした。

第5章:「老武者の妄念」。箱崎屋の父娘は、尚武館坂崎道場の練習風景を見学します。辰平と利次郎との対決は火の出るような激しさで、胴相打ちとなります。一方、佐野善左衛門がかくまわれている松平定信の屋敷には、どうやら様々な勢力がひそかに顔を出しているようで、こういう政争には関わらないほうが賢明、という判断を、磐音クンもしたようです。それより、この老武者の一念こそ、題名どおり空蝉の念だったのではと思います。



チョコマカと動いていたトリックスター佐野善左衛門は、ようやく本来の歴史的役割の舞台に立つことになった模様。結末がどのように描かれるのか、ますます興味深いところです。

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山響第234回定期演奏会「ニューイヤーコンサート~珠玉のオペラ序曲・間奏曲集」を聴く

2014年01月19日 09時17分43秒 | -オーケストラ
山響こと山形交響楽団の第234回定期演奏会が、この1月17・18日に開かれましたが、今回は妻と二人で、18日(土)の午後の部に出かけました。毎年楽しみにしているこのコンサートは、親しみやすい曲目のためか、ふだんの演奏会では見かけない友人知人の顔も見かけます。開演前の音楽監督・飯森範親さんの話によれば、今回の演奏会は録音してCD化される予定だそうで、ステージ上には要所要所にマイクが立っておりました。

楽器配置は、今回は対向配置ではなく、左から第1ヴァイオリン(10)、第2ヴァイオリン(9)、チェロ(6)、ヴィオラ(6)、その後方にコントラバス(4)、という形です。正面奥に、フルート(2)、オーボエ(2)、その奥にクラリネット(2)、ファゴット(2)、その奥にホルン(4)、トランペット(2)、最奥部にトロンボーン(3)とチューバ(1)という具合に、管楽器が並びます。左手奥には、ハープ、パーカッション(3)、ティンパニが配置されています。



ざっと見たところ、ホール中央に吊り下げられた常設のマイクを除いて、録音用マイクの数は全部で九本と数えましたが、右手奥の方は見えませんでしたので、もしかすると十本だったかもしれません。まず、ステージと客席の間の通路に左右二本一組で、これはかなり高いスタンドを用いて上方から収録するねらいのようです。次に、左側には第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの間、右側にはチェロの脇あたりに、左右一組で弦楽セクションがねらいでしょうか。次にフルートとオーボエの前、管楽器セクションの正面に左右一組、あとはハープの前、パーカッションの前、ティンパニの上方に各一本ずつ、これはそれぞれ補助マイクとしての位置づけでしょうか。これらをマルチトラックで収録し、ミキシングすることになるのでしょうが、これまでの山響の録音同様、ホールの音をうまく生かしつつ生々しい音で録音編集してくれることでしょう。楽しみに期待したいと思います。

今回の演奏会は、客演コンサートマスターが田尻順さんで、犬伏亜里さんはその隣に座ります。曲目は、

1. J.シュトラウスⅡ:「こうもり」序曲
2. ジョルダーノ:「フェドーラ」第2幕間奏曲
3. ウェーバー:「オベロン」序曲
4. ヴォルフ=フェラーリ:「マドンナの宝石」第1間奏曲
5. スッペ:「詩人と農夫」序曲
6. フンパーディンク:「ヘンゼルとグレーテル」序曲
7. ビゼー:「カルメン」第3幕間奏曲
8. マスカーニ:「友人フリッツ」間奏曲
9. オッフェンバック:「天国と地獄」序曲

というものです。

幕開けは「こうもり」の序曲です。某FM番組の冒頭を思い出し、思わず「オペラアワー!」と叫んでしまいそうです(^o^)/ 飯森さんはカルロス・クライバーの「こうもり」をナマで聴いたのだそうで、演奏も印象深いのだとか。高橋あけみさんのファゴットのロングトーンから佐藤麻咲さんのオーボエへ受け渡すところが、実に良かった~。
2曲目:ジョルダーノの「フェドーラ」間奏曲。妻は映画かテレビ番組のなにかで聞いたことがある気がすると言っていましたが、後でよく考えたら、ラッセル・ワトソンのCDに入っていた「愛さずにはいられないこの思い」でした(^o^)/
3曲め「オベロン」序曲では、八木さんのホルンの深々とした響きに魅了され、4曲目の「マドンナの宝石」では、足立祥治さんのフルートと客演の小橋ちひろさんのハープの導入部から、オーケストラの響きに聴き惚れ、さらに最後のフルート・ソロの音色にまいりした。
4曲目:スッペの「詩人と農夫」。吹奏楽でなくて、オーケストラで聴くスッペの音楽は、弦楽セクションの役割と価値をあらためて意識します。チェロの独奏部を奏する小川和久さんは、詩人の役割を見事に演じます。後半部では、チューバの威力もホールいっぱいに響き渡るピッコロ(小松崎恭子さん)も加わって、迫力とワルツの舞踊性とに思わず体が動きます(^o^)/

