電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩。時々は実際に散歩を楽しみます。

山形交響楽団第276回定期演奏会でリゲティ、フランセ、シューベルトを聴く

2019年04月22日 06時16分25秒 | -オーケストラ
花曇りとでもいうのか、太陽の姿は見えないけれど、わりに過ごしやすい気候となった日曜日は、早朝にモモの開花直前の防除を実施し、午前中には畑に夏ネギを植え、ハツカダイコン等の野菜を種まきしました。昼食後、一休みする間もなく山形市のテルサホールへ。この四月から、山形駅西側の駐車場事情が一段と厳しくなりましたので、最初から霞城セントラルの屋内駐車場へ入れることにしました。料金は高いけれど、確実に空いている可能性が一番高いので(^o^)/

今回のロビー・コンサートは、シューベルトの弦楽四重奏曲第14番ニ短調「死と乙女」第1楽章を、丸山倫代(1st-Vn)、黒瀬美(2nd-Vn)、井戸健治(Vla)、渡邊研多郎(Vc)の4人で。いいなあ。思わずぐいっと引きこまれます。聴衆から"Bravo!"の声がかかりました。西濱秀樹事務局長の記憶では、ロビー・コンサートでブラヴォーが飛んだのは初めてだそうです(^o^)/ ほんとに、できれば全曲を聴きたいところです。

続いて、ホールで西濱さんとポール・メイエさん、副指揮者の粟辻聡さんの三人によるプレトークがありました。西濱さんの質問に対し、粟辻さんが通訳してメイエさんが応えるという形で、山形の印象、山響と聴衆の印象、今回のプログラムの曲目について、またパリのノートルダム大聖堂の火災に対する募金活動について、等の内容でした。

さて、今回の曲目は:

  1. リゲティ/ルーマニア協奏曲
  2. フランセ/クラリネット協奏曲
  3. シューベルト/交響曲 第8番 ハ長調「ザ・グレート」D.944
    指揮・クラリネット:ポール・メイエ、山形交響楽団

というものです。

最初の曲目、ジェルジ・リゲティの「ルーマニア協奏曲」の楽器配置は、ステージ上左から第1ヴァイオリン(8)、第2ヴァイオリン(7)、チェロ(5)、ヴィオラ(5)、その右奥にコントラバス(3)の8-7-5-5-3の弦楽5部に、正面奥にフルート(2)、オーボエ(2)、その奥にクラリネット(2)、ファゴット(2)、最奥にトランペット(2)、木管の右手にホルン(2)、同左手にティンパニとパーカッションが位置する、というものです。
第1楽章:アンダンティーノ、1951年に書かれたとのことですが、当時の「現代音楽」の実験的風潮とは異なり、初めて聴く作品にもかかわらず懐かしさのある魅力的な響きとカッコイイ要素を持つもので、聴きやすい音楽と感じます。第2楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ、快活でリズミカルな音楽。小松﨑恭子さんがフルートからピッコロに持ち替え、ホールを貫く高音を聴かせたり、オーボエの斎藤真美さんがイングリッシュ・ホルンに持ち替えて民謡風の鄙びた響きを聴かせたり、あるいはまた場外でホルンの響きが聞こえたりと、実におもしろい。第3楽章:アダージョ・マ・ノン・トロッポ、趣のある緩徐楽章。第4楽章:モルト・ヴィヴァーチェ〜プレスト。弱音器を付けたトランペットから始まります。途中、弦のピツィカートに乗って速くリズミカルな動きを示しますが、ジプシー音楽のフィドルみたいな感じです。終わり方もカッコイイ。リゲティの「ルーマニア協奏曲」。うん、いい曲を知りました。

2曲めは、フランスの新古典主義の作曲家、フランセのクラリネット協奏曲。この曲は、Wikipediaの「フランセ」の項によれば、1968年に作曲されたものらしいです。ふーむ、当方とはまったく同時代、FM放送等を通じてクラシック音楽に親しむようになった、まさにその頃の作品なのですね。楽器編成は、8-7-5-5-3の弦楽5部、正面にクラリネット・ソロのメイエさんが木管楽器群に接近して立ち、その奥にFl(2)-Ob(2)、Cl(2)-Fg(2)、ぐっと離れて最奥部にTp(1)、木管の右脇にHrn(2)、左側奥にTimpとPerc、というものです。この曲もまた当方初めての体験。もちろん、指揮者無しでこの曲が演奏されるのも、おそらく世界初だそうです。メイエさんだからできることであると同時に、山響の感応力の賜物でもあるのでしょう。
第1楽章:アレグロ。新古典主義というから、もっと取り澄ましたような音楽かと思ったら、なんとも洒落た味わいを持つ活気ある音楽です。カデンツァは技巧的にも音楽的にも見事なものと感じました。第2楽章:スケルツァンド。軽快、ユーモラスな音楽です。FlからClへ等々、柔らかい音色で掛け合いの妙があります。第3楽章:アンダンティーノ。ソロ・クラリネットで始まります。柔らかく、しっとりとした音楽です。弦楽に少数の木管楽器が加わることで得られる透明感。Clが最弱音で終わります。第4楽章:再び快活、活発な音楽です。

ここで15分の休憩です。いつもですと、ロビーでコーヒーなんぞをいただきながら、知人と挨拶したりするところですが、今回は農作業でくたびれて、しばしうたた寝をしました。で、しっかり目を覚まし、後半のシューベルトへ。

3曲めは、シューベルトの交響曲第8番ハ長調「ザ・グレート」です。メイエさんはここでも指揮棒なしで臨みます。楽器編成は、8-7-5-5-3の弦楽5部にFl(2)-Ob(2)-Cl(2)-Fg(2)、Hrn(2)-Tp(2)-Tb(3)、Timpというものですが、うちHrn、Tpがナチュラルタイプ、Timpがバロック・ティンパニで、作曲当時の時代を参考にしています。
第1楽章:アンダンテ〜アレグロ・マ・ノン・トロッポ。第2楽章:アンダンテ・コン・モト。第3楽章:スケルツォ、アレグロ・ヴィヴァーチェ。第4楽章:フィナーレ、アレグロ・ヴィヴァーチェ。
何度も聴いているおなじみの曲ですが、あまり急がず、遅すぎないテンポで、自然な呼吸で聴くことができます。実にいい雰囲気です。メイエさんは背が高いので、奏者のところがよく見えるのでしょう。オリジナル楽器を取り入れた音のバランスの良さは格別で、現代楽器が突出することもなく、特に第4楽章のインテンポをきっちりと運ぶところが「マイ基準」ですので、実に満足。

演奏の後、ファン交流会が開かれ、メイエさんは山響の前向きさや聴衆の集中力の高さが印象的だったと語ります。また、高校生らしい若い人たちが多く参加しており、おそらくは吹奏楽部で活動している部員の人たちなのでしょう。これもメイエさん効果でしょうか。全国的にクラシック演奏会の聴衆の高齢化が話題になって久しいはずですが、当地山形では、山響の地道な活動の成果もあり、老若男女がまんべんなく来場しているところが素晴らしいと思います。ミーハー結構、それでいいのだ(^o^)/

