電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

今年の主な出来事と記録から〜2021(令和3)年はこんな年だった

2021年12月31日 06時00分45秒 | 季節と行事
今年、2021(令和3)年は、要するにどんな年だったのだろう。客観的に記録から拾ってみました。

  • 1月 暮れの大雪で自宅裏のサクランボ果樹園が壊滅的被害、山響定期演奏会
  • 2月 冬の雪道通勤で助っ人とはいえフルタイム勤務は大変だと実感、山響定期演奏会
  • 3月 フルタイム勤務から非常勤へ、倒木伐採処理、「コシ・ファン・トゥッテ」、山響定期演奏会
  • 4月 例年の農作業がようやく始まる、置賜探訪、山響定期、山Q定期演奏会
  • 5月 老母ワクチン接種、山響定期演奏会
  • 6月 ワクチン接種、サクランボ収穫は大雪被害で収量半減、山響定期演奏会
  • 7月 ワクチン接種、酒田探訪、Androidタブレット購入、無線LAN更新、山Q定期演奏会
  • 8月 PCリサイクルで一斉処分、桃収穫は好調、山響スペシャルサンクスコンサート
  • 9月 ピアノ調律、山響定期演奏会
  • 10月 二期会オペラ「魔笛」、山Q・山響定期演奏会
  • 11月 山響定期演奏会、冬タイヤ交換、冬支度
  • 12月 「ピアソラの軌跡」演奏会

ふむふむ、要するに昨年暮れの湿った大雪で大きな被害を受けた自宅裏のサクランボ果樹園の倒木処理にずいぶん手間がかかり、農作業は遅れ気味だったけれど、助っ人フルタイム勤務を非常勤にしてもらって時間的な余裕ができたのでなんとか助かった上期、ワクチン接種(ファイザー社)とPCリサイクルやAndroidタブレット購入・無線LAN更新などを行った中期、オペラ、オーケストラ演奏会、室内楽演奏会と音楽三昧しながら農作業を終えて冬支度をした下期、といったところでしょうか。

演奏会は、オーケストラが10回、オペラが2回、室内楽がピアソラを含めて4回、計16回でした。印象的だったのは、やはり「魔笛」、辻彩奈さん(Vn)によるプロコフィエフの2番とシベリウスの協奏曲、ブリテン「ディバージョンズ」、鈴木秀美さんの「ジュピター」交響曲、広上淳一さんのサッリネンやシベリウスの5番、三輪郁さん(Pf)のシューマンの協奏曲、飯森さんのブルックナー、阪さんのベートーヴェン、ブラームスなどでしょうか。特筆すべきはやっぱり辻彩奈さんの年間2回の出演!これに尽きます!

映画は1本だけ、「ONODA〜一万夜を越えて」のみでした。連続テレビ小説「おちょやん」の終盤を観ましたが、これがなかなか面白かった。また、藤沢周平原作の連続時代劇「立花登青春手控え2」を見ることができ、これは良かった。

読書は、香月美夜『本好きの下剋上』シリーズや高田郁『みをつくし料理帖』シリーズの再読を含めて読了は年間60冊ちょうどでした。昨年よりもだいぶ減少しましたが、おそらくは農作業、とくに倒木処理で時間と体力を取られてしまったことと、内容のあるノンフィクションをノートを取りながらじっくり読んだケースが多かったこと、また Android タブレットで PDF ファイルを読む機会が増えたためでしょう。その中でも特に印象的かつ有益だったのは、

有坪民雄『誰も農業を知らない』(原書房)
永田和宏『タンパク質の一生』(岩波新書)
審良静男・黒崎知博『新しい免疫入門』(ブルーバックス)
吉村昭『雪の花』(新潮文庫)
深水黎一郎『詩人の恋』(角川書店)
中尾佐助『料理の起源』(NHKブックス)
増田ユリヤ『世界を救うMRNAワクチンの開発者カタリン・カリコ』(ポプラ新書)
高橋義夫『さむらい道(上下)』(中央公論新社)

です。特に、自然免疫及び適応(獲得)免疫の仕組みについて、NHK高校講座を併用しながら最近の知見をじっくり読んだ『新しい免疫入門』が良かった。抗原を取り込んだ樹状細胞がリンパ節内で抗原提示を行い、キラーT細胞が活性化して感染細胞を攻撃したりヘルパーT細胞がマクロファージの食作用を活性化する細胞性免疫や、抗原提示を経たB細胞がヘルパーT細胞により活性化されて形質細胞に変化し、抗体を産生するようになる体液性免疫のしくみ、それぞれが記憶細胞となって免疫記憶をリンパ節に保存するしくみ、あるいは自分の細胞を攻撃しない免疫寛容の重要性など、50年前に生化学専攻だった私の学生時代の常識をはるかに越える内容を現代の高校生が学んでいるという事実に、思わず時代の進歩を感じました。

これを踏まえて、興味津々で受けたワクチン接種は、「副反応、いやだなあ」ではなく「副反応、免疫が活発に機能し始めたな」と受け止めることができました。おそらく、3回目の接種ではさらに免疫機能が高まるため、リンパ節が腫れたり熱を持ったりすることがあるのだろうと思います。ワクチンというのは、いわば「軽く病気にかかったような状態にすることで重症化を防ぐ」のが目的ですので、接種後はきちんと休む段取りを取っておくことが大事、ということでしょうか。

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今年、残りわずかなものと増えていくもの

2021年12月30日 06時01分06秒 | 手帳文具書斎
今年も残すところあと二日となりました。今年の残り時間もあとわずか。そういえば、今年、残り僅かになったものがあります。

  • ダイアリー 昨年は自作のダイアリーを使いましたが、今年はコクヨのB6判キャンパス・ダイアリーを使いました。ほぼ毎日、1日4行の記録を残し、今日と明日を残すばかりです。書き終えれば、今までの分と一緒に書棚に並びます。
  • 料理メモ・ノート 今使っているのは2冊めで、コクヨのA5判ソフトリングノートです。この12月にも「ベーコンと野菜のポトフ」「白菜と豆腐と豚肉のとろみ煮」などを書きとめ、まだ実際に作ってみました。「とろみ煮」のほうは老母も食べやすかったらしく、「これは好みだ」と好評でした。このノートの使い始めは2019年11月からですから、もう2年を過ぎて、頁の残り枚数が13枚となっています。ほんとにあと残り僅かです。

