電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩。時々は実際に散歩を楽しみます。

山形弦楽四重奏団第61回定期演奏会でハイドン、シューベルト、モーツァルトを聴く

2016年10月31日 06時01分30秒 | -室内楽
10月最後の日曜日の夜、山形弦楽四重奏団の第61回定期演奏会を聴きました。日が短くなり、16時を過ぎると薄暗くなります。良い席を確保しようと早めに家を出て、軽く食事をしてから文翔館議場ホールに到着しました。入り口には、開場前に熱心なお客さんが列を作って並んでおりました。今回は曲目がモーツァルトの晩年の名曲「クラリネット五重奏曲」を含むプログラムで、山響首席クラリネット奏者の川上一道さんが加わります。さらに、先の山響定期のロビーコンサートで山形弦楽四重奏団として演奏し、定期演奏会の宣伝をしたのも効果的にはたらいて、お客さんを惹きつけたものと思われます。

プレコンサートは、小松崎恭子(Fl)、田中知子(Vla)の2人による二重奏で、モーツァルトの「魔笛」の中から、パパゲーノや夜の女王のアリアなどを取り上げたものです。曲名や編曲者は不明。
続いて川上一道さんが登場、クラリネットのソロで、スイスの作曲家ズーターマイスターの「カプリッチョ」を演奏します。現代の音楽ですが、けっこう楽しい。それにしても、見事な演奏ですね~。

開演前のお話は、ヴィオラの倉田譲さんです。川上さんは、今回はふつうのA管のクラリネットではなくて、バセットクラリネットを使用するとのことです。普通のクラリネットは、最低音がミの音までだそうですが、バセットクラリネットはだいぶ管の長さが長いので、ドの音まで出せるために、モーツァルトが楽譜に書いたとおりに演奏できる、とのことでした。楽器の種類の多様性は、演奏家でも驚くほどあるのだそうですが、結局は作曲家が使ってくれないとすたれてしまうのだそうです。モーツァルトは、晩年にシュタットラーという名演奏家と出会い、クラリネット五重奏曲を書いたのは有名な話だけれど、実はバセットクラリネットのための曲だった、ということなのでしょう。

本日の曲目は、

  1. F.J.ハイドン 弦楽四重奏曲 イ長調 Op.55-1
  2. F.シューベルト 弦楽四重奏曲第4番 ハ長調 D.46
  3. W.A.モーツァルト クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581(Cl:川上一道)

というものです。

最初の曲は、ハイドンの弦楽四重奏曲、Op.55-1 というのは、第二トスト四重奏曲という曲集の最初の曲らしい。基本的には軽やかな明るい曲想で、いかにもハイドンらしいです。1st-Vnの中島さんが一生懸命に奏いてるのに他の3人は楽しく合わせているという風情で、第1ヴァイオリン主導型という当時のスタイルがしのばれる雰囲気です。これは何度も聴けるように、CDがほしいです。

二曲目は、シューベルトの弦楽四重奏曲第4番。第1楽章:アダージョ。チェロから始まり、ヴィオラが加わり、次に第2ヴァイオリン、最後に第1ヴァイオリンという具合に次々に加わって、四人の楽しいアンサンブルを聴かせる、という始まり方です。第2楽章:アンダンテ・コン・モト、第3楽章:メヌエット、アレグロ、第4楽章:フィナーレ、アレグロ。家庭音楽という範疇に入るのでしょうが、シューベルトらしい、親しみ深い音楽でした。

ここで15分の休憩があり、最後の曲目は、お待ちかねのモーツァルト「クラリネット五重奏曲」です。この曲は、LPやCDでは充分に親しんだつもりの音楽ですが、実は実演では初めて聴くのかもしれない。クラリネットとバセットクラリネットの音色の違いについては、以前、N響アワーでザビーネ・マイヤーがモーツァルトの「クラリネット協奏曲」を演奏した時に、たしかバセットクラリネットを使っていたはずですし、山響定期でも何度かお目見得しています。ですから、全く初体験というわけでもありませんが、これだけ間近で、しかも「クラ五」で聴けるというのはうれしい限りです。

