向かう階段道の先に、今まさに朝日が昇らんとす。と云うことは、日の出前から胸突き八丁の峠道に取り付く日もあると云うことなのです。
早出早着が歩き遍路の鉄則、空気の清浄な早朝から歩き始めて、早めの宿入りが理想のパターン。
四国遍路道を代表するスポット。あらゆる紹介記事や雑誌の表紙などを飾る、12番焼山寺を目指す癒しの道。“へんろころがし”の難所に差し掛かったばかり…標高差1000メートルを越す峠の道は延々と続き、歩き遍路を桃源郷へいざないます。
3月中旬でも山深い四国の道は、しばし雪に見舞われます。胸が遣えんばかりの登り坂に、滑りやすい雪が重なって…札所を目指す参詣者の荒い息遣いが聞こえてくるようです。