電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

キアゲハに夏を感じる

2008年06月30日 20時14分15秒 | 散歩外出ドライブ
ようやくいつもの生活に戻った月曜日、いつもの散歩道で、今年になって初めて、キアゲハを見かけました。キアゲハを見ると、夏だなあと感じます。ツツジの花ももう終わりでしょうに、ぜんまいのような口を伸ばして、蜜を吸っているのでしょうか。かなり近づいても、飛び立とうとしません。コンパクト・デジカメですので、ズーム性能はそれほどよくありませんが、なんとか写っているようです。

今年は曇りの日が多いのにまとまった雨が少なく、6月はむしろ肌寒さを感じるほど低温ぎみでした。稲の成長にはあまり好ましい条件ではありません。県北部では、雨が少ないと冷たい沢水を入れることになり、生育はさらに遅れます。田畑には、むしろ一時間以上降り続くまとまった雨が適当な間隔で数回、それと、カッと照りつける暑さがほしいところです。

先日の東京出張で、奥歯の詰め物が取れてしまいました。近くの歯医者に連絡したら、すぐに直してくれました。ありがたい!それと、歯磨きが上手にできていますとほめられました。ちょいと嬉しい(^_^)/
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ゆっくり音楽を聴きたい

2008年06月29日 20時58分28秒 | クラシック音楽
連日、何やかやと動きまわり、いささか疲労がたまってきております。本日は東京日帰り出張で、くたびれました。各駅では、なんだかものものしい警戒ぶりで、のんびりした田舎暮らしをしている身、ちょいと驚きました。

こんなときは、静かに音楽でも聴いてゆっくりできると良いのですが、あいにく明朝も七時前には出発しなければなりません。聴いてみたい曲のリストだけを掲げて、心の中で音楽を鳴らし、我慢することにいたします。

ドヴォルザーク 「スラブ舞曲集」
ヴィヴァルディ 協奏曲集「ラ・ストラヴァガンツァ」
レハール 喜歌劇「メリー・ウィドウ」
ハイドン 弦楽四重奏曲「ひばり」
シューマン 交響曲第3番「ライン」

今は、このあたりでしょうか。
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ようやく週末に~自宅で聴いている音楽など

2008年06月28日 10時13分50秒 | Weblog
ようやく週末にたどり着きました。先週は、木曜から土日もずっと出張、今週まで休みなしでした。ようやく取れた休日、自宅で遅くまで寝ていて、ようやくほっとしています。

週末に散歩や畑仕事をして写真を撮影し、ブログの記事に添えて来ましたが、季節の写真も底をつきました。本日は、病院に老父を見舞い、特急券の手配など明日の出張の準備と、畑の草取りをしようと思います。そういえば、お嫁に行った娘が、孫を連れて、また遊びに来るそうな。にぎやかになりそうです。

最近の通勤の音楽は、ヴィヴァルディの「ラ・ストラヴァガンツァ」です。2枚組で、なかなか面白いです。自室で現在聴いているのは、藤原真理さんの演奏で、バッハの無伴奏チェロ組曲。ようやくたどりついた快晴の休日にぴったりです。

読書づいている昨今、もうすぐ記事にできそうなのが畠中恵さんの『ねこのばば』。これも、肩のこらない面白いシリーズですね。
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買い物時の呪文

2008年06月27日 06時53分51秒 | Weblog
単身赴任生活をしていると、買い物の機会が多くなります。前回の単身赴任時には、多くのモノを購入してかかえこみ、いざ引越しというときに大変でした。そんな理由で、今回は極力シンプルな生活を心がけていますが、買い物に行けば、つい便利そうな品物に目が行きます。

そんなときの自制の呪文。

欲しいものではなく、必要なものを買え。


日本経済にはあまり貢献しないかもしれませんが、個人の経済にはたいへん有益な標語です(^o^)/

写真は、娘に贈られ、老父がベッドサイドで愛用している簡単フォンです。
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C.W.ニコル『勇魚』下巻を読む

2008年06月26日 19時18分58秒 | 読書
C.W.ニコル著、村上博基訳、『勇魚』下巻をようやく読みました。この巻は、幕末から明治維新を経て西南戦争にいたる激動の時代を描きます。