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モーツァルト「交響曲第30番ニ長調」を聴く

2019年03月26日 06時01分05秒 | -オーケストラ
このところ、通勤の音楽として繰り返し聴いていたのが、モーツァルトの交響曲第30番ニ長調、K.202(186b) です。飯森範親指揮、山形交響楽団による「モーツァルト交響曲全集」よりNo.9のCDで、2014年2月のモーツァルト全曲演奏定期演奏会(*1)の際にデジタル録音されたものです。



添付リーフレット中の、萩谷由喜子さんによる解説によれば、作曲された年代は1774年5月5日、ザルツブルグで完成とありますので、イタリア旅行で吸収した様々な音楽的成果を持ちながら、コロレド大司教との軋轢に悩まされる18歳頃の作品とみられます。同年に作曲された第29番とともに、いわゆる「ギャラント・スタイル」の、優美で美しい音楽となっています。自らの才能と技量に自信を持ち、皇帝をはじめ高位の人々の賞賛を得た自負を自覚する18歳の青年の、自由な音楽活動への熱望は、まだ軽快優美なギャラント・スタイルの影に隠れて、顕在化してはいない模様。

第1楽章:モルト・アレグロ、ニ長調、3/4拍子。
第2楽章:アンダンティーノ・コン・モト、イ長調、2/4拍子。弦のみで奏される緩徐楽章。
第3楽章:メヌエット、ニ長調、3/4拍子。
第4楽章:プレスト、ニ長調、3/4拍子。

楽器編成は、本来は Ob(2),Hrn(2),Tp(2)に弦五部 となっていますが、実際は9-8-6-5-3の弦楽のうち、チェロにFg(1)が加わり、低域の増強と弾むようなリズムのキレを高める効果を狙ったようです。その効果はたしかに現れており、純度の高い響きに快活なリズムが快いものです。

飯森+山響の演奏は、ノン・ヴィヴラートの古楽奏法やHrn,Tp等、オリジナル楽器を積極的に取り入れるなど現代の潮流に沿いながら、あまり攻撃的に速すぎないテンポで、優雅に丁寧に、活力を持って表現しています。定期演奏会で取り上げ練りあげた音楽を、音響の良い山形テルサホールで録音するという丁寧な作業で作られた全集だけに、全体が高い水準を保つものになっていると感じますが、この祝典的で明るい気分を持つ第30番などを聴くと、ほんとに好ましいものです。

実際の演奏会で初めて接した曲を、同じ演奏会の録音で何度も繰り返して聴くという経験は、実に良いものです。親しみを持って、おなじみの曲のレパートリーに加えることができます。

参考までに、演奏データを記します。
■飯森範親指揮、山形交響楽団、(EXTON:OVCL-00630-9)
I=8'44" II=6'01" III=4'26" IV=4'58" total=24'09"

(*1):山響モーツァルト定期Vol21でピアノ協奏曲第9番と交響曲第30番他を聴く〜「電網郊外散歩道」2014年2月
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山形交響楽団第275回定期演奏会でモーツァルト、ラフマニノフ、ブルックナーを聴く

2019年03月11日 06時02分17秒 | -オーケストラ
よく晴れた日曜は、午前中にしばらくぶりの農作業に精を出し、くたびれてちょいと昼寝のつもりが寝過ごしてしまい、あわてて高速道路も使って山形市へ。幸いに霞城セントラルの屋内駐車場が空いていましたので、山形テルサホールに駆け込むことができ、なんとかかんとか最初のモーツァルトに滑りこむことができました。

本日のプログラムは、

  1. W.A.モーツァルト:交響曲ニ長調K.51(46a) "歌劇「愚か娘になりすまし」のための"
  2. ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18 Pf:金子三勇士
  3. ブルックナー:序曲 ト短調 WAB98
  4. ブルックナー:詩篇 第112篇 WAB35
  5. ブルックナー:詩篇 第114篇 WAB36
  6. ブルックナー:詩篇 第150篇 WAB38 Sop:髙橋絵理
     指揮:飯森範親、演奏:山形交響楽団、合唱:山響アマデウスコア

というものです。ラフマニノフとブルックナーは、前々から楽しみにしていたものです。さて、演奏はどうか。

第1曲めは、モーツァルトが12歳の時に作曲したオペラの序曲を交響曲に仕立てたもののようです。楽器編成と配置は、弦楽が左から第1ヴァイオリン(8)、チェロ(5)、ヴィオラ(5)、第2ヴァイオリン(7)、第1ヴァイオリンとチェロの左奥にコントラバス(3)という対向配置。正面奥に管楽器で、フルート(2)、オーボエ(2)、ファゴット(2)、ホルン(2)というものです。音楽は初期の作品に共通する明るい活発なものですが、後年の充実した響きとはいささか異なるようです。

続いて第2曲めは、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。金子三勇士さんが登場すると、お客さんの拍手が一段と高まります。やっぱり人気あるんだなあ。実力と人気とを兼ね備えた、期待のソリストです。
ステージ中央にピアノを配置し、8-7-5-5-3の弦楽セクションは前のモーツァルトと同様の対向配置、これに Fl(2)-Ob(2)-Cl(2)-Fg(2)の木管と、Hrn(4)-Tp(2)-Tb(3)-Tubaと金管セクション、それにティンパニとバスドラムとシンバルが右奥に陣取ります。



冒頭のピアノが重厚に始まると、いかにもロシアらしい低音楽器の魅力を響きと旋律に示しながら、ロマンティックに音楽が展開していきます。レコードやCDでは何度も聴き馴染んでいる曲ではありますが、やっぱり立派な生演奏で聴くと、味わいは格別です。また、第2楽章で、例えばFl-Clへの受け継ぎが全くスムーズで、今までぜんぜん気付きませんでしたが、実演で初めてバトンタッチしていることに気づきました。なるほど〜! ピアノの叙情的な分散和音を聴きながら、思わずオーケストラの中のやり取りを聴いてしまいます。コントラバスの「ボゥン」という音がお腹に響くように届きますし、実に効果的です。しかし、いいピアノだなあ! コンサート・グランドを鳴らしきり、聴衆は音なし。第3楽章:バスドラムがズドンと迫力。もう一つ、映画音楽に使われたという甘い主題は、映画は観たことはないけれど、昔、誰か女性歌手が歌っていたなあと古い記憶が呼び起こされます。いいなあ。ピアノとオーケストラで奏でられる音楽を、至福と言わずに何と言おう。

ここで前半の部が終わり、休憩に入ります。



後半は、ブルックナーの「序曲」から。ずいぶん多くのマイクロフォンが立ち、録音をしているようです。Pcc-Fl-Ob(2)-Cl(2)-Fg(2)-Hrn(2)-Tp(2)-Tb(3)-Timp-弦5部という楽器編成。作曲者の最初期の作品だそうで、あまりなじみのない曲目で、当方はもちろん初めて聴く曲ではありますが、後年の特徴を随所に感じることができます。

ブルックナーの2曲めは、詩篇第112篇。後方の山台に左から女声(27)、男声(26)、女声(27)の合計80名という合唱団が並び、まさに壮観です。金管楽器で始まり、合唱が入ってくると、ブルックナーの宗教曲の始まりです。