第1楽章:アレグロ。フワッとやさしい弦の響きで始まり、クラリネットが加わって活発になってきます。ソナタ形式で書かれているようで、主題が様々に形を変え、変奏される様子が、良いですね~。チェロの合いの手がぴったりで、気持ちが良いです。
第2楽章:ラルゲット、三部形式。そっと優しく、弱音器を付けたヴァイオリンの音が、なんともチャーミング。ああ、なるほど、あんなふうにして弱音器を付けて、こんなふうに音色が変わるんだ~と興味津々です。それに加えて、明るく陽気な高音から、深く沈み込むような低音まで、表情と音色を変えるクラリネットが実に魅力的です。
第3楽章:二つのトリオ部を持つメヌエット。クラリネットの高音とヴァイオリンとのやりとりに注意が向きがちですが、バセット・クラリネットの低音と、チェロやヴィオラとの応答の親和性も注目です。とくに、トリオ部での迫力あるボウーッという最低音から上昇する高音まで、音色の変化がいかにもバセットクラリネットらしい。
第4楽章:フィナーレ、アレグロ。飛び跳ねるように意識して活気あるリズムとしているらしいヴァイオリンの表現や、ヴィオラの嘆きの表情もすばらしい。アレグロのコーダまで、実に名曲らしい充実感、モーツァルトが考えた通りの音の手応えを感じる時間でした。

アンコールは、武満の編曲によるチャイコフスキー「秋の歌」というクラリネット五重奏の曲です。ストルツマンと東京カルテットのために書かれた曲だそうで、実にいい雰囲気で、ステキな音楽を知ることができました!



いつもよりも聴衆の人数がぐっと多いと感じます。今回は、ほとんど空席がないくらいで、たぶん百人を超えていたかもしれません。おそるべし、モーツァルト「クラ5」の人気!

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再び「カ・クリエ」というノートについて

2016年10月30日 06時03分04秒 | 手帳文具書斎
プラス(株)から出ている「カ・クリエ」というノートについて、何度か記事にしました。最初は、「へぇ~、こんなノートがありました」という購入記事(*1)。発売元の売り文句をもとに、持ち運びのしやすさに関心を寄せていますが、万年筆等のインク裏抜けテストを実施したら不満の残る結果で、これは万年筆ユーザー向きではなく、ボールペン派には良かろうという結論でした。次に、少し使った後の感想を記事にしました(*2)。それは、変形サイズの形なのですぐに目につき、身のまわりに置いて思いついたメモを書きとめるのに適していること、意外に持ち運びはしていないこと、などの内容でした。



では、また何だって再び同じテーマで記事にするのか? それは、ノートという、昔からあるもの、型や形がすっかり固定化された日用品のレベルのものに、新しい工夫が可能だということを示した、という点に触れていなかったことに気づいたためです。



ユニボール・シグノRT1(0.5mm)ブルーブラックをリングに引っ掛けて専用の筆記具としながら、現在の残り枚数は10枚、けっこう使っています。使うほどに、なるほど、このサイズはお手頃だと感じます。また、上下に分かれたダブルリングで、中央部にはリングがないため、筆記の邪魔になることが少ないという工夫もあります。思った以上に、便利なのです。



もしかすると、万年筆で書きたいという要望が一定の無視できない数で寄せられたのでしょうか、紙質の良い新製品も発表されているとのこと。何冊もたまった場合に、書棚に収納する際のスペース効率は良いとは思えませんが、これで縁切りとはならないで、万年筆でも使える新「カ・クリエ」を探しているところです。



さて、本日は夕刻から山形弦楽四重奏団の第61回定期演奏会に出かけます。秋の短い日中には、たまった仕事を効率よく片付け、すっきり出かけることといたしましょう。んー、うまくできるかな~?(^o^;)>poripori

(*1):「カ・クリエ」というノートについて~「電網郊外散歩道」2013年11月
(*2):「カ・クリエ」というノートを使ってみて~「電網郊外散歩道」2015年10月
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注文していたデスクトップPCが届いたけれど