松平定則は、幕臣ながら薩摩藩とつながり深く、力と才能がありながら、潔癖で時代に流されてしまう人物、という想定なのでしょう。紀州太地の浜では、三郎がおよしと甚助の子を育てながら、兄妹のような生活を続けています。
中国で海賊とわたりあったフォガティ船長の息子ライアンは、横浜で貿易商として地歩を築きつつあり、そこに妹のスーザンがしばらく滞在しています。アメリカから帰国した甚助が、長州浪士の襲撃から二人を救ったことから、スーザンは甚助にくびったけに。しかし甚助のほうは、太地に残してきたおよしと子どもが気がかりで、スーザンの気持ちを受け入れることができません。

乗り組んでいる捕鯨船の一等航海士としての収入のほかに、ラッコの皮やセイウチの牙その他の交易によって豊かになった甚助は、ライアルとフォガティ船長の後押しで立派な蒸気船を入手し、名実ともにジム・スカイ船長となります。薩摩に向かう途中、紀州沖で機関故障を装い、ひそかに太地の村を訪れます。両親や三郎・およし夫婦、鯨船団の長らと面会を果たし、心の整理をつけますが、それは三郎・およし夫婦の、長年の心の壁を取り払うことになります。また、スーザンと甚助がようやく結ばれることにも。

時代の流れに攫われたと言うべきなのか、西南の役での松平定則の最後は悲劇的です。また、鯨が取れなくなってしまった太地の村でも、親子鯨を深追いしすぎて、船団ごと黒潮に流されてしまう悲劇が起こります。三郎が残した絵が形見となってしまうおよしの境遇が哀れです。一方、カナダで過ごす甚助の晩年は、新田次郎の『アラスカ物語』の主人公の、望郷の晩年に似て、異国での人生の黄昏に、共通な感慨を持ちました。

甚助、周助、三郎の三兄弟の、それぞれの運命の中でも、甚助と三郎の対照的なあり方がたいへんに印象的な、日米の視点から捕鯨の村と幕末から明治へと続く歴史の関わりを描く、長編物語です。充実した読後感が、たいへんに良かった。
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岩手で宮沢賢治のことを考える

2008年06月25日 06時49分57秒 | 読書
我が家では、子どもの頃から本を読むことがすすめられておりました。専業農家の収入では、子どもに豊富に本を買い与えることはできなかったと思いますが、祖父の縁で、鈴木弼美(すけよし)氏や前野正氏などが我が家を訪れ、前野正先生からは『西遊記』『勝海舟』などの子供向けの本をお土産にいただいたのが、本にまつわる最も古い記憶です。子どもながらに、面白い本をいただくのはたいへん嬉しく、後に、甥が本好きなのを知った母方の叔父が某出版社に勤めていた関係で、それこそ大量に送ってくれるようになった本を、むさぼるように読みました。

ところが、今思うと不思議ですが、宮沢賢治の童話は一冊も含まれていなかったのです。『銀河鉄道の夜』も『グスコーブドリの伝記』も『風の又三郎』も『セロ弾きのゴーシュ』も『オッペルと象』も、子どもの頃には読んだことがありません。母方の叔父の判断で、子どもにはまだ早いと考えられたのか。もしかして、我が家の環境では、宮沢賢治の作品は注意深く避けられていたのでしょうか?

宮沢賢治が世に出たのは、山形県最上郡鳥越村(現在の新庄市鳥越)の松田甚次郎が、山形市の医者の娘である吉田コトさんの協力を得て、羽田孜元首相のお父さんの経営する羽田書店から出版した、松田甚次郎(編)『宮沢賢治名作選』以後のことです。このあたりの事情は、「宮沢賢治 松田甚次郎」などで Google 検索していただければ(*)わかりますが、宮沢賢治はご存知のとおり早逝します。この松田甚次郎という人も、やはり早逝するのです。

我が家は、松田家と姻戚関係にありましたので、祖父もわが老父も、宮沢賢治を尊敬し私淑する松田甚次郎の日常や早逝、未亡人のその後の暮らしをよく知っておりました。老父が若かった頃、寒中に冷水をかぶる「みそぎ」や、夜を徹して山に登る行などをさせられるのがいやでしょうがなかったそうです。「あれは加藤完治の流儀」(*2)「あんなことをしていれば、いつか早死にするのは当たり前」だとのこと。

その、わが老父の宮沢賢治観は、「美しい花だが、その花には毒がある」というものです。その毒は麻痺性で、ひそかに死へ誘う性質があるようなのです。大人になって、免疫ができてからは、美しさを愛でることもできますが、子どもの頃にはその毒に麻痺してしまうこともあるのかも。