後半3曲め、詩篇114篇は、合唱団の並びが変わります。最後方に男声(26)、その手前に女声が27名ずつ二列に並び、オーケストラは退いてトロンボーン三人と指揮者の飯森さんがスポットライトを浴びています。映像としても実に印象的で、人の声と三本のトロンボーンのハーモニーがこれほど訴える力の大きな、純度の高い音楽を聴かせるとは知りませんでした。

後半最後の曲目は、詩篇第150篇。オーケストラは 8-7-5-5-3 の弦楽5部に、Fl(2)-Ob(2)-Cl(2)-Fg(2)-Hrn(4)-Tp(3)-Tb(3)-Tuba-Timp.という編成。これに後方の80名の合唱と、指揮者の左にソプラノ独唱者が立ちます。
「ハレルヤ!」という晴れやかな出だしが輝かしい合唱に変わり、弦楽がそっと加わります。迫力ある音楽は、途中にソプラノ独唱とコンサートマスターのヴァイオリンの旋律がからみ、素晴らしい! もっと聴いていたいと思わせる音楽、演奏でした。



さて、今シーズンの定期演奏会は、これで全部終了しました。来シーズンのチケットは、すでに到着済みです。新シーズンも、魅力的なプログラムになっている模様。楽しみです。
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山響第274回定期演奏会で西村朗、R.シュトラウス、チャイコフスキーを聴く

2019年02月17日 10時05分57秒 | -オーケストラ
本来は日曜会員なのですが、都合により土曜日に変更してもらい、山形交響楽団の第274回定期演奏会にでかけました。会場に到着したのが開演前のロビーコンサートの直前で、西濱事務局長の進行で曲目が紹介されます。



曲目はR.シュトラウスの「弦楽三重奏のための変奏曲」、平澤海里(Vn)、山中保人(Vla)、渡邊研多郎(Vc)のトリオです。演奏が始まったら、あれれ、賛美歌「主よ、みもとに近づかん」ではないか。へ〜、これがR.シュトラウスの曲だったの? と思ったらさにあらず。実は3月1日(金)夜に文翔館議場ホールで開かれる「セレナード・イン・文翔館」が映画音楽を取り上げることから、映画「タイタニック」の音楽ということで選んだ曲だったみたい(^o^)/
その後、シュトラウスの曲が演奏されました。実にしっとりしたいい曲です。CDも市販されていない、楽譜も海外から取り寄せたという曲目だそうで、素人音楽愛好家は内心で思わず「ラッキー!」と叫びましたですよ(^o^)/



会場の山形テルサホールに入ると、最前列に少し空席がありますが、けっこうなお客様の数です。高校生らしい制服の女子の姿もちらほら見られ、たぶん吹奏楽部のオーボエ・パートの子だちなのだろうな、と想像しました。なにせ本日のプログラムには、めったに一位を出さない難関で知られるミュンヘン国際コンクールで2007年の覇者となったオーボエのラモン・オルテガ・ケロ氏が登場するのです。思わず「行きたい〜」と叫ぶのは、ミーハーとは言えないでしょう!

そのプログラムは、

  1. 西村 朗/桜人 ~オーケストラのための~
  2. R.シュトラウス/オーボエ協奏曲 ニ長調 Ob:ラモン・オルテガ・ケロ
  3. チャイコフスキー/交響曲 第4番 ヘ短調 作品36
     指揮:ロベルト・フォレス・ヴェセス、演奏:山形交響楽団

というものです。

開演前のプレトークでは、指揮者のヴェセスさんに西濱事務局長さんがインタビューします。奥さんとお子さんと一緒に5日前から滞在している山形の印象は、寒さや雪もあるけれど、山形牛、山形豚、山形セルリーなどにお酒の美味しさが印象的だったそうで、「食と温泉の国」を堪能していただいているみたいです。ときどき片言の日本語を交えて話すヴェセスさん、チャイコフスキーについては熱を入れて話していました。ムソルグスキーやボロディン、リムスキー・コルサコフらロシア音楽の伝統を継承しつつ、豊かな旋律の魅力をクラシック音楽のスタイルで表現している、というところでしょうか。



第1曲:西村朗「桜人」ですが、これは2010年7月の第206回定期演奏会で発表された山響委嘱作品の再演です。初演のときの感想は別記事(*1)のとおりですが、今回はヴェセスさんの解釈と指揮で、和楽器の笙や篳篥(ひちりき)等を模したと思われるつんざくような高音も。不思議な音がいっぱいの現代的な曲を、親しみを持って聴くことができます。

続いて、R.シュトラウスのオーボエ協奏曲。楽器編成は、8-6-4-4-2 の弦楽五部に、Fl(2:Pic.持ち替え)-Eng.Horn(1)-Cl(2)-Fg(2)-Hrn(2)というもの。ソリストのケロ氏は、黒の上下に黒のシャツ、黒い靴と黒ずくめです。そういえば髪も黒い? では演奏は:
いや〜、軽やかで柔らかくあたたかい音色のオーボエに魅了されます。柔らかな楽想には指揮棒無しでのぞむらしいヴェセスさんも実に柔らかな動きで、R.シュトラウスらしい緊密な演奏に魅了されました。

聴衆の大きな拍手に応えて、独奏者がアンコール曲を。J.S.バッハの「無伴奏パルティータ イ短調 BWV1013」より、第4曲「ブーレ・アングレーズ」。ほんとに見事なオーボエ・ソロに、ため息が出ました。



15分の休憩の後、チャイコフスキーの交響曲第4番です。10-8-6-6-4の弦楽五部に、Pic(1)-Fl(2)-Ob(2)-Cl(2)-Fg(2)-Hrn(4)-Tp(2)-Tb(3)-Tubaの管楽群、これにTimp、BsDrm、Cymb、Triのパーカッションという編成です。
第1楽章:ヴェセスさん、指揮棒を持って。冒頭から金管の迫力が実にいいですなあ。Fgがほんとにいい味です。第2楽章:指揮棒なしで。弦のピツィカートの中、ObやFgの哀愁を帯びた旋律がいいですね〜。チャイコフスキーらしさが全開です。第3楽章:弦楽セクションがみなピツィカートで通し、CDだと「まるでマンドリン・オーケストラみたい」などと斜に構えた感想を持つのですが、さすがに実演の繊細な表現を前にしては、ひたすら聴き惚れるばかり。オーボエの一節(ひとふし)でガラリと変わる様も見事ですし、再現も実に効果的。第4楽章:指揮棒を持って。金管群にシンバル等も加わり、爆発的な活気ある音楽に変わります。音楽が進み、しだいに終わりに近づいていくのが実に残念。もっと聴いていたいと思わせる、Fantastic! なチャイコフスキーでした。

今回も、山形Qの定期でもお会いした関西からのお客様に再びお会いでき、山響事務局に代わりまして感謝を申し上げた次第。たぶん、日曜の演奏会でも、多数のお客様を魅了したことでしょう。パンフレットに挿入されたたくさんのチラシを見ても、山響の団員の皆様が様々な形で当地の音楽活動を支えてくれていることを感じます。ありがたいことです。

(*1):山響第206回定期演奏会で西村朗、ラヴェル、シューマンを聴く〜「電網郊外散歩道」2010年7月

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シベリウス「交響曲第2番」を聴く〜セル、オーマンディの指揮で