2016年10月29日 06時02分52秒 | 季節と行事
先に注文していたデスクトップ・パソコン、ヒューレット・パッカード(hp)社の Pavilion 550-240jp/CT という製品が届きました。ただし、この週末は本日も土曜出勤の予定ですし、日曜は雪囲いの準備やら農機具の水抜き・冬越し支度やら、公私ともにしなければいけないことが山積みの状態です。とてもとても、開梱してOSを追加導入している余裕はありませんので、新Linux-PCのお目見えはもう少し先に延びそうです。あっ、思い出した! そろそろ柿の収穫もしなければいけないんだった! 週末農業経営者も、まだまだ自覚が足りません(^o^;)>



そんな中でも、10月30日(日)夜の山形弦楽四重奏団(*1)の第61回定期演奏会が迫ってきています。時間の都合に関する私的な優先順位は、新しいPCよりも演奏会のほうが、どうしても先に来ます。どうやら、ブログのお友達も来県予定とのこと、そちらも楽しみです。

第61回定期演奏会 16年10月30日(日)18時30分(開場17時45分)
プレコンサート18時〜:アンサンブルAOBA(Fl:小松崎恭子・Va:田中知子)
文翔館議場ホール
・W.A.モーツァルト クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581(Cl:川上一道)
・F.シューベルト 弦楽四重奏曲第4番 ハ長調 D.46
・F.J.ハイドン 弦楽四重奏曲 イ長調 Op.55-1 

川上さんとのモーツァルト「クラリネット五重奏曲」は、庄内ではすでに演奏済みのようですが、当方は初めて。念願の曲目でもあります。シューベルトの初期のカルテット、ハイドンのロシア四重奏曲?第二トスト四重奏曲のほうは、たぶん初めて耳にする曲目だと思います。楽しみです。

(*1):山形弦楽四重奏団ブログ

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熊谷達也『潮の音、空の青、海の詩』を読む

2016年10月28日 06時01分21秒 | 読書
2015年の7月にNHK出版から刊行された単行本で、熊谷達也著『潮の音、空の青、海の詩』を読みました。表紙の青い色にひかれて手にしたのでしたが、石巻市の大川小学校の悲劇に関する判決のニュースを聞きながらの読書でした。

2011年3月11日に、仙台市の予備校に講師として働いていた川島聡太は、突然、激しい揺れに見舞われます。このあたりの描写は、山脈をひとつ越えてはいるけれど、まさに私自身が経験した東日本大震災でした。その後の街の様子、停電や通信・物流の途絶なども、まったくそのとおり。でも、作者は川島聡太という青年の経歴を描きながら、津波と火災とによって壊滅した故郷の町とのつながりをあらわにしていきます。

中間部には、近未来の架空の町、高々とそびえる防潮堤に囲まれて海の見えない町に育つ管理された子どもたちの生活を置き、震災からの復興の方向性に作家の想像力で異議を唱えているようです。

そして再び現代に戻り、聡太の同級生たちが町の復興にアイデアをしぼりながら、不幸な境遇にある同級生の母子を救わんとする努力を描きます。なるほど、この子どもが、あの未来のエピソードにつながっていくのですね。



作家の想像力と技巧とで組み立てられた物語は、ストンと腑に落ちるというよりも、知的なフィルターや操作を経て納得するというタイプの作品になっていると感じます。読後感はわりに良かったけれど、あの震災の生々しいリアリティは、一作だけでは描ききれないものなのかもしれません。

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佐伯一麦「Nさんの机で~ものをめぐる文学的自叙伝」で「オーディオ(2)」を読む

2016年10月27日 06時02分54秒 | Weblog
地元紙「山形新聞」に連載されている佐伯一麦「Nさんの机で~ものをめぐる文学的自叙伝」で「オーディオ(2)」を読みました。今回は、小学生の頃に父親が購入した真空管式のステレオの話。ビクターのロゴの付いたキャビネットに、AM/FMチューナー、レコードプレーヤー、アンプ、左右にスピーカーが納まるというものだそうです。このステレオで再生していたのが、井沢八郎の「北海の満月」や、洋画「道」のジェルソミーナのテーマというのです。



この頃は、たぶん私は田んぼや野原を駆け回っていたほうで、真空管式のアンサンブルタイプのステレオなどにはご縁がありません。でも、後半に出てくる記憶、

中学校の音楽の授業で部分だけを聴かされたスメタナの「モルダウ」やベートーヴェンの交響曲「田園」といった曲を全曲聴いてみたいと思い(後略)