小さなダイアリーを眺めて、残り僅かなものを惜しみ感傷的になりがちな年の瀬ですが、逆に増えていくものもあるはず。まあ、この年になれば、後悔ばかりが増えていくということもなく、うまくいったこともうまくいかなかったこともひっくるめて、それなりによくやったなあと思います。増えていくのは自分自身の時間の蓄積、でしょうか。



料理メモ・ノートのページ数が残り少なくなったということは、確実に料理の知識と技術、経験が蓄積されたことはたしかです。始めの頃は、妻がなにか言いたそうに周りにうろうろしていたものですが、最近は完全に丸投げされています(^o^)/ 夫の料理経験の蓄積が増えたということは、大小あれこれの要求水準が高まるという面もあるようですが、病気や怪我など、いざという時の安心感が増すということでもあります。

明日のことはわからない人の身ではあっても、行く年も来る年も結局は同じ時間。残り僅かなものを惜しみつつ、得たもの、増えたものをひそかに喜びたいものです。

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この年末年始の注目番組は

2021年12月29日 06時00分12秒 | 映画TVドラマ
ふだん、テレビを見る時間はごく少なく、朝夕のニュースや昼の料理番組くらいですが、年末年始は農作業もありませんし、非常勤の仕事もありません。読書やパソコン三昧にも飽きて、どれテレビでも見ようかとなることは確実です。では、年末年始の特別番組はどんなものがあるのだろうか。例年、元日付の新聞にテレビラジオ番組特集が入ってきますので、それで確認することが多いのですが、実は今から楽しみにしているものがちょっとだけありまして。

  • 1月1日(土) 19:00〜22:00 ウィーンフィル・ニューイヤー・コンサート 2022年はダニエル・バレンボイムが指揮するのだそうな。今年も無観客でテレビ中継する形になるのか、それともちゃんと聴衆を入れて演奏するのか。オミクロン株の感染状況も懸念材料で、聴衆のマスク普及率がひと目でわかるのも興味深いところ。ワクチン接種で早々にマスク不要を宣言した国・地域は再感染が広がっているため、たぶんマスク義務付けて聴衆を入れて開催するものと予想。もちろんブラヴォー禁止、あたりかな。
  • 1月3日(月) 19:00〜21:00 ニューイヤー・オペラコンサート(*1) Eテレ, BS1, NHK-FM 毎年恒例の新春番組ですが、今年は阪哲朗さん(*2)が登場します。阪さんは現在は山形交響楽団の常任指揮者ですが、これまでスイスのベルン市にあるビール市立歌劇場を振り出しに、ブランデンブルグ歌劇場専属第一指揮者(1997~98年)、ベルリン・コーミッシェ・オーパー専属指揮者(1998~02年)、アイゼナハ歌劇場(ドイツ・テューリンゲン州)音楽総監督(2005~09年)、レーゲンスブルク歌劇場(ドイツ・バイエルン州)音楽総監督(2009~17年)を歴任しています。いわば、最も得意とする分野かも。どんなコンサートになるか楽しみです。司会に壇ふみさんが登場するのも期待大です。

あとは、昔の懐かしい映画とか良質な番組の再放送とか、この機会でないとなかなか接することができないものも少なくないものです。私には珍しく、テレビっ子、いや、テレビ爺さんになりそうです。まあ、放送局の人たちもお正月くらいは順番に休めるといいなあと思いますからね〜(^o^)/

写真は、季節は春、だいぶ昔に撮影した水仙です。殺風景な雪景色では少々色彩感に乏しいので、時期外れとは思いながら、あえて採用(^o^)/

(*1): NHKニューイヤーオペラコンサート〜NHK番組紹介ページ
(*2): 阪哲朗さんのプロフィール〜オフィシャルサイトから

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『大学で学ぶ 東北の歴史』を読み始める

2021年12月28日 06時02分08秒 | -ノンフィクション
吉川弘文館から2020年に刊行された単行本で、『大学で学ぶ東北の歴史』を読み始めました。東北学院大学文学部歴史学科編で、「日本史を東北から見るとどのような姿になるのか」「旧石器時代から東日本大震災まで」「中高生〜大人まで 東北学院熱血講義」などの帯のコピーに興味をひかれたものです。本書の構成は次のとおり。