2019年01月18日 06時01分18秒 | -オーケストラ
通勤の音楽としてしばらく聴いていたジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団による1970年来日時の東京ライブ録音は、道路事情が多少の渋滞はあっても、実に満ち足りた時間を過ごすことができました。たしか、この曲を初めて通して真剣に聴いたのが、当時、NHK-FMで放送されたこの演奏だったはず。連休には、自宅のステレオ装置でもじっくりと聴きました。あらためて、若い頃にこの演奏に接し、親しんだ時の感激、「いい曲だなあ〜!」を再び感じるようでした。

シベリウスが交響曲第2番を作曲したのが1901年で初演が1902年だそうですから、1865年生まれのシベリウスが36歳ころの作品ということになります。決して若書きの作品というわけではありませんし、老境に入り円熟した年代の作というわけでもありません。むしろ、活力みなぎる中堅の時代の作品といって良いのでしょう。実際、この曲から受ける印象は、充実した音楽、というものです。

考えてみれば、この曲の録音は、当方の小規模なライブラリの中にも、けっこう集まってしまいました。録音年の順に列挙すると、

  • オーマンディ指揮フィラデルフィア管(1957)
  • ジョージ・セル指揮コンセルトヘボウ管(1964)
  • ジョージ・セル指揮クリーヴランド管(1970)
  • カラヤン指揮ベルリン・フィル(1980年代)
  • ヤンソンス指揮コンセルトヘボウ管(2005)

となります。カラヤン盤とヤンソンスの録音は、すでに記事にしておりますので、今回はセル盤とオーマンディの録音をじっくりと聴きました。

ヒロイックで、リズムや旋律の陰影がくっきりとして彫りが深く、力強さのあるセルの演奏。コンセルトヘボウとのコンビのほうは、セルが自分の意図するところを少し強調しているようで、70年のクリーヴランド盤のほうが身振りは小さめなのですが、続けて演奏される第3楽章から第4楽章にかけて、とくに最後の高揚感はすごい!
恰幅がよく自然体で、ゆったりと流れながら力強さもあるオーマンディ盤。そういえば、この録音は、LPの時代に SONW という型番の2枚組のシリーズに入っていて、たしか第1番と第2番のカップリングだったような気がします。どれどれ…




やっぱりそうでした。この演奏は、すでにパブリック・ドメインになっていますので、ネットでも聴くことができます。例えば、

Sibelius: Symphony No. 2, Ormandy & PhiladelphiaO (1957) シベリウス 交響曲第2番 オーマンディ


あるいは、セルとコンセルトヘボウ管の演奏も

Sibelius: Symphony No. 2, Szell & COA (1964) シベリウス 交響曲第2番 セル


という具合。セルとクリーヴランド管の1970年東京ライブCDは、今後も大切に大切に聴くことにしましょう。

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日曜日の「音楽の泉」がきっかけで〜セル/CLOの東京ライブを聴こう

2019年01月10日 06時02分38秒 | -オーケストラ
日曜の朝、ラジオのNHK第1放送で「音楽の泉」という長寿番組があります。古くは村田武雄さんが案内役をつとめた時代もありましたが、現在は皆川達夫さんが解説をしています。先の日曜には、シベリウスの交響曲第2番を取り上げていました。しかも、演奏はジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団によるもので、1970年5月、東京文化会館における「あの」(*1)ライブ録音です。

  • ウェーバー 歌劇「オベロン」序曲
  • モーツァルト 交響曲第40番ト短調
  • シベリウス 交響曲第2番
  • ベルリオーズ 「ラコッツィ行進曲」

そういえば、いつだったかNHK-FMで、当日演奏された「君が代」の録音が放送されたことがありました。たしか、カセットテープにエアチェックしていたはず。今回、皆川達夫さんがセルを取り上げるという意外な組み合わせも新鮮ならば、中波のラジオから聞こえる音楽も懐かしい。

しばらく聴いていない「東京ライブ」のCD、車に持ち込み、厳冬期の通勤の音楽として聴いてみましょう。渋滞する雪道のろのろ運転の気分も、少しは緩和されるでしょうか。

(*1):セル/クリーヴランド管の来日公演ライブ録音のこと〜「電網郊外散歩道」2005年7月
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アンチェル/チェコフィルでモーツァルト「魔笛」序曲を聴く

2018年12月24日 06時05分16秒 | -オーケストラ
カレル・アンチェルとチェコ・フィルの録音といえば、スメタナ「わが祖国」の素晴らしい演奏を承知していますが、たまたまネットで見つけた(*1)モーツァルトの歌劇「魔笛」序曲の演奏に、魅了されています。

最初の和音から実に均整の取れた、しかも充実した響きで、序奏部が終わると、速めのテンポで駆け抜けていきます。最初の三つの和音が再現されるとき、不安や焦燥や様々な感情が行き来し、これから始まるドラマに期待を持たせるという序曲の役割を十二分に果たしています。

うーん、このまま歌劇「魔笛」本編が始まるといいのに!

The Magic Flute (Die Zauberflöte) - Overture, K. 620 - Overture


(*1):クラシック音楽へのおさそい〜Blue Sky Label〜より、「アンチェル モーツァルト:歌劇「魔笛」序曲 K.620」
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最近の通勤の音楽はセル/クリーヴランド管のマーラー「交響曲第6番」

2018年12月05日 06時03分55秒 | -オーケストラ
近頃の通勤の音楽は、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団によるCDで、マーラーの「交響曲第6番」です。すでに一度記事にしております(*1)が、先にバーンスタイン指揮コンセルトヘボウ管によるマーラー「交響曲第1番"巨人"」を聴いていた関連で、ふと「第6番を聴きたい」と思い立ち、CDを車内に持ち込んだ次第。ピアニシモの部分は冬タイヤのロードノイズに隠れてしまいますが、でも演奏の推進力はしっかりと感じ取ることができます。部分の魅力ではない、全体の魅力での選択です。

そういえば、インバル指揮フランクフルト放響によるデンオン盤を取り上げた(*2)のも、この時期でした。なんとなく、冬の厳しさに向かう頃に、なぜかこの曲を聴きたくなるといった面があるのでしょうか(^o^)/

(*1):セル指揮クリーヴランド管でマーラー「交響曲第6番」を聴く~「電網郊外散歩道」2017年6月
(*2):マーラー「交響曲第6番」を聴く~「電網郊外散歩道」2009年12月

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山形交響楽団第272回定期演奏会でドビュッシー、ペリー、ショスタコーヴィチを聴く

2018年10月15日 06時02分27秒 | -オーケストラ
放射冷却でずいぶん冷えた日曜の午前中に、サクランボ果樹園の管理作業でコスカシバ対策の防除を実施、びっしょり汗をかきました。シャワーを浴びて昼食をとり、午後は山響こと山形交響楽団の第272回定期演奏会です。




時間に余裕を持って出かけましたので、駐車場もなんとか確保でき、開演前のロビーコンサートも聴くことができました。本日の曲目は、グラズノフの「牧歌」Op.103だそうです。関谷智洋さんのホルンに、1st-Vn:平澤海里さん、2nd-Vn:中島光之さん、Vla:田中知子さん、Vc:渡邊研多郎さんという顔ぶれのホルン五重奏曲という形か。もちろん、今まで一度も聞いたことがありませんでしたが、いや〜、なかなかいい曲ではないですか!