あたりは、うんうん、そうそう、と思わず頷いてしまいました(^o^)/
「モルダウ」と「田園」がカップリングされたクラシックのLPレコードを初めて買ってきたのが、フルトベングラー指揮のものだった、という点については、ステレオ録音でないというだけの理由で選択しなかった私とはだいぶ違いますが(^o^;)>poripori

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Linux用パソコンとしてhpのPavilion550-240jp/CTを注文する

2016年10月26日 06時05分05秒 | コンピュータ
夏頃から、熱暴走のような症状でマウスからもキーボードからも指示を受け付けなくなることがたまにありましたが、つい先日、ずいぶん涼しくなっているのに、また発症しました。購入後8年と2ヶ月、この間、ハードディスクは一度更新していますので、おそらくメインボードの損傷と考え、更新を決断しました。

決断したら早いほうが良い。すぐにネットで調べてみたら、hp の旧モデル処分で、Pavilion550-240jp/CT という型番の製品です。現用のものも、同系統のものですので、おそらくは似たような使い勝手であろうと予想できます。

  • Windows 10 Home (64bit)
  • インテル® Core™ i3-6100 プロセッサー
  • メモリ8GB (8GB×1)
  • インテル® HD グラフィックス(プロセッサー内蔵)
  • 500GB HDD
  • DVD スーパーマルチ ドライブ
  • ワイヤレス日本語 (109A) キーボード (コンパクトタイプ) & ワイヤレス光学マウス
  • 1年間保証(引き取り修理サービス、パーツ保証)、使い方サポート(1年間)
    ¥45,800(税抜)~

これにメモリを8GB追加して計16GBとし、さっそく注文しました。送料税込みで6万円くらいでした。外観は、こんな感じです。



この週末には届く見通しとのこと。このへんの早さも、DELL ではなく hp を選ぶ理由の一つです。

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近頃、買い物が減っている…と思ったら

2016年10月25日 06時01分32秒 | 散歩・外出・旅行
最近、買物が減っていると感じます。いえ、車の更新とか母屋のリフォームとか、大口の支出は続いたのですが、お小遣いの範囲で、ちょいとお買い物、という機会が減ったような気がします。備忘録のメモを見ても、音楽CDや書籍などの購入記録がずいぶん少なくなっています。

これは、仕事の面で忙しくなったりショップの衰退もあったりして、のんびり買い物を楽しむような機会が減ったためという理由もあるでしょうが、それ以上に物欲が減少しているという面もあります。日本経済に貢献するなどという大それた意識はないけれど、地域経済に貢献する必要性は感じます。不要なモノは処分し、生活を簡素で豊かにできるものは購入するようにしたいものだと思います。当面の第一購入希望は、山響モーツァルト定期を収録したCD全集でしょうか。待ち遠しい限りです。

と思ったら、愛用の Linux-PC で再生していた音楽が、溝が壊れたレコードみたいに同じ箇所でループし始めました。マウス・カーソルも全く動きません。あれれ、やっぱり熱暴走じゃなかった(*1)んだ! そろそろボードが寿命なのかも…

というわけで、Linux 用の新しい デスクトップPC を注文してしまいました(^o^;)>poripori

(*1):珍しいことがあるものだ~熱暴走か寿命か~「電網郊外散歩道」2016年8月


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高校の仲良し同窓会に出かけ、山形弦楽四重奏団の定期演奏会のチケットを購入する

2016年10月24日 06時02分05秒 | 散歩・外出・旅行
この週末に、いつものメンバーで、高校時代の仲良し同窓会が開かれました。今回は女性の同級生も複数参加して、近況報告も賑やかです。今回の幹事は山形市内在住の人たちで、恩師も一人お元気に参加していただき、楽しく盛り上がりました。なんと、来年春の会の幹事だけでなく、期日も会場(天童市内の割烹)も決まり、あっという間に電話で予約まで済ませてしまうという早業です。



この日は、少し早めに出かけましたので、富岡楽器店で山形弦楽四重奏団の定期演奏会のチケットを購入すると共に、音楽CDを物色して二枚ほど購入して来ました。ハイドンのピアノソナタ集で、スヴャトスラフ・リヒテルのピアノ演奏です。まだ封を切っていませんが、機会をみて通勤の音楽に採用してみましょう(^o^)/
また、八文字屋本店で文庫本の棚を眺めていたら、ずっと探していたデイヴィッド・ボダニス著『電気革命~モールス、ファラデー、チューリング』(新潮文庫)を発見。やっぱり、他では目にしないタイトルでも、本店にはあるのですね。