プロローグ
Ⅰ 原始・古代
01.2つの人類のグレート・ジャーニーと日本列島 ─旧石器時代─
 人類アフリカ起源説とアジアへの広がり/新人アフリカ起源説とアジアへの広がり/日本列島への人類の到達/ナイフ形石器文化と地域性/細石刃文化と地域性
02.1.3 万年間の盛衰を乗り越えた縄文人 ─縄文時代─
 縄文時代初期の環境と文化の大変革/縄文人の食生活の大変革/縄文人の衣服と装身具/縄文人の住居と集落/縄文人の墓と祭祀/縄文時代の地域性/縄文人の交易/縄文人の対外交流/縄文時代の繁栄と限界/われわれに残る縄文人のDNA
03.東北弥生社会の成立と変遷 ─東北弥生社会の特徴とは何か
 日本列島の弥生時代の始まり/金属器を用いた祭祀/土地を巡る争いの発生と戦争/邪馬台国論争/東北弥生社会の成立事情/西の弥生文化と東北の弥生文化/東北弥生社会を襲った大地震と大津波/東北弥生社会の特徴
コラム1日本の塩神―塩土老翁神―
04.ヤマト政権の成立と東北古墳時代 ─北縁の古墳時代社会─
 初期ヤマト政権の成立/王権拡大と地方豪族/新来技術の受容と社会変化/古墳の変質と新たな王者の姿/東北古墳時代研究の始まり/古墳時代社会の成立と南北境界/東北の前期古墳/古墳時代社会の変動/律令時代への胎動
05.飛鳥の朝廷と東北
 ヤマト政権の転換と「エミシ」観念の成立/「エミシ」成立期の東北社会/大化改新と東北/城柵の出現/7世紀後半の倭国と東北/東アジア世界と「蝦夷」
06.律令国家と東北
 養老4年のエミシの反乱と多賀城の創建/出羽国の建国と出羽柵の北進/8世紀の城柵とエミシ・柵戸/天平産金/陸奥城柵の北進と軋轢/三十八年戦争のはじまりと伊治公呰麻呂の乱/桓武朝の「征夷」と胆沢エミシ
コラム2東北地方と北アジア世界
07.古代国家の転換と東北
 「征夷」の終焉とエミシ社会/陸奥奥郡の騒乱とエミシ系豪族/元慶の乱と北奥社会の変化/地方支配制度の転換と奥羽/安倍・清原氏の出現とその背景/安倍・清原氏から奥州藤原氏へ
Ⅱ 中世
01.平泉藤原氏の繁栄 ─院政時代─
 平泉藤原氏の登場/中尊寺の造営/都市平泉の発展/北方世界との結びつき/平泉藤原氏の主従制/平泉藤原氏と平氏政権
02.奥州合戦と鎌倉幕府の支配体制 ─鎌倉時代─
 奥州合戦と平泉藤原氏の滅亡/鎌倉幕府による奥羽両国の掌握/鎌倉幕府御家人制の地域的展開/東夷成敗権と北条氏所領の拡大
コラム3日本人初のエルサレム巡礼者と東北のキリシタン
03.武士団の展開と建武政権・室町幕府 ─南北朝・室町時代─
 鎌倉幕府の倒壊と建武政権の成立/北畠顕家の政権/室町幕府の多賀国府掌握と南北朝の動乱/室町幕府の支配体制と地域社会の形成
04.戦国争乱と東北社会
 東北の戦国時代の始まり/南奥羽の戦国大名・国衆/北奥羽の戦国大名・国衆/戦国大名の領国支配/戦国時代の東北の地域社会
コラム4日本地震学会とイギリス人の地震観
05.中世東北の城
 中世の城とは/南北朝・室町時代の東北の城/戦国時代の東北の城/群郭式城郭
Ⅲ 近世
01.東北近世史の幕開け
 信長・秀吉と東北/奥羽仕置と奥羽再仕置/北の関ヶ原/元和偃武と東北諸藩
02.中近世移行期の東北の城
 織豊系城郭の誕生/東北の織豊系城郭/近世城郭・城下町の整備/一国一城令以後の東北
03.藩政の展開
 大名配置の確定/地方知行制の採用/藩政確立期までの動向/中期藩政改革の展開/産育と養老をめぐる施策
04.人・モノ・文化の交流
 街道と水運/紅花の商業ネットワーク/遊学による都市文化の受容/庶民の金毘羅・伊勢参詣
コラム5イザベラ・バードの日本探検 129
05.災害と備え
 大規模飢饉の発生/飢饉のさまざまな要因/天明の飢饉の経緯/「御救山」と貯穀制度/海岸災害と防災林の造成
06.奥羽地域と「蝦夷島(現北海道)」
 「蝦夷島」に成立した日本最北の藩・松前藩の性格/松前藩と米/「松前藩」の後方支援を担わされた奥羽の有力諸藩/幕府の「蝦夷地」再直轄と奥羽4 藩の「松前・蝦夷地」警備/奥羽6 藩への「蝦夷地」の分領と新たな「蝦夷地」警備体制
07.松前交易における日本海海運の発展過程
 初期海運の性格/荷所船の活躍/北前船の台頭と発展
08.戊辰戦争と東北
 倒幕と戊辰内乱/奥羽鎮撫使の派遣/奥羽越列藩同盟の成立/同盟の亀裂/戦火にまみれる東北/戦後処理
コラム6足もとの中国―秋田の石敢当― 161
Ⅳ 近代・現代
01.明治政府の東北政策
 近代東北の創設/東北開発と資源収奪/点と線の開発と水稲単作地帯化
02.東北振興会と東北振興調査会
 東北振興会の設立と顛末/農山漁村経済更正運動と東北振興調査会の官設/東北興業株式会社と東北振興電力株式会社
03.地域・軍隊・学校
 師団制度の確立/日清・日露戦争/満州事変/地域と軍隊/学校教練の開始/総力戦体制下の軍隊と学校/太平洋戦争と東北の兵士たち/学徒出陣の開始
04.東北地方と満洲移民
 石原莞爾と板垣征四郎/移民を唱えた山形県出身者/東北地方から移民が送られた理由/満洲移民政策の実施と東北地方/災害と移民者ネットワーク/引揚者の受け入れ/満洲移民事業とは何だったのか
05.大津波災害・農村恐慌からの復興
 大津波災害の常習地域/明治三陸地震による津波からの復興/昭和三陸地震による津波からの復興/産業における創造的復興/昭和恐慌からの復興
コラム7イギリスの帝国と日本の帝国
06.近代に生まれた民俗行事
 チャグチャグ馬コとは?/現在の行事内容/蒼前参りは原形か?/蒼前参りの盛大化とその背景を考える/馬産の斜陽とチャグチャグ馬コの誕生/戦後の展開と地域の象徴、観光資源化へ/チャグチャグ馬コの歴史的展開から見えるもの
07.東北の観光開発と生活文化
 新中間層の形成と娯楽/東北の観光開発と鉄道/土産物・名物の誕生と趣味の世界/東北イメージと出版文化/版画に描かれた東北
08.戦後復興から高度成長へ
 電気事業再編成と特定地域総合開発/東北開発三法の制定とその顛末
09.原子力発電所と東日本大震災
 東電福島原発の誘致に向けて/東電福島原発の建設
10.離島にみる地域振興と観光化
 東電福島原発の建設高度経済成長と農山漁村の衰退/時代に翻弄される離島/離島の観光開発/東日本大震災と三陸の復興
11.東日本大震災の被災地における民俗行事の「復活」とは何だったのか?
 震災前における被災地の暮らしの特質/震災による被害の状況と避難生活/仮設住宅の完成と暮らしの再構築に向けて/復興支援事業による混乱/春祈禱の「復活」
コラム8情報との向き合い方―より深い学習のために―
特論
東日本大震災と東電福島第一原発事故


