中学校時代の同級生と、徳川園に続いて尋ねたのは名古屋城でした。
特に目指した訳ではなかったのですが、名古屋市内循環バス=メーグルに乗ると、名古屋城直近にバス停が設定されていたので、つい寄り道をした感じです。
酷暑の折から、メーグルは大変魅力的に感じました。
名古屋城天守の木造復元計画はどうなっているのでしょう?
数年前には今にも再建される感じでしたが、その後さっぱり進展していません。
名物市長でないと、この種の難問(バリアフリーで築城時の姿に復元)は、解決できないのでしょうかね?
酷暑を避けるため復元された本丸御殿に入りましたが、此処での係員の声掛け(見学時の注意事項を繰り返し伝えられる)にうんざりしました。
曰く、150億円も掛けた豪華な建物なので、壁や柱には絶対に触れないでください。
曰く、カバンや荷物は体の前で、抱えるように持ってください。
曰く、すべて木曽杉で再建されました、貴重な建物です。
等々、そんなに大切なものでお客が信用できないのなら、いっそ非公開にすれば良いでしょう。
更に自慢の畳廊下が見学通路になっているのですが、こちらも畳が擦り切れるのが困るのでしょう。本来の畳の上に樹脂製のヨレヨレのゴザが敷かれているのですが、これが途方もなく見っとも無いものであきれました。
折角の豪華絢爛本丸御殿の価値を、限りなく落としていました。
そんな訳でオイラは、ずっと上ばかり見て歩いていました。「名古屋城本丸御殿見学は 上を向いて歩こう その1」 豪華な2種類の釘隠しに、見とれていたことにしましょう。
これも釘隠しの一種でしょうか?
豪華絢爛な飾り金具が言い得て妙かな、確かにお金が掛かっているですね。
「名古屋城本丸御殿見学は 上を向いて歩こう その2」 欄間の位置にこのような飾り建具が嵌めてありました。
透かし欄間とは違いますが、なんというものでしょう?
「名古屋城本丸御殿見学は 上を向いて歩こう その3」 接見の間の折り上げ格天井は、二段構えで織り上げています。
長押には豪華な飾り金具がふんだんに使われています。
そして本丸御殿側から、名古屋城天守を見上げたところです。
早く、天守も木造の本角的な復元が臨まれます。
国重文である高知城本丸御殿や掛川城の二の丸御殿、世界遺産二条城本丸御殿や復元された佐賀城本丸御殿など、いずれの場所でも難しい注文を付けずに、気持ちよく見学させてくれます。
しかし、此処名古屋城本丸御殿のお客様接遇は、注意喚起のオンパレードで最低でした。
折角大枚をはたいて本格復元された本丸御殿、もっと大らかな気持ちを持って、楽しく見学させて戴けたら、名古屋の印象が格段に上がるのに、とても残念でした
気を取り直して、名古屋城二之丸庭園に向かいます。
名古屋城二之丸庭園の作庭者は、勇猛な武将であり、茶人でもある「上田宗箇」の手になるお庭です。
上田宗箇はそのほか、広島縮景園、徳島城表御殿庭、和歌山県の粉河寺庭園など、巨石を巧みに配した庭造りがが特徴です。
荒々しい自然石を巧みに配して流れを表現しています。
上田宗箇の手になる特徴が、よく現わされています。
激流が流れ降った先には、石組で島を配していますが、これはおそらく亀島でしょう。
残念なことに島の手前側に、セメントを利用して修繕した跡がむき出しになっています。
更に、鶴島と思われる脇には、無造作にキャンバスシートが架けられ放置されています。
ここでも貴重な文化財を粗末にする(お客様をないがしろにする)、この市の姿勢が現れているような気がしてなりません。
セメントを使用したと思われる、島の補修部分も何か所も残されていました。
更に帰り際に見えたお堀では、水が抜かれた状態で雑草が生い茂り、一部にはブルーシートが無残な姿で放置されています。
名古屋市の文化財を粗末にする体質には本当にがっかりしました。
何とかなりませんか?