さて、今回のプログラムは、

  1. ドビュッシー/交響組曲「春」
  2. ウィリアム・ペリー/トランペット協奏曲(日本初演)
  3. ショスタコーヴィチ/交響曲 第1番 ヘ短調 作品10
    指揮:飯森範親、トランペット:井上直樹

というものです。日本初演となるペリーのトランペット協奏曲はもちろん、なじみのない曲ばかりですが、グラズノフの「牧歌」が良かったので、いい演奏会になる予感。

第1曲めはドビュッシーの「春」。ローマ大賞を受け、イタリア留学中に生まれた作品だそうです。ボッティチェリの絵画「春」から着想を得たのだそうで、「ドビュッシーは印象主義」という評価は当時の絵画の流行から連想されて由来しているのだそうな。

ステージ上の楽器配置は、隙間なく並んでいる感じです。指揮台を中心に、左から第1ヴァイオリン(8)、第2ヴァイオリン(7)、チェロ(5)、ヴィオラ(5)、その右にコントラバス(3)、中央奥にはフルート(2)とオーボエ(2)、その奥にクラリネット(2)とファゴット(2)、さらにその奥にホルン(4)とトランペット(2)、最奥部にティンパニとトロンボーン(3)、ヴァイオリンの左側には、手前から奥に向かって順にハープ、ピアノ、パーカッションとなっています。
曲は第1曲、Tres modere(とても穏やかに)との指示通り、穏やかでいささか眠たくなるような、ぼんやりとした感じの音楽。これに対して2曲めは、Modere(中庸の速さで)と指示されており、最後はキラキラとした感じで終わります。若いドビュッシーの作品らしいものです。

第2曲めは、W.ペリーのトランペット協奏曲。この曲は、今回のソリスト井上直樹さんが飯森さんの指揮でコンチェルトをやるなら、絶対にこの曲をやりたいと、何年も前から言っていたもので、今回ようやく実現したものだそうです。
楽器編成は、ピッコロやイングリッシュ・ホルン、バスクラリネット、テューバ等が加わったほかに、まあステージ狭しと多彩な鳴り物が加わっています。当方の座席から確認できるものだけでも、シロフォン、チャイム、トライアングル、スネアにバスドラム、ボンゴ、タムタム、マラカス、などなど。
第1楽章:「ジャズ・プロムナード」。独奏トランペットがカッコイイ! アメリカらしい鳴り物いっぱいの音楽がなんとも楽しい雰囲気です。第2楽章:「バラード」。独奏者は、少し小ぶりで丸っこい形のフリューゲルホーンに持ち替えて、さらに弱音器を付けたのでしょうか、まろやかな音色で木管との優しい協調もしっとりと、とても聴きやすい音楽になっています。第3楽章:「カーニバル」。ラテンのリズムをバックに、賑やかで楽しいノリノリの音楽です。チケット完売となったほぼ満席のお客様も、ビックリ感動大喜びでしょう!

ここで15分の休憩の後、第3曲めはショスタコーヴィチの交響曲第1番。作曲者19歳、レニングラード音楽院の卒業作品だそうです。なんとまあ、すごいもんです。この曲がワタクシの肌に合う作品かどうかと言われればいささか疑問ありと言わざるを得ませんが、第2楽章の芸が細かい終わり方といい、第3楽章のちょいと気色悪いシニカルな耽美性といい、続けて演奏される第4楽章のエネルギッシュなフィナーレといい、才能あふれる若者の気合の入った作品の、ほんとに見事な充実した演奏でした。良かった〜!




終演後のファン交流会でも、いろいろな話を聞きましたが、一番記憶に残っているのは、指揮の飯森さんが初めて山形に来た時、ソリストの井上さんが山形の「いいところ」をあちこち案内してあげたのだそうです。もし、あのとき山形の魅力を教えてもらわなかったら、今こうしてここにはいなかったかも、と語る飯森さんの言葉は、現在の実感でしょうか。

うーむ。そういうご縁もあったのか。グループ農夫の会に参加して、大蕨棚田の米作りを応援し、毎年「山響棚田米」を育成しているという熱血スーパートランペティスト:井上直樹さんらしいエピソードだと思います(^o^)/

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秋のプロコフィエフ三昧〜組曲「ロメオとジュリエット」、交響曲第5番、6番を聴く

2018年09月11日 06時02分00秒 | -オーケストラ
先日、山響定期で大好きなプロコフィエフの組曲「ロメオとジュリエット」を聴いて以来、久々にプロコフィエフ三昧となっております。

まず、通勤の音楽は、スクロヴァチェフスキがケルン放送交響楽団を指揮した1994〜95年のデンオンのデジタル録音で、「ロメオとジュリエット」(第1〜第3組曲)を聴いております。これは、言わずと知れたミスターSの名盤ですが、実際にほんとに魅力的。もともとのバレエの情景の順序とは違いますが、それぞれバランスが考えられて、7曲、7曲、6曲が選ばれたであろう3つの組曲を反復リピートして聴きながらドライブするのは実に楽しい。宵闇の中では幻想的に、明るい日中には活発に躍動する音楽が実に魅力的に響きます。

自宅に戻れば Linux-PC の前で、音楽ソフト Rhytmbox のプレイリストから、プロコフィエフの交響曲を選曲。例えばジョージ・セル指揮クリーヴランド管による交響曲第5番や、オーマンディ指揮フィラデルフィア管による同第6番などが鳴り出します。USB 経由で DAC からミニコンポへという簡易な PC-audio ではありますが、オンキョーの小型スピーカは、近接していても自然な音で聞きやすいです。

プロコフィエフの音楽は、モーターのような突進する勢いや、神秘的・幻想的、ときに童話的な甘美な響きを奏でるときもあり、それがスパっと急激に転換するのが魅力です。さて、こんどはなにを聴こうか。ヴァイオリン協奏曲の第1番、ピアノ協奏曲第3番などもいいなあ。あるいは、久々にピアノソナタや室内楽というのもいいなあ。

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山響第271回定期演奏会でチャイコフスキー、メンデルスゾーンを聴く

2018年09月03日 06時03分27秒 | -オーケストラ
ようやく雨が上がった日曜日、午前中に収穫した桃(川中島白桃)を昼前に農協へ出荷し、午後は近隣の町の親戚宅に運びながら山形市のテルサホールに向かう心づもりで出かけました。このときは、開演時刻をてっきり16時と勘違いしており、15時に着けば良いだろうとのんびりしていましたが、なんとなく虫の報せで「高速で行こう!」と決断。愛車マツダ・デミオ・ディーゼルを駆って山形市へ。ホールに入ると、いつもの行列がない。あれ〜、おかしいな、とこのときも頭の中は16時開演のつもり(^o^)/
もう始まってますよ〜!と言われてようやく気づきました。そういえば、いつから15時開演になったんだっけ! 頭の中は桃の段取りで忙殺されており、演奏会のチケットを忘れていなかったのが不幸中の幸いでした(^o^;)>poripori