今なら、『グスコーブドリの伝記』は素晴らしい童話だと思いますが、『農民芸術概論』にあるという「世界がぜんたい幸福にならないうちは、個人の幸福はありえない」という言葉を文字通り受け止めたテロリストは気の毒としか言いようがありません。病であれ老衰であれ、個人の死は不可避ですが、若者の死を美化するのは間違いなのではないかと、小学校高学年で「よだかの星」を習った中年は回顧するのです。

(*):たとえばこんな記事です~「宮沢賢治」と「松田甚次郎」

(*2):(追記)誤記がありましたので、訂正しました。松田甚次郎が昭和3年に茨城県で指導を受けた加藤完治の流儀「みそぎ・駆け足・やまとばたらき」を取り入れていたことを指していたのだろうと思います。

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ホテルのバイキング朝食

2008年06月24日 06時51分22秒 | Weblog
近頃利用するホテルの朝食は、たいていバイキング形式で、とりたてて不満もありませんが、驚きもありませんでした。ところが、今回の出張で利用した某ホテルでは、サラダ用のトマトの皮がじょうずに湯剥きしてあり、とても食べやすいのです。ちょいと感動してしまいました。久々に食べたクロワッサンも美味しかったし、スクランブルエッグもふんわりして良かった。バイキング料理で感動するなんて、久しぶりです。コーヒーを飲みながら、BGM で静かに流れていたチャイコフスキーの「くるみ割り人形」に耳を傾けました。
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オーディオに別れを告げた理由

2008年06月23日 06時05分37秒 | クラシック音楽
1960~70年代の初め頃、オーディオが趣味だ、という人がたくさんいました。かくいう私もその一人です。FMステレオ放送やLPの音に魅せられて、自分の部屋で音楽に耳をかたむけることができる環境を作ろうと、アルバイトやお小遣いの範囲内で、様々な工夫をしたものでした。

いろいろ苦労のすえ、入手したアンプは ONKYO の Integra725 で、レコードプレーヤーは PIONEER の PL25E、ヘッドホンが同じパイオニアの SE-L30 で、スピーカは FOSTER(当時) の FE203 を使った自作バックロード・ホーンでした。これで、小規模なコレクションでしたが、クラシック音楽のLPを、本当によく聴きました(*)。

就職し社会人となってからは、Audio Union 等に通い、今も使っている YAMAHA のスピーカ NS-650 を購入するなど、せっせと機器を充実しました。また、郷里にUターンしてからも、カセットデッキ2台にアンプを更新し、思い切って初代のCD/LDコンパチブル・プレーヤーを導入するなど、けっこう熱心に、今から思えばお金もかけていたと思います。

ところが、ある時期から、ぱたっとオーディオ熱がさめてしまいました。たぶん、スピーカー・ケーブルで音が変わる、ケーブルの素材や純度で音が変わる、などの言説がまかりとおるようになって、理系人間にはどうも違和感のほうが強くなってきたからだと思います。もしケーブルの電気抵抗が問題になるのであれば、金属の電気抵抗が温度によって変わるということをどう考えるのか。室温も変化し、機器の内部温度も大きく変化します。ありえない!

おそらく、一般家庭にステレオ装置が一通り普及し、オーディオ機器の売行きが鈍って来たために、もともと狭いオーディオ雑誌業界が整理の時代に入り、オーディオでは多くのライターが食えない時代になったのではないかと想像します。その中の誰かが、飯の種に考え出したのが、スピーカー・ケーブルという「新ジャンル」だったのではないか。

また、オーディオを趣味とするような人達は、HiFiビデオ技術や、当時ようやく興隆期にあったパーソナル・コンピュータに夢中になって行ったのでしょう。CPUも8ビットから16ビットへ進化していきましたし、ソフトウェアもBASIC等の言語で自作する時代から、CP/MやDOS等のOSの上で動作するアプリケーションの時代に変わって行きました。パソコン雑誌が雨後の筍のように登場した時代に追従していくのも大変でした。おそらく、テクニカル・ライターと呼ばれる人達も、かなり分野を移行していったのではないかと思います。当方も、御多分に洩れず、パーソナル・コンピュータにどっぷりと浸るようになりました。ケーブルによる音の違いなどという世界よりも、config.sys に記述した FEP(かな漢字変換フロントエンドプロセッサ)や各種ドライバの役割などを理解する方が面白くなっていったものです。