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10月のリンゴ「紅将軍」を収穫する

2016年10月23日 06時12分15秒 | 週末農業
今年は摘果と適時防除ができずに、虫食いだらけとなって失敗してしまった9月のリンゴ「つがる」でしたが、もう一種類、10月のリンゴ「紅将軍」があります。こちらの方は、あわてて散布したボルドー液がきいたようで、虫食いも発生せず、なんとか収穫の時期をむかえました。ただし、亡父が選んで植えたのは大木になりにくい矮性の台木の苗だったらしく、今でも私の背丈ほどの高さの樹ですので、収穫量はごく少なくコンテナに半分ほどしかありません。



それでも、自家用には充分な収量です。また、「紅将軍」という品種は「ふじ」の早生種というような位置づけのようで、たいへんみずみずしい味です。ずっと草刈りをサボっていましたので、草刈りで足場を作るところから始めなければなりませんでしたが、朝仕事でなんとか終了。まずは一段落で、ほっとしているところです。



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ヒンデミット「ウェーバーの主題による交響的変容」を聴く

2016年10月22日 06時05分05秒 | -オーケストラ
和歌の世界には「本歌取り」というものがある、ということを習いました。例えば、『古今集』にあるプレイボーイの詠み人知らずの歌:

きみををきて あだし心を わが持たば 末の松山 浪も越えなむ
(あなたをさしおいて、もし私が浮気心を持ったなら、末の松山を波が越えてしまうでしょうよ)

に対して、その下の句を取り、百人一首の清原元輔が

契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 浪越さじとは
(誓ったよね、涙に濡れた袖を絞りながら、末の松山を波が越すことはないように、二人の思いも変わることはない、って)

と突っ込むようなものです。



音楽の世界にも、「○○の主題による変奏曲」というのがたくさんあり、元の主題が人気があったり有名だったりすると、変奏曲のほうも親しまれ有名になるという傾向があるようです。

ヒンデミットの「ウェーバーの主題による交響的変容」は、昔はぜんぜん主題に馴染みがなく、残念ながら「馬の耳に念仏」の状態でしたが、近年になって(*1)四手のために編曲されたピアノ曲としてウェーバーの序曲集を聴き、その中の「トゥーランドット」の音楽のユーモラスなリズムと旋律に接するようになってから、印象は一変しました。

ちょうど、『古今集』の本歌がわかって清原元輔のツッコミが理解できると面白さが格段に増すように、ウェーバーの「トゥーランドット」になじんだ後にはヒンデミットの「交響的変容」の第2曲を手がかりに、他の3曲も実に楽しく聴けるようになります。ビッグバンド・ジャズ風なテイストも感じられたり、パーカッションの活躍も楽しかったり、耳にするときの反応が段違いに良好です(^o^)/

第1楽章:アレグロ
第2楽章:「トゥーランドット、スケルツォ」、モデラート、活発に
第3楽章:アンダンティーノ
第4楽章:マーチ

前の東京オリンピックの年、日付変更線の向こう側ではありますが、1964年の10月10日にクリーヴランドのセヴェランス・ホールで録音されたもので、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の絶好調時の見事な演奏を堪能できます。そろそろパブリック・ドメインになっているのかもしれないけれど、参考までに CDはSONYの SRCR-2559 です。

■ヒンデミット「ウェーバーの主題による交響的変容」、Szell/CLO
I=3'57" II=7'05" III=4'00" IV=4'24" total=19'26"

(*1):ウェーバー「序曲集~四手のためのピアノ編曲」を聴く~「電網郊外散歩道」2014年11月

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有名旅館に宿泊し、朝の定例更新できず

2016年10月21日 19時32分06秒 | 散歩・外出・旅行
仕事の関連で某有名旅館に宿泊してきました。昨晩は宴会でしたのでしかたがなかったのですが、部屋では無線LANが使えないそうで、ロビーでないとだめだそうです。残念ながら、朝の定例更新ができませんでした。