よりによって大雪の時期に歴史学の教科書か、とも思いますが、逆に言えば除雪に明け暮れる時期だからこそ、暖かい部屋でぬくぬくと読書三昧というのは望ましい姿です。それに、例えば縄文時代において「関東地方南西部の竪穴住居跡数の変動」というグラフの解説が興味深いものがあるように、読んでいる各時代において、いくつかの疑問が解消されています。



  • 「4200年前に発生した寒冷化によるクリ栽培などの植物質食料の不作・欠乏」(p.16)が原因と推定
  • 「中期末〜後期の東北では、イノシシ形土器製品や底にクマを弓矢で狩猟する様子を描いた狩猟紋土器が突然現れた。これは食料における動物質材料への依存度が後期に高まったことを暗示している。」

などの記述は、今までの縄文時代への理解をより具体的にするものです。火山の大規模噴火等により世界的な日照不足と寒冷化が生じ、それが縄文人の生活を脅かし、竪穴住居の数が激減する=人口を支えることができない時期が到来する、そんなイメージでしょうか。

引き続き後の章を読んでおります。受験勉強とは無関係な、大人になってからの日本史通史の講義、たいへん興味深いです。

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今季最初の大きな寒波が到来

2021年12月27日 06時00分32秒 | 季節と行事
いわゆるクリスマス寒波の到来で、一面が真っ白な世界になっております。昨日も朝から除雪機(*1)を動かし、我が家の敷地内を除雪するだけでなく、向こう三軒両隣まで道路の路肩部分を除雪しました。早朝4時頃にグレーダー(大型除雪機)が置いていった雪がごっそりとありますので、7時前にこれを片付けて路肩のグリーンベルトが見えるようにしておくと、集団で登校する小学生にも足元のあぶない高齢の歩行者にも、またすれ違う車にも都合が良いのです。前年の豪雪に負けて2001年に除雪機を購入して以来20年、もうずっとこの習慣が続いているので、ご近所にも協力してくれる人が増えました。この冬からは、向かいの家の息子さんも除雪機を動かして自家の隣まで除雪してあげているようです。誰も何も言わないのに、こういう田舎の自発的な協力関係はいいなあ!



ところで、除雪機の使い方にもコツがあります。まず、水を流しているような濡れた雪、湿った雪は苦手で、投雪筒がつまってしまい、進まなくなってしまいます。粉雪のような乾いた雪は得意で、どんどん吹き飛ばします。ですから、散水融雪方式との併用は不可で、スノーダンプで除雪していた人が高齢化等で除雪機に切り替えるケースが多いようです。また、使用後の後始末も大切で、排雪に関連する箇所に付着した雪をできるだけ落とし、ハンドルができるだけ高くなるような姿勢・位置で保管します。できれば日光が当たる場所だとなおよし。こうすると、雪が夜の間に凍結してメカが作動しないというトラブルを避けることができます。

(*1): 今年はずいぶん活躍した〜除雪機の保管と管理〜「電網郊外散歩道」2012年3月

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久々に給油をしたら5,000円では足りなかった〜マイカー現況

2021年12月26日 06時01分21秒 | 散歩外出ドライブ
ようやく年賀状を書き終えて、元日配達の締切日だった25日に郵便局のポストに投函して来ました。ついでに、愛車デミオ・ディーゼルXDの燃料計が示す残量がごく少なくなっていましたので、ガソリンスタンドで給油をしてきました。今回は、744km を走行して 38.0L の経由軽油を給油し、燃料消費率は19.6km/L と、冬タイヤにはきかえた時期としてはまずまずの値になっています。このくらいなら支払額も 5,000円あれば充分だろうと思ったら、なんと 5,278円とのこと。単純計算すると、単価は 139円くらいでしょうか。ゴールド会員で割引がきいてこの額ですから、今の燃料代の高騰が納得できます。ガソリン車の時代だったら、燃料消費率が 16.0km/L としても、たぶん@165円/L×46.0L=7,590円 くらいはかかったことでしょう。うわー、長距離通勤をしている人は大変だ。月に 2,400km の走行距離だと、1ヶ月に 25,000円ほどかかる計算になります。家計とお小遣いに対する影響は甚大です(^o^)/ ディーゼル車の恩恵はこんなときに強く感じられます。

そうは言っても、すでに退職してときどき通勤するだけの非常勤の身分ですので、実際にはそれほどの影響はありません。給油も月に1回か2ヶ月に1回くらいと、いたってのんびりしたものです。新年になると、車検が待っています。すでに 80,000km を超えて、3回目の車検です。その際に、ありがた迷惑なドライブレコーダー(*1)は外してもらう予定。また、春には夏タイヤの更新が必要です。さすがに8万kmを越えた走行距離ですので、夏タイヤはスリップサインが出ているようです。丈夫なディーゼル車とは言え、デミオ君も少しずつ更新の箇所が増えてくるでしょう。できるだけ丁寧に乗って、できれば以前のパルサー・ディーゼルのように 20万km の大台を越えるまで…いやいや、今の年間走行距離ではあと20年はかかる計算になります。ふーむ、そうするとこれが最終の車になるのかなあ。それはそれで、いいかもしれません。大事に乗りましょう。

(*1): ドライブレコーダーのお説教が鬱陶しい〜「電網郊外散歩道」2021年6月

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演奏会と咳

2021年12月25日 06時00分47秒 | Weblog
クラシック音楽の演奏会で特徴的なのは、演奏が始まる前の集中力を感じさせる静けさと、楽章間の、一斉に起こる「エヘン、オホン」という咳払いです。これが大都市部で、しかも演奏中に咳き込んだりしたら大変です。周囲から白い目で見られるだけでなく、コロナ禍の昨今などは「この野郎、なんで来たんだ!」と言わんばかりの鋭さで睨まれかねません。うっかりすると終演後につかみあいの喧嘩になったりして(^o^)/ さすがに山形の聴衆の皆さんはもう少し寛容で、「しょうがないなあ」くらいの感じで受け止めているように思いますが、咳き込むのは歓迎されないことは間違いないでしょう。

