さらに道なりに歩を進めれば、化野念仏寺の門前に至る。
ここ化野は「鳥辺野」「蓮台野」と並ぶ葬送の地で、空海が無縁の仏を葬ったと伝わる場所である。
苔むした境内に無数の石仏を配して、往時の悲惨さに思いを馳せる。
四国遍路道にも無縁仏がまとめて葬られている場所が数か所。
ふと思いだした。
空海の開基であれば真言宗のはずだが、法然が再興したため浄土宗に代わっている。
本尊も空海時の五智如来から、浄土宗の本尊:阿弥陀如来になった。
湛慶作と伝わる御本尊の阿弥陀如来。
石造りの仏舎利塔が異彩を放つ。
これは何を現わすものだろうか?
野ざらしにされていた遺骸を、空海が纏めて埋葬した千体仏。
地蔵盆に行われる「千灯供養」の時は、ローソクの炎と相俟って不気味だが…