有名旅館らしくサービスは心がこもっており、設備も上等で料理も素晴らしかったのですが、私の生活スタイルにはもうブログの定例更新が組み込まれています。キーボードを有するパソコンとインターネット接続は欠かせません。その一点で、私の有名旅館の評価はビジネスホテルの下に来ることとなってしまいました(^o^)/



さて、明日は久々に少し離れた畑に行ってみなければ。草刈りもだいぶサボっていますし、どれほど荒れているかと、戦々恐々です(^o^;)>poripori

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恩は若い世代に返せ

2016年10月20日 06時06分54秒 | Weblog
年齢を重ねて、親や祖父母、あるいはかつての恩師や職場の先輩たちと同じような年代になったとき、かつて自分が受けた様々な配慮や好意、一言で言えば恩義に、充分に報いてこなかったことを痛感します。報いることもできたのに、そのことに気づかなかったのが、なんとも情けないことです。

でも、最近は妙に悟ってしまいました。自分が受けた親切や恩は、もしかしたら上の世代の人たちも同じ思いをして、下の世代に返そうとした結果なのかもしれません。上の世代に恩を返せないことを後悔するよりも、若い世代にそっと返すように心がければ良いのでは。たぶん、若い人たちには大きなお世話だと言われるでしょうが、彼らが気づかないことだってあるでしょうし、自分が後悔した分だけ、若い世代に返せば良いのではなかろうか。

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最近の燃費と通勤の音楽など

2016年10月19日 06時03分52秒 | 散歩・外出・旅行
エアコン不要で窓を開けて走るのが気持ちの良い季節です。今月の初めに給油する前のダッシュボードの写真は、先月の長距離移動の連続を反映して、すごい値になっていました。




わーお、これはすごい! 自分でもびっくりです(^o^)/



ただ今、通勤の音楽はヒンデミットとウォルトン。今まであまり聴いてこなかった曲だけに、たいへん新鮮かつおもしろい。USB メモリにはまだ入っていませんでしたので、CDで聴いています。ジョージ・セル指揮クリーヴランド管のファンの人なら「ああ、あれね」とすぐにわかるのかもしれません。当方のような素人音楽愛好家には馴染みのうすい人・曲・盤だと思いますが、さてセルはヒンデミットやウォルトンと親交があったのだろうか? 興味はつきません。

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今年も大学で非常勤講師をつとめています

2016年10月18日 06時03分48秒 | 季節と行事
今年も、某大学から依頼を受けて、非常勤で講師をつとめています。本業のほうでは、春に昇任していろいろ忙しくなりましたので、大学の方はできれば今年限りにできればいいなあと思っていますが、頼まれた以上はきちんとやりたい。学生さんには当方の内部事情などは関係ありませんので、なんとかお役目を果たしたいものだと願っています。

午後からの講義というか演習が終わる頃にはそろそろ日が沈む時分で、一人で大学の構内を歩くとき、45年も前の若い時代を思いだして、少しの悔恨と懐かしさに、感傷的な気分になります。たぶん、秋という季節のせいもあるのでしょう(^o^;)>

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山響第256回定期演奏会でモーツァルト、タミール、メンデルスゾーン、ベートーヴェンを聴く

2016年10月17日 06時03分21秒 | -オーケストラ
10月中旬の日曜日、山形交響楽団第256回定期演奏会の2日目の公演を聴きました。今回は、「新たなる地平を目指して~世界を席巻する名手・バボラークが誘う世界」と題し、ラデク・バボラークのホルン独奏と指揮で、

  1. モーツァルト/ホルン協奏曲 第3番 変ホ長調 K.447
  2. ナアマ・タミール/Spring Illusions(日本初演)
  3. メンデルスゾーン/無言歌集(パウル・アンゲラー編曲)
  4. ベートーヴェン/交響曲 第4番 変ロ長調 作品60
     10月16日(日)、15:00開演、山形テルサ・ホール

というプログラムです。

開演前のロビーコンサートは、山形弦楽四重奏団が、お得意の日本民謡から「さんさ時雨」「おてもやん」「会津磐梯山」の三曲を披露しました。親しみ深い音楽で、たいへん楽しみました。プログラムにも編曲者は明記されていないし、幸松肇さんが編曲したものでもなさそうで、もしかしたらメンバー自身による編曲かもしれません。