標題について、いわゆるオーディオに別れを告げたとはいっても、今でもオーディオ機器に関心はありますし、良い条件で聴きたいという気持ちに変わりはありません。ただし、その関心はあくまでも「音楽を聴く楽しみ」のためであり、「音の追求」のためではないのです。

(*):レコード音楽の集め方がどう変わったか~「電網郊外散歩道」より
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ドヴォルザーク「スラブ舞曲第2番」をVnとPfの二重奏で聴く

2008年06月22日 20時24分39秒 | -室内楽
連日の出張で、音楽を聴く時間がなかなか取れません。ちょっとした空き時間をみて、ようやく音楽CDを聴きました。たぶん、規模が大きく演奏時間の長いものは不向きだろうと、持参したのがヨゼフ・スーク(Vn)とアルフレート・ホレチェック(Pf)によるドヴォルザークの「ヴァイオリンとピアノのための作品全集」(DENON COCO-70545/6)。本日は、この中から Disc-2 に収録された「スラブ舞曲第2番ホ短調Op.46-2」等を聴きました。

もともとが四手のためのピアノ作品であるらしいスラブ舞曲は、ジョージ・セルとクリーヴランド管のCDやコシュラー指揮チェコフィルのLDなど、オーケストラの演奏でなじんでおります。ヴァイオリンとピアノの二重奏による録音は、この2枚組CDが初めて。でも、まるで本来ヴァイオリンとピアノのための作品であったかのように自然な編曲、演奏です。

ピアノの打鍵に続くヴァイオリンの重音で始まり、美しいヴァイオリンの音で、あの懐かしい旋律が奏でられると、そこはもう懐かしさいっぱいのスラブ舞曲の世界。よく聴けば、ヴァイオリンの音域上の制約から、特に低音域のところが、本来の旋律とは違っていますが、不思議に違和感を感じません。

■ヨゼフ・スーク(Vn)、ホレチェック(Pf) 4'40"

参考までに、オーケストラによる演奏では、

■ジョージ・セル指揮クリーヴランド管 5'21"
■ズデニェク・コシュラー指揮チェコ・フィル 4'59"

そういえば、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の代表的な録音であるスラブ舞曲集を、まだ取り上げていなかったかもしれません。うかつと言えばうかつな話で(^_^;)>poripori
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Firefox3.0をダウンロードする

2008年06月21日 06時55分00秒 | コンピュータ
単身赴任のアパートで使っている古いパソコンに、Firefox3.0をダウンロードしてみました。なんでも、一日あたりのダウンロード数のギネス記録を作るキャンペーン中だとかで、混雑を心配しましたが、明け方と言う時間帯が良かったのか、意外に短い時間でダウンロードできました。早速Administrator権限でセットアップし、起動してみると、Windows2000という古い環境なのに、むしろ動作の速いことに驚きました。
アプリケーション・ソフトを各コンピュータのローカル・ハードディスクにインストールして使うという古い枠組みではなく、ネットワーク上のアプリケーションをブラウザを通して利用するという時代になっている現在、ブラウザの標準化・スリム化や動作速度の改善は欠かせない、ということなのでしょう。
Firefox3.0は、現時点で最も進んだブラウザなのかもしれません。
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世の中に、寝るよりラクは

2008年06月20日 06時11分16秒 | アホ猫やんちゃ猫
最近、人間界でもずいぶんいろいろなことがあるみたい。うちのご主人の話では、おちおち街も歩けないほどらしいわ。でもね、あたしたちにとっては、もう道路に出るだけで命懸け。あの恐ろしいクルマという怪物が、すごい勢いで走ってくるのよ。まったく、散歩もできやしないわ。やっぱり、寝るよりラクはなかりけり、っていうもんね。あら、その後はなんだったかしら。たしか、浮世のネコは起きて働く、だったわ。あたしって、なんて記憶力がいいのかしら。今夜は、ひさしぶりに「外食」ね。それなのに、うちのご主人ときたら、「アホ猫と天才は紙一重」なんて言うのよ。失礼しちゃうわ!