近ごろは、風邪を引いたら無理に職場に出なくてもよい、いや、出てはいけない、というように変わりつつある昨今、もちろん演奏会も無理して出かけることはありません。山響の定期演奏会でも、これまで何度か風邪で欠席したことがありますから、その点では大丈夫です。ところが、困ったことに風邪でなくても咳が出ることがあるのです。例えば喘息。

ぜんそくの背景にはアレルギーがありますので、花粉だとかホコリだとか、あるいはちょっとした室温や湿度の変化で咳が出ることがあります。ホールの温度が上がってエアコンが入った直後などは危険です。ピアニシモの一番いいところで咳が出そうになるのを、顔を真っ赤にして我慢しているのはちょっとかなりツラい。演奏・音楽からは意識が離れざるを得ません。ハンカチで音量を下げてこっそり咳払いをして喉にからまるタンを出してしまえば、スッキリして何食わぬ顔して音楽・演奏に意識を戻せます。

そんな咳を防ぐために、ふだんの喘息治療のほかにいろいろな対策をとっていますが、まず「のど飴」「トローチ」などを持参し口に含んでいること。気温や湿度の変化はマスクでかなり緩和できます。あとは水分補給でしょうか。健康な呼吸器系をお持ちの方々には想像もできないかもしれませんが、喘息持ちの演奏会通いというのは、けっこう気を使うのです(^o^)/



で、演奏する側の立場から、こんな交響曲「咳」が作られたのだそうな(^o^)/

the coughsymphony (by loriot - the best german comedian!!!)


うーむ、誇張された笑いの中にも、心がえぐられてズキッと痛む面があるような気がするぞ(^o^)/

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孫たちへのクリスマス・プレゼントは幸いに好評で

2021年12月24日 06時00分10秒 | 季節と行事
先ごろ、孫たちへのクリスマス・プレゼントに、パイロットの自動繰り出し式シャープペンシル S30 を色違いで送りましたが、同封した三菱の 2B芯とともに、幸いに喜んでもらえたらしく、過日LINE で画像が送られてきました。



やっぱり中高生らしく、ちゃんと勉強に使っているみたい(^o^)/
地理?の「モルワイデ図法」なんて、すっかり忘れていました。要するに、あの楕円形のやつ?
できれば、すっかり使い込んで木軸が経年変化で色変わりするほど愛用してくれればいいなあと願っております。

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古いFM-fanに見るタンゴなどラテン音楽の番組から

2021年12月23日 06時00分51秒 | Weblog
先日の「ピアソラの軌跡〜生誕100周年記念コンサート」の記事中で、アストラ・ピアソラについて、

アストル・ピアソラといえば、アルゼンチン・タンゴの革命児とよばれ、1970年ころのNHK-FMで放送されていたラテン音楽の番組では、非常に尊敬され別格に扱われていたというのが最も古い記憶です。

と書きましたが、そういえば古いFM-fanには NHK-FM の主な番組内容が掲載されており、ラテン音楽の時間が何曜日の何時ころだったかを調べることができるはず、と思いつきました。で、書棚から1971年のNo.20(9/27〜10/10)号と1981年のNo.16(7/20〜8/2)号を引っ張り出してみると、


  • 1971年 9月27日(月) 夜20:10〜22:00 ステレオコンサート「ラテン・タイム」 リクエスト特集 DJ: 谷川越二

  • 1971年 10月4日(月) 夜20:10〜22:00 ステレオコンサート「ラテン・タイム」 第1部「アルゼンチン・タンゴ名曲事典Lの部」、第2部「スペシャル・コーナー」 DJ: 大岩祥浩

  • 1981年 7月26日(日) 10:00〜10:40 世界のメロディ 第1部「中南米の旅」〜愛と平和を歌う11通の手紙〜 ミュージック・レポーター: 竹村淳

  • 1981年 8月2日(日) 10:00〜10:40 世界のメロディ 第1部「中南米の旅」〜サルサとレゲエとベッカーと〜 DJ: 竹村淳

となっています。1970年頃は、たしかに夜のゴールデンタイムにラテン音楽で2時間近い番組が組まれていたことがわかりますし、1981年には日曜の午前中に移動し、40分番組に縮小されています。第2部が「アメリカの旅」でカントリー・ミュージックを取り上げていますので、一応は北米にも中南米にも同等に目を配ったという姿勢を示したのでしょうか。

ちなみに、1971年9月27日のステレオコンサート「ラテン・タイム」でリクエストされている主な演奏家を調べてみると、ザビア・クガート楽団、イーディ・ゴーメ、ワンダ・ジ・サー、セルジオ・メンデスとブラジル'66、エドムンド・ロス楽団、ロス・トレス・ディアマンテス、ぺぺ・ビージャのマリアッチ・ハリスコ、ウーゴ・ブランコ、ロス・インカス、ロス・インディオス・コン・パパーチョ、アタウアルパ・ユパンキ、ワルド・デ・ロス・リオス楽団、ラモン・マルケス楽団、などとなっています。おぼろげな記憶ですが、この中ではアタウアルパ・ユパンキがフォルクローレの旗手としてやはり別格の扱いを受けていたように思います。当時はラテン音楽の地位が今よりももっと高かったのか、それとも私が知らないだけで、底流では今もひそかなブームになっているのでしょうか。



YouTube より、アストル・ピアソラ「プンタ・デル・エステ組曲」
PIAZZOLLA, Astor. "Suite Punta del Este" (1982) #piazzolla


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「ピアソラの軌跡〜生誕100周年記念コンサート」を聴く

2021年12月22日 07時03分28秒 | -オーケストラ
今年も10日を残すばかりとなった21日の夜、山形テルサホールで「ピアソラの軌跡〜生誕100周年記念コンサート」を聴きました。アストル・ピアソラといえば、アルゼンチン・タンゴの革命児とよばれ、1970年ころのNHK-FMで放送されていたラテン音楽の番組では、非常に尊敬され別格に扱われていたというのが最も古い記憶です。その後、1990年代あたりだったでしょうか、例えばヴァイオリニストのギドン・クレーメルがピアソラの曲を取り上げたアルバムを作るなどブームを呼び、現代?クラシック?音楽の作曲家としても認識するようになりました。今回は、そんなピアソラの生誕百周年を記念してのコンサートで、どちらかというとマニアックな音楽ファンが集まったような印象です。