ここで前半が終わり、15分の休憩です。

さて、後半は再び飯森さんの曲目解説からスタートです。
第6曲:エンゲルベルト・フンパーディンクの「ヘンゼルとグレーテル」から「前奏曲」。私たちの世代ですと、エンゲルベルト・フンパーディンクといえば「ラストワルツ」や「太陽は燃えている」を思い出しますが、それではなくて、バイロイトでワーグナーの助手をつとめたというドイツの作曲家のほう(^o^)/ 金管楽器群の響きが、いかにもドイツの森を思わせるようないい音です。
第7曲:カルメン前奏曲。ハープが分散和音を奏する中でフルートが透んだ響きを聴かせ、弦のトップが加わったアンサンブルがさらに弦楽セクションへと移って行きます。斎藤真美さんのイングリッシュホルンが、とてもいい味を出していました。
第8曲:「友人フリッツ」間奏曲。劇的な開始です。暗鬱な音楽が続きますが、最後は明るく解決します。
第9曲:オッフェンバックの「天国と地獄」序曲。最初の充実した音が、まさに爆発的に響きます。クラリネットの川上さんが、低音から高音まで幅広い音域で素晴らしい響きを聴かせ、続くオーボエも素晴らしい。ハープの音をバックに、チェロの小川さんがまた見せ場(聴かせどころ)を作り、ファゴットのリズミカルな音も楽しいものです。曲調が変わり、コンサートマスターの田尻さんのソロなど、それぞれの持ち味をいっぱいに発揮して、それをオーケストラが包み込むように三拍子で音楽を表現していきます。終わりの方、トライアングルに導かれてフレンチカンカンが始まると、気分は「文明堂のカステラで嬉し楽しいおやつの時間」です(^o^)/

聴衆の入りは、最前列の左右が若干空いており、満席とはいきませんでしたが、けっこう埋まっているようです。お客さんの暖かい拍手に、飯森さんが「今日はニューイヤーコンサートなので特別にアンコールをします」ということで、始まったのが「ラデツキー行進曲」。もうおなじみになった拍手いりで、最後には巨大クラッカーが銀色のテープをうちだしてホールを舞い、皆さん大喜びです。この瞬間を写真にしたものが、山形新聞に掲載されておりました。



帰路、「とん八」で平田牧場三元豚のトンカツを食べて、満腹して帰りました。まったく雪のない道路に、こんな冬も珍しいね、と話していたのを冬将軍が聞きつけたのか、夜に降り出した雪で、今朝は例年どおりの雪降りとなっています。



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こんどの通勤の音楽は

2014年01月18日 06時01分16秒 | クラシック音楽
冬の渋滞路の楽しみは、カーステレオで音楽を聴くことです。先週までの通勤の音楽は、山形弦楽四重奏団の第50回定期演奏会にあわせて、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第13番、変ロ長調Op.130を選んでおりました。さて、こんどは何にしようか。いろいろ考えた末に、と言いたいところですが、実は何も考えずに、たんなる気分で、エルガーの「エニグマ変奏曲」に決定(^o^)/
しだいに日が長くなる冬の早朝から、厳しい寒さを感じながら、エルガーのオーケストラ音楽を聴いております。

幸いに、本日は山形交響楽団の第234回定期演奏会(*)。「珠玉のオペラ序曲・間奏曲集~」と題して、山響ニューイヤーコンサートの予定。16時から、妻と山形テルサホールにて。

(*):コンサート情報・山形交響楽団~2014年1月

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家電量販店等で購入したものは

2014年01月17日 06時01分53秒 | 散歩・外出・旅行
過日、電球や乾電池等の補充のために、家電量販店に行きました。LED電球や各種乾電池のほか、ミニコンポ用のMDと、USBメモリとSDカードなどを購入しました。今やシリコンディスク時代で、媒体はSDカード等に移行してしまっているのでしょう。MDは棚中にわずか三個のみで、今や風前の灯といった風情です。隣に並んでいたのが2HDのフロッピーディスクとC46のカセットテープというのですから、位置づけがわかります(^o^)/

そういえば、フロッピーディスクを処分したのは2007年頃(*1)でした。いまだにフロッピーを使っている方がいるんだなあと感慨にふけりましたが、同じように、MDを購入する私を見ていまだにMDを使っているんだなあと感慨にふける方もいるのでしょう(^o^)/

USBメモリも、32MBを皮切りに、256MBから1GB そして今回の16GBへと、短期間にみるみる容量アップ(*2)してきています。16GBもあれば、軽量OSに環境一式を仕込んで持参し、自宅と同じ環境で作業をすることも可能になっています。キーボード必須の私ですが、共用PCが使えるところなら、わざわざノートパソコンを持参する必要もなくなってきたのかも。いやはや、すごい時代になって来ています。

(*1):USBメモリ置忘れ防止策~「電網郊外散歩道」2007年6月
(*2):USBメモリについて~「電網郊外散歩道」2009年1月
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