在岩手。昨日もちょっとした余震がありました。アホ猫とはいえ、顔を見ないと寂しく感じます。図に乗って障子を破りますので、本人(ネコ)にはそんなことは言えませんが(^o^)/
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ジャン・マルク・ルイサダというピアニスト

2008年06月19日 06時31分41秒 | クラシック音楽
年を取ると、保守的になるといわれます。そういえば、若い頃に聴きなじんだ、昔の録音を大事にして、今の時代の演奏家に注意を向けないという面は、たしかにあるように思います。たぶんそれは、老人の保守性というよりは、若い日に織り上げようとして果たせなかったタペストリーに、当時の記憶に基づいて色模様を編みこもうとしているのでしょう。

そんなとき、地元のオーケストラのコンサートで、若くフレッシュな演奏家に接したり、音楽産業のプロモーションに乗ってはいないが実力のあるアーティストの演奏を体験したりするのは、「年寄りの保守性」を吹っ飛ばすよい機会となります。また、思いがけずいただいたCD等で、素晴らしい演奏家を知るきっかけが得られたりすることもあります。

ジャン=マルク・ルイサダ。1958年、チュニジア生まれ、フランス育ち。6歳でピアノを始め、はじめはパリでマルセル・シャンピとドニーズ・リヴィエールに師事、10代半ばからロンドン郊外のユーディ・メニューイン音楽学校で学び、そこではメニューイン、ジェラルド・ムーア、マイケル・ティペット、ナディア・ブーランジェやベンジャミン・ブリテンらとともに勉強します。パリ・コンサルヴァトワールでピアノをドミニク・メルレに、室内楽をジュヌヴィエーヴ・ジョワ=ディティユーに師事し、その両方の課程で一等賞をとったそうです。さらに大学院に進学し、ニキタ・マガロフやパウル・バドゥラ=スコダらに師事したとのこと。その後、ニューヨークやパリでコンサート・ピアニストとして活動を始め、1984年には最初の日本ツアーを行い、1988年にパリのTheatre des Champs-Elysees(シャンゼリゼ劇場でいいのかな?)にデビュー。室内楽も熱心な方のようですね。
(以上、添付のリーフレット等の情報。)

写真のCDは、パリ在住のピアニスト、n.anastasia さん(*2)からいただいた、ジャン=マルク・ルイサダ自筆の署名のある、R.シューマンとグリーグのピアノ協奏曲を収録したグラモフォン盤。演奏家の自筆の署名というところが、当方のミーハー心(*)をくすぐります(^o^)/

いや、ミーハー云々は冗談としても、1993年にロンドンのアビーロード・スタジオで収録されたこの録音、マイケル・ティルソン・トーマス指揮ロンドン交響楽団をバックに、ゆったりと、ピアノを充分に響かせながら、ロマン派の馥郁たる香りをはなつような演奏です。

署名の拡大写真を、とも考えましたが、個人の署名の社会的意味を考えると、それはちと影響が大きすぎるようですので、さりげなく、それらしく。かわりに、当方がよく聴いているシューマンとグリーグのピアノ協奏曲のLP/CDの写真を掲載します。一番右下のCDが今回話題の 439 913-2 という型番のドイツ・グラモフォン製CDです。



R.シューマン、ピアノ協奏曲
■ジャン=マルク・ルイサダ(Pf)、M.T.トーマス指揮ロンドン響
I=16'30" II=5'59" III=11'21" total=33'50"
■フライシャー(Pf)、セル/クリーヴランド管 (録音:1960年)
I=14'47" II=5'32" III=9'58" total=30'17"
■イェネ・ヤンドー(Pf)、アンドラーシュ・リゲティ/ブダペスト交響楽団 (1988)
I=14'01" II+III=16'12" total=30'13"

グリーグ、ピアノ協奏曲
■ジャン=マルク・ルイサダ(Pf)、M.T.トーマス指揮ロンドン響
I=13'58" II=6'40" III=10'50" total=31'28"
■フライシャー(Pf)、セル指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏
I=12'53" II=6'55" III=9'48" total=29'36"
■ヤンドー(Pf)、リゲティ指揮ブダペスト交響楽団の演奏。
I=12'00" II=5'48" III=9'16" total=27'04"

(*):実は、書籍でも著者のサイン本を数冊持っておりまして、訳者の川村二郎さんのサイン入りトーマス・マン『ブッデンブローク家の人々』、荒正人さんのサインが入った『赤毛のレドメイン』、井上ひさしさんの署名入り『東京セブンローズ』などを大切にしております。やっぱりミーハーかも(^o^)/
(*2):アナスタシアのパリ便り
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C.W.ニコル『勇魚』上巻を読む

2008年06月18日 06時44分20秒 | 読書
C.W.ニコル著『勇魚』の上巻を、ようやく読了しました。面白いです!