本日のプログラムは、次のとおり。

  1. 「タンゴの歴史」よりカフェ1930
  2. 「タンゴの歴史」よりナイトクラブ1960
  3. アヴェ・マリア
  4. リベルタンゴ
  5. アディオス・ノニーノ
  6. ギターとバンドネオンと弦楽合奏のための二重協奏曲
  7. プンタ・デル・エステ組曲

ステージ左側にギターの徳永真一郎さん、右側にバンドネオンの渡辺公章さんが座り、「タンゴの歴史」から2曲をギターとバンドネオンのデュオで演奏します。席数800程度の山形テルサホールはよく響くホールであるとはいえ、さすがにギターの音はマイクで拾って拡声していますが、ごく自然なものでクラシックギターの音が快く響きます。そしてバンドネオンをナマで聴くのは文翔館でヴィヴァルディの「四季」とピアソラの「ブエノスアイレスの四季」を交互に演奏した演奏会(*1)以来です。手風琴と言ったら良いのか、独特の音色、息の長い響きが魅力的です。ギターの徳永さんは、プログラムにあった吉田修さんが急病のため急に代役を頼まれての出演だそうですが、ほんとに素晴らしいギター演奏でした。
演奏の後で、渡辺さんのトークでギタリストの紹介がありました。
続いて「アヴェ・マリア」と「リベルタンゴ」。「リベルタンゴ」はスペイン語で自由を意味する「リベルタ」と「タンゴ」を組み合わせたピアソラの造語だそうで、「自由なタンゴ」という意味でしょうか。「リベルタンゴ」はおなじみですが「アヴェ・マリア」は初めて。これも良かった。
ここでギターの徳永さんが退き、再び渡辺さんが話します。作曲家ピアソラの紹介で、ニューヨークで生まれ、ジャズの影響を受けながら父親から買ってもらったバンドネオンに親しみ、やがて父の故郷アルゼンチンに渡りアルゼンチン・タンゴの演奏に従事します。クラシックの作曲家を志し、奨学金を得て30代でパリに留学。今年が百周年ですから生誕は1921年でしょうから、30歳と言えば1951年ころ、まさに私が生まれるあたりがパリ留学の時期というわけです。そこで師事したナディア・ブーランジェに、クラシックを目指した作品は凡庸だけれど、タンゴをベースにした作品は評価され「あなたはタンゴをやるべきだ」と言われてタンゴの革命の道に進んだ、ということでした。
前半の最後は、バンドネオンの独奏で「アディオス・ノニーノ」。プログラムの曲目解説によれば、「遠い外国で父親の訃報に接したピアソラが父のために一晩で書き上げた曲」だそうで、ピアソラは毎回この曲をプログラムに加えたのだそうな。ノニーノとは父親の愛称だそうで、俗っぽく言えば「さよなら、父ちゃん!」でしょう。若いときは父親に反発しても、父親の恩を感じる心は年齢と共に深まるばかり、といったところでしょうか。

ここで15分の休憩です。

後半のプラグラムは、ギターとバンドネオンに弦楽合奏が加わります。中央にギターとバンドネオン、その後方中央に指揮者、これを囲むように、左から第1ヴァイオリン(4)、第2ヴァイオリン(3)、ヴィオラ(2)、チェロ(2)、コントバラス(1)と、4-3-2-2-1 の弦楽5部です。「ギターとバンドネオンと弦楽合奏のための二重協奏曲 "リエージュに捧ぐ" 」は、第1楽章:イントロダクション、ギターから始まります。いい音色、素晴らしいソロです。バンドネオンが入ってくると、独奏楽器どうしが二重奏を演じ、再びギターのソロとなった後にバンドネオンと弦楽合奏が入ってきます。ときにギター協奏曲ふうに、ときにバンドネオン協奏曲ふうに、そして二重協奏曲に。やはり独特の響きです。第2楽章:ミロンガ。ミロンガというのはアルゼンチンの4分の2拍子の舞曲だそうですが、バンドネオンで始まり、リズミカルに、かつアクティヴに。弦楽はお休みで、バンドネオンとギターの二重奏で終わるかなと思ったら、第2楽章と第3楽章「タンゴ』は切れ目なく演奏されたようで、再び弦楽合奏と一緒に反復するリズムに。これは面白い。

本日のプログラム最後は、弦楽5部に木管楽器〜Fl,Ob,Cl,Fg:(各1)〜が加わり、バンドネオンとオーケストラによる「プンタ・デル・エステ組曲」です。ウルグァイ東部のリゾート地の名前を取った組曲は、バンドネオン協奏曲みたいな音楽です。第1楽章:イントロダクション、これは木管楽器が加わったことによる響きですね。金管が入ると、バンドネオンの特徴が打ち消されてしまうのかも。第2楽章:コラール。バンドネオンのソロがいいなあ。ファゴット、クラリネット〜と木管が交代していくとバンドネオンと響き合う。弦楽が加わり、優しい音色を響かせます。コンサートマスターのヤンネ舘野さんの甘美なヴァイオリンとバンドネオンの二重奏もいいなあ! 下降音型で終止かと思ったら、再びバンドネオンとチェロとコントラバスとファゴットという低音楽器の組み合わせの響きも魅力的です。第3楽章:フーガ。バンドネオンから始まり、これにコンサートマスターのVnに2nd-Vnのトップが加わり三重奏に、さらにオーケストラがぜんぶ加わって速いテンポでアクティブに。うーん、満足。

聴衆の拍手に応えて、アンコールは「Oblivion(忘却)」でした。これもいい曲ですね〜。久々にバンドネオンとクラシックギターのナマの音に接し、ピアソラの音楽を堪能し、特別オーケストラのメンバー中に山響の団員の皆さんのお名前を見て喜び、長身の若い指揮者、松井慶太さんの名前を覚えて、新型コロナウィルス禍の2021年の演奏会通いもこれで「締め」かなと感慨にふけりながら雪道ドライブで帰りました。