今回のプログラムは、

  1. ワーグナー/ジークフリート牧歌 作品103
  2. チャイコフスキー/ロココ風の主題による変奏曲 イ長調 作品33
  3. メンデルスゾーン/交響曲 第3番 イ短調「スコットランド」作品56 
      阪 哲朗:指揮、岡本 侑也:チェロ、山形交響楽団

というものですが、最初の曲目、ワーグナーの「ジークフリート牧歌」はホールのロビーで、モニターテレビで眺めることになってしまいました(^o^;)>poripori

演奏が終わり、拍手も終わった頃合いをみて入場、座席を探すとチャッカリ別のカップルが座っているし、なんだか多難な演奏会だなあ(^o^)/

でも、チャイコフスキーの「ロココ風の主題による変奏曲」の演奏が始まると、冒頭部が「総天然色」アニメ映画「森は生きている」の場面に使われていたのを思い出し、まだ若いソリストは知らないだろうなあ、などと余計な感慨を抱きながら聴いておりました。演奏は唖然とするほどの見事なもので、すごい才能です。アンコールがまた唖然呆然、



当然のことながら知らない曲でしたが、ほんとに圧倒されました。



休憩の後は、メンデルスゾーンの「スコットランド」交響曲。楽器編成は、8-7-5-5-3の弦楽5部が対向配置、Fl(2)、Ob(2)、Cl(2)、Fg(2)、Hrn(4)、Tp(2)、Timpというものです。演奏が始まると、ほんとに気持ちよく、途中の第3楽章あたりは完全に記憶無し。うーむ、ちょいと疲労気味かな〜。でも、第4楽章は完全復活(^o^)/

そうそう、プログラムの楽団員インタビューに、チェロの茂木明人さん(*1)が登場していました。印象に残るチェロ奏者はダニール・シャフランだそうで、山形で見つけたお気に入りは合唱団「じゃがいも」とのこと。このインタビューで初めて知りました(^o^)/ タイトル通り、「地方都市での落ち着いた生活に憧れ、山形に」すっかり定着しているみたいです。

(*1):茂木日誌

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アフィニス音楽祭2018合同オーケストラ演奏会を聴く

2018年08月27日 06時02分20秒 | -オーケストラ
土曜日の午前中、草刈りの最中に雨に降られてずぶ濡れになり、翌日も土砂降りの雨となった日曜の午後、楽しみにしていた「アフィニス音楽祭2018」合同オーケストラ演奏会に出かけました。山形交響楽団とアフィニス祝祭管弦楽団の合同演奏会で、開場は山形テルサホールです。

プログラムは、

  1. R.シュトラウス 交響詩「ドン・ファン」Op.20
  2. プロコフィエフ 交響曲第1番ニ長調Op.25「古典交響曲」
  3. プロコフィエフ 組曲「ロメオとジュリエット」Op.64(抜粋)

というものです。ふだんの山響の編成ではなかなか実現が難しい曲目もありますので、こうした合同オーケストラ演奏会は、たいへんありがたい良い機会です。

第1曲、交響詩「ドン・ファン」です。今回、入手出来た席は1Fの前方右側ですので、ステージの全容はわかりにくいのですが、いわゆる10型編成、ステージ向かって左側から第1ヴァイオリン(10)、第2ヴァイオリンも多分(10)、チェロ(8)、ヴィオラ(8)、コントラバス(4)の10-10-8-8-4の弦楽セクションに、木管、金管、ティンパニが加わりますが、各パートの人数は不明。コンサートマスターは、今回の講師の一人、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団でコンサートマスターをつとめたヘンリック・ホッホシルトさんです。指揮は秋山和慶さん。出だしから堂々たるシュトラウス・サウンドで、ほんとに気持ちいい。オーケストラの醍醐味だなあと思っていたら、これはまだ序の口でした。

第2曲、プロコフィエフの古典交響曲。ぐっと編成を絞って、6-6-5-5-2 の弦楽セクションに、Fl(2),Ob(2),Cl(2),Fg(2),Hrn(2),Tp(2),Timpで、指揮者なしでの演奏です。コンサートマスターは赤いネクタイをしめた川崎洋介さん。第1楽章のはずむようなリズム、華麗な音や、第2楽章のファゴットの存在感など、この曲の魅力を存分に味わいました。



第3曲は、組曲「ロメオとジュリエット」Op.64から8曲を抜粋したもので、その内容は、

  1. モンタギュー家とキャピュレット家
  2. 少女ジュリエット
  3. 踊り
  4. 仮面
  5. ロメオとジュリエット
  6. アンティーユ諸島から来た娘たちの踊り
  7. タイボルトの死
  8. ジュリエットの墓の前のロメオ

というものです。
楽器編成は、目視で確認できませんので推測ではありますが、たぶん10-10-8-8-4の弦楽セクションに、Fl(3:うち1はピッコロ?)、Ob(3)、Cl(4)、Fg(3:うち1はコントラファゴット)の木管、Hrn(5)、Tp(3)、Tb(3:うち1はバストロンボーン)の金管、Timp.とPerc.とPfとHrp、かな? コンサートマスター席には音楽監督の四方恭子さんが座り、その隣には山響の犬伏亜里さん。ホッホシルトさんは第4プルトのセカンドに、川崎さんは第2ヴァイオリンのトップで、その脇には山響の中島光之さん、という具合。ステージいっぱいに楽員が乗ると、音が出る前からなんだかワクワクと期待感が高まります。
当方、プロコフィエフの音楽は大好物で、「ロメ・ジュリ」と略称される組曲もその一つです。「モンタギュー家とキャピュレット家」では、地鳴りのような低音にしびれますし、「少女ジュリエット」の可憐さや「ロメオとジュリエット」の響きの純度も、「タイボルトの死」の迫力も、秋山和慶さんの指揮する音楽に合わせて思わず体が動きます。うん、久々にプロコフィエフを徹底的に存分に聴きたくなったぞ(^o^)/

終演後、田舎の我が家へ車を走らせながら、手持ちのプロコフィエフのCDのあれこれを思い浮かべておりました。山形でのアフィニス音楽祭が今年で終わるのは残念だけれど、これまで楽しんで来れたこと、関係者の皆様に心から感謝したいと思います。

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村山市で山響「大地の祈り」コンサートを聴く

2018年08月12日 06時01分57秒 | -オーケストラ
お盆前の土曜の午後、村山市の市民会館で山形交響楽団ユアタウンコンサート村山公演「大地の祈り」コンサートが開かれましたので、妻と二人で出かけました。
曲目は、次のようなものです。

  1. ベートーヴェン/歌劇「フィデリオ」序曲 作品72
  2. ベートーヴェン/交響曲 第5番 ハ短調「運命」作品67
     〜休憩〜
  3. スーザ/行進曲「美中の美」  村山市立楯岡中学校吹奏楽部
  4. ベッリーニ/歌劇「清教徒」より〝あなたの優しい声が" 斎藤智子(Sop)
  5. モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲 K.492
  6. モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」K.492より"楽しい思い出はどこヘ" 斎藤智子(Sop)
  7. 陳越/大地の祈り 村山混声合唱団フェブリエ、村山市女声コーラス、村山市立楯岡小学校合唱部
     指揮:田中裕子、山形交響楽団、斎藤智子(sop)、