幕末、紀州の捕鯨の村の刃刺の長男に生まれた甚助は、勇敢でたくましい若者です。マッコウクジラを追っていた時に、米国の捕鯨船のキャッチャー・ボートに遭遇、米国人と接触して、鯨歯細工の櫛をもらいます。しかし、ある日海に落ち、鮫と格闘して左腕を失います。隻腕となった彼を、鯨舟職人の一人娘およしが思いを寄せるのですが、互いの家の事情が二人を妨げます。やがて、およしが子どもを身ごもった頃、甚助は松平定頼の命により、琉球に渡ります。
琉球では、定頼の計らいで、金城を空手の師として鍛錬に励みますが、黒船を観察する日常を疑われ、薩摩藩に密偵と疑われます。捕らえられた甚助は拷問を受けますが、松平の名前は出しません。薩摩に移送する途中で海に落とされますが、それは外国船に拾われるように計らった、救いの策でした。中国に渡った甚助は、海賊と戦ったりしながら、米国に渡ります。残されたおよしと結婚した、甚助の弟の三郎の穏やかさとが、対比的に描かれますが、三郎の絵の才能は鯨舟の装飾では生かせず、絵巻物の絵師として世に出ます。かたくななおよしが、三郎の深い愛情に気づくのが、遅いです(^o^)/

幕末の時代を借りていますが、いわゆる歴史小説ではありません。著者のことは、日本が好きで田舎暮らしをしている、ナチュラリストのヘンな外人、という程度の認識しか持っていませんでした(^o^;)>poripori
村上博基氏の訳が、幕末の時代を反映させた、たいへん格調高い日本語です。初版は、文藝春秋社から1987年に出ていますが、奥付を見ると1990年の第12刷とのこと。物語はまったく古びておりません。
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色物文具とビジネス文具

2008年06月17日 07時12分01秒 | 手帳文具書斎
ステーショナリー・フリーマガジン「BUN2」の18号を入手、楽しく読んでいます。今号は「アートから実用品まで~最新スタンプ情報」と題して、消しゴム版画やスタンプ・アートなどの特集です。

残念ながら、当方は消しゴム版画にもスタンプアートにも興味関心は薄く、それほど心引かれる記事はありませんでしたが、樋口健夫さんの「書きも書いたり」第13回、「夫婦間ギタギタパワーの利用」が面白かった。おそらくこれは、サウジアラビア駐在という特殊事情が可能にした夫婦の固い絆のなせるわざであり、当方のように気ままな国内事情であれば、喧嘩になるのは目に見えているかも(^o^)/

もう一つ、机を新しくした際に感じたことなのですが、引き出しの中にいかに不要なモノをためこんでいたかを、痛感したことでした。そのときに思ったのは、

私たちは、お金を出して購入したつもりになっているが、実はお金を出して自分のスペースや時間を消費しているだけなのかもしれない

ということです。

不要なモノを思い切って整理し、ごく少数の気に入った(必要な)ものを多目的に使うようにすれば、いいのかもしれません。私にとっては、定番のビジネス文具に的を絞って使うことでしょうか。それだけに、Jetstreamのような、使うことが嬉しい、定番を変更するような本質的なインパクトを持つ製品の登場は歓迎です。
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週末の記録~C.W.ニコル『勇魚』(いさな)を読み始める

2008年06月16日 06時22分04秒 | Weblog
単身赴任を始めた頃に持参した本やCDを、次々に読んで(聴いて)おります。先日から、C.W.ニコル『勇魚』(いさな)を読み始めました。吉村昭『アメリカ彦蔵』『海の祭礼』『黒船』などの同時代、寝る前に少しずつ読んでいます。なかなか面白いです。

この週末は、同業者や同級生三組が、家族等とともにプライベートで遊びに来て、サクランボ狩を楽しんでいきました。今年は、老父が体調優れず、働けませんので、剪定も消毒もいっさいできず、単純に収穫するだけになりました。もちろん出荷はできませんので、すきなだけもいで行っていいよ、と言ったら大喜び。みんなでわいわいとたくさんもいでいきました。

さて、今週は後半に岩手に出張の予定。土曜日に発生した岩手・宮城内陸地震の、大きな余震が起こらないことを祈りつつ、覚悟を決めて準備にかかる必要があります。
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