(*1): 文翔館でヴィヴァルディ&ピアソラの「四季」を聴く〜「電網郊外散歩道」2018年7月

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サブスクリプション・サービスと老後の生活

2021年12月21日 06時00分17秒 | Weblog
オーケストラの定期演奏会は、英語ではサブスクリプション・コンサートと言うそうです。サブスクリプションとは予約の意味だそうで、あらかじめ一定期間(例えば一年間)の演奏会を予約する形で費用を前払いし、チケットを受け取ります。毎回チケットを購入する労力・手間を考えると、たいへん有り難い便利なシステムです。

また、インターネット接続を提供するプロバイダとの契約も、パソコン通信時代の従量制から定額制へと移行し、クレジットカードで毎月経費が引き落とされる形で、もう20年以上になります。これも、その都度支払うよりも空気のように利用できるのがありがたいという点で、会員制サービスに似た性格のものと感じます。

ところが、多数のサブスクリプション・サービスを便利に使うようになると、困った問題が発生します。定年退職など身辺の条件が大きく変化するときに、加入するサブスクリプション・サービスを見直しておかないと、収入は先細りなのに支出はザル同様で制限なく出続けることになりかねません。一般に、こうしたサービスは入会は簡単だけれど申し出がなければ毎年自動的に継続され、しかも退会は面倒でわかりにくいものが多いと感じられます。特にオンラインで手続きをした場合、すでにIDやパスワードなど忘れていることも少なくないでしょう。やめようと思ってもやめられず、ズルズルと継続しがちなのではないかと思います。

やはり、退職等の機会に、こうした自動継続・自動引き落とし型のサブスクリプション・サービスを思い切って見直したほうが良いように感じます。老後の生活は、色々の会員であることを誇るよりも、少数の、必須のものにしぼる方向で考えたほうが良いように感じます。私の場合、ライフラインや農協の組合員費を除いて必須のものというと、インターネット・プロバイダ契約、山形交響楽団の定期会員、gooブログ有料プラン、などでしょうか。クレジットカードの会員制付帯サービスは退会済ですし、大学の同窓会費は定年退職前にまとめ払いで永年会員になっております。あと、忘れているものはないかなあ。

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本当の冬が来た

2021年12月20日 06時00分46秒 | 季節と行事
金曜の夜から一晩じゅう強風が吹き荒れ、風雪模様の天候となったのを皮切りに、土曜・日曜と降り続いた雪で、我が家でもとうとう除雪機が出動しました。写真は土曜の朝のものですが、これくらいだとまだ除雪しなくても車は出られます。除雪機用のガソリンが心もとないので、出られるうちにと、20Lの携行缶を持って軽トラックで農協のガソリンスタンドに向かい、ついでに可燃ゴミの袋を荷台に積んで搬出。12月の湿った雪道なので滑りやすく、軽トラックのコントロールに神経を使います。ガソリンスタンドで軽トラックに給油し、携行缶にも満タンにしてもらうと、雪の季節もなんとか安心できます。そうそう、ガソリンスタンドでは歳末謝恩サービスだったのか、鶏卵を半パック(6個)もらいました。やっぱり冬ごもりの季節だからなあ、冬眠中の熊のように、食料をたくさん備蓄しておく必要がありますからね〜(^o^)/

すでにだいぶ年季の入った除雪機は、試運転の際にしばらくエンジンをかけておき、古い燃料を使い切ってバッテリーも回復させてあります。今回の雪にも、なんとか一発始動できました。我が家の敷地内で投雪場所がいっぱいになるまではスコップの出番はありませんが、さて今年の積雪量はどのくらいになるのか、ラニーニャ現象と大雪の予想の報道もあり、暦の上だけでなくいよいよ本当の冬が来たという感じがします。

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開設17周年、当ブログの内容の簡単な自己紹介

2021年12月19日 06時00分55秒 | ブログ運営
このブログは、2004年の12月19日に始まりましたので、本日で17周年を迎えました。当初はそんなに長く続くことになるとは思いもよらず、カテゴリーもごく少ない数で始まりました。それが、幸いに読者を得て、コメントやトラックバック等による交流も始まり、文体も「だ・である」から「です・ます」調に変化しました。今も変わらず交流が続く方も多く、ありがたい限りです。最近は、新たに来訪いただく方も増えたようですので、当ブログのカテゴリー毎の簡単な自己紹介をいたします。

Weblog  以下の区分に当てはまりにくい雑感・随想
クラシック音楽 以下の区分からはみ出るクラシック音楽やオーディオ等の関連記事
- オーケストラ オーケストラ音楽のLP/CDや山形交響楽団の定期演奏会レポートなど
- 協奏曲    協奏曲のLP/CD等の感想や作曲当時の事情、演奏・録音の周辺
- 室内楽    室内楽曲のLP/CD等の感想や山形における室内楽演奏会レポートなど
- 独奏曲    独奏曲のLP/CD等の感想や作曲当時の事情、演奏・録音の周辺
- オペラ・声楽 歌劇や声楽曲のLP/CD等の感想や山形における演奏会レポートなど
読書   以下の区分からはみ出る本の感想・記録
- ノンフィクション ノンフィクション分野の本の感想・記録
- 外国文学   外国文学の読書記録や読後感。『モンテ・クリスト伯』14回連載など。
- 香月美夜   『本好きの下剋上』の読書レポート
- 佐伯泰英   『居眠り磐音江戸双紙』シリーズ、全51巻。
- 平岩弓枝   『御宿かわせみ』シリーズなど。更新停止。
- 藤沢周平   藤沢周平作品とその周辺にかかる本の読書記録、報道記事紹介など
- 宮城谷昌光  『太公望』『孟嘗君』『楽毅』など宮城谷昌光作品の読書記録
- 吉村昭    吉村昭作品とその周辺にかかる本の読書記録、報道記事紹介など
映画TVドラマ 映画やテレビドラマなどの視聴記録及び感想
コンピュータ パソコン、ネットワーク、情報化社会など日常生活の視点から
散歩・外出・旅行 買い物、散歩、見学、旅行、ドライブ、マイカー維持記録など。
アホ猫    昨年秋〜冬に21歳と20歳で亡くなるまでの母娘猫の日常生活と意見(^o^)/
週末農業・定年農業 亡父から受け継いだサクランボ果樹園の週末農業と退職後の定年農業の記録
料理・住まい 単身赴任時代の簡単料理や退職後に楽しむ家庭料理、住まいの維持管理等の記録
手帳文具書斎 手帳、ダイアリー、備忘録ノート、筆記具など、実際に使ってみての感想と記録
ブログ運営  当ブログの運営に関わる雑感や維持するためのいろいろな工夫など
季節と行事  季節の移り変わり、我が家や当地の諸行事など
健康     健康を維持するために気をつけていることや健康に関する知識など
歴史技術科学 実験実習室の歴史から見えるもの。現在中断しておりますが、再開の予定です。