開演前に、西濱事務局長が登場、開催地を代表して村山市長が挨拶。そして指揮者の田中裕子さんが登場して、ベートーヴェンの二曲を紹介します。「フィデリオ」序曲については、女性が男装して様々な困難を突破し、夫を救出するオペラであること、交響曲第五番については、特に第三楽章から第四楽章にかけて、苦悩を突破して解放に至るところを味わっていただきたい、とのこと。山響については、ティンパニとホルン、トランペット等でナチュラルタイプを用い、作曲家が当時思い描いたような音を再現している、国内では稀有なオーケストラと評価します。

さて、ステージ上の楽器編成と配置は、正面左から、第1ヴァイオリン(8)、第2ヴァイオリン(7)、チェロ(5)、ヴィオラ(5)、その右後方にコントラバス(3)と、弦楽器が8-7-5-5-3で並びます。正面奥には木管楽器が前後二列、すなわちフルート(2)、オーボエ(2)、クラリネット(2)、ファゴット(2)、さらに奥には金管楽器がトランペット(2)、ホルン(4)、左手後方にバロック・ティンパニというものです。2曲めの交響曲第5番ではホルンが(2)となりますが、ピッコロ(1)とトロンボーン(3)、コントラファゴット(1)が加わり、さらに迫力が増します。

ベートーヴェン2曲は、しなやかさと活力とが感じられる演奏で、ふだんクラシックの演奏会などに縁の薄い方々にも、「ジャジャジャジャーン」以外の部分の魅力を伝えることができたかな、と思います。個人的には、大好きな「運命」の第2楽章を実演で再び楽しむことができ、満足、満足。

15分の休憩後は、山台の上に楯岡中学校の吹奏楽部がずらりと並び、両サイドのバスドラムやスネア、シンバルなどパーカッションとコントラバス(2)をあわせて40名近い人数が勢揃いして、実に賑やかです。スーザの「美中の美」は、なかなか迫力がありました。特に、熱演の中学生だけの部分に山響が加わるところで、表現力が一段と深まるところが「なるほど〜!」でした。

続いてソプラノの斎藤智子さんが登場、ベルリーニの「清教徒」第二幕から、エルヴィーラの狂乱の場面です。錯乱の様子を技巧的なアリアで表現するもので、なるほど、イタリアオペラの名場面の一つでしょう。
山響お得意のモーツァルト「フィガロの結婚」序曲を軽やかに楽しんだ後で、今度は「フィガロの結婚」から伯爵夫人が歌う悲しみのアリアを。まあ、今はスザンナを追いかける軽薄な夫とはいえ、もとは「セヴィリアの理髪師」に描かれたような愛の場面もあったわけで、人間の声による歌の力と魅力をあらためて痛感いたしました。

考えてみれば、ソリストは今でこそ藤原歌劇団で活躍中ですが、楯岡小→楯岡中→楯岡高とバリバリの地元出身。以前は村山市で冬に山響の演奏会を聴いていたように、聴衆も演奏会の経験が豊富なようで、楽章ごとにパラパラと拍手が出るようなこともなく、いい雰囲気で進みます。

そして最後は、ソプラノ独唱と合唱による「大地の祈り」を山響のバックで。東日本大震災の際に、中国人研修生を避難させ、全員が避難できたかを確認に行って亡くなった会社の専務さんのこと(*1)を、中国の作曲家が作詞作曲したものだそうです。ピアノ伴奏でソプラノが歌ったものは動画で聞いたことがあります(*2)が、これはまあ、大勢の老若男女が歌い上げる、なんともインパクトのある演奏でした。良かった〜。

(*1):藤村三郎『なぜ162人全員が助かったか』を読む〜「電網郊外散歩道」2014年7月
(*2):YouTube より。
大地の祈り 作曲:陳越 ソプラノ:森麻季 ピアノ:山岸茂人

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山響第270回定期演奏会でモーツァルト、シニガーリャ、ミロシュ・ボク、ドヴォルザークを聴く

2018年06月10日 21時04分03秒 | -オーケストラ
幸いにお天気が大きくくずれず、週末農業に精を出すことができた土曜日の夜、山形交響楽団第270回定期演奏会に出かけました。今回は、ラデク・バボラークさんの首席客演指揮者就任記念の演奏会で、祖国チェコの作曲家ミロシュ・ボクに依頼した山響委嘱作品の世界初演の機会でもあります。プログラムは、

  1. モーツァルト/歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」序曲 K.588
  2. モーツァルト/ホルン協奏曲 第1番 ニ長調 K.412
  3. レオーネ・シニガーリャ/ロマンス 作品3(ホルンと弦楽合奏のための)
  4. ミロシュ・ボク/交響的黙示録 ホ長調(山響委嘱新作 世界初演)
  5. ドヴォルザーク/交響曲 第7番 ニ短調 作品70
      指揮・ホルン:ラデク・バボラーク、山形交響楽団

というものです。シニガーリャとミロシュ・ボク作品は初めて聴きます。

山形テルサ・ホールに到着したのがちょうどロビーコンサートのタイミングで、トロンボーン三本にチューバが加わった四重奏で、J.S.バッハのト短調のフーガに出迎えてもらいました。いつも聴くオルガンの響きとは、似ている面もあるけれど少々異なる印象もあり、良いものに触れた!というラッキー感があります(^o^)/



指揮者のプレコンサートトークでは、近年は指揮者としての活躍が増えているバボラークさんが、山響と良い関係を築けていることに喜んでいるとのこと。コンサートマスターの髙橋和貴さんをドイツ語の通訳にしてインタビューした西濱事務局長は、今回の世界初演となる山響委嘱作の作曲者ミロシュ・ボクさんがこの会場においでになっていると紹介、一気に注目を集めます。

ステージ上の楽器配置は、弦楽が左から第1ヴァイオリン(10)、第2ヴァイオリン(8)、ヴィオラ(6)、チェロ(6)、その後方にコントラバス(4)というもので、正面中央にフルート(2)、オーボエ(2)、その奥にクラリネット(2)、ファゴット(2)、最奥部にホルン(2)、トランペット(2)、その右手にバロック・ティンパニとなっています。

1曲め、モーツァルトの歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」序曲。ほんとにウキウキ、そわそわといった風情の音楽が鳴り出します。安心感のある楽しさです。
2曲め、モーツァルトのホルン協奏曲第1番。たしか、小学校の鑑賞教材になっていたのではなかったか。モーツァルト最晩年の作品らしい(*1)けれど、実に楽しい音楽になっています。

第3曲め、イタリアの作曲家レオーネ・シニガーリャの「ロマンス」作品3〜ホルンと弦楽合奏のための。編成がぐっと縮小され、ホルンとヴァイオリン(2),ヴィオラ(2),チェロ(2),コントラバス(1)という形になります。もともとは独奏ホルンと弦楽四重奏のために作曲されたもの(*2)のようですが、さらに表現力を増したみたい。好きだなあ、こういう曲! またステキな音楽を知りました。嬉しいことです。

前半最後になる第4曲め、ミロシュ・ボクの「交響的黙示録」。楽器編成が増強され、弦楽5部(10-8-6-6-4)に、Picc(1),Fl(2),Ob(2),Cl(3),Fg(2),Hrn(4),Tp(3),Tb(3),Tuba,Timp.,Cymbal,SuspendCymbal,Triangle,Chime,Tam-Tam というものです。冒頭から、強烈な力強さとエネルギーを感じます。わーお、これはすごい音楽だ! まさしく本日のハイライトとなりました。
作曲者のミロシュ・ボクさんがステージ上に上がり、大感激の様子で指揮のバボラークさんやコンサートマスターの髙橋和貴さんはじめ山響の演奏者の皆さんに謝意を評します。この様子を見ていた私達も、思わず嬉しくなる光景でした。
「さくらんぼコンサート大阪公演」でも、バボラークさんの指揮でこの曲を演奏する予定になっているようです。関西方面の皆様、これは一聴の価値ありです。「ボク、知らない」などというオヤジギャグをかましている場合ではありません!

