季節の移ろい・・・涼風が待ちどうしい・・・秋は何時訪れるのでしょう?
季節の名前を冠した花の代表は「彼岸花」かと思いますが、それとは別に少し変わった花をご紹介します。
その花は広島県北部にある、とある山間集落の、とあるお宅の墓に咲いておりました。
花というよりは、実と言った方が良いような形をしています。
薄紫の儚げな花と競うように咲き誇っているのは、オミナエシでしょうか?
ヒゴタイという名の花らしいのですが、当地では「盆花=ボニバナ(少しなまって発音される)」と呼ばれています。
幹の先端に一輪、儚げな風情がなんとも言えない、哀調を奏でているようです。
自生しており、律儀に盂蘭盆会に決まって開花し、毎年先祖供養をしてくれる健気な奴です。
彼岸花とは打って変わって、しめやかに、ひそやかに、深みのある花弁が荘厳さを醸し出していました。
よそ様のお墓の前ですが、日頃先祖供養など彼方に置き去っている不届き物が、ふっと我に返って手を合わせたくなるような気分にさせてくれました。