筆者は山形県在住の好奇心旺盛な前期高齢者で、すでに退職しましたが仕事の話はなし、天下国家を論ずることもありません。サクランボ果樹園農業を中心に晴耕雨読・年中音楽をモットーに、いたって人畜無害な仙人生活を目指して毎日更新を続けております。よろしければ、引き続きご愛読ください。

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高橋義夫『さむらい道(下)』を読む

2021年12月18日 06時00分36秒 | 読書
中央公論新社刊の単行本で、高橋義夫著『さむらい道(下)』を読みました。後半の物語は、第9章「出羽の太守」から始まります。宿敵・白鳥十郎長久を討ち取りますが、正室の御所の方が出家を願い出たり、米沢の伊達家では妹・義姫が産んだ嫡男の政宗が家督を相続し、若さにまかせて暴走したり、庄内の情勢も不穏な動きがあるなど、まだまだ多難な展開です。

でも、名脇役として登場した鮭延城主秀綱は情があります。庄内攻めで勝利した最上義光の凱旋行列から外れて、鮭延秀綱は庄内での人質時代に親しんだ武藤家の鷹姫を探します。興野村で消息を聞きますが、姫君と女房どもはみな越後表に逃げのびたけれど、鷹姫は湯温海という湯治場で倒れ、湯宿で療治していると言います。

「や、無事であったか。ならばすぐにでも迎えに参ろう」
内記は首を横に振り、いかにも心苦しそうに、
「湯宿は遊女屋でござるよ」
といった。鷹姫たちは売られたのである。湯温海の遊女屋には、城から落ち延びた女房たちが遊女となっているという。
「拙者はその噂をきき、湯温海まで参りもうしたが、姫様にはあえませぬ。遊女はだれも前身を語らず。無理に探し出そうといたせば、舌をかんで死んでしまうと、土地の者がもうしております。あきらめなされ。行きだおれてお亡くなりになったと、あきらめなされ」
と内記が語る背後で、妻が袖で涙をぬぐった。 (p.143)

庄内征討に貢献した最上の鮭延城主が、凱旋行列を離れ、人質時代の領主の側室の娘〜おそらくは初恋の相手〜を尋ね探し回る。そしてそれを最上義光らは咎めない。こうした脇役を含めた魅力も、本書の味わいの一つでしょう。

それに反して、豊臣秀吉は「人たらし」などと人材登用の積極面を評価されることが多いけれど、作者は必ずしもそれに賛成しません。逆に、よりによって一番嫌がることをあえてしてくる性悪な面も描きます。合戦の場面よりも、徳川方と豊臣方の間にあって、最上義光が徳川方に味方することを選んだのは、奥州仕置の帰りに秀次に見初められた娘・駒姫を秀吉の命令で関白秀次に連座し斬死させられた恨みだけではなかったというあたりが、説得力があります。

また、戦国の物語で武将の勢力争いはまあ毎度のことですが、本書で注目したのは、最上義光が推進した最上川中流域の舟運の難所を開削する工事や、庄内平野をうるおす北楯大堰等の土木工事です。西回り航路に接続する最上川舟運の発展も、現代に通じる「米どころ庄内」の確立も、この最上義光の功績なくしてはありえません。山形の人が、最上義光を高く評価する所以でしょう。このあたりへの目配りがきちんと書かれているあたりに、ベテラン作者の重層的な視点を感じます。



越後の上杉をバックにした庄内の悪屋形・武藤義氏が倒されるところは、藤沢周平が初期短編の中で「残照十五里ケ原」として描いています(*1)。こちらは歴史小説で、最上義光の勢力が押し寄せてくる動きを、庄内側から描いています。山形側から本書を、庄内側からは藤沢周平「残照十五里ケ原」を、並行して読むとなるほどと興味深いものがあります。たしか、『無用の隠密』と改題されて、文庫化されていたのではなかったか。

(*1): 『藤沢周平未刊行初期短編』を読む〜「電網郊外散歩道」2007年4月

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老母95歳、新年の日記帳を求める

2021年12月17日 06時01分36秒 | 季節と行事
我が家の元気老母、昨日、満年齢で言えば94歳を過ぎました。数え年では95歳になります。胃がんと心臓手術を経て、足腰が弱って歩行器は手放せないものの、まだまだ元気です。先日、来年の日記帳がほしいとのことで、行きつけの書店に出かけました。



昨年の日記帳の表紙を預かり、これと同じものをとの要望で、髙橋書店の「No.11 中型横線当用新日記」を購入。



今までは「建築」がテーマだったようですが、今年は「彫刻」に変わったみたい。ミケランジェロでしょうか。ボールペンは太字のハッキリしたものを使わないと見えにくくなって来ているようですが、大きな字で毎日の日記を書くことにより、記憶力も維持されるみたいです。




誕生日は、妻のチラシ寿司と行きつけの洋菓子店に頼んだバースデーケーキとワインで祝いました。コロナ禍も当地ではさほど影響が大きくなく、家族がみな元気で穏やかな日々を送ることができるのは何よりありがたいことです。

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