15分の休憩の後に、後半はドヴォルザークの交響曲第7番です。
楽器編成は、弦楽5部にFl(2),Ob(2),Cl(2),Fg(2),Hrn(4),Tp(2),Tb(3),Timp. というものです。ふつう、ドヴォルザークの交響曲後期3曲の中で、この第7番は一種の緊張感があるものですが、ミロシュ・ボクの熱に満ちた「交響的黙示録」を聴いた後では、むしろ穏やかな安心感のある音楽に聞こえてしまいます。もちろん、それは良い意味であって、音楽の流れに身を委ねていると、実に気持ちの良いものでした。

ラデク・バボラークさんの意欲に満ちたプログラムには、近年にない刺激がありました。今回も、山響会員で良かったと思わせる、実に良い演奏会でした。

(*1):モーツァルト「ホルン協奏曲第1番」を聴く〜「電網郊外散歩道」2009年10月
(*2):このスタイルでバボラークさんが演奏しているものがYouTubeにありました。
RADEK BABORÁK


【追記】
作曲者がステージに上がったシーンを少しだけ追記しました。(2018/06/16)
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山形交響楽団第269回定期演奏会でモーツァルト、シューマンを聴く

2018年05月21日 06時01分16秒 | -オーケストラ
朝にはカッコウが啼き、いかにも初夏という日差しがまぶしい日曜の午後、山形交響楽団第269回定期演奏会にでかけました。プログラムは、

  1. モーツァルト/交響曲 イ短調「オーデンセ」K.Anh.220/16a
  2. モーツァルト/クラリネット協奏曲 イ長調 K.622 ダニエル・オッテンザマー(Cl)
  3. シューマン/交響曲 第3番 変ホ長調「ライン」作品97
     指揮:飯森範親、演奏:山形交響楽団

というものです。




開演前のロビー・コンサートは、モーツァルトのオーボエ四重奏曲K.370より、第1・第3楽章を、柴田祐太(Ob)、中島光之(Vn)、田中知子(Vla)、渡邊研多郎(Vc)の演奏で。いい曲ですので、もう一度、文翔館あたりでじっくり全曲を聴きたいところです。





プレトークでは、飯森さんと西濱事務局長の他にもう一人、女性がステージに立ちました。おや、通訳の人かなと思いましたら実は違っていまして、協賛していただいている(株)ジョインセレモニーの方でした。山響にいろいろな企業が協賛していただけるのはたいへんありがたい。中高生を演奏会に招待してくれている山形食品さんも、地道な活動ですが、山形の音楽文化への貢献は大きなものがあると思います。



さて、1曲めはモーツァルト作曲かどうか疑問もあるという、交響曲イ短調「オーデンセ」です。楽器編成と配置は、左から第1ヴァイオリン(6)、チェロ(3)、ヴィオラ(4)、第2ヴァイオリン(6)、左奥にコントラバス(2)、正面奥にホルン(2)、オーボエ(2)、ファゴット(2)というもので、だいぶ縮小した編成となっています。ホルンはナチュラルタイプ。ここで演奏される音楽も、「モーツァルトの作品? そうみたいでもあるし、ちょっと違うようでもあるし…」というものです。めったに聴けない曲を聴いて、ちょいと得した気分(^o^)/

2曲めは、間違いなくモーツァルトの作品で、晩年の傑作の一つ「クラリネット協奏曲」イ長調K.622です。楽器編成は弦楽が 6-6-3-4-2 で、これにナチュラルタイプの Hrn(2)、Fl(2)、Fg(2)が加わります。登場したソリストのダニエル・オッテンザマーさんはウィーン・フィルの首席クラリネット奏者で、黒いジャケットに黒いズボン、でも中は黒いTシャツ? 31歳、スラリとした長身の演奏家です。
演奏は、クラリネットの弱い高音と強い低音を対比させるなど、安定した弱音のコントロールが見事な演奏です。ごく弱い音を効果的に生かす独奏者に寄り添う山響の演奏も、実に立派なものでした。
オッテンザマーさんのアンコール、どこかで聞いたことのあるフレーズが出てきましたが、曲目は不明。

ここで15分の休憩です。

プログラム後半は、シューマンの交響曲第3番「ライン」です。
楽器編成は、8-7-5-5-3 の弦楽セクションに、Fl(2)、Ob(2)、Cl(2)、Fg(2)という木管セクション、そしてHrn(5)、Tp(2)、Tb(3:うち1はBass-Tb)、そしてTimp.というもの。目に付くのはバルブ付きの5本のホルンと、バロックタイプではない、見慣れた現代のティンパニです。
現代楽器によるシューマン、輝かしい交響曲「ライン」。いいなあ、この幸福なシューマン。5本のホルンが、そしてトロンボーンがホールに響き渡るのは、実に壮麗、壮観。晴れやかな活力に、第4楽章の重々しさもいい味です。通勤の音楽でも、飯森+山響のこの曲のCDにひたっておりましたが、実にいい曲、いい演奏ですね〜。

終演後は、山響のヤンネ舘野さんのCDを購入してきました。"Janne Plays Sibelius" というタイトルの、Martti Rautio(Pf) さんとの、ヴァイオリンとピアノの二重奏です。(ZIM-1801)




ところで、今回もモーツァルトではホルンなどでピリオド楽器で演奏しているのに、シューマンの交響曲第3番「ライン」だけはなぜ現代楽器なのか?

この疑問に対する答は、飯森範親指揮山形交響楽団の同曲の録音(CD:OVCX-00067)に添付されたリーフレットに、飯森さん自身が書いていました。シューマンの交響曲が作曲された年代は、1841年に交響曲第1番「春」と後に第4番となるニ短調交響曲、1846年に第2番、最後が1850年の第3番「ライン」という順番のようですが、この期間は、「管楽器の機能が飛躍的に改良され始めた時期と重」なり、第4番、第1番、第2番は「バルブの付いていない金管楽器を想定し作曲されたことがスコアから推測することができ」るが、「3番に関しては既に近代の楽器に近い形になった物を試そうと思ったのではないかと想像できる箇所がある」ために、他の曲ではピリオド楽器の金管とティンパニを用いるけれど、奏法はピリオド奏法を駆使しつつ、「第3番では現在の仕様のそれらの楽器を用いての演奏」としているとのことです。

楽譜上の専門的なことは、当方には見当もつきませんが、曲想にあっているかどうかを考えれば、現代楽器の音色の華やかさ、輝かしさは、この曲にふさわしいものと感じます。


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