西濱事務局長が進行するプレコンサートトークは、ラデク・パボラークさんのドイツ語の通訳をソロ・コンサートマスターの高橋和貴さんがつとめます。パボラークさんと山形との関わりや、日本初演となる「スプリング・イリュージョン」の作曲家ナアマ・タミールさんとの接点など、興味深いお話でした。

一曲目は、モーツァルトの「ホルン協奏曲第3番」です。ステージには、向かって左から第1ヴァイオリン(8)、第2ヴァイオリン(7)、ヴィオラ(5)、チェロ(5)、右手奥にコントラバス(3)、中央奥にクラリネット(2)、ファゴット(2)が並びます。指揮台のないステージ中央にソリストが立ち、合図をしながら演奏するという形です。実に安定した音、伸びやかな音色、正確な音程とフレージング、あっけにとられるほどに、なんとも見事なホルンでした。素晴らしい!

続いて指揮台が登場し、楽器編成も変わります。弦楽五部の配置は変わらず、中央奥にFl(1)とOb(2)、その奥にFg(2)、左奥にTimp.とPerc.で右奥にHrn(2)が並びます。1984年にイスラエルに生まれた女性作曲家・ナアマ・タミールさんの2014年の作品、"Spring Illusions"です。
曲は、フルートによるかなり長めのソロで始まります。曲調としては、悲哀の中に美しさを感じさせるもので、一時の前衛的な不協和音を連ねるタイプの音楽ではありません。山響の弦楽アンサンブルの澄んだ音によく合っていると感じられ、かなり気に入りました。それと、ティンパニがダイナミックに活躍しますし、グロッケンシュピールやスネア・ドラム、スレイ・ベル、カスタネットにトライアングルといったパーカッションが効果的で、耳を楽しませる面もあります。いい曲です。

休憩後の第三曲目は、メンデルスゾーン「歌の翼に」。弦楽合奏と独奏ホルンによる演奏です。音楽に耳をすませながら、バボラークさんの立ち姿の見事さに感心しておりました。演奏に合わせていくら動いても、頭~臍~両足の三角形の重心が一直線で、立ち姿の軸がぶれません。妙な観察ですが、演奏の間ずっとあの安定感はすごいです。

最後の曲は、ベートーヴェンの交響曲第4番。楽器編成は、Fl(1), Ob(2), Cl(2), Fg(2), Hrn(2), Tp(2), Timp.,弦楽5部となります。ホルンとトランペットはナチュラル・タイプ、そしてバロック・ティンパニが使われます。
第1楽章:ゆっくりとした序奏部の後に、やわらかく優しい響きですが、でも切れの良い演奏が続きます。第2楽章:緩徐楽章を堪能していたら、途中で地震があったらしく、無粋な緊急地震速報だかエリアメールだかが入ってしまいました。幸い、演奏は途切れずに続きます。大した震度ではなかったので良かったけれど、演奏家の皆さんは、たぶん停電しない限り続けるんじゃないだろうかと思ってしまいました。第3楽章:中低音が充実した、ベートーヴェンらしい中身の詰まった音です。第4楽章:無窮動的な速いテンポで始まります。ファゴットのポコポコいう音がおもしろく、見事な弦楽アンサンブルの中でナチュラルタイプの管楽器やバロック・ティンパニがとけこみ、いい味を出していました。指揮のバボラークさん、とても自然で、立派なベートーヴェンでした。

終演後のファン交流会では、ホルンの独奏者としての活動と、今回のような指揮者としての活動との違いを聞かれて、近年はソリストとしての活動よりも、指揮者としての活動も含む依頼の方が好ましく感じる、と話していました。たぶん、独奏者として演奏会の一部に登場するよりも、演奏会の全部を仕切るほうがやりがいを感じるのではないかと思います。器楽奏者であるとともに、音楽家だということなのでしょう。なんとなく、分かるような気がします。よほどの才能がないと難しいことだろうとも思いますが(^o^;)>

ファン交流会で感じたこと:今回は、膝小僧の抜けたジーンズをはいた子とか、やけに中高生が多いなあ。たぶん、吹奏楽部でホルンを吹いている子たちだね!
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